個性派俳優の巣窟劇団大人計画
出典: www.amazon.co.jp
松尾スズキが主宰する「劇団大人計画」。その設立は1988年、サラリーマンを辞めた松尾が雑誌で団員を募集し、『絶妙な関係』で旗揚げしました。
「大人計画」は、下ネタやブラックジョーク、本来タブーとされる事柄も交えつつ風刺の利いた作風が特徴と言われています。公演を重ねるごとにその型破りな舞台は人気を得ているようです。
劇団の本公演の他に、2006年には「大人計画フェスティバル」を開催。屋台フードはもちろん、映画上映やお化け屋敷、みんなでドッヂボールをしたりと、学園祭のような楽しいイベントで、松尾スズキのママさんコーラスには長蛇の列ができたとか。
所属する劇団員も才能豊かな個性派が揃い、様々なジャンルで活躍しています。それでは、「劇団大人計画」の主なメンバーをご紹介していきましょう。
松尾スズキ
今生のうちに、おっぱいラーメン食べたい。 pic.twitter.com/BW22xY23ks
— 松尾スズキ (@matsuosuzuki) 2016年11月2日
松尾スズキ(まつお・スズキ)は、福岡県出身、1962年12月15日生まれで、俳優、演出家、脚本家、映画監督、コラムニストとして、マルチに活躍しています。
1988年に「大人計画」を設立し、脚本や演出を務めながら役者も兼任。シティボーイズや竹中直人らと共に、演劇ユニット「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」として活動した時期もありました。
1997年、戯曲『ファンキー! 宇宙は見える所までしかない』で「演劇界の芥川賞」と言われる岸田國士戯曲賞を受賞し、この頃からテレビや映画などへの出演が増えていきます。
また、映画の製作にも多数携わり、『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』では脚本を担当。作品は高く評価され、日本アカデミー賞・最優秀脚本賞を受賞しています。
宮藤官九郎
出典: www.amazon.co.jp
宮藤官九郎(くどう・かんくろう)は、宮城県出身、1970年7月19日生まれで、脚本家、俳優、作詞家、作曲家、ミュージシャン他、数多くの肩書を持っています。
「大人計画」には、1991年に松尾の演出助手として入ったそうです。その後、脚本や演出を務めるようになりました。ユーモアとケレン味溢れるその脚本には定評があり、劇団外でも多くの作品を手掛け、ドラマ『木更津キャッツアイ』や『タイガー&ドラゴン』、『あまちゃん』などのヒット作を生み出しています。
破壊(阿部サダヲ)、バイト君(村杉蝉之介)らとバンド「グループ魂」を結成し、自身が作詞・作曲の『君にジュースを買ってあげる♥』で第56回NHK紅白歌合戦に出場したことも。
顔田顔彦
やー、終わったよ『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』画像は42ステ俺を守ってくれた相棒のホタテちゃん pic.twitter.com/RrJMgxLPg3
— 顔田顔彦 (@KAODAKAOHIKO) 2016年8月13日
顔田顔彦(かおだ・かおひこ)は、島根県出身、1971年3月13日生まれ。俳優、放送作家、手品師などの多彩な顔を持っています。
「大人計画」には1991年『溶解ロケンロール』からの参加で、その他、ドラマ『純と愛』池野隆史役や、映画『デスノート 前編』渋井丸拓男役など、多くの作品に出演しています。放送作家としては、情報番組『はなまるマーケット』の「クイズ!デイリーママダス」を担当しました。
胸の前で腕を交差させ、片手で顔を半分隠しながら「フェイス!」と言うのが手品の際の決め台詞だそうです。
阿部サダヲ
出典: www.amazon.co.jp
阿部サダヲ(あべ・サダヲ)は、千葉県出身、1970年4月23日生まれで、俳優や歌手として活動しています。
「大人計画」での初舞台は、1992年『冬の皮』でした。同年、温水洋一の代役として『演歌なアイツは夜ごと不条理な夢を見る』に出演し、テレビドラマデビューを果たします。
宮藤官九郎作品の常連出演者であり、その他にも、ドラマ『マルモのおきて』や、映画『奇跡のリンゴ』で主演し、2016年5月公開の『殿、利息でござる!』でも主役の穀田屋十三郎役を務めています。そのパワフルな高い演技力で、今や「大人計画」で一番の売れっ子役者となりました。
歌手としては、劇団員と結成した「グループ魂」の活動があります。
宮崎吐夢
<宮崎吐夢>「真冬の簡易読書会」チケット、本日よりチケットぴあにて発売中!
— 大人計画 (@otonakeikaku_) 2016年11月12日
伊勢志摩との熱い読書談義に加え、最近、宮崎が趣味で覚えたという降霊術を披露するとか、しないとか。ひと足早いクリスマスプレゼントとして、お客さんの霊視にもチャレンジしてみたいと息巻いております。お楽しみに! pic.twitter.com/IeCqiNs7mb
宮崎吐夢(みやざき・とむ)は、1970年10月5日生まれ。俳優、ミュージシャン、コラムニスト、作家として活動しています。
「大人計画」には、1992年2月のオーディションに合格し入りました。阿部サダヲと同期入団で、共に『冬の皮』にて初舞台を踏んでいます。
ドラマ『金田一耕助VS明智小五郎』琢磨満役、映画『さよなら歌舞伎町』新城竜平役などの他、バイプレーヤーとして多くの作品に出演。作家としては、『今夜で店じまい』、『諦女 宮崎吐夢のOL短編集』などの著書があります。
また、1998年、雑誌「TECH Win」の付録CDに収録されていた「ペリーのお願い」という独特な口調のネタが話題となり、宮崎吐夢の名前より「ペリー」で記憶している人が多いのだとか。
皆川猿時
同じ楽屋だった皆川くん。だいたい裸でした。 pic.twitter.com/bYq4Zbzv68
— 顔田顔彦 (@KAODAKAOHIKO) 2016年8月13日
皆川猿時(みながわ・さるとき)は、福島県出身、1971年2月1日生まれの俳優です。
「劇団東京乾電池」に研究生として1年間だけ在籍し、その5年後「大人計画」に入団。1994年『愛の罰』から作品に参加するようになり、以後、舞台、ドラマ、映画と多くの作品に出演。宮藤官九郎脚本のNHK『あまちゃん』では北三陸高校潜水土木科の教師・磯野心平役を務めました。
「港カヲル」の名で所属する「グループ魂」では、司会者、ボーカル、作詞を担当する他、「グループ魂三都市ツアーTシャツ」のデザインなども手掛け、マルチな才能を見せています。
妻は、同じ「大人計画」に所属する田村たがめです。
村杉蝉之介
同じ楽屋だった村杉さん pic.twitter.com/zE3YufghY1
— 顔田顔彦 (@KAODAKAOHIKO) 2016年8月13日
村杉蝉之介(むらすぎ・せみのすけ)は、群馬県出身、1965年9月7日生まれの俳優です。
1994年、オーディションを経て「大人計画」に入団し、同年『愛の罰』に出演。NHK『純情きらり』では真面目な助手・松尾を演じる一方、NHK『あまちゃん』では見事にアイドルオタクになりきっています。その演技力はもちろんのこと、特徴のある個性的な顔立ちも印象に残る俳優です。
「バイト君」の名で、宮藤官九郎率いるバンド「グループ魂」としての活動も。
荒川良々
出典: www.amazon.co.jp
荒川良々(あらかわ・よしよし)は、佐賀県出身、1974年1月18日生まれの俳優です。
ぽっちゃり体型と丸刈りが印象的な荒川は、1998年『ヘブンズサイン』から「大人計画」の作品に参加しました。かつては「荒川上手(あらかわ・ じょうず)」の芸名で活動していましたが、名前の読み間違いなどが多く、現在の「荒川良々(あらかわ・よしよし)」に改名したそうです。
2008年の映画『全然大丈夫』では初の主役を務める他、NHK『あまちゃん』北三陸駅・副駅長 吉田正義役、テレビCM『カロリーメイト』でのイエローマンなど、独特の存在感を放ち、映画やドラマ、CMに引っ張りだこです。
近藤公園(こんどう・こうえん)
出典: www.amazon.co.jp
近藤公園は、愛知県出身、1978年10月11日生まれの俳優です。
「大人計画」には、1998年に入団しました。当初は本名で演出助手を務めていましたが、「公園」という響きの良さに加え、コーエン兄弟の映画が好きだったことから「近藤公園」の芸名を名乗るようになったのだとか。
2000年『キレイ 神様と待ち合わせした女』で初舞台を踏むと、2001年には『ウォーターボーイズ』金沢孝志役に抜擢され映画デビューも果たします。以後、ドラマ『相棒』に犯人や被害者役などで複数回出演する他、映画『武士の一分』加賀山嘉右衛門役など、多くの作品で活躍しています。
池津祥子
出典: www.amazon.co.jp
池津祥子(いけづ・しょうこ)は、福島県出身、1969年11月4日生まれの女優です。
「大人計画」には、1990年『絶妙な関係 Live at秘宝館』から参加しました。
ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』では強烈なインパクトのジェシーを演じ、映画『フラガール』では黒縁の眼鏡をかけ個性的な踊りをする子持ちのフラガール・佐々木初子役。どんな作品のどんな役でも見事にこなすカメレオン女優です。
その他、『温泉へ行こう』の仲居・浦山桐子役、『ホテルコンシェルジュ』リネン担当の沢渡美咲役、『心がポキッとね』「リオ ボニート」の店員・庄司加代子役なども。
伊勢志摩
出典: www.amazon.co.jp
伊勢志摩(いせ・しま)は、岩手県出身、1969年8月9日生まれの女優です。
「大人計画」の作品には、1991年『猿ヲ放ツ』から参加しています。
『世にも奇妙な物語 』や『リーガルハイ』などのドラマに単発で多数出演する他、NHK『あまちゃん』にてフレディ・マーキュリーに扮し強烈なインパクトを与えた花巻珠子(白ばばあ)役が記憶に残ります。また、映画『全然大丈夫』では、主人公の姉・智子を演じました。
宍戸美和公
出典: www.amazon.co.jp
宍戸美和公(ししど・みわこ)は、北海道出身、1965年6月13日生まれの女優です。
「大人計画」の作品には、1991年『サエキナイト~ムーディーを探せ~』から参加しました。その他、ドラマでも活躍し、『ごめんね青春!』浜口教頭役、『リーガルハイ(7話)』徳松醤油の長女・清江役、映画『大奥』八重役など、毅然とした女性からエキセントリックなオバサンまで幅広く演じます。
また、バラエティ番組『痛快TV スカッとジャパン』では、「ケチケチ母ちゃんシリーズ」を担当。焼き芋に文句をつけてタダでもらおうとしたり、回転寿司では高価格の皿をレーンに戻したりと、大迷惑な倹約をする母親役ですっかりお馴染みになりました。
猫背椿
カヲルさんのライブ行けないことはわかっていたので映像出演部分で頑張りました!!映像はずっとお仕事したかった細川君演出!!一瞬(カットされてなければ)だけどポイントはロリポップ(棒つきキャンディ)のネックレス(私物)。「ここも舐めてぇ♥」みたいな感じでバカみたいで気に入っている。 pic.twitter.com/ViquxkiK0K
— 猫背椿 (@nekotsubaking) 2017年2月7日
猫背椿(ねこぜ・つばき)は、東京都出身、1972年10月17日生まれの女優です。
「大人計画」には、1991年に入団。宮藤官九郎作品の常連のひとりで、『マンハッタンラブストーリー』では再現ドラマの女として複数の登場人物の過去を演じ、『タイガー&ドラゴン』では元演歌歌手・谷中鶴子役を務めました。その他、多くの作品で個性を発揮し存在感を見せています。
田村たがめ
田村たがめ(たむら・たがめ)は、静岡県出身、1974年1月18日生まれの女優で、 夫は同じ「大人計画」の皆川猿時です。
「大人計画」には1994『愛の罰』から参加しました。主なドラマ出演は、『キッパリ!』奥裕子(鴨下裕子)役、『僕と彼女と彼女の生きる道』谷川亜希役、『救命病棟24時』伊坂千秋役など。映画『サマーウォーズ』では、池沢聖美の声を務めています。
平岩紙
出典: www.amazon.co.jp
平岩紙(ひらいわ・かみ)は、大阪府出身、1979年11月3日生まれの女優です。「紙」という芸名の由来は、肌の色が紙のように白いからで、松尾スズキが名付けたそうです。
「大人計画」には、2000年のオーディションに合格して入団。女優デビューは「大人計画」公演とは別の松尾スズキ作品、同年『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』でした。
ドラマにも進出し、『仮面ライダーアギト』でのインテリ女性・関谷真澄、『ロッカーのハナコさん』秘書・木幡杏子役などで知名度を上げます。以後、宮藤官九郎作品をはじめ、多くの作品に出演。テレビCM「P&G ファブリーズ」のお母さん役としても有名になりました。
小林きな子
小林きな子(こばやし・きなこ)は、東京都出身、1977年11月23日生まれの女優です。
確かな演技力はもちろんのこと、ふっくらとした体型を活かし、ドラマ、映画、舞台で活躍。テレビドラマでは『京都地検の女』斉藤加奈子役、『デパート仕掛け人!天王寺珠美の殺人推理』石井久子役、映画では『体脂肪計タニタの社員食堂』福原紀美子役などが代表的です。
また、「アート引越センター」のポップなテレビCMも印象に残ります。