『九龍ジェネリックロマンス』小黒(シャオヘイ)の正体から物語の伏線を考察！オリジナルとジェネリックとは？

小黒(シャオヘイ)は眉月じゅんによる漫画『九龍(クーロン)ジェネリックロマンス』に登場する、ある2面性を持つキャラクターです。本作は2025年4月からアニメが放送中、実写映画が2025年夏に公開予定の話題作。 本記事ではそんな『九龍ジェネリックロマンス』にかわいい少女として登場する小黒について、正体や伏線の謎も交えて解説＆考察していきます！ ※この記事は『九龍ジェネリックロマンス』の重要なネタバレを含みます。

小黒(シャオヘイ)はロリータファッションを好む小柄のかわいらしい女の子。ですが実は男性で、後にオリジナルの姿でも登場します。

小黒(小)ことジェネリック小黒は商魂たくましく明るい少女です。細かいことは気にしないタイプに見えますが、彼女はオリジナルこと小黒(大)の過去への未練から生まれた存在です。 「過去に戻りたい」という後悔をトリガーに、小黒(大)はジェネリック九龍に入り、そこで小黒(小)が生まれました。ということは小黒(小)も見た目と裏腹に、成長への恐怖を抱えていると考えられますね。 また小黒(大)は複数の仕事を掛け持つ傍ら、ユウロンから主人公の鯨井令子(くじらいれいこ)の殺しを依頼されていたり、G(ジェネリック)とR(リアル)が同時に存在できたりと、謎多き存在として描かれています。

小黒の過去として分かっていることは、彼のオリジナルは過去に九龍に住んでいたこと。当時はロリータファッションのインフルエンサー・苺ちゃんとして活躍していました。 しかし体が成長して男の体つきになったことで、彼は大好きな服をすべて処分。今もかわいい服への思いは消えていませんが、普通に男性の姿で生活しています。 G九龍にバイトで出入りする小黒(大)は、九龍内で過ごす過去の小黒(小)を双眼鏡で覗いていました。本来、九龍内にRとGは同時に存在できないのですが、これは本作のテーマであるアイデンティティが関係していそう。 小黒(小)＝少女としての自我、小黒(大)＝男しての自我。この違いが共存を可能にしているのでしょう。 G九龍内にいる人間はジルコニアン、いわばクローン人間と推定されるため、小黒(小)もジルコニアンのはず。これを入れ物に、小黒(大)の記憶を入れると彼はかつてのかわいい頃の自分に戻れることになります。

小黒(大)はユウロンから鯨井の殺しを持ちかけられています。一方で、小黒もユウロンの研究について調査しており、お互いに腹の底が見えない状況です。 また工藤とはオリジナル小黒がロリータファッションをしていた頃にも交流がありました。ただ当時は工藤から女性と認識されていたことが判明。ユウロンの推論通りG九龍が工藤の意識と連動しているなら、このことが2人の小黒が存在できる理由だと考えられます。

本作では「自分とは何者か」というテーマが様々な角度から描かれています。登場人物がそれぞれにアイデンティティについて悩みや後悔を抱えており、それは小黒も然りです。 過去の自分をG九龍内で観測できるという唯一無二の小黒(大)。蛇沼やユウロンが睨んでいるようにG九龍の住人＝ジルコニアンであるなら、小黒が最初の過去に戻る被験体になる可能性もまだ残っています。 一方で小黒自身も大旦那や汪先生など、物語のカギを握る人物の近くに身を置いていることから、謎の核心に迫る可能性も。女性と男性、クローンとリアル、過去と現在といった対象性を内包する稀有な存在として、G九龍の成り立ちに関係しているのかもしれません。

作品のテーマを体現するキャラの1人・小黒(シャオヘイ)について紹介しました。アニメ化＆実写化のWメディア化で話題の『九龍ジェネリックロマンス』。原作もまだまだ謎に包まれていて、いまだその全貌は見えてきません。 小黒(シャオヘイ)も大旦那に仕える理由や本当の目的などはいまだ不明です。かわいくてかっこいい小黒が今後どう物語の核心に絡んでいくのか。Wメディア化とともにぜひ原作も追って、その動向をチェックしてみてください！