Netflixドラマ『未成年裁判』のあらすじ・キャストを紹介！事件のモチーフになった実話も解説

Netflixで配信され世界中で注目されている韓国ドラマ『未成年裁判』。韓国で問題となっている「少年犯罪」をテーマとしており、重罪を犯した少年でも少年法や刑事未成年者制度で守られてしまう現状を描いています。 殺人や売春など衝撃的なエピソードが含まれていますが、物語を製作したのは新人脚本家のキム・ミンソクです。 今回は『未成年裁判』のあらすじ・キャスト・エピソードの基となった事件を紹介。さらにシーズン2についての噂も推察しています。

少年犯罪事件を取り扱う「ヨンファ地方裁判所少年合議部」に赴任してきた判事シム・ウンソク。「私は非行少年を嫌悪しています」と話すウンソクは正義と信念を貫き、少年が相手であっても一切妥協しません。 そんなある日、13歳の少年が9歳の少年を殺害し遺体をバラバラにする事件が発生。ウンソクはバラバラ殺害事件を担当することになりますが、左陪席・テジュと共に事件を整理する中で不可解な点を見つけます。そして開廷した裁判で、13歳の少年が語った真相とは……。 ヨンファ地方裁判所には売春や窃盗、恐喝など様々な少年犯罪の事件が舞い込んできます。反省しない非行少年、悲しみに暮れる被害者やその家族。法廷で語られる事件の真相は、毎回驚かされるほど衝撃的です。

キム・ウンソクはヨンファ地方裁判所少年合議部に赴任してきた判事です。冷静沈着で仕事熱心な性格のウンソクは、非行少年を嫌悪しており「少年犯は更生しない」と発言。 過去に心に大きな傷を負ったらしく、物語が進んでいくごとにウンソクの若かりし頃と何故非行少年を嫌悪しているのかが明らかになっていきます。 他の作品では弁護士役やキャリアウーマン役など、「仕事をする女性」役を多く演じたキム・ヘス。『未成年裁判』では全く笑顔を見せていませんが、Instagramやオフショットでは素敵な笑顔の写真が投稿されています。 クールで可愛らしいキム・ヘスですが、なんと年齢は51歳(2022年3月現在)。美しいスタイルを保っていることから、女性のファンも多いです。

ウンソクと共にヨンファ地方裁判所少年合議部で仕事をしている左陪席の判事チャ・テジュ。自身が担当した非行少年を出所後も支えるなど、優しく気遣いができる人物です。 ウンソクとは正反対ともいえる性格ですが、仕事に対する熱意は負けておらず、右陪席であるウンソクから多くのことを学んでいくテジュ。しかし事件の真相を知るために時折先走ったり、理解不能なこだわりを持っています。どうやらテジュも心に大きな傷を負っているらしく……。 そんなチャ・テジュを演じたキム・ムヨルは、身長が183cmある圧倒的なスタイルの良さの持ち主です。キム・ヘスの身長も170cmと高身長なので、2人が並ぶととても格好良く見えます。 ちなみにキム・ムヨルの奥さんは『太陽を抱く月』のソル役でおなじみのユン・スンア。彼女のSNSには夫婦揃ってのツーショットがたくさんあり、芸能界きってのおしどり夫婦としても有名です。

カン・ウォンジュンはヨンファ地方裁判所の部長判事です。世間の目を特に気にしているため、担当している事件を自ら「解決」しようとするウンソクとは頻繁に衝突しています。 しかし根は真面目で、ヨンファ地方裁判所の従業員からは圧倒的な支持を得ていますが、赴任したての頃のウンソクはウォンジュンのことを信頼していませんでした。そして共に仕事をしていくうちに、ウォンジュンの家族や将来のことに関して明らかになっていきます。 カン・ウォンジュンを演じたイ・ソンミンは、約34年間演技の仕事に携わっているのでウンソクと言い争うシーンは大迫力です。

ナ・グニは物語後半から登場するヨンファ地方裁判所の部長判事です。「部下をこき使う判事」と噂されており、共に仕事をしているウンソクやテジュとは度々言い争いをしています。 カン・ウォンジュン部長とは違った威圧感があり、冷静沈着で自分の意見に自信を持っているため、ウンソクですら怖気づいてしまうことも……。しかし本当は心優しい性格をしており、言い争った後にも関わらず、怪我をしたウンソクをグニは優しく手当してあげます。 ナ・グニを演じたイ・ジョンウンは、日本の映画『焼肉ドラゴン』(2018年)にて真木よう子や大泉洋らと共演。「パラサイト」では家政婦役として出演しており、物語後半の怪演は見た人に強烈な印象を残しました。

ジュ・ヨンシル(画像左)はヨンファ地方裁判所少年合議部の参与官です。頼れるお姉さんのような人柄で、ウンソクやテジュを始めとした多くの従業員から信頼されています。 ジュ・ヨンシルを演じたイ・サンヒは、世界中で話題になったNetflix作品『今、私たちの学校は…』で生徒をゾンビから必死に守る教師役を演じました。

ソ・ボムはヨンファ地方裁判所少年合議部に所属する事務官です。仕事上ヨンシルと共に行動することが多く、ヨンシルに頻繁に注意されているボム。しかし仕事に関してはヨンシルと同じく、ウンソクやテジュから絶大な信頼を得ています。 ソ・ボムを演じたシン・ジェヒは、テジュ役のムヨルよりも身長が高い185cmです。作中でもスタイルの良さは健在で、気弱な性格ながらもどこか頼りたくなるボムを上手く演じています。

物語中盤から登場する検事のナムグン・イファン。仕事帰りのウンソクの前に突然現れウンソクを心配するような言葉をかけますが、正体は不明です。しかし過去にウンソクといざこざがあったらしく、物語が進んでいくごとに2人の関係が明らかになっていきます。 ナムグン・イファンを演じたキム・ジュホンは、自身のInstagramにて積極的に撮影のオフショットを公開。180cmという高身長のジュホンは、男性からの人気も相当高いです。

オム・ジュンギは部長判事のウォンジュンを国会へ参入させようと試みる国会議員です。策略家で頭の回転が早いウォンジュンをも驚かす作戦で、ウォンジュンを国会議員にさせようとします。 オム・ジュンギを演じたユ・ジェミョンは、『梨泰院クラス』にて主人公と敵対する大企業・長家の会長役を務めました。

オ・ソンジャは非行少年の更生を目的とした施設「プルム回復センター」のセンター長です。施設にいる7人の非行少年をまとめ上げ、更生させようとする心優しいソンジャ。しかし物語が進んでいくごとに、センターに隠された秘密が明らかになっていきます。 オ・ソンジャを演じたヨム・ヘランは、『悪霊狩猟団：カウンターズ』(2020年)などでも優しい母親の役で出演。一方で『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016年)では意地の悪い悪役を演じているので、幅広い演技にも注目です。

ペク・ソンウは第1話から登場する、8歳の少年を殺害した後警察に自首した少年犯です。自首をしたときには手が血塗れになっており、凶器と思われる斧を隠し持っていました。 裁判では反省した様子を見せるソンウですが、事件を担当していたウンソクによって衝撃の事実が明かされます。 狂気に満ちた13歳のペク・ソンウを演じたイ・ヨンは、なんと27歳の女優です。ウンソクに真実が知られそうになった際には、サスペンスフルな演技を披露し見た人に強烈なインパクトを残しています。

ソ・ユリは窃盗の常習犯で、出所後は美容院で仕事をしている少女です。奇抜な見た目をしていますが、入院中の祖父の見舞いに頻繁に訪れている心優しいユリ。しかし複雑な家庭環境で心に深い傷を負ってしまいます。 ソ・ユリ役を演じたシム・ダルギは、演劇をしていた両親の影響で7歳のときから演技に触れていました。約13年間培ってきた演技力は、心が段々と崩れていくユリの心理状況を上手く表現しています。

ドソクは第7話で登場する未成年者無免許交通事故事件のドライバーです。元非行少年で、出所後は改心してテコンドーを習い、警備員になるという夢を叶えようとしていました。 ドソクを演じたソン・ドクホは、『模範タクシー』(2021年)にも出演しており悪徳社長の義弟役を演じています。

少年犯罪の現実を描いた『未成年裁判』は、3話と4話に登場する事件以外は全て実際に起こった事件を基に制作されています。心が痛くなったり思わず目をそむけたくなる事件が多いですが、実在した事件がモチーフになっていることに関しては驚きですよね。 ここからはドラマ内に登場する事件のモチーフとなった実際の事件について、事件の概要や判決の内容、犯人のその後を紹介していきます。

2017年に韓国で起きたバラバラ殺人事件です。高校を中退した17歳の少女が小学校2年生の女児を誘拐。その後殺害し遺体をバラバラにした猟奇的殺人事件となっています。 実行犯A以外に共犯者Bがおり、事件発生の約2か月前から2人はSNSでやり取りを開始。事件当日にはAがBに犯行予告を行い、Bも「遺体の一部が欲しい」と返信していたことから、計画的犯行であったことが明らかになりました。 その後逮捕されたAは裁判にて、「Bに指示されてやった」などと供述。反省している様子がなかったことも含め、控訴審にてAは懲役20年、Bは懲役13年を宣告されました。

2018年にソウルの名門・淑明女子高校で起きた試験問題流出事件です。当時淑明女子高校の教務部長として在籍していたAは、2年生の双子の娘に試験に出題される予定だった問題とその解答を教えました。 事件は学年内で中位圏だった双子の成績が突如上がったことによって発覚。Aに容疑がかかっていましたが犯行を否認しており、逃走や証拠隠滅の可能性があるため身柄を拘束されました。 その後調査の結果、携帯電話や問題と解答を記したメモを発見。双子の姉妹は転校し、Aは懲役3年6ヶ月、1審有罪判決が下されました。また淑明女子高校試験問題流出事件以降、教師の親とその子供が同じ学校に通えなくする制度が作られます。

2020年に韓国で起きた未成年衝突事故によって、1人が死亡した事件です。当時中学生だった男女8人がソウルで車を盗み、無免許で運転していました。 警察による必死の追跡によって、拘束の一歩手前までたどり着きますが逃走する途中にオートバイと衝突。オートバイに乗っていた大学生が死亡してしまいます。 加害者たちは当時13歳で未成年だったため、少年法が適用され厳しい処罰が下されませんでした。男女8人はそれぞれ少年院へ送還され、長期保護観察処分を受けます。この事件によって、少年法の処罰強化や改定を求める声が韓国中で上がりました。

京畿道龍仁市アパートレンガ投下事件は、2015年に起きた死亡事故です。アパートの屋上から数名の小学生が意図的にレンガを落とし、下にいた女性の頭に直撃し死亡、1人が頭蓋骨陥没の重傷を負いました。 加害者は当時9歳だった実行犯Aと、Aの共犯である11歳のB、8歳のCの3人。少年たちは「重力の実験をしたかった」と供述しており、「親が介入して証言したのではないか」などの憶測がありました。 計画的かどうかは不明でしたが、10歳以下で実行犯のAは不起訴処分。そしてBは過失致死傷の疑いで裁判所の少年部へ送致されました。

当時14歳のAと15歳のBが、同じ中学校に通う14歳の女子生徒Cに性的暴行を加えた事件です。事件当日にAとBは女子生徒Cを呼び出して酒を飲ませ、性的暴行を加え怪我をさせました。女子生徒Cは全治3週間の怪我を負います。 AとBは「女子生徒Cは自分たちがいじめていた後輩と仲が良かったから犯行を行った」と供述。暴行以外にもAは女子生徒Cの裸の写真を撮影したことから、特殊窃盗の疑いも持たれていました。 一審ではAに懲役7年、Bには懲役6年の判決が言い渡されましたが、最終的にはAは短期3年、Bには長期4年の判決が言い渡されます。

最終話で自らの過去と向き合い、前向きな思いで判事の仕事を全うしようとするウンソク。このままエンディングを迎えようとしますが、新たに担当する事件の内容が映し出されます。そこにはなんとウンソクにも深く関係している少年犯が……。 こちらのシーンは鳥肌が立つほどの衝撃を与えましたが、視聴者からは「不穏な空気で終わったけどシーズン2あるのでは？」の声が多く上がっています。ウンソクが法廷に帰ってきたことからも、シーズン2が公開されることを匂わせていました！ 公式発表はないですが、シーズン2ではシーズン1で出会った少年犯たちと再会するという胸が熱くなる展開があるかもしれません。

今回はNetflix『未成年裁判』のあらすじやキャスト、モチーフとなった事件を紹介してきました。少年犯罪のみに重きをおいた本作は、実際に起きた事件をモチーフにしているため、少年法の在り方について考えさせられます。 そして最終話で現れたタトゥーまみれの少年。果たしてウンソクは法廷で何を語るのでしょうか？物語がさらに進展するであろうシーズン2が、制作決定されることに期待です！