2023年10月10日更新

『進撃の巨人』フリッツ王を徹底解説!レイス家との関係や真の正体・目的を整理

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すべての元凶ともいわれる初代フリッツ王や壁の中のフリッツ王、初代レイス王など、『進撃の巨人』の物語にはいくつかの王家が深く絡んできます。 作品の理解度にも大きく関わるフリッツ王について、初代や145代目の王の目的、レイス王の正体などを本記事でまとめて解説。『進撃の巨人』の中盤以降で混乱してしまったという人は、改めておさらいしてみてください! ※この記事は『進撃の巨人』の重要なネタバレを含みます。

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初代フリッツ王の正体と目的

名前 本名不明
コミック初登場話 30巻122話
アニメ初登場話 80話(The FINAL Season Part2の4話)

初代フリッツ王はのちにエルディア帝国を支配するフリッツ家、そしてパラディ島に渡るレイス家のルーツとなる人物です。顔ははっきりと描写されていませんが、無感情に侵略行為をする様子などから、初代フリッツ王は冷酷な人物だったことが分かります。 奴隷を家畜同然に扱ったり、娘に母親を食わせたりと、すべての元凶たるにふさわしい残虐性の持ち主。「褒美だ、我の子種をくれてやる」というセリフからも彼の絶対性が窺えます。

始祖ユミルとの関係

始祖ユミルはもともと初代フリッツ王の奴隷の1人でした。しかし彼女が偶然巨人の能力を得たことで、王はユミルに自身の子種を与えます。 子を設けユミルは妃のような立場になりましたが、王からの扱いは依然として使える道具程度。王は自国発展のため、彼女を使い続けます。 13年後、自分を庇って致命傷を負ったユミルに対し、王は愛情の欠片すら見せません。絶望したユミルが死を選ぶと、王は巨人の力を失うことを良しとせず、娘3人にユミルの死体を食わせました。最後まで王にとってユミルは妻ではなく奴隷だったのです。

初代フリッツ王の目的とは

初代フリッツ王にとって大事なことは、ユミルの血を永遠に継承し続けて、世界を支配し続けることです。 彼が最期に遺した言葉も「子を産み、増やし続けよ。ユミルの血を絶やしてはならん」というものでした。彼は脊髄に能力継承因子があることも知っていたようで、子孫たちに背骨を継承していくよう言い遺しています。 王の死後、エルディア帝国は1700年もの間、地上を殺戮と侵略で支配し続けることとなりました。

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145代フリッツ王の正体と目的

名前 カール・フリッツ
コミック初登場話(不戦の契への言及) 22巻88話
アニメ初登場話 58話(Season3の21話)

145代フリッツ王、カール・フリッツは壁の中の世界を作り出した人物です。初代レイス王とは同一人物。大陸に残るエルディア人からは、国を捨てて島に逃げた臆病者であり裏切り者の王と評されてきました。 彼の行動の真相は、ヴィリー・タイバーの演説によって明かされます。約100年前に壁内人類を作った人物なので、物語開始時点で故人です。作中では伝承や回想といった形でのみの登場となりました。

145代フリッツ王の時代から巨人大戦に突入

145代フリッツ王は巨人の力で外敵がいなくなり、国内での醜い権力争いが絶えないエルディア帝国に嫌気が差していました。また長年虐げてきたマーレ人への罪の意識もありました。 そこで彼は国内で「戦鎚の巨人」を管理する貴族・タイバー家、そしてマーレ人の英雄へーロスと裏で結託して、国内に「巨人大戦」を引き起こします。内紛で国力が弱まったところにへーロスを赴かせ、帝国が世界を支配する構図を崩したのでした。

パラディ島に逃げ込み初代レイス王に!

カール・フリッツはこの大戦を機に、自分に賛同するエルディア人を連れてパラディ島へ逃げ込みます。 「始祖の巨人」である王は、その力で数千の巨人を作り出して3重の壁を作りました。そして始祖の巨人の記憶改ざんの力を使い、連れてきたエルディア人に壁の外の人類は巨人によって滅んだという嘘の歴史を刻み込みます。こうして続いてきたのがエレンたちが暮らす壁の中の世界だったのです。 このとき彼は自身の姓もフリッツからレイスへと変えました。そのため145代フリッツ王=初代レイス王となるわけです。偽のフリッツ家を表向きの王家とし、自分たちはいち貴族として、彼らは秘密裏に始祖の巨人の力と真の歴史を継承していきます。

不戦の契とは?

平和を願う145代フリッツ王は、始祖の巨人と「不戦の契」を交わします。その内容は、始祖の巨人の能力を継承した王家の血筋の者は、始祖の巨人が本来持つ全巨人を操るという絶対的な力を使うことができないというものです。 その根底には長年他民族を虐殺したエルディア人は、報復によって滅びる運命を受け入れるべきという考えがあります。この契約により彼以降の継承者は、145代フリッツ王の思想を継承し、その能力を使えませんでした。

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現在の王家フリッツ家・レイス家を整理

フリッツ家は145代フリッツ王の代から、壁内と壁外の2つに分かれるようになります。物語開始時点でフリッツ家・レイス家はどういった状況にあるのか、整理しながら見ていきましょう。

壁内

フリッツ家:偽りの王家

壁内にいるフリッツ家は、145代フリッツ王が影武者として立てた偽のフリッツ家です。「人類繁栄の象徴」として市民には敬意を払われていますが、その実態は玉座で居眠りをするような傀儡の王でした。 どんな経緯で偽の王家にこの一族が選ばれたかは不明。数少ない描写から見るに、政治にも関心のない無能な人物のようでした。

レイス家:真の王家

壁内の真の王家がレイス家です。ウォール・シーナの貴族として暮らしながら、145代フリッツ王から続く壁内での王家の血筋と始祖の巨人を100年間守ってきました。当主のロッド・レイス以外は、エレンの父・グリシャの襲撃で死亡しています。 ロッド以外では、妾の子供だったヒストリア・レイスが唯一の血族です。

壁外

フリッツ家:大陸に残った王家

145代フリッツ王の考えに賛同しなかった王家の一部は大陸に残り、マーレの収容区で暮らします。グリシャの前妻でジークの母、ダイナ・フリッツはその一族の末裔にあたり、「エルディア復権派」として動いていました。

フリッツ王の声優は誰?

アニメで初代フリッツ王を演じているのは声優の津田英三(つだえいぞう)です。1970年代から活動する大ベテランで、吹替ではザンダー・バークレーなどを担当。アニメでは「ポケモン」ナナカマド博士役などが有名です。 壁内の偽のフリッツ王は園江治(そのえおさむ)が担当。彼も1970年代から俳優として活動しています。初代レイス王である145代フリッツ王は回想としては登場していますが、セリフがないため声優はいません。

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フリッツ家を理解すると『進撃の巨人』が一気におもしろくなる!

進撃の巨人
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

『進撃の巨人』の核となるフリッツ王についてポイントを絞って解説しました。複雑な背景と歴史を持つ一族なので理解するのは容易ではありませんが、この解説を踏まえたうえで改めて漫画やアニメの『進撃の巨人』を楽しんでみてください!