ジュゼッペ・トルナトーレ監督おすすめランキングトップ6

2017年5月29日更新 2798view

陰影を巧みに取り込んだ美しく繊細な映像表現を得意とするジュゼッペ・トルナトーレ。ストーリーもまた、孤独や悲しみ、怒りと、人の強さ、愛の力が対比する静かで印象深いものです。ここではジュゼッペ作品の中から6本をランキング形式で紹介していきます。

イタリアを代表する映画監督ジュゼッペ・トルナトーレ

ジュゼッペ・トルナトーレ

出典: openers.jp

ジュゼッペ・トルナトーレはイタリア、シチリア島出身の映画監督です。

自身も大の映画好きであり、映画をテーマにした作品や、オマージュや映画にまつわる小道具などを効果的に活かした作品が多く、古典映画の復興に力を入れるなど、映画文化そのものに対する深い敬愛の念が感じ取れます。

じっくりと育まれる「想い」と、様々なサイドストーリーや回想が織りなすストーリーは感傷的でロマンチック、洗練されていながら気取らない映像世界も見るものを引き込み、特に、陰影の使い方はとても繊細ではっとさせられます。

しかし、ただ美しく繊細なだけではなく見るものの心にずっしりしたものを残すというのもジュゼッペ作品の特徴で、ズキッと痛む程度のものから完全にノックアウトされるレベルの超ヘビー級まで…。見始めたら癖になることまちがいなしです。

6位:理不尽の連続、やり場のない怒り、しかし少年の想いはどこまでも美しかった。

epocheche 『ニュー・シネマ・パラダイス』が好きな私としては嬉しい作品でした。ジュゼッペ・トルナトーレ監督は、今はないけれど確かにそこにあった愛情の描き方が秀逸で引き込まれます。 「ある賢人が片思いこそ真実の愛と書きました。その通りです」
yococo 人間の愛、恋、嫉妬、憎悪、悲哀を鋭く描写している。

2000年公開の『マレーナ』は第2次世界対戦中のイタリアを舞台に、運命を狂わせてゆく女性「マレーナ」の姿を描いた作品です。

街の男たちの身勝手な欲望と、女性たちの理不尽な嫉妬。はじめは誇り高く生きていたマレーナですが、町の人々の悪意に蝕まれ、その期待に応えるかのように身を落としてゆきます。そんな彼女をただ一人、純粋な心で支えるのがレナート少年。彼の無力でありながら力強い眼差しには心を打たれます。

最終的にはある事実の判明とレナートの計らいによって、マレーナは安らかな生活を取り戻すのですが…。

5位:タイトルに秘められた想い

みんな元気

tategoto この映画観てシチリア→本土への海上国鉄乗りに行っちゃいました!フェリーに電車ごと乗っかります
Keimiyazato 公開時に淀川長治さんが(監督はジュゼッペトルナトーレ、取るなって言ったり取れゆーたり、、盗ったらあきませんね!)って訳の分からない事を言ってた、淀川長治さんの解説メチャクチャ好き!文才もあり本も面白いので読みアサリました、映画に対する愛情は世界一じゃないだろうか?この作品と関係無しでスンマセン

1990年公開の『みんな元気』はすれ違う家族の愛を哀しく、やさしく、ささやかな滑稽を交えて描いた作品です。

疎遠になった孫達に自ら会いに行くため、旅に出たマッテオ。しかし、どの孫も話に聞いていたのとはかけ離れた「ぱっとしない」人生を歩んでいたのです。老人の心配を他所に、子どもたちは彼をあからさまに煙たがりますが、無理も無いでしょう。

特別な存在だからこそ、知られたくないことは多いものです。このどうしようもないすれ違いがなんとも言えない孤独を醸し出しています。

妻の墓の前で老人が語りかけたのが「みんな元気だよ」。タイトルにもなっています。老人がどのような思いを持ってこの言葉を発したのか?それを知った時の、痛みと暖かさは他の映画ではなかなか味わえないでしょう。

実は日本映画のリメイク作品

東京物語

『みんな元気』の元となっているのが1953年公開の『東京物語』です。

『東京物語』では子どもたちが冷たくなった理由は明確にされていません。ジュゼッペ監督はここに孫達の「強がり」を軸にした物語を加え、独自の解釈を与えたわけですね。

評価は分かれるかと思いますが、どちらもそれぞれに奥深さのある映画です。

4位そうきたか…。じっくり味わうどんでん返し

chiho 世界中の女性より、1人の女性を愛した事が彼には価値があった。 全てを失ってもどんなに仕打ちを受けても、彼女を愛し続ける。切ないけど悲しくはない。 贋作の中にも本物はあるよ。
i_chan0124 本物の純愛。 って思ってたらまさかの! 最後、え?ん?なに? ってどんでん返し半端なかったね 展開的にはすごいおもしろくて いい作品だと思うけど あのまま終わってほしかった願望

2013年公開の『鑑定士と顔のない依頼人』はこれまでのヒューマンな路線とはちょっと異なるスリリングでテンポの良い展開を楽しめる映画です。

ベテラン鑑定士のヴァージルは、莫大な資産を受け継いだ依頼人クレアの屋敷を訪れますが、肝心のクレアは一向に姿を表しません。不可思議な取引に苛立ちをつのらせたヴァージルはクレアの隠れ場所を見つけ、姿を見ます。これまで一度も恋愛をしたことのないヴァージルですがここへ来てクレアに一目惚れしてしまうのです。

この映画には「どんでんがえし」があります。これまでのジュゼッペ監督の作風からすれば、こうした大掛かりな展開はちょっと異質かもしれません。しかし、この映画ほどじっくりと後を引くどんでん返しを見せてくれる映画はなかなかありません。カタルシスだけでは終わらない、噛みごたえのある作品です。

3位:この映画を見るなら丸一日予定を入れないほうが良いでしょう

tanav89 少ない手掛かりから母親が自分の子を探していく物語。予告編からも伺えるミステリアスな雰囲気の中で、母親の過去や目的が明らかになっていくという構成が飽きなくて面白い。ニューシネマパラダイスの監督だけあって音楽も素晴らしくて主張しすぎず丁度良かった。終わり方も文句なしに綺麗!
akngnka つらい。ひたすらキツい。精神的にくる描写と音楽、本当に芸術的。

2006年公開の『題名のない子守唄』。作品自体は高い評価を得ていますがストーリーの過激さからか、なかなか「代表作」とはならない映画でもあります。

ウクライナからやってきた「イリーナ」と名乗る女性ジョルジアを中心に物語は進みます。「イリーナ」は宝石商のアダケル家の家政婦となります。しかし、屋敷のそばにアパートを借りて、監視をしたり、一家の味覚を分析するために生ごみを漁ったり…ついには先任の家政婦を突き落としてまでその地位を得なければいけなかった理由とはいったい…。

回想シーンを交えながら明らかになる真実と、深まっていく愛。しかし、それはなんとも歪で痛々しいものです。

2位:ジュペッゼ作品に新しい解釈を与える映画

tossy0329 おだやかなピアノもあれば、楽しくリズミカルなピアノもあり、サントラをレンタルするほどだったけど、見終わったあとはやっぱりちょっと悲しい。
edinburghttt これも何回も観られる。ピアノと常に人生を共にしてきた男の話。映画中使われるピアノ音楽はすべてきれいで、鳥肌もの。 船の中をピアノと共に動きながら弾くシーンが印象的。ピアノと最期まで人生を共にする男の姿がかっこいい。

1999年公開の『海の上のピアニスト』はジュペッゼ監督作の中では異色の作品となっています。

船上のピアノに置き去りにされた孤児「1900」が船と運命をともにし、ピアノとともに生きていく姿を描いているのですが、「1900」の生い立ちや成長、そして世界に認められていくまでの過程は、かなり唐突な描かれ方をしています。彼の才能を示すシーンにも現実離れした表現が使われており幻想的な印象を与えます。

『鑑定士と顔のない依頼人』もファンタジー要素の強い作品ですが、本作はよりはっきりと特徴が現れています。

1位:少年の、老人の、恋人の想い、そしてフィルムが織りなす温かなストーリー

o325 今年は人生の転機だと個人的には思っている中でそろそろ観てみようと鑑賞。 映画が好きだと改めて感じられる素晴らしい作品でした。 映画への無償な愛を感じずにはいられない。
tossy0329 ラストでなぜか涙出てきた。 お前のだけど自分が管理するって言ってたもんね。 完全版とでは解釈が変わるというから見てみたい。

映画を愛する少年と老人。フィルムを通じて心を通わせ、フィルムによって運命に巻き込まれていく。フィルムの切れ端をつなぎ合わせるように、幾つもの小さな偶然が紡がれていく様は美しく、心に温かいものがこみ上げます。

すれ違いと再会、ほんの少しの、しかし決定的な手遅れが悲しみを生み、しかし、その悲しみの中に小さな幸せが育まれる。映画を愛するジュゼッペ監督ならではの繊細な世界観が存分に味わえる名作です。