2021年6月9日更新

『サマーウォーズ』栄おばあちゃんの死因や名言は?侘助との関係や声優情報も

細田守『サマーウォーズ』
© FUNimation Entertainment/Zeta Image

細田守監督初のオリジナル長編​作品で、代表作として知られるアニメ映画『サマーウォーズ』。本作のストーリーを語る上で、栄おばあちゃんこと陣内栄の死は避けては通れません。今回は彼女の死因や名言を深掘りしつつ、侘助との関係などに迫っていきます!

目次

『サマーウォーズ』栄おばあちゃんの遺言や名言を深掘り【ネタバレ注意】

細田守監督の代表作であり、夏の代名詞的存在でもある映画『サマーウォーズ』。主人公の健二はあこがれの先輩・夏希の偽彼氏として、実家に招かれることになります。 そこには夏希の曾祖母・陣内栄の誕生日を祝うため、長野県上田市へ帰郷した親族たちが集まっていました。栄は陣内家の16代目当主で、1920年(大正9年)8月1日生まれの89歳。AI「ラブマシーン」との戦いにて、陣内家(健二含む)を団結させたキーパーソンです。 この記事では、そんな“栄おばあちゃん”の死因や名言、侘助との複雑な関係などを深掘りしてみました!

陣内家の長として欠かせない栄おばあちゃん

『サマーウォーズ』陣内家家系図
©︎ciatr All Rights Reserved

戦国時代は真田家に仕え、当主から曾孫の代まで4世代にわたる「陣内家」。一族の長・栄は元教師で、友人や元教え子には政治家、官僚などの実力者がいます。政財界に幅広い人脈があり、彼女の鶴の一声で国を動かすこともできるとか! 仮想世界「OZ」がラブマシーンに乗っ取られた際、関係各所の知り合いを電話で励まし、混乱の沈静化に大きく貢献しています。 混乱の発端となった侘助に対しては、薙刀を突きつけながら「身内の不始末は身内で片付けるよ!」と叱咤するなど、時に厳しい一面も見せました。

栄おばあちゃんの死因はOZの停止と関係していた?

映画『サマーウォーズ 』
(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

栄はOZの混乱が収束した翌日、7月31日の早朝に誕生日を待たず亡くなります。健二に花札(こいこい)勝負を持ちかけ、「夏希を頼む」と頼んだのが生前最後の姿でした。 その死因とされているのは、持病の「狭心症」による心肺停止。三男の万作は内科医として働いているため、栄の体調管理を任されていました。心肺に異常がみられた際は、彼の携帯のアラームが鳴るように設定されていたのです。 しかしOZの機能が停止していた影響を受け、万作は栄の異変を把握できませんでした。適切な治療を受けられていたら、彼女は助かっていたかもしれません。 劇中のターニングポイントとなる“栄の死”ですが、本来は死ぬ予定ではなかったそうです。

細田守監督は「おばあちゃんの死」を描くつもりではなかった?

『サマーウォーズ』は、細田守作品で初めて「人の死」が描かれた映画として有名です。 東映アニメーションに在籍した影響か、細田監督は「(子どもが観る作品で)人の死を描かない」というポリシーがあり、本作は苦悩の末に生まれました。製作当時、監督自身の祖母の健康状態が思わしくなかったのも、栄を死なせたくない、と考える一因だったとか……。 それまでの経験上、“製作中の作品と現実がリンクする”ジンクスを信じており、栄と祖母がリンクしてしまうかも?と恐れたそうです。 しかし監督として、陣内家の団結という観点から栄の死には必然性があると判断し、泣く泣く設定を変更しました。一般的に89歳は大往生ですし、死後に授乳など生命の循環を暗示するようなシーンがあることからも、彼の死生観が読み取れるでしょう。 本作は2009年8月に公開されましたが、その直前の7月に母が、半年後には祖母が亡くなり、不本意な形で監督のジンクスが証明されました。

家族に残した遺言や生前の名言が心に残る

ラブマシーンによる混乱下での叱咤激励

栄はOZの混乱による被害を最小限にすべく、知り合いの実力者に片っ端から電話をかけ「まあ、まずは落ち着きなさい」と語りかけました。 相手は栄から「あんたなら出来る」と言われることで奮起しており、カリスマ性の高さに驚かされます。 「諦めないことが肝心だよ」などと言うだけは簡単ですが、数百年続く陣内家の当主で、大家族を率いる栄だから重みが違いますね。 特に全ての電話が終わった後の「大事なのは、昔のように人と人とが声を掛け合って、コミュニケーションを取ること」という台詞は、彼女のキャラクター像が凝縮されていると言えるでしょう。 栄は他者に言及した名言が多く、背中を押してくれたり、元気をくれたりするものばかりです!

「1番いけないのは、お腹がすいていることと、1人でいることだから。」

栄の葬儀は誕生日当日に行われ、遺品を整理していた夏希が遺言状を見つけました。 その手紙の終盤では「家族同士、手を離さぬように。人生に負けないように。」と諭し、“いつも家族そろってご飯を食べること”と強調。その後に「1番いけないのは、お腹がすいていることと、1人でいることだから」と付け加え、「たいへん幸せでした」と締めくくりました。 侘助が帰国する前に書かれた内容ですが、高齢になり持病もあることから死期を悟っていたのかもしれない、と思うと切ないものがありますね。財産は残せない(前当主が食いつぶした)代わりに、たくさんの絆を遺した彼女らしい言葉の数々に、とても感動する遺言状でした。

おばあちゃんと侘助の意外な関係は?

陣内侘助は栄の夫で前当主の陣内徳衛(故人)と、妾との間に生まれた不義の子です。 しかし栄は彼を自分の養子として迎え、本当の息子のようにして育ててきました。生い立ちが原因で夏希を除く親戚との折り合いは悪いものの、栄のことは慕っている侘助。彼の携帯のパスワードは、栄の誕生日「0108」(海外表記)だと判明しています。 侘助は10年間も音信不通だった上に、ラブマシーンの暴走に悪びれる様子もなかったため、半ば喧嘩別れのような形になった2人。しかし、AIの開発と売却の目的のひとつは栄への親孝行だったようで、おそらく「ばあちゃんに恩返しが出来る」という台詞自体は本心です。 栄の遺言状には「侘助が帰ってきたら、畑の野菜を思いっきり食べさせて」と書かれており、いつも互いを想っていたことが伺えますね。

『サマーウォーズ』で陣内栄を演じた声優は富司純子

陣内家の大黒柱だった栄の声優を務めたのは、日本を代表する名女優・ 富司純子です。 若手時代は東映のスターとして活躍し、「緋牡丹博徒」シリーズなどの任侠映画で活躍。朝ドラ『てっぱん』(2010年)でも、ヒロインのおばあちゃん役で人気を博しました。声優は本作が初挑戦でしたが、『海獣の子供』(2019年)でも再び声優を務めています。

『サマーウォーズ』栄おばあちゃんの活躍にもう1度目を向けよう

今回は『サマーウォーズ』に欠かせないキーパーソン、陣内栄の活躍に迫ってみました。 作品テーマである人との繋がり、家族の大切さの象徴となった栄おばあちゃん。ある意味ではデジタルに傾倒した社会が死因とも言え、様々なことを考えさせられます。いざという時に頼れるのはお金でも名誉でもなく、過去に築いた“人との絆”なのです。 人間関係の希薄化やデジタル化が進む現代人こそ、彼女に学ぶものがあるかもしれません。

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