三池崇史監督の評価が高い映画&つまらないと言われている映画ランキング【『ラプラスの魔女』公開】

2018年5月12日更新

Vシネで経験を積んだ得意とする三池崇史監督はバイオレンスアクションだけではなく様々な作品を世に送り出しています。今回はciatr独自に評価が高いと言われている映画5本と、つまらないと言われている映画5本をランキング形式で紹介します。

三池崇史監督のプロフィール

三池崇史は1960年8月24日に大阪で生まれた映画監督です。様々な映画監督の助監督を務めた後、1991年にVシネの監督としてデビューしました。

映画監督の中には、得意なジャンルを専門に扱うというような監督もいますが、三池崇史監督は非常に多彩なジャンルの作品に携わっている監督です。

「仕事は来たもん順で受ける」と公言するほど、ホラーやアクション、往年のテレビアニメの実写化など様々なジャンルの映画を手がけており多作です。Vシネ時代から暴力表現に定評があり、海外からもアメリカのTIME誌では、「活躍が期待される非英語圏の映画監督」として日本人で唯一選出されています。

この記事ではさまざまな映画に携わってきた三池崇史監督の、評価が高い作品とつまらないと言われている作品をランキング形式で紹介していきます。

三池監督作品の中で評価の高い映画5位:『極道大戦争』

タイトルに騙されて観た人の目が点になる

三池自身が「サヨナラ、軟弱で退屈な日本映画。誰も望んではいませんが、勝手に初心に戻って大暴れです」と意気込んで取り組んだ作品。 ヤクザ・ヴァンパイア・ウィルスによって、カタギまでもがヤクザ・ヴァンパイアとなり、女子高生ヤクザ、看護婦ヤクザまで出る始末。本物のヤクザは商売あがったりとなり、ダニのように人にたかったり、人の生き血を吸うこともできなくなるという皮肉です。 そんなヤクザ・ヴァンパイアの敵は、チープな着ぐるみのKAERUくんという無茶苦茶な設定。この良い感じのふざけ具合が高評価を呼んでいます。

評価の高い映画4位:『愛と誠』

熱血、純愛というベタ設定が最高

『愛と誠』は1970年代に一世を風靡した、梶原一騎原作の漫画であり、テレビ・ドラマ化、映画化もされた作品です。不良学生とお嬢様の激しい恋愛を描き、「君のためなら死ねる!」という流行語も残しました。 三池崇史は原作のベタな設定をそのまま残し、しかも昭和歌謡によるミュージカル仕立てにしたのです。妻夫木聡、斎藤工、伊原剛志などが高校生を演じているという、抱腹絶倒なキャスティングが評価されました。 他方、ヒロインを演じる武井咲と大野いとの演技はダメダメなのですが、それがかえって引き立つというパラドクスを起こしています。

評価の高い映画3位:『殺し屋1』

泣き虫でサディストのヒーロー

山本英夫原作のコミックの実写化です。ヤクザ同士の抗争を、暴力というよりスプラッター・ホラー的に描いた問題作。 背中の皮膚に鉤針を刺して宙づり、顔をセンマイ刺しでブスブス刺す、煮立った油をかける、顔面を真っ二つ、全身を真っ二つなど、観ていて辛いシーンばかりです。 主人公のイチ(大森南朋)は弱虫で昔いじめられていた過去をもつが、超人的な脚力をもつ人物。しかも痛めつけられている人に性的興奮を覚えるサディストです。 そんなイチは大声で泣きながらヤクザたちをバタバタ倒していくのですが、彼が漏らす体液から「殺し屋1」のタイトルが浮かび上がる冒頭シーンは印象的。 コミック実写化を単なる実写化に終わらせまいという、監督の意気込みが感じられます。

評価の高い映画2位:『ビジターQ』

ヨーロッパで一番売れている超低予算映画

監督によれば「ヨーロッパで一番売れている作品」で「どこのビデオ店にも置いている」作品。シネマ下北沢で上映された連作「ラブシネマ」の1本として、製作されました。 製作費は超低予算の800万円。そのため撮影はデジタルビデオ・カメラを使い、スタッフは大学の映画学科の学生たちをバイトで雇ったのです。ドキュメンタリー・タッチで登場人物たちもカメラで撮影しているので、所謂POVものの走りと言えます。 内容は山崎夫妻(遠藤憲一と内田春菊)の家族を中心に、あらゆるタブーが描かれ、R18指定です。近親相姦、屍姦、死体損壊、ドラッグ、DV、いじめ……。 明らかに低予算のルックなのに、いつもと変わらず濃厚な三池ワールドが展開される点が高評価なのでしょう。

評価の高い映画1位:『オーディション』

途中退場者、失神者続出の痛いホラー

村上龍原作によるホラー映画。ビデオ制作会社の社長(石橋凌)が映画のオーディションに来た女性の中から再婚相手を探そうとするが、選んだ女(椎名英姫)にとんでもない恐怖を味わわされるという内容です。 特に女に薬を盛られた男が片足を切断されるシーンが何ともイヤーな感じ。キリキリゴリゴリと耳を覆いたくなる音がします。 海外で公開された時も色々な意味で評判が良かったです。ロッテルダム映画祭では記録的な途中退場者を出し、観客の一人が三池監督に「悪魔!」と詰め寄ったとか、アイルランドでは入院者を出したり、マリリン・マンソンからは「もしリメイクするなら、俺を使ってくれ」と連絡があったとか。 ホラー映画作家の面目躍如たるものがあります。

三池監督作品の中でつまらないと言われている映画5位:『神さまの言うとおり』

CGに頼りすぎなサバイバル映画

金城宗幸・藤村緋二による漫画の実写化。主人公、高畑瞬(福士蒼汰)が高校で授業を受けていると、突如「だるま」が出現します。そのだるまは次々とクラスメイトたちを射殺。 瞬は、これが「だるまさんが転んだ」だと気づき、何とかゲームをクリアしようとします。果たして彼らは生き残れるのか? 『バトル・ロワイアル』(2000)、三池作品で言えば『悪の教典』(2012)を思わせる、サバイバル・スリラーですが、「だるま」、「まねきねこ」、「こけし」などの異形のキャラクターがCG然としているのは評判が悪いです。

つまらないと言われている映画4位:『サラリーマン金太郎』

三池作品にしては普通すぎ……!?

本宮ひろ志原作の同名漫画を、TBSが高橋克典主演でドラマ化したシリーズの劇場版。ストーリーは元暴走族の熱血サラリーマンが、ライバル会社に果敢に挑むというお馴染みのものです。 ライバル会社のバックには暴力団がいるので、金太郎が組の事務所に殴り込みに行くシークエンスがあり、三池イズムが爆発します。ところが、三池崇史ファンとして観るべき箇所はそこのみと言わざると得ません。 ドラマの流れを壊さないように、あまり突拍子もないことはできないという大人の事情があったのでしょう。しかし、ファンとしては物足りないと言うしかありません。

つまらないと言われている映画3位:『アンドロメディア』

近未来SF映画のはずなのにアイドル映画

渡辺浩弐の近未来SF小説を原作として、当時のナンバーワン・アイドル、SPEEDを主演に据えて映画化したもの。DA PUMPも出演しています。 交通事故で亡くなった娘、舞(島袋寛子)を蘇らせるために、父親である天才科学者、俊彦(渡瀬恒彦)は舞の脳をパソコンに直結。舞はパソコン上でAIとして再生します。 このプログラムを狙っているデジタルウェア社は、このパソコンを奪おうと暗躍。舞の生前の友人たちがこれを阻止しようとします。 ストーリーが原作と大きく改変されていて、完全にSPEED、DA PUMPのアイドル映画になっているところが、評価を下げているようです。

つまらないと言われている映画2位:『テラフォーマーズ』

テラフォーマーの造型に工夫がほしかった

貴家悠・橘賢一原作の漫画の実写化。西暦2599年、火星移住計画の一環として火星を地球化(テラフォーミング)するために、火星に放たれたゴキブリが異常進化を遂げ、人間を凌ぐほどの強固な肉体を得ます。 このテラフォーマーを駆逐するために派遣された人間たちは、特殊な手術を受けており、昆虫人間に変身することができるのです。キャストは伊藤英明、武井咲、山田孝之、菊地凛子と豪華。 これほど面白そうなストーリー、完璧なキャスティングと、傑作になる要素が揃っているのに、評価はかなり低いです。テラフォーマがいかにもCGという感じで実在感に欠けるのと、単に漫画を実写化しただけという点が最大の原因なのかもしれません。

つまらないと言われている映画1位:『妖怪大戦争』

超豪華キャストなのにふざけすぎ

少年タダシ(神木隆之介)が妖怪たちと協力して、『帝都物語』の魔人・加藤保憲(豊川悦司)に立ち向かう娯楽作品。水木しげる、荒俣宏が自作の世界観を提供し、なおかつ出演もしています。 キャストは岡村隆史、宮迫博之などのお笑い芸人、京極夏彦、宮部みゆき、大倉在昌などの作家、忌野清志郎など豪華です。角川大映映画の第1作として、製作費をかなりかけて大規模なセットが作られました。 それなのに評価が低迷してしまったのは、あまりにもおふざけが多すぎて、観客がついていけなくなるからだと思われます。