2024年1月16日更新

『ゴールデンカムイ』鶴見中尉のモデルは2人いた?最後に死亡したのかどうかも考察

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ゴールデンカムイ
©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

この記事では『ゴールデンカムイ』に登場するキャラクター・鶴見中尉について解説します。主人公の杉元たち一行の前に何度も立ちはだかる彼のキャラクター性や目的、名言にその最後まで余さず考察していきましょう。 ※この記事は現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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『ゴールデンカムイ』鶴見篤四郎(つるみとくしろう)のプロフィール

誕生日 12月25日
推定年齢 40歳
出身 新潟県
実写キャスト 玉木宏
声優 大塚芳忠

鶴見中尉は日本陸軍第7師団歩兵第27連隊に所属する軍人。主人公の杉元佐一達とは金塊をめぐって対立する、知略に長けた強敵の1人です。 年齢は不詳ですが、公式質問箱によると元工兵のキロランケとほぼ同じくらいだと明かされていることから、40歳前後と考えられます。 額当てを着用し、両目周りの皮膚が無い異様な風貌が大きな特徴です。直接的な戦闘描写は少ないものの、網走監獄では散弾銃を使い看守や囚人を一撃で仕留めるなど、腕前は悪くない様子。 情報将校らしく分析力に優れ、部下であった二階堂洋平の死の真相を見抜くなど頭の回転も早いです。 さらには偽の刺青人皮も作らせて金塊争奪戦に混乱を起こそうとするなど、杉元達にとっては非常に厄介な存在です。

鶴見中尉はサイコパス!?興奮すると脳汁が垂れる

同じような身なりの軍人が多い中、独特の外見をしている鶴見。彼は日露戦争中の奉天会戦にて頭に砲弾の破片が当たったため、それ以来は額当てを身に付けるようになりました。 その影響か、奇怪でサイコパスのような言行が目立つようになり、感情的になると額当てとの隙間から脳汁のような液体が垂れることもあります。興奮の度合いによってその液量も比例するようです。

【実写キャスト】映画で鶴見中尉を演じるのは玉木宏

玉木宏

実写映画『ゴールデンカムイ』で鶴見中尉を演じるのは玉木宏です。映画『ウォーターボーイズ』をきっかけに知名度を得て以来、さまざまな映画やドラマで大活躍しています。『のだめカンタービレ』の千秋役のイメージが強いという人も多いでしょう。 キャラクタービジュアルでは、漫画からそのまま鶴見中尉が飛び出してきたかのような姿を披露。原作ファンも納得の仕上がりで、SNSでは「本物すぎる」などの声が上がっていました。

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【モデル】鶴見中尉のモデルになった人物は2人いた!

杉元のように、鶴見にもモデルとされる須見新一郎と鶴見数馬という2人の軍人がいるようです。 1人目の須見は日本陸軍の大佐でした。時代は異なりますが鶴見と同じく第7師団に所属し、ノモンハン事件(1939年)ではソ連軍と交戦しました。 須見はこの時、上官の指示した無思慮な作戦に異議を唱えていましたがやむを得ず従っており、203高地の突撃に反対しながら従事した鶴見と似通う点があります。 もう1人の方も同じ陸軍大佐の鶴見数馬。彼は作中の鶴見と同様に203高地や奉天会戦に参加するなど、戦歴はおおよそ被っています。しかし、彼の詳細について判明している点は多くありません。 簡単にまとめると、苗字と経歴は鶴見数馬から、エピソードは須見新一郎からそれぞれ着想を得て設定されたと思われます。

【人物】高いカリスマ性を持つ鶴見中尉

鶴見は小隊長として大勢の部下を率いるだけでなく、上官であるはずの淀川連隊長を脅して連隊をもほぼ支配下に入れています。 この行為は師団内部では反乱になるはずですが、上手く情報操作しているためか咎められてはいない様子。 「愛」を利用した人心掌握術により部下からの忠誠心は高く、月島軍曹宇佐美上等兵など戦闘力に長けた部下達を多く擁しています。 特に鯉登少尉は鶴見のカリスマ性に深く心酔しており、彼に会えないというだけでテンションが下がる一方、褒められると文字通り舞い上がります。 日露戦争において熾烈な戦闘を生き抜いた彼らは誰もが屈強な兵士であり、どんな命令も忠実に守り実行するため鶴見にとって非常に有用な駒として動いているのです。 そのほか、品のある物腰やピアノが弾けることなどから、所々に育ちの良さが見受けられるシーンも。単に優秀な将校というだけでなく、人間的な深さに惹かれた点も部下が慕う理由なのかもしれません。

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【過去】鶴見中尉には悲惨な過去があった...

ゴールデンカムイ
©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

若い頃の鶴見は写真師の長谷川幸一という偽名を使い、極東ロシアのウラジオストクでスパイ活動をしていました。 現地で妻や子どもと共に暮らしていたある日、皇帝暗殺の罪で逃避行を続けていたソフィア・キロランケ・ウイルクの3人が訪れます。彼らは渡日する前に日本語を習得するため、鶴見に教えてもらおうとしていました。 しばらく日本語の勉強を続けていた彼らですが、鶴見をスパイだと睨んだロシアの秘密警察が来たため、身元が割れないようこれを撃退することになります。 しかしその最中、ソフィアが撃った銃弾が運悪く鶴見の妻子に当たり、2人とも死亡してしまいました。ソフィア達は流石に責任を感じたものの、騒ぎを起こしたことですぐに離れざるを得ませんでした。 鶴見は妻子の小指のみを切って形見として持ち去り、写真館ごと火葬します。現地に馴染むための偽装の家族だったのかもしれませんが、愛着はあったのでしょう。 この一件により彼のなかで何かが壊れ始め、奉天会戦の負傷と金塊の情報でそれが顕在化したのだと見られます。

【目的】鶴見中尉が金塊を狙う目的とは?

ゴールデンカムイ
©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

鶴見の目的は、クーデターによる北海道での軍事政権樹立とアイヌの金塊を資金源に軍需産業を興し、日本の繁栄と、戦争で散っていった仲間たちやついてきてくれた部下に報いるためとされていました。 しかし鶴見の過去が明かされ、妻子を奪われた復讐のために金塊を求めているのではないかという疑惑が浮上します。 鯉登や月島に私怨を疑われた鶴見ですが、本人は2人のいないときに「あくまで私の目的は日本国の繁栄にある」と回答します。 しかしこの場面は鯉登と月島が盗み聞きしており、鶴見がそれに気づいていたとしたら……このセリフもどこまで本心なのか不明です。 妻子を殺めたウイルクへの復讐のためではではないと答える鶴見ですが、娘のアシリパには感情的になる場面もあり、やはり個人的な感情を捨てられないことが見て取れます。 ウイルクの仲間だったソフィアを殺害する場面でも「キミのことは許した」と言っているので、ウイルクは許していないのでしょう。 鶴見の中では、個人的な復讐と部下へ報いるための行動は両立していたのはないでしょうか。 最後に遺品よりも土地の権利書を優先した鶴見ですが、とても複雑そうな顔をしていました。彼にも割り切れないものがあったのだと考えられます。

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【最後】鶴見中尉は最後どうなった?

最後の戦いで、鶴見は汽車の暴走に巻き込まれ、海に沈んでいきました。詳しい経緯について見ていきましょう。鶴見陣営は五稜郭で杉元・土方陣営と土地の権利書をめぐり最後の戦いを繰り広げます。 金塊が既に土地の権利書に代わっていたことを知った鶴見は、権利書を自分のものとして中央政府への取引材料にするつもりでした。それに対して、杉元とアシリパはアイヌの未来のために鶴見たちと戦います。 最後は汽車の上で杉元と鶴見の戦いになり、鶴見は杉元の胸を刺すものの、杉元は鶴見に銃弾を浴びせ、2人は共に列車ごと海に沈んでいきました。 生死不明となった杉元と鶴見ですが、「ヤングジャンプ」の最終話では杉元が元気に登場。「不死身の杉元」の貫禄を見せました。 一方、鶴見は消息不明のまま再登場せず、考察の余地を残して『ゴールデンカムイ』は幕を閉じます。

鶴見中尉は死んだのか?

死亡したかに思われた鶴見ですが、加筆修正された単行本31巻で生存が判明しました。その後の出来事として、太平洋戦争末期のエピソードが収録されているのですが、その中に鶴見の姿が確認されたのです。 鶴見の特徴である額当てのある人物だったので、まず間違い無いでしょう。この加筆には、読者から賛否両論の意見が出ています。 純粋な鶴見ファンは、生きていて嬉しいと感じる人も多かったのですが、鶴見は大勢の部下を巻き込み、突き進んでいったある種の狂気的なキャラだったので、死んで帳消しになるのでは、生存は蛇足ではないかと感じる読者も多かったのです。 しかし死んで楽にならず、生きて戦い続けるのが鶴見らしいという意見もあります。 生死で議論が巻き起こるのは、鶴見がそれだけ魅力的なキャラクターだったという証ではないでしょうか。

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【声優】鶴見中尉を演じる声優は大塚芳忠!

大塚芳忠
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1976年から活動している大塚芳忠(おおつかほうちゅう)は、アニメおよび洋画の吹き替えなどで活躍してきたベテラン声優です。 渋みもありながらどこか感情の欠けたような役柄を得意とし、ハッキリと通る声が特徴。ナレーションとして耳にする機会も多いのではないでしょうか。 『NARUTO』シリーズの自来也役や『亜人』の佐藤役のほか、映画『007』シリーズの主人公ジェームズ・ボンド役など、アニメ、実写を問わず多くの作品で主演を務めました。

鶴見中尉のカリスマ性あふれる名言3選!端々に歪みを感じるセリフたち

「たまに漏れ出すのです——変な汁が」

無断で部隊を動かしたことを上官の和田大尉に叱責され、脳汁が垂れてきた時のセリフ。この時の鶴見は和田に対し密かに怒りをつのらせていた様子であり、その後彼の人差し指を噛みちぎって部下の月島に射殺させました。

「私はお前の死神だ。お前の寿命のロウソクは私がいつでも吹き消せるぞ」

小樽で第7師団の兵士達に囲まれた杉元が殺されそうになったところを、直前で上空に発砲して部下達を制止させた時のセリフ。多くの部下を率いる鶴見は、彼の生殺与奪に関する権利を手中に収めていることを示しました。

「それが死んでいった戦友たちへの、せめてもの餞である」

谷垣の回想のなかで、鶴見がアイヌの埋蔵金を狙う目的について明かされたシーン。部下達の心理を巧みに誘導して信頼と忠誠を獲得した彼ですが、もしかしたらこれは表向きであり、その真意は別のところにあるように見えます。

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『ゴールデンカムイ』いまだ腹の底が見えない鶴見中尉

杉元達と敵対しながらも、読者から大人気なカリスマ性に溢れる情報将校の鶴見中尉について解説しました。『ゴールデンカムイ』が完結した現在でも、鶴見の言葉がどれだけ本心であったかは謎のままです。 彼は自分の目的をどれだけ達成できたのでしょうか?すべてを語らずとも魅力的な活躍を多く残した鶴見に最後まで注目しましょう。