冬月コウゾウを徹底考察!ゲンドウとの関係や「シン・エヴァ」でのネルフ指揮官の最期とは?
冬月コウゾウはNERV指揮官の碇ゲンドウの補佐官として、また人類保管計画に携わる重要人物として知られています。しかし、そんな彼の細かいキャラクター性までしっかり把握している人はなかなかいないでしょう。 今回はそんな冬月の人となりについてじっくり掘り下げて解説します。エヴァンゲリオンファンはもちろん、そうでない人にも冬月の渋い魅力を知って頂きたいところです。 この記事は2022年12月現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。
冬月コウゾウのプロフィールを紹介!モチーフは声優本人?
#エヴァ25周年キャストコメント????#エヴァ25周年
— エヴァンゲリオン公式 (@evangelion_co) October 3, 2020
冬月コウゾウ 役:清川元夢 さん pic.twitter.com/9XEPg6CrR5
生年月日 | 1955年4月9日 |
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年齢 | 60歳 |
身長 | 不明 |
所属 | 特務機関NERV |
階級 | 副司令 |
血液型 | AB型 |
声優 | 清川元夢 |
趣味 | 将棋 |
彼は碇ゲンドウの補佐官を務めている60歳の男性であり、白髪のオールバックと渋い容姿・性格が特徴的です。その理由は声優の清川元夢本人のキャラクターが反映されているからであり、清川さん本人に近いと思って良いでしょう。 趣味が将棋であるところも渋いと思わせるポイントでしょう。碇ゲンドウからはとても信頼されている腹心の部下でもあり、碇ユイとの関係性を直で知る数少ない1人です。そのため、ゲンドウの行動目的の本質まで的確に看破していました。 新劇場版では「シン・エヴァ」まで登場し続けており、本作の世界観やストーリーを影で支えた重要人物です。今回はそんな彼の経歴からゲンドウの側で働くようになった理由、そして最期までを解説します。
冬月コウゾウの経歴を振り返る!京大教授時代のユイとの関係は?
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冬月コウゾウの経歴を語る上で外せないのが碇ゲンドウとユイとの三角関係です。彼はかつて京都大学で教授を務めており、碇ゲンドウと碇ユイはその教え子でした。冬月はユイに好意を抱くのですが、教師と教え子ということもあり思いを伝えていません。 その後セカンドインパクトで教授から医者に転職し、南極で碇ゲンドウと再会します。ここで冬月はなんとゲンドウがユイと結婚したという衝撃の事実を知らされました。ユイに好意を抱いていた冬月からすればたまったものではなかったでしょう。 かつての教え子に自分が好きだった人を取られてしまったのですから、嫉妬や反感、後悔が少なからずあったと推測できます。思えばこの時点で冬月、ゲンドウ、ユイの3人が辿る運命は決まっていたのかもしれません。
冬月が碇ゲンドウに仕えるようになった理由を考察
碇ゲンドウに複雑な思いを抱えた冬月コウゾウがなぜ彼のもとで仕えるようになったのでしょうか?その理由については明示されていませんが、もしかするとエヴァンゲリオンの建造でユイと再会したことがきっかけだったのかもしれません。 碇ゲンドウはそんな冬月の内心を知って利用したのでしょう。一方の冬月もユイを失って暴走するゲンドウを常に傍で監視しておきたかったと考察されます。
冬月は危機の中でもゲンドウを支え人類補完計画を追いかけた
そんな冬月コウゾウですが、劇中の活躍はほとんど同じ扱いであり、碇ゲンドウの優秀な補佐官として支え続けます。人類補完計画の真相を知っており、またゲンドウが不在の時には組織をしっかり指揮してまとめ上げていました。 拉致されたところを加持リョウジに救出されるなど、危機に遭いながらもNERVを支え続けたのです。性格は一貫して冷淡であり、ユイ絡み以外で個人的感情を見せることはほとんどありません。ユイの忘れ形見であるレイに対しても執着はないのです。 その態度はシンジやアスカに対しても一貫しており、第七使徒との戦いではシンジ達を厳しく叱責していました。シンジのことも「碇の息子」としか言わず、常に距離を置いています。他者と距離を置くことで理性を保っていたのではないでしょうか。 優しさを厳しさという鎧で覆っている人であることが劇中の活躍から伺えます。
人類補完計画に尽くし続けた冬月コウゾウの最期は?
漫画版・アニメ版・旧劇場版では碇ユイと補完され遂げる
そんな冬月の最期ですが、漫画版・アニメ版・旧劇場版ではほとんど同じです。人類補完計画を発動し、無事に好意の対象だったユイと補完されて遂げるという最期を迎えています。漫画版では彼の恐ろしい本性が明らかになるのです。 漫画ではユイがエヴァ初号機の魂となった真意を知りながら、敢えてゲンドウが苦しむ姿を傍で見て楽しんでいました。そのくせゲンドウが用意した甘い汁だけは吸おうというのですから、本性はとても危険といっても過言ではないでしょう。 「碇、お前もユイ君に逢えたのか」という言葉通り、旧作における冬月は結局ゲンドウの腰巾着だったのです。その思考回路が「ユイが好き」という大筋で合致した結果、一緒にいるようになったのではないでしょうか。 2人とも「正義の味方の皮を被った外道」だったのかもしれません。
【ネタバレ】『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ではユイに再会できずL.C.Lに
しかし最新作の「シン・エヴァ」だけは最期が旧作版と完全に異なりました。ゲンドウと同じようにユイとの再会を果たすことができず、L.C.Lになる形で幕を閉じたのです。この結末は旧作から大きく変化した部分ではないでしょうか。 大人のエゴが優先されてしまった旧作に対して、新作では大人のエゴに一貫して厳しくあり続けました。1番いい線に行った碇ゲンドウですら、その心の脆弱さゆえにシンジの心の中にいる碇ユイとの再会は実現できなかったのです。 冬月はここまで弱さを露呈していないものの、本質的には碇ゲンドウと同じ脆い人物でした。もし最後まで生き残っていたら、その脆弱さが表面化する可能性があります。それを悟られないで済んだのは幸運かもしれません。 その才能をもっと器用に活かせば、結末は違っていたのではないでしょうか。
冬月コウゾウは渋さの中にも情が溢れる重要なプレイヤー!
冬月コウゾウは長所と短所が両極端な人物です。物語の軸であるネルフや人類補完計画を補佐官として支える重要な存在という優秀な司令官でした。しかし、人間性という点では碇ゲンドウと同じくらい欲望に塗れた人物でもあります。 本質まで探っていくと、冬月コウゾウとは冷淡に見えて実は情に溢れる重要なプレイヤーではないでしょうか。副官としてのスペックの高さに反比例する人間性の脆さという両極が彼の魅力であり、シリーズで最も人間臭いキャラといえます。 ゲンドウとユイ、そしてコウゾウの3人の視点で見ると、また違った「エヴァ」の面白さが見えてくるでしょう。