2024年2月13日更新

【ネタバレ】映画『“それ”がいる森』あらすじを結末まで解説・考察!

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映画『“それ”がいる森』のあらすじ

タイトル “それ”がいる森
公開年 2022年
キャスト 相葉雅紀 , 松本穂香
監督 中田秀夫

田舎町でひとり農業に勤しむ田中淳一(相葉雅紀)。あるとき彼のもとに東京で暮らしているはずの小学生の息子・一也(上原剣心)がやってきます。しばらく一緒に暮らすことになった親子でしたが、近所の森では不可思議な事件が次々と起こっていました。 住民の不審死や失踪事件が頻発し、やがて淳一と一也も森に潜む“それ”を目にし、絶体絶命のピンチに陥ります。

【ネタバレ】映画『“それ”がいる森』の結末までのあらすじ

【起】小学生が行方不明に

『“それ”がいる森』 相葉雅紀
(C)2022「“それ”がいる森」製作委員会

福島市のとある田舎町。3年前にこの地にやってきた田中淳一(相葉雅紀)は、オレンジの栽培を生業としていましたが、細菌に感染してダメになってしまうオレンジも多くあり、落ち込んでいました。 ある日、彼のもとに東京で別れた妻・爽子(江口のりこ)と一緒に暮らしているはずの息子・一也(上原剣心)がやってきます。中学受験のために母と揉めた一也は、家出をしてきたのです。しばらく一也を預かることになった淳一は、息子を地元の小学校に通わせることにします。 東京からやってきた転校生として、一也は良くも悪くも同級生の注目を集めます。しかし祐志(山下徳大)という男子は一也をすぐに受け入れ、森の中の秘密基地に案内します。その日、彼らは森の中で銀色の卵のような形をした物体を見つけますが、翌日学校で話しても誰も信じてくれません。 そこで2人は証拠の写真を撮ろうと再び森に入ります。しかし彼らは得体のしれない“なにか”に遭遇し、祐志が捕らえられてしまいました。その姿を見た一也は気を失ってしまいます。

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【承】撮影された“それ”の姿

一也が帰らないことを心配した淳一は、クラス担任の北見(松本穂香)とともに捜索を開始。スマホの位置情報から、森で倒れている一也を発見します。目を覚ました一也に祐志の行方を訪ねますが、一也はなにも覚えていないと言います。 警察や地元の大人たちはクマの仕業と判断し、一也は勝手に森に入ったことを叱られてしまいました。同級生からはクマに襲われ、祐志を置いて逃げたと噂され、心を閉ざしてしまいます。 そんなある夜、淳一はビニールハウスが何者かによって荒らされているのに気がつきます。中に入った彼は、ちいさな人型の不気味ななにかを目撃。同じ頃、一也と同じ学校の女子児童が、家から忽然と姿を消しました。 翌日、淳一はまたしても一也が1人で森に入ったことを叱責しますが、一也は祐志がスマホで撮影した写真に“それ”が写っていると言います。淳一は森でそのスマホを見つけ、写真に写っていた“それ”の姿を見て驚愕します。

【転】“それ”の正体

スマホを持ち帰った淳一は、ビニールハウスから不気味なうめき声が聞こえるのに気がつきます。中に入ってみると、そこには2体の人型の怪物がいました。淳一は襲われそうになりますが、怪物は腐ったオレンジに触れた途端、苦しみながら撤退していきました。 淳一は警察に一連の事件は「正体不明の怪物」の仕業だと訴えますが、当然相手にされません。独自に調査を始めた彼は、60年前にも同じような子どもの失踪事件が起こっていたことを知り、その目撃者である児玉勉(小日向文世)に会いに行きます。 児玉は事件当時、やはり自分の目撃証言を誰も信じてくれなかったことから、口を閉ざしていました。しかし独自に調査をつづけており、森には宇宙人がいると考えていました。 その後、キャンプに来ていた家族が襲われ、両親は殺されていたものの、子どもたちは連れ去られたようだとの情報が入ります。そこで淳一は宇宙人の狙いは子どもたちでは、と仮説を立てます。 事態を重く見た警察は、子どもたちを学校に避難させるよう言い渡します。

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【結末】最終対決!ラストはどうなった?

警察は総出で森を捜索しますが、全員が殺され、町では停電が起きてしまいます。学校では校舎の外で3体の宇宙人が目撃され、警備員2人も殺されてしまいました。北見は子どもたちを逃がそうとしますが、宇宙人に見つかってしまい、物置に隠れることに。 宇宙人に立ち向かったクラスメイトが拉致されてしまったのをみて、一也はその後を追います。一方、淳一は宇宙人が一也のクラスメイトを捕食し、2体に分裂するところを目撃しました。 宇宙人は淳一に襲いかかりますが、腐ったオレンジの果汁を染み込ませた棒で反撃。児玉の話で思いついた、宇宙人は植物の細菌に適応できないと考えた仮説は正しかったのです。そこへ一也が合流しますが、2人は宇宙人に捕食されていしまいます。しかし淳一が中から宇宙人の腹を引き裂き、外に出る事ができました。 子どもたちを守るために必死で抵抗していた北見のもとに、淳一と一也がやってきて、残りの宇宙人を撃退。旗色が悪いと判断した彼らは宇宙船に乗って逃げていきました。 1ヶ月後。一也はすっかり学校になじんでいました。淳一が家族3人で暮らしたいと言うと、爽子も同じことを考えていたと答えます。そんな平和な町の上空を、見慣れない飛行物体が飛んでいました。

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映画『“それ”がいる森』の感想・評価

“それ”がいる森
(C)2022「“それ”がいる森」製作委員会
“それ”がいる森』の総合評価
2.5 / 2人のレビュー
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30代女性

これってホラー映画なの?ギャグでしかない気がする……。“それ”の正体も割と序盤でわかるんだけど、じらしも怖くないし、全貌が見えても怖くないし、造形も笑えるし、これでいいの?と思ってしまう。怖さを期待しなければ楽しめるのかもしれない。

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20代男性

なにかいるぞ!パニック系映画。1人で観るのはおすすめしません。もしくは観たあと友達に勧めるといいかも。いろいろ言いたい森。深夜のファミレスで語りたい森。ツッコミたい人はドハマリ間違いなし!

【解説】『“それ”がいる森』に込められたメッセージとは?

怖いだけではないホラー映画となっている『“それ”がいる森』には、ある強いメッセージが込められています。 劇中で一也は何度も淳一に「お父さんは、いつも逃げてばかり」と言います。また、北見が教頭から子どもたちに森に入らないよう厳しく言うべきだと言う場面や、勝手に森に入った一也が叱られる場面では、「なにかあったら、責任を取らなければならないこちらの身にもなれ」といったような、保身からくるセリフが多く登場します。 淳一は次第に一也の気持ちを真剣に考え、彼を守るために逃げずに行動するようになっていきます。また北見も子どもたちを守るため、身を挺して宇宙人に向き合います。一方で保身のことしか考えていなかった教頭や警察は、次々と宇宙人に殺されていきました。 本作には、「大人は子どもを守るべき」という強いメッセージが込められているのです。

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【考察】“それ”の目的はいったい何だったのか

映画中盤、60年前に起きた似たような失踪事件の目撃者として児玉という男が登場します。彼は友人に起こった不幸の原因を探るうち、それが宇宙人の仕業だと確信するようになりました。 彼が言うには、宇宙人たちは繁殖するために子どもたちを捕食していたようです。児玉の仮説では、子どもの体には、骨を伸ばす働きのある成長板というものがあり、それを取り込むことで成長し、体を分裂させることができるのではないかとのこと。大人には成長板が無いので、捕食せず、そのまま殺しているのです。 また淳一は、60年前に宇宙人が町にやってきたとき、彼らは地球環境に適合する抗体を作るために子どもたちを拉致したと考えました。 なんのために「地球環境に適合する」必要があるのかは劇中では触れられていませんが、おそらく侵略のためと考えられそうですね。

映画『“それ”がいる森』のキャスト

『“それ”がいる森』(2022年)
(C)2022「“それ”がいる森」製作委員会

嵐・相葉雅紀が初めてのホラー映画に挑む

初めてのホラー映画に挑戦した主演の相葉雅紀。ジャニーズ事務所の人気アイドルグループ嵐のメンバーである彼は、2020年のグループ活動休止以降も活躍をつづけています。 相葉は今回の『“それ”がいる森』出演について「ホラー映画の巨匠、中田監督の作品に参加させて頂ける事、そして今回初めてのホラー映画にチャレンジする機会を頂けた事を、本当に光栄に思っております。」とコメント。 また、「監督の一つ一つの演出に勉強させて頂きながら、自分なりにこの映画が表現しようとしている「恐怖」と向き合っています。完成を楽しみにして頂けたら嬉しいです。」と意気込みを語りました。

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北見絵里役/松本穂香

淳一の息子である一也の担任教師を務める北見絵里。相葉演じる淳一とともに不可解な事件に巻き込まれていきます。 演じるのはNetflix映画『桜のような僕の恋人』で難病を発症する女性を演じた松本穂香です。ドラマ『この世界の片隅に』(2018年)では、オーディションを経て主人公すず役を演じました。

赤井一也役/上原剣心(ジャニーズJr)

淳一の息子・一也役を演じるのは、ジャニーズJrの上原剣心です。映画初出演の彼は、オーディションを通過し一也役を射止めました。

赤井爽子(さわこ)役/江口のりこ

淳一の元妻・爽子役を演じるのは、女優の江口のりこ。彼女は中田秀夫監督の『事故物件 恐い間取り』で横水純子役を演じ、第44回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞しました。2022年春ドラマの『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』にも出演しています。

ジャパニーズホラーの巨匠・中田秀夫監督がメガホンを取る

『“それ”がいる森』(2022年)中田秀夫
(C)2022「“それ”がいる森」製作委員会

本作の監督を務めるのは『リング』(1998年)で日本映画界にホラーブームを巻き起こし、世界的にもジャパニーズホラーの巨匠として知られる中田秀夫。近年の作品には『事故物件 怖い間取り』(2020年)や『嘘喰い』(2022年)などがあります。 ホラー映画監督として数多くの名作を手掛けてきた彼は、「ホラー映画は時代の空気感を敏感に吸うもの」だと語り、「今回相葉雅紀さんを主演に迎え、再び「新味溢れるホラーとは?」と自問しながら、撮影を進めています。」と語りました。 主演の相葉については、「相葉さんは、現場でこちらが惚れ惚れするほどの「自然体」でありつつ「この場面から主人公本人の自覚がグッと高まるべきですね」と肝になる発言をしてくださり、私としてもとても助けられています。」と絶賛。 「新しい挑戦に貪欲に取り組む彼の姿勢は、この映画のチャレンジと見事に共鳴してくれていると確信しています。」と作品との相性の良さに自信を見せています。

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ホラーは苦手でも観られる?

中田秀夫監督はこれまで「リング」シリーズや『クロユリ団地』(2013年)、『劇場霊』(2015年)、『スマホを落としただけなのに』(2019年)など、怪奇現象や幽霊・怨霊を取り扱ったものからサスペンス色の強いものまで、さまざまなテイストのホラー映画を手掛けてきました。 『“それ”がいる森』は「新味溢れるホラー」と監督も語っているとおり、どんな作品になるのかわかりませんが、これまでの作品群を見るとかなり本格的なホラーが多いため、苦手な人には少し厳しいのでは、と思われます。 友達と一緒に観に行くなどしたほうがいいかもしれませんね。

映画『“それ”がいる森』をネタバレ解説・考察でおさらい

相葉雅紀がホラー映画初主演を務め、ジャパニーズホラーの巨匠・中田秀夫がメガホンをとった『“それ”がいる森』。 森に現れる得体のしれない“それ”の恐怖と住民たちの戦いに注目の1作です。メッセージ性も強い作品で、ホラー映画が苦手な人でも軽い気持ちで観られるのではないでしょうか。