2020年5月14日更新

『ゴールデンカムイ』鶴見中尉は恐るべき狂人!知性と野心に富んだカリスマ将校

『ゴールデンカムイ』鶴見中尉は恐るべき狂人!知性と野心に富んだカリスマ将校 サムネイル

今をときめく大人気漫画の『ゴールデンカムイ』。明治時代末期の北海道にてアイヌの隠した埋蔵金をめぐり、激しい争奪戦が展開されます。本記事では扱いが困難な部下達をまとめ上げる人気の敵キャラ、鶴見中尉について紹介していきます。

目次

『ゴールデンカムイ』鶴見中尉を徹底解説!主人公に敵対する厄介な存在【ネタバレ注意】

鶴見中尉は日本陸軍第7師団歩兵第27連隊に所属する軍人。主人公の杉元佐一達とは金塊をめぐって対立する、知略に長けた強敵の1人です。年齢は不詳ですが、公式質問箱によると元工兵のキロランケとほぼ同じくらいだと明かされていることから、40歳前後と考えられます。 額当てを着用し、両目周りの皮膚が無い異様な風貌が大きな特徴です。直接的な戦闘描写は少ないものの、網走監獄では散弾銃を使い看守や囚人を一撃で仕留めるなど、腕前は悪くない様子。 情報将校らしく分析力に優れ、部下であった二階堂洋平の死の真相を見抜くなど頭の回転も早いです。さらには偽の刺青人皮も作らせて金塊争奪戦に混乱を起こそうとするなど、杉元達にとっては非常に厄介な存在です。 本記事ではそんな恐るべき将校・鶴見中尉について詳しく解説していきます。 ※本記事では『ゴールデンカムイ』のネタバレ情報を扱っています。読み進める際はご注意ください。

鶴見中尉は高いカリスマ性で第7師団を率いる

鶴見は小隊長として大勢の部下を率いるだけでなく、上官であるはずの淀川連隊長を脅して連隊をもほぼ支配下に入れています。この行為は師団内部では反乱になるはずですが、上手く情報操作しているためか咎められてはいない様子。 「愛」を利用した人心掌握術により部下からの忠誠心は高く、月島軍曹や宇佐美上等兵など戦闘力に長けた部下達を多く擁しています。特に鯉登少尉は鶴見のカリスマ性に深く心酔しており、彼に会えないというだけでテンションが下がる一方、褒められると文字通り舞い上がります。 日露戦争において熾烈な戦闘を生き抜いた彼らは誰もが屈強な兵士であり、どんな命令も忠実に守り実行するため鶴見にとって非常に有用な駒として動いているのです。 そのほか、品のある物腰やピアノが弾けることなどから、所々に育ちの良さが見受けられるシーンも。単に優秀な将校というだけでなく、人間的な深さに惹かれた点も部下が慕う理由なのかもしれません。

鶴見中尉はサイコパス!?興奮すると脳汁が垂れる

同じような身なりの軍人が多い中、独特の外見をしている鶴見。彼は日露戦争中の奉天会戦にて頭に砲弾の破片が当たったため、それ以来は額当てを身に付けるようになりました。その影響か、奇怪でサイコパスのような言行が目立つようになり、感情的になると額当てとの隙間から脳汁のような液体が垂れることもあります。興奮の度合いによってその液量も比例するようです。 かつての鶴見も明晰な頭脳こそ持っていたものの、負傷前よりはずっと穏やかな人格でした。しかし、そんな彼には悲しい過去があったのです。

鶴見中尉には悲惨な過去があった

若い頃の鶴見は写真師の長谷川幸一という偽名を使い、極東ロシアのウラジオストクでスパイ活動をしていました。現地で妻や子どもと共に暮らしていたある日、皇帝暗殺の罪で逃避行を続けていたソフィア・キロランケ・ウイルクの3人が訪れます。彼らは渡日する前に日本語を習得するため、鶴見に教えてもらおうとしていました。 しばらく日本語の勉強を続けていた彼らですが、鶴見をスパイだと睨んだロシアの秘密警察が来たため、身元が割れないようこれを撃退することになります。しかしその最中、ソフィアが撃った銃弾が運悪く鶴見の妻子に当たり、2人とも死亡してしまいました。ソフィア達は流石に責任を感じたものの、騒ぎを起こしたことですぐに離れざるを得ませんでした。 鶴見は妻子の小指のみを切って形見として持ち去り、写真館ごと火葬します。現地に馴染むための偽装の家族だったのかもしれませんが、愛着はあったのでしょう。この一件により彼のなかで何かが壊れ始め、奉天会戦の負傷と金塊の情報でそれが顕在化したのだと見られます。

鶴見中尉が金塊を狙う目的は?

203高地攻略などで多くの部下の命と引き換えに功績を残した第7師団。しかし、その損害の大きさに責任を感じた師団長の花沢中将は自害してしまいました。その真相は鶴見の手引きによるものでしたが、自害の件を兵士達に原因があるとした政府や陸軍本部は、英雄であるはずの第7師団を邪険に扱ったのです。 鶴見はその兵士達に対し、クーデターによる北海道での軍事政権樹立とアイヌの金塊を資金源に軍需産業を興すと約束します。その産業が戦争で家族を失った人々に雇用を与えるとされ、そこに希望を見出した部下達は信頼を寄せる鶴見に応えようとしていたのです。 しかし一方で、満州(現在の中国北東部)への進出までも仄めかされており、彼の野望はかなり壮大であるようです。北海道は単なる足がかりに過ぎず、真の目的は別にあるのではないでしょうか。また、前述のように妻子を失った過去と何らかの結びつきがある展開になるかもしれません。

鶴見中尉にはモデルとなった人物がいた

杉元のように、鶴見にもモデルとされる須見新一郎と鶴見数馬という2人の軍人がいるようです。 1人目の須見は日本陸軍の大佐でした。時代は異なりますが鶴見と同じく第7師団に所属し、ノモンハン事件(1939年)ではソ連軍と交戦しました。須見はこの時、上官の指示した無思慮な作戦に異議を唱えていましたがやむを得ず従っており、203高地の突撃に反対しながら従事した鶴見と似通う点があります。 もう1人の方も同じ陸軍大佐の鶴見数馬。彼は作中の鶴見と同様に203高地や奉天会戦に参加するなど、戦歴はおおよそ被っています。しかし、彼の詳細について判明している点は多くありません。 簡単にまとめると、苗字と経歴は鶴見数馬から、エピソードは須見新一郎からそれぞれ着想を得て設定されたと思われます。

鶴見中尉のカリスマ性あふれる名言3選!端々に歪みを感じるセリフたち

「たまに漏れ出すのです——変な汁が」

無断で部隊を動かしたことを上官の和田大尉に叱責され、脳汁が垂れてきた時のセリフ。この時の鶴見は和田に対し密かに怒りをつのらせていた様子であり、その後彼の人差し指を噛みちぎって部下の月島に射殺させました。

「私はお前の死神だ。お前の寿命のロウソクは私がいつでも吹き消せるぞ」

小樽で第7師団の兵士達に囲まれた杉元が殺されそうになったところを、直前で上空に発砲して部下達を制止させた時のセリフ。多くの部下を率いる鶴見は、彼の生殺与奪に関する権利を手中に収めていることを示しました。

「それが死んでいった戦友たちへの、せめてもの餞である」

谷垣の回想のなかで、鶴見がアイヌの埋蔵金を狙う目的について明かされたシーン。部下達の心理を巧みに誘導して信頼と忠誠を獲得した彼ですが、もしかしたらこれは表向きであり、その真意は別のところにあるように見えます。

アニメ版『ゴールデンカムイ』で鶴見中尉を演じる声優は大塚芳忠

1976年から活動している大塚は、アニメおよび洋画の吹き替えなどで活躍してきたベテラン声優です。渋みもありながらどこか感情の欠けたような役柄を得意とし、ハッキリと通る声が特徴。ナレーションとして耳にする機会も多いのではないでしょうか。 『NARUTO』シリーズの自来也役や『亜人』の佐藤役のほか、映画『007』シリーズの主人公ジェームズ・ボンド役など、アニメ、実写を問わず多くの作品で主演を務めました。

『ゴールデンカムイ』いまだ腹の底が見えない鶴見中尉

杉元達と敵対しながらもカリスマ性に溢れる情報将校の鶴見中尉。彼には妻子や部下を亡くした壮絶な過去を持ち、鶴見も彼なりの正義に基づいて金塊争奪戦に参加していると考えられます。 クセの強いキャラクターが多く話題の本作ですが、鶴見もその魅力的な登場人物の1人であり、作品の面白さを一層引き立てています。尾形とはまた違った意味で、彼も読者の人気を集めてきました。未だその思考が読めない部分はあるものの、後に明かされるであろう彼の本当の目的とは何なのか、今後の展開からは目を離せません。