2025年7月26日更新

【ネタバレ感想】映画『スーパーマン』(2025)あらすじやラストを考察!ジェームズ・ガンが込めたメッセージとは

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スーパーマン、映画、2025、
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元祖スーパーヒーローとして、多くの人々に愛されてきたスーパーマン。これまで彼にまつわる数多くの作品が作られてきましたが、2025年7月11日に待望の新作映画『スーパーマン』が公開されました! こちらはジェームズ・ガンとピーター・サフランが舵を取る、「新生DCユニバース(DCU)」の幕開けとなる作品です。 本記事ではそんな『スーパーマン』のネタバレあらすじやラスト・続編の考察、さらにジェームズ・ガン監督が込めたメッセージを解説します! ※この記事は映画『スーパーマン』(2025)の重大なネタバレを含みます。

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DCU幕開け!新作映画『スーパーマン』(2025)あらすじ

タイトル 『スーパーマン』
公開日 2025年7月11日
上映時間 -
監督 ジェームズ・ガン
キャスト デイビッド・コレンスウェット , レイチェル・ブロズナハン , ニコラス・ホルト

元祖スーパーヒーローを主人公とする最新映画『スーパーマン』。もともとは『スーパーマン:レガシー』というタイトルになると語られていましたが、「レガシー」部分は削除されています。 本作は新生DCユニバース、通称DCUの劇場映画第1弾です。DCUはスーパーマンをはじめとする、DCコミックスの人気キャラたちが集う作品群を指します。つまり、『スーパーマン』は今後生み出されるDCU作品の源流となる、非常に重要な作品なのです。 DCコミックスファンからは「本作の出来次第でDCUの命運が決まる」「プロジェクトの威信をかけて名作に仕上げるはずだ」と、期待と不安の入り混じった声があがっています。

新作映画『スーパーマン』(2025)のあらすじ

デイビット・コレンスウェット,スーパーマン、2025、デイビット・コレンスウェット
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大手メディア「デイリー・プラネット」で働くクラーク・ケントは、どこにでもいる普通の青年。実は彼こそ、人々を脅威から守る「スーパーマン」なのです。 しかし、とある紛争を止めようと動いたスーパーマンは、彼を陥れようとする天才実業家レックス・ルーサーの策略で「侵略者」として非難され始めます。 再び誰からも愛されるヒーローに戻る日は来るのか、そしてスーパーマンを目の敵にするレックス・ルーサーの狙いとはーー。

新作映画『スーパーマン』のネタバレあらすじを解説

ボラビア紛争への介入

地球に流れ着いた異星人の赤ちゃんカル=エルは、クラーク・ケントとして育てられ、メトロポリスのヒーロー・スーパーマンとなります。 ある時、政府の許可なしでボラビア紛争に介入し、国際問題へと発展。さらに「ボラビアのハンマー」と名乗る謎の強敵も現れ、スーパーマンは敗北を喫します。相棒のスーパードッグ・クリプトに運んでもらい、秘密基地「孤独の要塞」へ退避しました。 実の両親からのメッセージを観ながら治療にあたるスーパーマン。地球での活躍を祈るメッセージは途中で切れており、メッセージの全貌は分かりません。 冒頭から圧倒される「孤独の要塞」は、CGではなく巨大なセットを使用。内部で働くロボットも実際に制作するなど、序盤から監督のこだわりが詰まっています。ロボットの声優は、監督の"あの代表作"に登場する俳優が担当しました。

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愛される存在から「侵略者」へ

スーパーマンを憎悪する天才レックス・ルーサーは部下のエンジニアを使い、両親からのメッセージをハッキングします。途切れたデータを復元すると、そこには「地球征服」という言葉が残っていたのです。 ルーサーは内容を世間に公表し、スーパーマンは「侵略者」の嫌われ者に。さらに、ルーサーが作ったポケットユニバースの監獄へ送られました。 スーパーマンは、弱点の鉱物・クリプトナイトにより弱体化しますが、ルーサーに反旗を翻したメタヒューマン・メタモルフォが太陽の力を生み出し、スーパーマンは復活。恋人・ロイスとミスターテリフィックの助けもあり、拉致されたクリプトと共に脱出を果たしました。 ポケットユニバースでは、ルーサーの命令で誹謗中傷の書き込みをする大量の猿が話題に。これはジェームズ・ガン監督が、過去の失言ツイートで誹謗中傷の嵐に晒された実体験がもとになっています。

ヒーローの復活

ロイスはボラビアとルーサーの裏取引をキャッチし、その陰謀を公表する準備を開始。一方、ルーサーが無理やりポケットユニバースへの扉を開いたことで、メトロポリスを大きな亀裂が飲み込み始めます。 生みの親の言葉に苦しむスーパーマンは、育ての父から「出自ではなく行動がお前を作る」と励まされ、再び立ち上がりました。 スーパーマンはウルトラマンやエンジニアとの激闘を制し、メトロポリスを救ったのです。開戦間近のジャルハンプールでは、グリーンランタンら仲間のヒーローが人々を守り終戦。ルーサーは裏取引により逮捕され、スーパーマンは再び「英雄」となりました。 本作ではスーパーマンの両親が「地球征服」のメッセージを残していた、という衝撃の演出が加わりました。この演出は、使命と正義、移民問題への警戒、虐待被害の経験があるジェームズ・ガンが描く家族像など、観る者に問いかけるさまざまなテーマを生み出しています。

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新作映画『スーパーマン』のネタバレあり感想を解説!評価は?

今の政治情勢とシンクロする「移民」の物語

ジェームズ・ガン監督は、インタビューで「スーパーマンはアメリカの物語。他の土地からやってきて、この国に住み着いた移民です」と明言しています。 クリプトン人として地球にやってきたスーパーマン。本作では両親の「侵略」という言葉が発端となり、排斥運動が巻き起こってしまいました。これは、1つの過激な言動や行動が大きく取り上げられ、その移民コミュニティの総意としてバッシングに繋がる、移民問題を表していると考えられます。 しかし、監督は本作をあくまで「人間の優しさについての映画」とも答えています。生みの両親の温かい言葉、ロイスとの愛、ヒーロー仲間との共闘、さまざまな支えがあり、移民のメタファとして描かれたスーパーマンは、再び市民に受け入れられるのです。

無敵ではない人間味のあるヒーローへ

本作のスーパーマンは、一貫して人間味のあるヒーローとして描かれました。 ロイスとの口論に始まり、言うことを聞かないグリーンランタンらに手を焼く姿、そして自身の出自への悩みなど、能力は人並み外れていますが、良い意味で超越した存在には思わなかった方もいるのではないでしょうか。 実家へと帰った際には、彼が育った写真と好きなバンド「The Mighty Crabjoys」のポスターが飾られており、私達と同じように育った幼少期を思わせます。 そして何と言っても本作の相棒・クリプトの存在も秀逸!やんちゃし放題なスーパードッグに振り回されるスーパーマンに、人間味を感じずにはいられません。

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新作映画『スーパーマン』のラスト・続編についてを考察

ウルトラマンの正体とは?

「ボラビアのハンマー」として登場したウルトラマン。終盤でその仮面を取ると、スーパーマンと全く同じ顔が現れました。つまり、スーパーマンのクローンだったのです。 レックス・ルーサーが髪の毛1本を採取して、生み出したと明らかにしています。ほぼ同じDNAだったために「孤独の要塞」の扉も開いてしまいました。 ルーサーが「A1」「B2」など番号を遠隔で伝えて戦うため、まるで戦闘ロボットのよう。最後はスーパーマンとの格闘の末、亀裂の底にあるブラックホールへ吸い込まれていきました。

新作映画『スーパーマン』の最後にはあのキャラが登場!?

エンドロール手前で登場したのは、2026年に単独作公開が決定しているスーパーマンのいとこ・スーパーガール。 スーパードッグ・クリプトの飼い主であり、久々の再開にお互いぐちゃぐちゃになりながらじゃれ合います。ほんの数分の登場でしたが、彼女の破天荒さが分かるシーンでした。 スーパーマンとは違い、クリプトン星にとどまり破滅を見てきた彼女が、どのような闇や苦悩を抱えているのか、続編の展開に注目です。

2025年版スーパーマンの特徴を考察!過去作との違いとは?

2025年版スーパーマンの姿は従来とほぼ変わりません。青を基調としたスーツに赤いマント、胸にある「S」のマークなどお馴染みのコスチュームを纏っています。スーツの生地などに多少の違いがあるように見えますが、過去のスーパーマンとの差はほとんどないでしょう。 また、公式サイトでは「飛行」「目から熱光線」「鋼鉄の体」などの能力が紹介されており、こちらも過去のスーパーマンを踏襲しています。ただ、作中における「内面の描かれ方」に大きな差があるようです。2025年版は予告映像内でボロボロになった姿や、市民からモノを投げられる姿が描かれています。 スーパーマンと言えば「完全無欠のヒーロー」というイメージがありますが、本作ではどうやら違う様子。監督のジェームズ・ガンは「一人の”人間”としてどういう人なのか」を描こうとしているとコメント。これまでのスーパーマン以上に、彼の弱い部分がさらけ出される作品になるかもしれません。

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新作映画『スーパーマン』キャスト・キャラ解説!ヴィランのレックス・ルーサーと愛犬のクリプトも登場

スーパーマン/クラーク・ケント デイビッド・コレンスウェット
ロイス・レイン レイチェル・ブロズナハン
レックス・ルーサー ニコラス・ホルト
グリーン・ランタン/ガイ・ガードナー ネイサン・フィリオン
ホークガール イザベラ・メルセド
メタモルフォ レックス・メイソン
ミスター・テリフィック エディ・ガテギ
ジョナサン・ケント -プルイット・テイラー・ヴィンス
クリプト(犬) -

あの大物俳優がカメオ出演?

まずはスーパーマンの父・ジョー=エル役で登場したのがブラッドリー・クーパー。「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」でロケットを務めた名俳優です。同作品からはマイケル・ルーカーとポム・クレメンティエフもロボットの声を担当しました。ショーン・ガンも終盤に少し登場しています。 他にも過去にレックス・ルーサー役を務めたマイケル・ローゼンバウム、そしてスーパーマンを演じた故クリストファー・リーヴの息子・ウィル・リーヴなど、過去作と関連する俳優も出演しました。

スーパーマン/クラーク・ケント役:デイビッド・コレンスウェット

『スーパーマン』(2025)
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本作の主人公となるスーパーマン。普段はクラーク・ケントと名乗り、デイリー・プラネット新聞社の記者として働いています。一見すると普通の青年にしか見えませんが、その正体はクリプトン星で生まれた宇宙人。規格外の能力で、人々に害なす強敵たちと激闘を繰り広げていきます。 そんなスーパーマンを演じるのは、『Pearl パール』で映写技師役を務めたデイビッド・コレンスウェットです。

ロイス・レイン役:レイチェル・ブロズナハン

クラークと共に、デイリー・プラネット新聞社で働いているロイス・レイン(特報映像の41秒あたりに登場)。原作ではクラークと恋に落ち、のちのち恋人関係に。2025年版『スーパーマン』のヒロインになると思われます。 そんなロイスを演じるのは、『クーリエ 最高機密の運び屋』でエミリー・ドノヴァン役を務めたレイチェル・ブロズナハンです。

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レックス・ルーサー役:ニコラス・ホルト

スーパーマンの永遠のライバル、レックス・ルーサー(特報映像の1分29秒あたりに登場)。巨大企業レックス・スコープを統括する権力者で、スーパーマンに対する強い対抗心を抱いています。 そんなレックスを演じるのは、「X-MEN」シリーズでハンク・マッコイ役を務めたニコラス・ホルトです。

グリーン・ランタン/ガイ・ガードナー役:ネイサン・フィリオン

DCコミックスに登場するヒーロー、グリーン・ランタン(特報映像の1分43秒あたりに登場)。意志を具現化する緑色の光「ソリッド・ライト」を操って戦います。2025年版『スーパーマン』には4代目グリーン・ランタン、ガイ・ガードナーが登場。 そんなガイを演じるのは、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』でコリー・ピッツナー役を務めたネイサン・フィリフォンです。

ホークガール役:イザベラ・メルセド

DCコミックスに登場するヒーロー、ホークガール(特報映像の1分45秒あたりに登場)。鳥のようなマスクがトレードマークで、飛行能力を有しています。ホークガールを名乗る人物は複数いますが、本作に登場するのがどのキャラなのかはわかっていません。 そんなホークガールを演じるのは、『マダム・ウェブ』でアーニャ・コラソン役を務めたイザベラ・メルセドです。

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メタモルフォ/レックス・メイソン役:アンソニー・キャリガン

DCコミックスに登場するヒーロー、メタモルフォ(特報映像の1分53秒あたりに登場)。もともとはレックス・メイソンという考古学者でしたが、エジプトの神ラーのオーブにより元素を変形させる力を手に入れました。 そんなメタモルフォを演じるのは『ファザーフッド』などの話題作に出演したアンソニー・キャリガンです。

ミスター・テリフィック役:エディ・ガテギ

DCコミックスにヒーロー、ときにはヴィランとしても登場するミスター・テリフィック(特報映像の2分あたりに登場)。知能・身体能力・技術、あらゆる力を手にしており、特報映像ではバリアのようなものを展開し敵と戦っていました。 そんなミスター・テリフィックを演じるのは、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』でダーウィン役を務めたエディ・ガテギです。

ジョナサン・ケント役:プルイット・テイラー・ヴィンス

スーパーマンの育ての父にあたるジョナサン・ケント(特報映像の53秒あたりに登場)。 彼を演じるのは『海の上のピアニスト』でマックス役を務めたプルイット・テイラー・ヴィンスです。

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クリプト(犬)

スーパーマン、映画、2025、クリプト、犬
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スーパーマンの愛犬クリプト(特報映像の1分17秒あたりに登場)。クリプトン星出身の犬で、地球の犬にはない規格外の能力を持っています。 従来の「スーパーマン」では大型犬として描かれていましたが、2025年版『スーパーマン』では小型犬の姿で登場。ジェームズ・ガンが飼っている保護犬と同じ犬種にするため、ビジュアルの変更が行われたと明かされています。

監督脚本は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン!

名前 ジェームズ・ガン
年齢 58歳
国籍 アメリカ合衆国
主な作品(監督) 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(脚本兼任) 『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』(脚本兼任)
主な作品(脚本) 『スクービー・ドゥー』 『ドーン・オブ・ザ・デッド』

『スーパーマン』の監督及び脚本はジェームズ・ガンが担当。数多くの話題作で監督・脚本を務めており、過激な描写やコミカルな表現、エンタメ色に富んだユニークな作風が高く評価されています。 彼の出世作となったのは、2014年公開の映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。これ以降、MARVEL関連作品に名を連ねる機会が増え、『アベンジャーズ/エンドゲーム』では製作総指揮も担当しています。 そして、2022年にピーター・サフランと共にDCスタジオの共同会長兼CEOに就任。DC関連の映画・ドラマ・アニメを統括する、DCUの中心人物となりました。

【原作ネタバレ】DCコミックを読めば新作映画の結末が分かる!?

『スーパーマン』のあらすじや内容ははっきりとわかっていないものの、DCスタジオの公式YouTubeアカウントにアップされた動画で、ジェームズ・ガンが本作について語るときに画面に表示されたのは、コミックス『All-Star Superman #1』の画像でした。 『All-Star Superman』は、「スーパーマンの死」をテーマとした異例の物語。レックス・ルーサーの罠により太陽の放射線を大量に浴び、余命わずかとなってしまったスーパーマンは、妻のロイス・レインに自分の正体を明かし、彼女に自分と同じスーパーパワーを与えます。 その後、いつものようにたくさんの人間とクリプトン人を救いながら、残された日々を周囲のために費やすスーパーマン。さらに彼は、自分が死んだ後も地球を守れるようにと、自分とロイスの遺伝子コードを掛け合わせ、彼の後を継ぐ存在を遺しました。 崩壊が始まったスーパーマンは、意識が太陽エネルギーに変換されはじめます。再び立ちはだかったルーサーが地球を征服するのを阻止すると、太陽に飛び込み人工心臓を構築しました。こうしてスーパーマンは太陽の中で生き続けることになります。 レオ・クインタム博士は、彼が遺した遺伝子から彼らの息子である2番目のスーパーマンを作り出しました。2番目のスーパーマンはスーパーマンの遺志を継ぎ、地球を永遠に守っていくのです。

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「黒人のスーパーマン」も企画中!?気になる内容は?

本作の他に、J・J・エイブラムスがプロデュースする別のスーパーマン映画企画も進行中です。J・J・エイブラムスといえば、『M:i:III』(2006年)の監督・脚本や『スター・トレック』(2009年)の監督・製作、ドラマ『LOST』や『ウエストワールド』の製作総指揮などで知られる、SF映画の巨匠! こちらのスーパーマン映画はDCユニバース(DCU)には属さず、『ジョーカー』(2019年)や『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022年)などの独立した作品群「DCエルスワールズ」に含まれる作品です。 2025年春時点でも詳細な情報はほとんど出ていませんが、J・J・エイブラムスが企画した「黒人のスーパーマン」計画は頓挫せず、現在も少しずつ進行している様子。ジェームズ・ガン率いる新生DCU内でも健在のようです。

新作DC映画『スーパーマン』のネタバレあらすじを解説しました!

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DCUの第1弾映画として、多くのファンから注目を集めている『スーパーマン』。 ジェームズ・ガンらしい立体的なカメラワークで描かれる戦闘シーンは圧巻。ヒーローの原点ともいえる作品のオリジナルを大切にしつつ、人間味溢れる新たなスーパーマンが誕生しました。 DCUの始まりを告げる『スーパーマン』を劇場でチェックしてみてはいかがでしょうか。