カズマこと池沢佳主馬、『サマーウォーズ』のもう一人の主人公【キングカズマの操り手】

『サマーウォーズ』は2009年に公開された細田守監督のアニメーション映画です。インターネットの仮想空間「OZ」でハッキングAI・ラブマシーンが暴走して世界が危機に陥ります。それに主人公の健二とヒロインの夏希、そしてその家族らが力を合わせて立ち向かうという物語です。 カズマこと池沢佳主馬は相棒のウサギ型アバター「キングカズマ」を操り、健二達と共にラブマシーンと戦う非常に重要な役割を果たしており、まさにもう一人の主人公と言えます。 カズマはその中性的な見た目や強がりながらもどこか幼さを感じさせる言動から愛らしさを感じさせます。そのため「かわいい！」と評されることが多くとても人気が高いキャラです。そんなカズマの魅力を存分にお伝えしていきます。

カズマは中性的な顔立ちに華奢な身体や可愛らしい声をしている他、ウサギ型のアバターを使っていることなどから「僕っ子」だと勘違いする人が多いようです。 カズマが女だと間違われやすい大きな要因の一つに声があると思われます。カズマの声を担当している声優は女優である谷村美月。 アニメで女性が少年の声を担当しているのは珍しくありませんが、カズマの声はそのまま女性が喋っているようにも聞こえます。理由は後述しますが中性的な見た目に女っぽい声をしていたら女と間違われてもしょうがないですね。しかしそんな独特な雰囲気こそカズマの人気の一つであるのは間違いないでしょう。

電脳世界OZではプレイヤーが自分の分身となるアバターを使い行動しますが、カズマはウサギ型のアバター・キングカズマを使用しています。正式名称は本人と同じカズマですが、多くの企業とも契約を結んでいる格闘技のチャンピオンで、そのあまりの強さからプレイヤー達からはキングと呼ばれています。 OZ内では抜群の知名度を誇り登場しただけで大騒ぎになるほどです。ウサギといえば言うまでもなくかわいい動物ですが、その概念を覆す程のかっこいいビジュアルと華麗なアクションで「世界一かっこいいウサギ」と評されることも。 物語では大量のアバターを吸い込んだラブマシーンに決闘を申し込むも敗北。その後強化され再戦した際は互角に戦いながら城に上手く誘導して閉じ込めることに成功。最後は詫助の手で無力化されたラブマシーンを自慢の拳で完全消滅させました。

『サマーウォーズ』には映画の小説版に加えてカズマが主人公のスピンオフ版があり、それが『サマーウォーズ キング・カズマvsクイーンオブ』です。本編の夏休みより三か月前のGWが舞台となっており主人公カズマとオリジナルキャラクターのヒロインマキが物語を進めます。 GWの初日、外に出ても暇だからとネットカフェでOZに潜ったカズマはそこでちょっとドジなアバター「マキ」に出会います。それを操っている本人の真紀は何とすぐ隣の個室にいました。その真紀はOZに重大な被害をもたらすデータを行方不明の兄から預かっており、それを狙う男たちから狙われていたのです。 真紀とOZを守るため奮闘するカズマですが元気で行動的な真紀に終始振りまわされる、という話です。本編とはまた違うカズマの姿が見れるのでファンの方は必見です。

『サマーウォーズ』では色んな名言が生まれています。栄お婆ちゃんの多くの名言は勿論、健二の最後の「よろしくお願いしまぁぁぁす！」も色んな感情が込められた名言と言えるでしょう。ここではカズマの名言も幾つか紹介したいと思います。

「またゲームやってるのか」と言われてムッとするありがちな感情を代弁したようなセリフです。カズマが遊びではなく真剣に戦った結果キングカズマが格闘チャンピオンになったことが分かります。

中学生にして礼儀作法を指摘する大人っぷり。確かに緊急で焦ってたとはいえ健二の頼み方は人のパソコンを借りる態度ではありませんでしたね。

詫助の手で防御力が0になったラブマシーンをキングカズマが一撃で消滅させる時のセリフ。健二を手助けするため、世界を助けるために渾身の一撃を込める色んな意味でスカッとするシーンです。

『サマーウォーズ』でカズマの声を担当しているのは女優・谷村美月。前述したとおりアニメで女性の声優さんが少年の声を担当するのは珍しい事ではありません。しかし、カズマの声はあまり少年としての声を作っていない様に聞こえます。何故でしょうか？ 映画のパンフレット情報によると谷村さんは初めて少年の声を担当すると言う事でどう演じればいいのか悩んでいました。そこで細田守監督に相談したところ「そのままの声でいい」と言われたそうです。その結果、変に声を作らずそのままの声でカズマの声を入れた結果少年が女性の声でしゃべっている様に聞こえるようになったのです。 谷村さんは細田守監督の前作『時をかける少女』にも藤谷果穂役で出演しており、彼女の声質とカズマというキャラを考えてそうアドバイスしたのでしょう。その結果カズマの魅力の一つになったとも言えます。