2023年10月20日更新

『進撃の巨人』エルディア人を徹底解説!マーレ人との違いやモデルとは?

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進撃の巨人
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

連載が終了してからも人気は衰えず、多くのひとを魅了し続けている『進撃の巨人』。 本作には物語に深く関わる種族として、「エルディア人」と呼ばれる人々が登場します。彼らはいったいどんな特徴を持つ民族で、作中に登場するマーレ人とはどのような違いがあるのか。本記事では謎多きエルディア人について徹底解説していきます! ※この記事は「進撃の巨人」の重要なネタバレを含みます。

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エルディア人の基本概要【進撃の巨人】

進撃の巨人 エレン ミカサ アルミン
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

エルディア人とは初めて巨人化能力を有した女性、ユミル・フリッツを始祖とした民族の総称です。かつては「巨人の力を手にした種族」として恐れられていましたが、内戦により国が崩壊したあとは、その大多数がパラディ島という離島に移り住むことになります。 パラディ島のエルディア人は巨大な壁の内側に住み、「壁の外の人類は全滅した」という偽の歴史を創作。それにより過去の歴史を忘却していき、パラディ島こそが世界のすべてと捉え暮らすようになります。そしてその子孫として生まれたのが、エレンたちというわけなのです。 また本土に残されたわずかなエルディア人はマーレ帝国などで暮らしていますが、そこで彼らは激しい差別を受けることに。エルディア人への差別は次第に軟化していったようですが、腕章をつけて生活しなければならないなど、厳しい扱いを受け続けていました。

エルディア人の歴史を紐解く!マーレとの対立はなぜ起きたのか?

進撃の巨人 エレン
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

エルディア帝国の誕生

現在のエルディア人の始祖とされるユミル・フリッツ。光るムカデとの接触により巨人化する能力を手にした彼女を利用し、かつてのエルディア人たちはその勢力を大きく拡大。これをきっかけに巨人の力を有する巨大国家「エルディア帝国」が誕生し、周辺国の脅威となりました。 エルディア帝国は巨人の力を振りかざし、その苛烈な行動はどんどんとエスカレート。そして彼らはエルディア人繁栄のため、恐ろしい行動をとり始めるのでした。

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民族浄化計画とマーレ人との対立

エルディア帝国は自らの繁栄のため、他の民族と子どもを作りエルディア人を増やしていく「民族浄化計画」を実行します。様々な民族をエルディア帝国のなかに取り込み、ゆくゆくは全世界の民をエルディア人にしようと考えていたのです。 しかし他の種族を滅ぼしながら勢力を拡大していくエルディア人たちに対し、マーレ人は強い敵対心を持つことに。ここから少しずつ世界の流れが変わっていき、エルディア帝国は苦境に立たされることになります。

九つの巨人を奪われ、マーレ帝国に敗北

エルディア帝国145代目の王となったカール・フリッツ。彼はエルディア人による支配を憂いており、一部の貴族やマーレ側の勢力と結託し「巨人大戦」と呼ばれる内戦を引き起こします。これによりエルディア帝国は弱体化し、さらに「九つの巨人」のうち7体がマーレの管理下に置かれることに。 エルディア帝国は崩壊し、カール・フリッツは自身の考えに賛同するエルディア人とともにパラディ島へ移住。残ったエルディア人はマーレ国内の収容所に送られ、過酷な日々を送ることになってしまいます。

秘密組織・フクロウの暗躍

マーレ帝国の収容所で苦しい生活を送るエルディア人たち。そこでの激しい迫害が引き金となり、彼らのなかに「エルディア復権」を狙う一派が現れます。そのグループは秘密組織・フクロウを組織し、社会の裏側で暗躍を開始。 その火種はマーレ帝国のなかで燃え続け、のちにマーレを内部から破壊しようと目論むジークが現れるきっかけとなります。エルディアとマーレの対立。その裏には途方もない歴史と犠牲が隠されているのでした。

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マーレ人やユミルの民との違いを解説

進撃の巨人 ジーク
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

エルディア人とマーレ人の違いとは

かつてはエルディア人を恐れていたものの、その後反旗を翻しエルディア人を弾圧する側に回ったマーレ人。2つの種族の1番の違いはやはり「巨人化できるか否か」というところでしょう。エルディア人は巨人化能力を有しており、それにより勢力を大きく拡大。 その反面マーレ人は巨人化能力を所持していないため、長らくエルディア人に対抗することができませんでした。彼らはその戦力差を埋めるため、様々な策略により「九つの巨人」を管理下に置けるよう奔走したのです。

ユミルの民との違いとは

進撃の巨人 エレン
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

エルディア人は巨人化できる種族として恐れられていますが、実は巨人化できるのはエルディア人のなかにいる「ユミルの民」と呼ばれる存在のみ。ユミルの民とはその名のごとく、エルディアの始祖であるユミル・フリッツの血を継ぐ者たちを指します。 かつて巨人化の力を手に入れたユミルの血族だけが、その巨人化能力を継承。しかし長い歴史の中でエルディア人=ユミルの民という認識が広まり、さらにユミルの血を継ぐ者が誰なのかも不明瞭に。それにより「エルディア人すべてが巨人化能力を持つ」と誤解されることになったようです。

エルディア人とパラディ島の関係を解説

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©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

マーレ帝国の海岸から少し離れた場所に位置するパラディ島。内戦をきっかけに崩壊したエルディア帝国の民の多くは、カール・フリッツとともにこの島へ移り住むことになります。彼らはそこで超大型巨人を利用した3つの壁を生み出し、外界との接触を完全に断った国を建国。 その帝国では「壁の外にいる人間は巨人の手により滅ぼされた」という偽の歴史が作られ、さらに住民が壁の外に出ないよう厳しい情報統制などがなされることになります。それにより「壁の中の世界」という隔絶された空間が生まれ、住民たちは何の疑いもなく暮らすようになっていくのです。 またマーレ帝国側はパラディ島を「楽園」と呼び、罪を犯したエルディア人をパラディ島で巨人化させる、通称「楽園送り」という刑を実行。この島は恐ろしいエルディア人が閉じ込められた場所として、マーレを含めた世界中の国から憎悪と恐怖を向けられているようです。

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エルディア人のモデルはユダヤ人?

進撃の巨人
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

エルディア人のモデルは「ユダヤ人」だと言われています。その優秀さを恐れられ、大国の監視下に置かれる。さらにそこで苛烈な差別を受け、過酷な生活を強いられる。その姿はナチスに迫害されたユダヤ人を彷彿とさせます。 そしてエルディア人のモデルがユダヤ人ということであれば、彼らを弾圧するマーレ人のモデルはナチス・ドイツがモデルだと考えることができるでしょう。エルディア人を弱体化させ収容所に押し込める姿は、ナチスがおこなっていたホロコーストに酷似していました。 このように『進撃の巨人』には人類の歴史が組み込まれており、それにより強いメッセージ性を持たせることに成功しています。

エルディア人の存在なしに『進撃の巨人』は語れない!

進撃の巨人 エレン
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

『進撃の巨人』の根幹にも関わってくる民族エルディア人。 ある意味本作はエルディア人の物語であり、彼らの歴史を描いた作品とも言えます。これを機に『進撃の巨人』を読み返し、作中におけるエルディア人の重要性を復習してみてはいかがでしょうか。