2020年5月9日更新

『ゴールデンカムイ』杉元佐一を徹底解説!“不死身”と恐れられる元軍人

『ゴールデンカムイ』杉元佐一を徹底解説!“不死身”と恐れられる元軍人 サムネイル

野田サトル原作の漫画『ゴールデンカムイ』。本作に登場する主人公、杉元佐一は鬼神の如き戦闘力を携えた元軍人ながら、乙女チックな一面を持つなど噛みごたえのある人物です。本記事ではそんな彼を詳しく解説していきます。

目次

『ゴールデンカムイ』杉元佐一は不死身と恐れられた元軍人!【ネタバレ注意】

週刊ヤングジャンプで連載している野田サトル原作の漫画『ゴールデンカムイ』。杉元佐一は本作に登場する主人公。顔には大きな傷跡を残し、軍服を身にまとっています。 そんな杉元は以前、大日本帝国陸軍の第1師団に所属していた軍歴があり、日露戦争 (1904〜1905年)に参加。熾烈な戦闘があった「203高地」では、首に銃弾が貫通しながらも敵の陣地に乗り込み、死闘を繰り広げました。顔を含めて彼の身体中には多くの傷痕が残っており、戦時中の激しさを物語っています。その功績は師団内外に広く知れ渡り、脱走した囚人ですら耳にしたほどです。 また、“不死身の杉元”を自称するほど、負傷をものともしない驚くべき体力や回復力を有しているようです。この戦争体験と戦闘力は後に何度も活躍することになり、アシリパをはじめ仲間達のピンチを救ってきました。 戦後、プロローグ以降の本編では軍を除隊して北海道で砂金を集めていましたが、作中でも常に現役時代の軍服や銃剣を身に付けたままで登場しています。 ※本記事では『ゴールデンカムイ』のネタバレ情報を扱っています。読み進める際はご注意ください。

杉元は優しい一方で、敵には容赦ない!ヒロインよりも乙女チックな一面も

戦争では大暴れしていた彼ですが、元兵士にしては似つかわしくないような可愛いものや癒されるもの好きの一面も。アシリパに食べられると思ったヒグマの子の面倒を見ると言い出したり、白石と一緒に道端の野花を愛でたりしています。 しかし、戦争で経験した修羅場の影響か、彼には残忍性も多々見受けられます。辺見和雄との戦闘後に彼がシャチに襲われ、その遺体の皮を剥ぎ取る時の表情は「コイツが一番おっかねぇ」と白石を怖がらせました。 そのほか、同じ鍋を囲っても後にアシリパを連れ去り敵対することになった尾形やキロランケには強い殺意を抱くなど、敵を躊躇いなく殺そうとする冷酷さも持ちます。

モデルとなった人物は作者の曽祖父!?

本作の作者野田のブログによれば、彼の曽祖父・杉本佐一を主人公のモデルにしていると明かされています (作中の杉元とは「もと」の漢字が異なる)。杉本も日露戦争に参加していたそうですが、野田は「名前を借りただけ」と述べています。 もう1人のモデルとして指摘されているのは、大日本帝国陸軍の船坂弘という軍人です。船坂は太平洋戦争時にマリアナ・パラオ諸島戦線で従事しており、「不死身」という言葉が似合うほどの戦いぶりだったとされています。 船坂に関しては公式では明言されておらず、時間や場所も杉元および杉本とは異なります。しかし、首を撃たれたことや驚異的な回復力など、杉元との共通点を指摘する声も多くあるため、杉元のキャラ設定は杉本と船坂の両者を組み合わせて作られたと考えられています。

その戦闘力はまさに鬼神!心はいまだ戦場に

上述の通り、戦争で恐るべき凶暴性を獲得した彼ですが、その戦闘力は金塊探索でもたびたび活躍してきました。また、脱獄囚に襲われても立ち向かい、鶴見中尉にナイフで頬を刺されても次の話では何事も無かったかのような回復力を持っています。 戦闘時には、敵のロシア人は人間ではないと自らに言い聞かせたり、窮地に陥ると「俺は不死身の杉元だ!」と叫び相手にナイフや拳で近接戦闘を仕掛けます。その様子は自己暗示をかけ奮い立たせているようですが、これは戦争で身に付けた彼なりの生き抜く術なのかもしれません。 他方、戦場で命を落とした兵士達の亡霊が出る夢を見て苦しむことも。杉元の中では、まだ「戦争」は終わっていないようです。

アシリパを何より大切に思う

ヒロインのアシリパとは、ヒグマに襲われそうになったところを毒矢で助けてもらったことで知り合いました。彼女のことは「アシリパさん」と年下ながら「さん」付けで呼び、アイヌ民族で、少女であっても差別せず対等に扱っています。 彼女の危機には怒りに身を任せ暴走し、家永カノが睡眠中のアシリパの目玉を舐めた際には家永を蹴飛ばしました。尾形達に樺太へ連れて行かれた際も、彼女と再会すべくどこまでも追っていく強い意志を見せます。 網走監獄で彼女の父に会った際には、少数民族独立という目標のためアシリパを戦えるよう育てたと聞かされました。しかし杉元は、彼女に関してはただ「山で鹿を獲って」「チタタプして」「ヒンナヒンナしていて欲しい」と訴えかけたのです。 山で平和に過ごし、かつての自分のように人を殺して苦しむことがあってなならないというアシリパへの思いが伝わってきます。

杉元がアイヌの埋蔵金を狙う目的とは?

軍を除隊後、北海道で砂金を探していた杉元。網走監獄の元囚人からアイヌ人が隠した金塊の話を聞くと、偶然出会ったアイヌの少女アシリパと協力して埋蔵金探しの冒険を始めることになりました。彼がお金を必要としていたのは、同じ故郷にいた想い人の梅子のためでした。 幼馴染の梅子は目の病気を患い、夫の寅次も戦争で亡くしてしまいました。その病気を治せるのは当時アメリカに居た医者であったため、治療代と渡航費を稼ぐために彼は金を求めていたのです。 しかし、戦後一時的に梅子に会いに行った彼は、戦場で血の匂いを浴び過ぎたためか、目が不自由になった彼女には杉元と認識してもらえませんでした。果たして彼は無事に梅子と結ばれるのか、今後の展開に期待されます。

物語での役割は戦闘とグルメリポーター!?

本作の特徴のひとつであるグルメ要素。素材の味を生かした地元のアイヌ風の料理はなかなか食欲をそそられます。 リス肉のつみれ汁は杉元とアシリパが初めて一緒に作った料理です。2人以上で交代しながら血や骨ごと挽き肉にする作業は「チタタプ」と呼ばれ、「我々が刻むもの」の意味があります。「チタタプ」による料理はその後も何度か登場します。杉元曰く、ほんのり甘く柔らかい肉とコリコリした骨の食感が楽しめるようです。 ウサギ肉のオハウ(汁物)は、「チタタプ」にした肉を団子状にして煮込んだ料理です。以前に食べたリスよりもあっさりしており、ニンニクと松茸がアクセントになっているようです。その後はアシリパにドン引きされながらも味噌を入れて美味しそうに食べていました。 このように杉元は、戦闘要員だけでなくグルメリポーターとしての役目も持っているようです。

軍帽はお風呂の時でも外れない仕様

都丹庵士に奇襲を受けた屈斜路湖付近での温泉入浴シーンや、伝説的な「ラッコ鍋」の場面など、男達の裸姿が何かと多い本作。尾形や谷垣達とは異なり、杉元はそんな時でも常に軍帽を被っており、もはや彼のトレードマークともなっています。 ただ、アイヌの家を訪問した時など、礼儀を弁えるべきだと当人が判断したときはちゃんと脱ぐことも。毛量は普通であり、少なくともハゲかかった頭頂部を心配……ということではないようです。

アニメ版『ゴールデンカムイ』で杉元佐一を演じる声優は小林親弘

2007年から活動している小林は、演劇集団円に所属し俳優および声優として出演してきました。低くも落ち着いた声が特徴であり、青年役を演じてきたことが多いようです。杉元役もそのひとつですが、普段と戦闘時で裏表の激しい彼を上手く表現してくれました。 代表作としては『BEASTARS』のレゴシ役や、『イエスタデイをうたって』の魚住陸生役などが挙げられ、いずれも主人公を務めました。

『ゴールデンカムイ』杉元佐一の戦争に終わりはくるのか、今後の展開に注目!

以上、『ゴールデンカムイ』杉元佐一の紹介でした。主人公であるため最後まで生き残るはずですが、これからはどんなグルメリポートやバトルを繰り広げてくれるのか期待されます。 金塊の隠し場所や梅子の治療など、クライマックスはもちろんですが、彼にとっての「戦争」に果たしてどう決着がつくのでしょうか?また、アシリパとの関係がどのように変わっていくのかにも大いに注目していきたいです。今後の展開を楽しみに待ちましょう!