(c) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.

映画『沈黙-サイレンス-』あらすじ・キャスト・感想評価【ネタバレあり】

2017年7月6日更新

マーティン・スコセッシ監督の次回作である遠藤周作原作の『沈黙-サイレンス-』が2017年1月21日に全国公開されます。日本の俳優が多数出演することでも話題を集める本作のあらすじからキャスト、ネタバレや作品解説まで徹底的にまとめます。

原作小説『沈黙』のストーリーをネタバレ紹介!

沈黙

物語の舞台は江戸時代初期。島原の乱が終わりを迎えてすぐのことです。ある日、イエズス会の名高い神学者・クリストヴァン・フェレイラがキリシタン弾圧によって棄教したとの知らせが入ります。その知らせを受けたフェレイラの弟子であるロドリゴとガルペは、事の真偽を確認するために日本へと向かうこととなりました。

隠れキリシタンの一人、キチジローの手助けもあり、なんとか日本に潜入することが出来た二人は隠れキリシタンたちの歓迎を受け、旅は希望に満ちているかに思われました。

しかしそんな日々もつかの間、「幕府そのものはやはりキリスト教を弾圧している」という事実を知るロドリゴとガルペ。やがて二人存在が長崎奉行所に知られ、追われる身に。棄教を拒む自分たちへの見せしめとして処刑される隠れキリシタン達の姿を見たガルペは、なんとか彼らを助けようと駆け寄りましたが、そのせいで自らも命を落としてしまいます。

一方のロドリゴもキチジローの裏切りにあい、奉行所に捕らえられてしまいます。そして連行されたロドリゴを待っていたのは、かつての師であるフェレイラでした。着物に身を包み、日本名を名乗って。

ロドリゴの師であるフェレイラ、そしてかつてはキリシタンだった井上筑後守との対話の後、ロドリゴは牢へ繋がれてしまいます。

「日本人にとってキリスト教は意味を持っているのか。」

答えを見出せず、ロドリゴは牢の中で苦悩します。

そしてロドリゴが選んだ道は、殉教でした。

ある夜牢の中では、遠くから大きないびきのような音が延々と続き、その音にロドリゴは悩まされることとなります。彼のもとに再びフェレイラが訪れ棄教を諭しますが、頑なに拒み、「あのいびきのような音を止めてくれ。」と叫びました。そこで、ロドリゴはフェレイラからある事実をつきつけられます。

あのいびきのような音は、拷問されている信者の叫び声だったのです。「彼ら隠れキリシタンたちは既に棄教を誓っているが、ロドリゴが棄教をしないかぎり拷問は永遠につづくのだ。」と告げられます。

ロドリゴの殉教の信念が再び揺らぎます。「自分の信念を貫き通し、信仰の道をまっとうするのか。それとも苦しみ、死んでいく人達を救うべき道を選ぶべきなのか。」

フェレイラが同じ理由で棄教したという事実を知り、ついに彼は棄教の証の踏み絵を行うことになりました。

夜明け、ロドリゴは奉行所中庭にて踏み絵を敢行することになります。自己の信仰の対象であるイエスが彫られた銅板に足を近づけた時、今まで沈黙を保っていたキリストが、踏み絵を通して彼に語りかけてきたのでした。

キリストの絵を踏むロドリゴ。

その後彼の元へ、密告をしたキチジローが懺悔に訪れ、神もまた今までの沈黙の理由をロドリゴに語り始めます。

踏み絵を踏んだことで神の教えの意味を知ったロドリゴ。自身が日本に残った最後のキリスト教司祭であった、という事実を受け止めながら。

『沈黙-サイレンス-』の感想・評価

Karin_Yokoyama 戦争とか宗教とかシリアスな題材の映画をあまり観ないから、私にとって新鮮な映画だった。 原作者の遠藤周作自身をモデルとしたと言われているキチジローが、人間の弱さを凝縮した存在なのが印象的。
Keisuke__Aoyagi 好きな俳優さん達が出ているので見に行った。みんな素晴らしい演技だったな。アダム・ドライバーのシーンがもう少し深みとして欲しかった気がする。 #ネタバレ
dtanbe 高額な予算がかかっているであろうハリウッド映画の割にとても地味な演出の作品だったので、攻めているなと思った。クライマックスで派手な音楽が流れることもないし、淡々と進んでいった印象。

ただ自分が宗教に疎いし、かつ、登場人物たちにとってどれほどキリスト教が重要なのかや踏み絵がどれほど耐え難い行為なのかといった説明がないのでピンと来なかった。なので踏み絵のシーンが大げさに見えてしまう。 とはいえ全体的にはとても丁寧に作られた映画だった!

anua1989x まず本作はスコセッシの映画である、ということ。『沈黙』と言いつつ全員がめちゃくちゃよくしゃべるし、主人公は自分の葛藤をハードボイルドという形で観客に余すところなく強制的に伝える。

当たり前だ。『タクシードライバー』の監督が撮った映画なのだから。「映画は映像で全てを伝えるべき」と本気で思っているシネフィルの方にはお勧めできませんが、僕はこの雄弁さは清々しいと感じる。

とにかく全編台湾ロケでパラレルな日本的SF情緒(似ているが決定的に違う)が漂っているし、登場するほとんどの日本人は宣教師パードレにとっては理解不能な別種の動物として描かれていく。モキチらキリシタンや通辞、奉行様も、大げさでセリフっぽくて、かえって人間臭さが無いという演出。普段日本語で見慣れている人たちが英語で演じてるってのも実際大きいですね僕たち日本人にとっては。

ベルイマン的なセンセーショナルな宗教映画かと思いきや、もはやこれは猿の惑星なのでは…。

スコセッシにとって、アンドリュー・ガーフィールド演じるロドリゴ神父はかつてのトラヴィスであり、彼のインナースペースに自信の監督の葛藤を埋没させていったのでは?とすら邪推してしまう。

映像に関してはモキチやガルペ神父、加瀬亮演じる村人の処刑シーンなどはさすがのスタイリッシュさがあり鳥肌が立ちました。

そして最も語られるべきはやはり窪塚洋介でしょう。感動的な演技。終盤のキチジローはもっと丁寧に扱って欲しかった、もっと見たかった!でもこの余韻でいいんでしょう。きっと。原作を読みます。

ロドリゴの到達した境地は絶望と記念なのか、それとも新たな信仰あり方の誕生なのか。

踏み絵→ジャンプ→カット→ドシャーン→無音

いいですよ。 篠田正浩版もチェックしよう! #ネタバレ

作品の舞台となっている長崎ではスコセッシ×遠藤周作のイベントも

『沈黙』の舞台となっている長崎県はかつて隠れキリシタンが多かった土地です。『沈黙』ゆかりの地である長崎には遠藤周作文学館があります。そして遠藤周作文学館では、今回の映画化を記念して『沈黙』展が開催され、撮影に実際に使用された資料等の展示を予定しているようです。

長崎県には天草四郎メモリアルホールや大浦天主堂などキリシタンに関する文化財が非常に多く残されていたり、『沈黙』の舞台のモデルとなった場所も多いのでそれらと合わせて訪れてみれば、より映画の人物たちに思いをはせることができそうです。

遠藤周作『沈黙』は過去にも映画化されています

2017年版公開前に予習しておいても良いかも知れません。遠藤周作の作品は『沈黙』以外にも多くの作品が映画化されています。