2024年5月10日更新

『チェンソーマン』OPパロディ箇所を徹底解説!元ネタは意外な映画の名場面だった?

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チェンソーマン
©藤本タツキ/集英社・MAPPA

『チェンソーマン』の原作者である藤本タツキは映画好きとして知られており、作中にさまざまなオマージュを散りばめています。その映画愛が反映されているのか、アニメのOP映像にも映画パロディが盛りだくさんです。 この記事ではそんなアニメ『チェンソーマン』OP映像のパロディシーンについて徹底解説していきます! ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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『チェンソーマン』OPのパロディ・元ネタを徹底解説

『レザボア・ドッグス』

パロディシーン

デンジとマキマ、パワー、アキの4名が黒いスーツ姿で歩いているシーン(0:02~0:08あたり)です。人数や歩いている場所の背景は違うものの、服装や構図が似通っています。

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スーツ姿の4人がかっこいい!パロディだったとは知らなかったけど、見比べてみるとたしかに似てるね。

元ネタ映画の特徴

クエンティン・タランティーノの長編デビュー作であり、その生々しい暴力描写が高く評価された犯罪映画です。カンヌ国際映画祭で事前に「心臓の弱い方はご遠慮ください」という警告が出されたことでも話題になりました。 宝石店強盗計画のため集まった、お互い素性を知らない6人の男たち。彼らが疑心暗鬼に陥り容赦ない殺し合いをする様子が描かれます。物語は終始殺伐とした雰囲気で進み、上に挙げた警告の通りショッキングなシーンも多いです。

『悪魔のいけにえ』

パロディシーン

幼少期のデンジが墓場でポチタを抱きしめているシーン(0:09~0:10あたり)。デンジのポーズや背景である墓場の様子はもちろん、空模様や全体的な色調までそっくりに描かれています。

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これは特にわかりやすかった!構図も色調もそっくりで。チェーンソーが活躍する作品だからそのあたりも連想してしまうよね。

元ネタ映画の特徴

本作はホラー映画・スプラッター映画の金字塔として知られ、ジャンル問わずさまざまな作品に影響を与えてきました。低予算かつ無名の俳優を起用しているにもかかわらず、今なお根強い人気を誇っています。 殺人事件が頻発するテキサス州に帰郷した5人の男女が、殺人鬼に次々と襲われていく本作。殺人鬼がチェーンソーを使用しているあたりに、「チェンソーマン」との関連性も感じられます。

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『パルプフィクション』

パロディシーン

岸辺が銃を構えて何かを話しているシーン(0:11)。構図としてはスタンダードなものではありますが、腰かけているソファや壁の模様も完全に一致しており、この作品を元ネタにしていることが明らかです。

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完全に一致!かっこよくてつい何度も見てしまう。岸辺の銃を持った手が揺らいでるのも細かいなあ。

元ネタ映画の特徴

タランティーノ監督の長編第2作で、1994年のアカデミー賞で脚本賞を受賞しています。さらにカンヌ国際映画祭では最高賞のパルム・ドールを獲得しました。 タイトルには「低俗な話」、「三文小説」といった意味があり、短編を寄せ集めたような独特のストーリーが展開されていきます。時系列がバラバラで複雑な構成になっていますが、“その意味のわからなさが面白い”と高い評価を集めています。

『ノー・カントリー』

パロディシーン

一瞬だけ映し出される、暴力の魔人がベッドに座っているシーン(0:12)です。細部のちがいは多々ありますが、アングルや人物のポーズなどはほとんど同じになっています。

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暴力の魔人とアントン・シガーを重ねるとかさすがすぎる!かっこいい……。

元ネタ映画の特徴

テキサスを舞台に繰り広げられる追跡劇を描くスリラー映画。2007年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞の4冠を達成した作品です。 麻薬取引の大金をめぐるベトナム帰還兵と殺し屋の攻防にハラハラドキドキが止まりません。倫理観が抜け落ちた殺人鬼による理不尽すぎる暴力描写が恐ろしいです。

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

パロディシーン

アキが左ハンドルの車を運転し、デンジが助手席に座っているのを後部座席から眺めているようなシーン(0:13~0:14)。窓の外に見える背景もよく似ています。

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純粋に車の運転してるアキくん見られるの嬉しかった!元ネタのシーンも大好き。

元ネタ映画の特徴

タランティーノの長編第9作目で、大物俳優のレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演を果たした作品です。1969年のハリウッドを舞台にしており、ストーリーも当時実際に起こった痛ましい事件を題材にしています。 物語の主人公は、すっかり落ちぶれた元スター俳優と彼のスタントマン兼相棒。ふたりのブロマンス的な熱い関係性や、あちこちに散りばめられたハリウッドネタが見どころです。

『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』

パロディシーン

異様に狭すぎる会議室に岸辺、アキ、荒井、コベニの4名が集まり、椅子に座ろうと悪戦苦闘しているシーン(0:14~0:15)。緊張感がまるで感じられないモタモタした動きも見事に再現されていました。

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シュールすぎて大好き。壁にトマトの悪魔が描かれたポスターみたいなの貼ってるの、細かいなー!

元ネタ映画の特徴

「(B級よりさらにひどい)Z級映画」や「不朽の駄作」など散々な称号をつけられながらも、カルト的な人気を誇る伝説的SFホラーコメディ。荒唐無稽で攻めた設定やストーリー、ツッコミどころ満載の作りが見どころです。 アメリカ政府が開発した巨大トマトが突如暴走し、人間を襲い始める……というあらすじの時点でシュールですが、チープな演出や唐突なミュージカルシーンなど、終始なんともいえない魅力を放つ作品です。

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『女優霊』

パロディシーン

デンジがカメラ目線で何かに怯え、パワーがその背後で笑っているシーン(0:15~0:16)です。画面の暗さやふたりの背後にある障子、両手で口元をおさえるようなデンジのポーズがそっくりに描かれています。

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怖いシーンのはずなのにデンジとパワーがやってるとギャグ調に見えてしまう不思議……。

元ネタ映画の特徴

1996年に公開された日本のホラー映画で、2010年にはアメリカでリメイク版『THE JOYUREI 女優霊』も制作されました。ジャパニーズホラーの第一人者・中田秀夫の映画監督としてのデビュー作でもあります。 新人監督がテストフィルムに謎の女優が映っていることに気付いたのをきっかけに、さまざまな怪奇現象が起こるという物語。独特のじっとりした雰囲気やじわじわ迫りくる恐怖に背筋が凍ります。

『ジェイコブス・ラダー』

パロディシーン

天使の悪魔が階段にひとりで腰かけているシーン(0:17)。「ヤコブの梯子」をモチーフとしている作品なので、そこから連想して「天使」の名がつく彼が当てはめられたのかもしれません。

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この映画難解だけど個人的にすごく好きな作品なので、パロディに気付いたときは大興奮してしまった!

元ネタ映画の特徴

旧約聖書の「ヤコブの梯子」から着想を得たサイコスリラー映画です。有名なホラーゲーム『サイレントヒル』の世界観に影響を与えた作品としても知られています。 郵便局員の主人公は、ある日地下鉄車内で悪夢を見たのをきっかけに、夢と現実の間をさまようことに。得体の知れない恐怖が生々しく描かれ、その難解で考察しがいのある内容も話題を呼びました。グロテスクでショッキングな映像も多いです。

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『コンスタンティン』

パロディシーン

アキと姫野が夜の街を背景に向き合っているシーン(0:18)。キスをしそうでしない距離感がなんとも切なく、作中でのふたりの関係性が反映されているようでもあります。

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悪魔狩りっていう設定自体がもうチェンソーマンを連想してしまう。主人公がアキとか姫野にちょっと雰囲気似てる。

元ネタ映画の特徴

キアヌ・リーブス主演のファンタジー・アクション映画で、悪魔祓いの主人公の活躍が描かれます。キリスト教の要素があちこちに散りばめられていて、宗教色が濃いのが特徴です。 悪魔祓いの才能を持つ探偵コンスタンティンは、ある日これまで均衡を保っていた天国と地獄のバランスが崩れつつあることに気付きます。自身も病に侵され余命宣告を受けながらも、世界を脅かそうとする魔物と戦いに挑むコンスタンティンですが……。

『ビッグ・リボウスキ』

パロディシーン

デンジが仲間とともにボーリングを楽しんでいるシーン(0:28~0:31)です。デンジがボールを布で擦る動きが元ネタとそっくりなのにくわえ、ボーリング場の様子までしっかりと再現されています。

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ボールを独特な姿勢で拭くシュールなシーン、デンジくんで見られたの嬉しかった。パワーの元ネタになったキャラもいるらしく、また観返さないと!

元ネタ映画の特徴

同姓同名の大富豪と間違えられた男が誘拐事件に巻き込まれるコメディ映画。不条理なドタバタ劇が描かれており、観る人によって「よくわからない」「最高」と評価が分かれる作品でもあります。 うだつが上がらない中年男性・デュードは、人違いをきっかけに奇妙な騒動に巻き込まれることに……。随所に差し挟まれるブラックユーモアがクセになります。ボウリング場のシーンがやたら多いのも特徴です。

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『ファイト・クラブ』

パロディシーン

パワーがハンマーで打った巨大な金の玉が派手に転がるシーン(1:09~1:10あたり)。背景などは異なりますが、インパクト抜群の場面なので元ネタがこの作品であることは明らかです。

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一度見たらなかなか忘れられないインパクト抜群のシーン。見てすぐわかった!

元ネタ映画の特徴

90年代を代表するサスペンス映画として高く評価されており、今なお根強い人気を誇っています。作中で出てくる「ファイト・クラブのことを決して口外するな」というルールも非常に有名です。 一見満たされているように見えて空虚な毎日を送る主人公が、「秘密のクラブ」の活動にのめり込んでいく姿が描かれます。予想外の展開が繰り広げられたすえにまさかのラストを迎える、ネタバレ厳禁の作品です。

OP曲「KICK BACK」では米津玄師がモー娘。をオマージュ?

『チェンソーマン』のOPは映像だけでなく、米津玄師が歌う楽曲「KICK BACK」にもパロディが含まれます。それが楽曲中で何度も繰り返される「努力未来 a beautiful star」のフレーズです。 これはモーニング娘。の「そうだ!We’re ALIVE」から丸ごと引用されたもの。使用にあたってあらかじめつんく♂に許可も取っています。 米津玄師は小学生のとき原曲を繰り返し聴いており、このフレーズが強烈に印象に残っていたとのこと。自身の曲に取り入れようと思った理由については「直感としか言いようがない」と語っていますが、結果として他にはない独特の空気感を生み出すに至っています。 完成した楽曲を聴いたつんく♂も、「才能の塊というのは本当に恐ろしい」というコメントを寄せていました。

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『チェンソーマン』OPのパロディシーンを徹底解説しました!

チェンソーマン
(C)藤本タツキ/集英社・MAPPA

この記事では、パロディが盛りだくさんの『チェンソーマン』OPについて徹底解説してきました。これだけ紹介してもすべてを取り上げきれたわけではなく、ほかにもさまざまなパロディやオマージュが含まれます。ぜひ実際に動画を見てチェックしてみてくださいね!