『暗殺教室』の最終回が泣ける……ネタバレ感想・その後の姿まで徹底解説！

2012年から週刊少年ジャンプで連載され、漫画・アニメ・実写映画とあらゆるジャンルでヒットを飛ばした『暗殺教室』。 この記事では2016年3月に迎えた本作の最終回を徹底解説！ファンから「泣ける」と評判になった伝説のラストを紹介し、『暗殺教室』の持つ魅力に迫っていきます。

進学校「椚ヶ丘中学校」の問題児を集めた3年E組に、突如現れた謎の生物「殺(ころ)せんせー」。彼は「来年3月までに自分を殺せなければ地球を破壊する」と宣言したうえで、なんと3年E組の担任教師に就任！ このことを知っているのは各国家の首脳陣などたった一部の人間のみ。E組の少年少女たちは周囲に頼れない厳しい環境のなか、突如地球の命運をかけた「暗殺教室」の生徒となってしまいます……。

本作の主人公、殺せんせー。丸い顔にタコのような触手を持つ謎の生物で、毒や銃弾も意に介さない耐久力やマッハ20で世界中を飛び回るスピードなど規格外の能力を有しています。 性格は基本的に物腰やわらかで落ち着いていますが、卑劣な生徒や他人に迷惑をかける人間には怒りをあらわにするなど人間らしい一面も。どうやらこの姿やE組の担任になった経緯には、彼の様々な過去が関係しているようです。

E組の出席番号11番、潮田渚。本作の語り部となる存在で、殺せんせーと肩を並べるもう1人の主人公です。 身長の低さをコンプレックスに感じており、成績不振によりE組所属となってからは誰からも期待されない自分自身に絶望。しかしながら殺せんせーとの関わりのなかで「暗殺の才能」に目覚め、人間的にも大きく成長していきます。

E組の出席番号1番、赤羽業。「カルマ」と読む自身のキラキラネームを気に入っている、フランクな性格の少年。 基本的に善良な性格ですが、その「正義」を貫くために他者とぶつかることも多い問題児です。喧嘩が強いだけでなく頭も切れる頭脳派でもあるため、E組のなかでも特に戦闘面のスキルに長けた人物。ちなみに渚とも仲が良く、お互いに親友として信頼し合っています。

E組の出席番号7番、茅野カエデ。「殺せんせー」というニックネームを最初に発案した少女です。 非常に陽気な性格で、席が隣り合う渚との関係も良好。実は3年時に転入してきている珍しい生徒ですが、その裏には自身の姉を殺したと思われる「触手の怪物への復讐」という狙いが隠れていました。のちに殺せんせーは復讐対象ではないと判明しますが、クラスに大きな騒動を巻き起こしてしまいます。

最終決戦で自身の弟子らと戦い、消耗しきった殺せんせー。E組の生徒は彼を殺したい気持ちと殺したくない気持ちを抱えながら、最終的にはせんせーを殺すことを決意。 そして殺せんせーにトドメを刺す役目には渚が立候補。それに誰も反対することなく、最後は生徒全員に押さえられた殺せんせーに渚がナイフを突き立てるのでした。

渚のナイフが心臓を貫いた瞬間、殺せんせーは光のようになり夜空に消えていきました。 E組の面々はそれを見送りながら涙を流します。せんせーと生徒のあいだには、不可思議だけど確かな絆がありました。ともに過ごした日々を思い返す生徒たちは殺せんせーへの感謝を感じながら、ついに「暗殺教室」を卒業することになります。

卒業式を迎えたE組の面々は暗殺教室が始まった当初とは見違えるほど成長していました。殺せんせーは死んでしまいましたが、彼が残したものは生徒たちのなかに確かに息づいています。 そしてせんせーが彼らに残したもうひとつのもの。それは生徒1人1人に託した「アドバイスブック」でした。ここには読み切るのに苦労するほどの、せんせーからのアドバイスが明記。彼らはその言葉を胸に、それぞれの未来に向けて歩み始めるのでした。

潮田渚は7年後、教職員の道を歩んでいます。 「市立極楽高等学校」の教育実習生として働いている彼は、暗殺教室で培った能力で不良たちを驚愕させ、のちにその実績を買われ同校に正式に就職することになりました。

赤羽業はその優れた頭脳を活かし、7年後には国家公務員試験に合格。 国家公務員になってからは経済産業省で研修を受けているようで、のちに日本を大きく動かすようなエリートコースを歩んでいるようです。

茅野カエデは天才子役として活躍していた経験を活かし、高校卒業と同時に「女優業」に復帰。 7年後には暗殺教室で鍛えた身体能力を駆使し、スタント無しで演技をおこなうアクション派女優として活躍しているようです。ちなみに渚との交流は卒業後も続いている模様。

E組のなかでも目立つ存在だった潮田渚と茅野カエデ。 作中では非常に仲の良い友人として描かれる場面も多く、恋人というよりは「親友」のような関係性でした。しかしカエデの過去が明らかになったタイミングあたりから、彼女は渚のことを少しずつ異性として意識し始め最後には恋愛関係に発展していったようです。

E組のクラスメイトである赤羽業と奥田愛美。 そもそもは赤羽が奥田に自身のイタズラなどを手伝ってもらう関係でしたが、赤羽は奥田を何でも話せる貴重な相手として大切に思っていたようです。そして真面目過ぎる奥田にとっても、赤羽は気を許せる貴重な存在。 一見正反対に見える2人は少女漫画のようなカップルとしてファンからも人気を集めています。

殺せんせーをE組に連れて来た自衛官の烏間惟臣と、教師として派遣されてきた暗殺者のイリーナ・イェラビッチ。 2人は公式で結婚まで至っている唯一のカップルです。その美貌で数多の男を魅了してきたイリーナですが、それになびかない堅物の烏間に惚れ込んだ様子。正反対の2人の結婚に驚いたファンも多かったようです。

最終話の1つ前、179話で誰かが手を繋ぐシーンが描かれていました。 作中で手を繋いでいたのが誰なのかは明言されていませんが、一説では「渚とカエデ」ではないか。はたまた「人間だった頃の殺せんせーと想い人だった雪村あぐり」ではないかという説も。答えははっきりしませんが、このシーンはファンに解釈を委ねる名シーンとして今も語り継がれています。

漫画版でも名シーンとして知られる「殺せんせーとの別れ」で挿入された楽曲。 ピアノ伴奏で始まるメロディーと殺せんせーへの感謝と別れの悲しみを綴った歌詞が涙を誘います。歌っているのが「3年E組」の面々なのも憎い演出ですね。

タイトル通り卒業式のシーンで挿入された楽曲。 美しい思い出を懐かしみながらも、未来へ進む希望の光を感じさせる「卒業」にぴったりの名曲です。歌を担当したのは歌手として活躍する宮脇詩音。アニメ『暗殺教室』の楽曲を複数担当する、本作ファンにはお馴染みのアーティストです。

『暗殺教室』をベースにしたスピンオフコミックとして、2015年から2019年まで『最強ジャンプ』に連載されていた『殺せんせーQ！』。 クヌギガオカ魔法学校の生徒たちが魔王となった殺せんせーに立ち向かうファンタジーコメディで、作画を青戸成、企画・ストーリーを渡邉築が担当。松井優征版の原作とはひと味違った『暗殺教室』を楽しめる作品です。

今も名作として語り継がれる『暗殺教室』。 その最終回は涙を誘う感動のストーリーとなっており、本作を長く楽しんだファンも納得の名シナリオとなりました。まだ読んでいない方はこれを機に『暗殺教室』を読み返し、感動の最終回を楽しんでみてはいかがでしょうか！