『ゴールデンカムイ』土方歳三の目的や声優まで徹底解説！“鬼の副長”最後はどうなる？

野田サトルが描くアイヌ×金塊争奪サバイバル漫画『ゴールデンカムイ』に登場する土方歳三を徹底解説！鬼の副長として知られた新選組副長は、冬の大地でどんな活躍を見せるのかッ！？ 史実とは異なる人生を辿った「金カム」の土方の半生や名言、仲間などを、ネタバレありで紹介していきます。70歳過ぎてなお現役の侍として生きた土方を紐解いていきましょう。 ※この記事は『ゴールデンカムイ』の重要なネタバレを含みます。

土方歳三は新選組「鬼の副長」として知られた侍。70歳過ぎてなお若者顔負けの身体能力と精神力を持つ、長い白髪と鋭い眼光が印象的な人物です。 目的を実現するためであれば利害が一致する敵と手を組む合理主義的な一面を持っています。同時に敵とみなした相手には迷わず刀を振るう、まさに武士の時代を生き抜いた男らしい性格です。

実写版『ゴールデンカムイ』で土方歳三を演じるのは、言わずと知れた名優・舘ひろしです。「あぶない刑事」シリーズなどで一世を風靡し、現在も日本俳優界の重鎮として活躍。 渋みのある演技やルックスは土方のイメージにぴったり。予告編では真っ白な長髪と長いひげをたくわえた、迫力満点の土方を確認することが可能。原作ファンからも「再現度が高すぎる！」という声があがっており、アクションシーンなどでの活躍にも期待がかかっています。

実写映画化が決まっている『ゴールデンカムイ』。土方歳三役を演じるならやはり渋いイケオジ俳優が適任でしょう。ファンの間では、田中泯、草刈正雄、佐藤浩一、渡辺謙らの名前が挙がっています。 ciatr編集部の予想としては、ダンスという信念を貫く姿が土方に通じるものがある田中泯が有力と予想。田中は2022年7月時点で77歳。年齢的にも彼が土方を演じれば、よりリアルな土方歳三が観られそうです。

土方の目的は「蝦夷共和国」を復活させることです。 移民による多民族国家・蝦夷共和国を作り、ロシアの南下を食い止める緩衝国とし、北方の護りを同国に委ね、本州へのロシア侵攻を防ぐとともに本州は国内発展に注力させることを実現するべく、北海道独立資金＝アイヌの埋蔵金が必要だったのです。 かつて新選組として刀を振るった土方は、30年以上が経っても誠を胸に国を思って戦い続けます。

土方歳三といえば愛刀の和泉守兼定。網走監獄を脱した土方は、押収されていたこの愛刀を取り戻しにいきます。 土方は仲間に銀行強盗をさせているすきに、隣接する建物から保管庫の壁を破壊。鶴見中尉の妨害に遭うものの、混乱に乗じて和泉守兼定を奪還することに成功します。 名刀・和泉守兼定がチタタプに使われるという衝撃的な絵が見られるのは「金カム」だけです。

ウィンチェスターM1892は西部開拓時代に隆盛したウィンチェスター社が開発したレバーアクションライフル。 永倉新八から提供されたもので、土方は右手に刀、左手に銃を構えて戦います。ループレバーを持ち本体を回転させリロードする、スピンコックという片手ガンプレイスタイルです。

『ゴールデンカムイ』でも正史と同じく箱館戦争が起きています。これに土方は旧幕府軍として参戦しました。 「金カム」が正史と違うのは、この戦いで土方が生き残ること。表向きは戦死とされていますが、実際は犬童四郎助典獄によって秘密裏に月形樺戸集治監に幽閉されていました。犬童は自身が網走監獄に異動となる際、土方も一緒に網走へと移します。 犬童は異常な執着と復讐心で、土方を30年以上、処刑せずに収監し続けました。

箱館戦争が激化する前、五稜郭の馬用井戸でウイルクは「爽やかニシパ」こと若き土方に偶然出会っていました。その後戦況が激化、満身創痍の土方を助けようとしたウイルクたちは、結果的にアイヌの仲間を1人失います。 40年後、ウイルクは土方なら「恩を忘れていなければ未来のアイヌに報いてくれるだろう」と、2人が出会った井戸に金塊を隠したのでした。 その後のっぺら坊となったウイルクは土方と接触。互いに北海道を独立させたいという目的が一致したことで共謀、一連の金塊争奪戦を起こします。ウイルクは土方との会話から、彼が本物の土方だと確信します。土方にアシㇼパの和名を伝え、土方を通じて彼女に未来のアイヌを託そうとしたのです。

歴史上の土方歳三が死んだとされる場所である一本木関門行きの暴走列車の中で、土方と鯉登少尉の一騎打ちとなります。ほぼ初陣の鯉登と百戦錬磨の「鬼の副長」土方、序盤は土方が優勢です。 土方が鯉登の刀に感じる迷いを指摘したことで、鯉登は覚悟を決めるのでした。覚醒した鯉登の一太刀と、気迫の土方の攻防が続く中、ついに鯉登の刀が折れてしまいます。 それでも構わずに振り下ろした鯉登の一太刀は土方の脳天にめり込み、鯉登が勝利するのでした。

頭をカチ割られた土方の目には輝かしく希望に満ちた新選組時代の光景が広がり、彼の心は最後までかつての同志と刀を振るい続けました。 最期の瞬間、意識が戻った土方は若き自分に杉元の姿を重ね、愛刀・和泉守兼定を「持っていけ」と託します。杉元は刀と共に彼の想いを受け取るのでした。 駆けつけた永倉に「これからもっと面白くなってくるはずだったのに」「悔しいな」と遺し土方は穏やかな表情で死亡。土方は誰よりも未来を強く思って息を引き取りました。

土方が率いていた、第七師団と敵対する一大勢力・土方一派。土方の昔の仲間である元新撰組2番隊組長の永倉新八、チンポ先生こと牛山辰馬が初期のメンバーです。その後、家永カノや奥山夏太郎、都丹庵士、キラウㇱ、門倉らが加わります。 土方は利害が一致すれば誰とでも手を組むため、一時は尾形や有古といった軍人も一派に参加していました。 序盤は杉元たちと険悪でしたが、最終戦では合流。第七師団との戦いへ挑んでいきます。

ガムシン(がむしゃらな新八)こと永倉とは監獄で出会います。元・看守剣術師範だった永倉は戦死したと思っていた土方と再会。以降は主に土方の右腕兼裏方として活躍します。 最終戦で永倉は、土方を看取ることに。慈しむような表情で土方と最期の言葉を交わしました。 最終話では永倉のその後を描くコマと共に、土方の遺体が未発見なことが記されています。戦いの後、永倉がどこかでひっそりと弔ったのでしょう。

牛山と接触した際、牛山は刀を時代遅れだと土方に言いました。そんなもので帝国陸軍と戦うつもりか、と問う牛山に、土方は不敵な笑みを浮かべこのセリフを言います。70歳を超えても全盛期の勢いで刀を振るう彼が言うと説得力が違いますね！

土方が渋川を仲間に引き入れようとするも交渉決裂。渋川が手下に土方一味の殺害を命じるも、間髪入れず土方が射殺。スピンコックでリロードからの見開きページを使ってのこのセリフを言う瞬間がシビレます。

毒使いの関谷によって致死量の毒を飲まされた土方は見事生還。そして神を信じる関谷の死を見届けながら、土方は「私は現世にしか興味がない」とこのセリフを言います。常に今を生き続けた男の言葉だからこそ、重みが感じられますね。

アニメの土方歳三役は、「Fate」シリーズの言峰綺礼役で知られる中田譲治が担当しています。荒くれ者も紳士も得意とする声で、土方のダンディさを表現。 青年時代の土方を演じるのは『呪術廻戦』の五条悟役や『魔法科高校の劣等生』の司波達也役など、天才肌のキャラが似合う中村悠一が演じています。

幕末を駆け、金塊争奪戦でも大きな存在感を見せた『ゴールデンカムイ』土方歳三について紹介しました。活躍の場が描かれる度に、多くの「金カム」ファンが彼の熱くて渋い生き様に惚れたことでしょう。 これほどまでにイケオジな土方歳三を読める『ゴールデンカムイ』は新選組ファンにもおすすめ。完結した今だからこそ、一気に読みたい作品ですッ！