『ゴールデンカムイ』尾形百之助は死亡した?最終章で明かされる山猫の正体と目的に迫る
『ゴールデンカムイ』に登場する尾形百之助は、様々な人物と行動を共にする謎多き男でした。今回はそんなあまり多くを語らず掴みどころのない尾形の、プロフィールやモデル、性格を紹介します。 また正体や生死に関して、目的、他のキャラとの関係についても解説するので、あわせてチェックしてください! ※この記事は『ゴールデンカムイ』の重要なネタバレを含みます。
『ゴールデンカムイ』尾形百之助(おがたひゃくのすけ)のプロフィール
誕生日 | 1月22日 |
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推定年齢 | 25歳 |
推定身長 | 約155.7〜156.8cm |
出身地 | 東京府生 茨城県出身 |
好物 | あんこう鍋 , 赤飯 |
苦手 | しいたけ , パン |
特技 | 射撃 , 自転車 |
声優 | 津田健次郎 |
モデル | カルロス・ハスコック |
尾形上等兵は第7師団歩兵第27連隊に所属する、鶴見中尉の元部下でした。師団からは無断で抜け出したようであり、脱走兵という扱いになっています。冷静で用心深い性格をしており、入浴中でも銃を近くに置いています。 物語序盤で杉元との戦闘後に川に投げられ、その際顎を骨折したことによる両頬の縫い傷が特徴。真顔で口数が少ない彼に関しては謎も多く、思考回路が読めない底知れぬ人物です。 また、月島軍曹の活躍に隠れ目立ちませんでしたが、ある程度はロシア語も会得していると判明しました。
髪をかきあげる仕草がカッコいい!
初登場時の尾形は丸坊主でした。しかし初登場時に重傷を負い入院を経た彼は、前までの髪型が嘘のようにセクシーなツーブロックのオールバックになっていたのです……! 男女問わず人気が高い尾形ですが、その人気の理由の1つに彼のある癖が挙げられます。彼は射撃後や困っているときなどの無意識下で、髪をかきあげる癖がありました。 この仕草がミステリアスな尾形とマッチして、非常にカッコいいです。漫画を読む際は、ぜひ注目してみてください!
【実写キャスト】映画で尾形を演じるのは眞栄田郷敦!
本作の実写版で尾形百之助を演じるのは、人気若手俳優の眞栄田郷敦。父親は日本映画界にその名を馳せた名優・千葉真一であり、兄は大人気俳優の新田真剣佑という芸能界のサラブレッド的存在です。 昨今では映画「東京リベンジャーズ」シリーズで三ツ谷隆を演じ大きな話題に。実写版『ゴールデンカムイ』の予告編では静かな迫力を持つ尾形をしっかり再現している姿を見ることができ、原作ファンからも熱い注目を集めています。
【正体】尾形百之助の正体とは?
父親は元第7師団長の花沢幸次郎中将!
尾形の父親は元第7師団長の花沢幸次郎中将であるため良い血筋をしていますが、本人は自分と母親を捨てた男と見なし嫌っています。 しかし、そんな想いとは裏腹に彼の目元は父親譲り。尾形は「血に高貴もクソもそんなもんありませんよ」と鶴見中尉に述べたこともあり、自分のルーツには強い因縁がある様子。
孤高の山猫スナイパー
射撃の腕前に特に秀でており、後述するように作中では幾度となく活躍しました。本人によれば2000m先の狙撃にも自信があるようであり、高い視力も有しています。 そんな優れた能力を持つ彼ですが、母親が芸者であったためにその隠語として「山猫」と呼ばれ、師団内でも「山猫の子供は山猫」と蔑まれていました。 そのほかにも、ネズミに興味を示したり臭いものを嗅いでフレーメン反応のような表情をするなど、猫のような行動を見せることから猫属性があるとして人気となっています。
杉元たちを裏切ったコウモリ野郎
尾形は所属陣営を転々とし、事態をややこしくさせる「コウモリ野郎」とも呼ばれています。他のキャラからはあまり信用されていない模様です。 網走監獄ではキロランケと結託し、アシリパの父・ウイルク(のっぺらぼう)を殺害しています。また同時に杉本も狙撃し頭部に大けがを負わせました。 ウイルクを撃った理由として考えられるのは、アシリパへ金塊の秘密がバレるのを避けるため。または単にキロランケからの指示を遂行したとも考えられます。 一方で、その後のキロランケとの会話から杉本を狙ったのは尾形の独断だったことがわかっています。個人的な恨み、もしくはアシリパから信頼される杉本の存在が邪魔だと思ったのかもしれません。
【死亡】尾形百之助は死亡したのか?
結論から言うと、尾形は作中で死亡しています。 単行本第31巻、列車の中での最後の戦いで尾形は杉元と一進一退の攻防を繰り広げていました。 そこでアシリパの毒矢を喰らってしまった尾形は、これまでの自分の行動を思い返してしまいます。 毒が体を巡る中で、尾形は自分が殺した義弟である花沢勇作の幻覚を見るのです。勇作に兄さんは祝福された子供だと語られ、自分は欠けた人間なのではなく欠けた人間のルートを選んで通っていただけだと気づきました。 そして罪悪感に支配された尾形は錯乱し、自分で左目を撃ち自害したのです。出生と人生に悩んできた尾形の、悲しくも尊い死でした……。 その他にも尾形が自殺を選んだ理由として、アシリパを人殺しにしないためだったという説があります。また31巻の最後には画家となったヴァシリが描いた絵画「山猫の死」が登場。ヴァシリによる尾形への弔いだと推察されています。
【考察】本当は死ぬ気が無かった?目を撃った理由とは
自分の目を撃ち抜いた尾形ですが、もしかすると自殺の意思はなかったのかもしれません。というのも、尾形は前話で腹にアシリパの毒矢を受けたとき「まだ死ねない」といい、矢じり周りの肉片をえぐりだそうとしていました。 つまり尾形の発砲は死ぬためではなく、あくまで目をふさぐためだったとも考えられます。尾形は自分の中にある罪悪感を認めることは、これまでの自分を否定することだと気がついたのでしょう。そのため真実を見なくて済むよう、目を潰したのです。
【過去】花沢勇作は異母兄弟!?尾形の悲惨な過去とは?
作中ではほとんど無感情な尾形ですが、彼にはそうならざるを得ない悲しい過去がありました。師団長を務める幸次郎の下に生まれたため恵まれた生活を送っているかと思えば、彼は芸者との間にできた息子ゆえ父に捨てられたのです。 幼い頃は茨城にて母方の家で暮らしていましたが、母親は幸次郎がいつか帰ってくると信じて毎日狂ったようにあんこう鍋を作り続けていました。 尾形はそんな母の気を引こうとするも失敗し、あんこう鍋に殺鼠剤を混ぜて殺してしまったのです。 軍隊に入った後は義弟の花沢勇作と同じ第7師団に配属されました。勇作は尾形にとって上官にも関わらず、彼を「兄様」と呼び慕う爽やかな青年だったようです。 しかし尾形は、誰にも愛されなかった自分と愛情を受けて育った勇作を比べ、その境遇の差を強く憎んでいました。 彼は「203高地」にて旗手を務める勇作を背後から射殺し、戦後は鶴見中尉の手引きにより父親の幸次郎も自殺に見せかけ殺害します。完全に独り身となった尾形ですが、その目に映るものとは一体何なのでしょうか……。
【目的】最終章で尾形の望みが明らかに!
本作の登場人物は、基本的に金塊を狙っています。しかし尾形は金塊の使い道を提示しておらず、あまり興味もないようでした。 そもそも彼が軍を離れ金塊争奪戦に単身で加わることになった理由も、成り行きです。それでは彼の本当の目的とは何だったのでしょうか。 最終章の列車の中で、ずっと謎のままだった尾形の金塊争奪戦への参戦理由が、鶴見中尉との会話を通して明らかになりました。 尾形の本当の目的は、鶴見一派の一掃と金塊の獲得、そして最終的に実の父親である花沢幸次郎が務めていた第7師団長に登り詰めることだったのです。 そこには出生欲のような単なる野心ではなく、自分を蔑ろにしてきた父親に対して「偽物でも成り上がれる」ということを証明し、見返したかったという意図が隠されていました。
【性格】尾形百之助は冷静沈着なスナイパー
冷静沈着!射撃に対するプライドは人一倍高い!
普段は物静かな尾形ですが、狙撃に関してのみは他人よりも強い意識を持っているようです。銃の扱いに注意を払わなかった杉元や谷垣へ皮肉を述べたり、狙撃が困難なヤマシギという鳥を3羽も仕留めてきた時は鼻息を鳴らし、得意げにしていました。 樺太にあったロシアとの国境線でスナイパーのヴァシリによる襲撃を受けた際には、同じ狙撃手として手に汗握るバトルを繰り広げました。 「日露戦争 延長戦だ」と言って始まった戦闘は、味方の犠牲も顧みないほど冷酷で、相手の先を読む頭脳戦を含む静かなものでした。 最終的には勝利した尾形でしたが、吐息の白さで居場所を悟られぬよう、雪を口に入れ続けていたため後に体調をくずしてしまいます。自分の体調よりも狙撃を優先して強い忍耐力を見せた彼は、やはり一流のスナイパーだったと分かるシーンでした。
実はバアチャン子!?子供やお年寄りに優しい
残虐で打算でしか動かないイメージの強い尾形ですが、実はバアチャン子であると本人が語っていました。 フチのコタンで谷垣を見つけた尾形は、一度離れ遠くから狙撃します。そこであの場で殺せばよかったと言われ、あの場でやれば目撃者も殺さなければならないと前置きしたうえで「バアチャン子の俺にそんなことをさせるな」と口にしたのです。 また自分の境遇と重なるのか、親から愛情を受けていない子供に優しい一面もあります。
【関係】アイヌの少女・アシリパとの関係は?
杉元達を狙撃する敵として初登場した尾形。この時は杉元に返り討ちにされ、怪我の手当てを受けていましたが、脱走後に土方一派として金塊争奪戦に参加しました。 アシリパと行動を共にしてからも、当初はあまり積極的に関わらず、調理時に「チタタプ」をするよう言われても塩対応でした。 しかし、127話(単行本13巻・アニメ22話)にて初めて「チタタプ」と言ったり、杉元と並んで脳味噌を食べさせてもらうなど、少しずつアシリパとの仲を進展させていきます。 しかし樺太編では、銃撃戦後に発熱でうなされていた際に義理の弟である勇作を狙撃した回想がフラッシュバックします。 夢から醒める瞬間、勇作とそばにいたアシリパが重なって見えたこのシーンは、両者の不吉な未来を予感させるものでした。
【モデル】独特な銃の構え方がそっくり!?尾形のモデルはカルロス・ハスコック
狙撃時の尾形の構え方は片腕に銃身を乗せながら撃つという独特のスタイル。 場合によっては木に刺したナイフなどで代用することもあるものの、何かを支えにして銃撃する機会が多いその姿は読者の記憶に残りやすいです。 赤井秀一やゴルゴ13など、スナイパーのアニメキャラはほかにもいますが、こうした構えをするのは恐らく彼ぐらいでしょう。 尾形はベトナム戦争(1955〜1975年)で活躍したアメリカ海兵隊の伝説的スナイパーであるカルロス・ハスコックと、彼を題材にした映画『山猫は眠らない』(原題:Sniper)の主人公トーマス・ベケットをモデルにしたとされています。 1993年に公開されたこの作品でも、トーマスが似たような姿勢で狙撃する場面が見られます。 独特な構えをする射撃の名手として、尾形もまた漫画・アニメ史に名を残すでしょう。
【声優】尾形百之助を演じるのは津田健次郎!
1995年から活動を始めた津田健次郎(つだけんじろう)は、2012年以降から急激に出演数を伸ばしており、多くのアニメに出演してきた実力派声優です。 色気に溢れるその独特な声がとても印象的であり、まさに「イケボ」という言葉が似合う声を持っています。 『遊☆戯☆王』シリーズの海馬瀬人役や『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』の鳴瓢秋人役などをはじめ、主役キャラを務めた経験も多々あります。 脇役として演じた際でも、その声がキャラの魅力を高めてくれることも少なくありません。
孤高の山猫スナイパー尾形百之助!アニメでの活躍も期待!
今回は孤高の山猫スナイパーである、尾形百之助について徹底解説してきました。尾形は組織を定めず場をかき乱す、作中の超重要人物です。 また影のある過去やその外見から、作中屈指の人気を誇る彼。自害した尾形は最期何を考えていたのか。その生き様に想いを馳せながら、『ゴールデンカムイ』を楽しんでみてください。