マーク・ストロングってどんな人?
マーク・ストロングは、イギリスのロンドン出身の俳優です。 1963年8月30日、イタリア人の父とオーストリア人の母のもとにマルコ・ジュゼッペ・サルッソリアとして生まれ、仲間はずれにならないようにという母の配慮で、幼いうちに現在の名前に改名しました。
もともとは弁護士志望だった
ストロングはワイモンダム大学に進学し、パンクバンドでボーカルを務めるなどしていましたが、弁護士を目指してドイツ、ミュンヘンの大学に1年間通いました。 帰国後は俳優になるため、ロンドン大学ロイヤルホロウェイ(カレッジ)で英文学と演劇を専攻し、卒業後はブリストルのオールド・ヴィック・シアター・スクールに進学しました。 その後、1989年のテレビシリーズ『After Henry(原題)』でテレビデビュー、1993年の『Century(原題)』で映画デビューを果たしました。
故郷イギリスではテレビ俳優として有名?
マーク・ストロングはイギリスで、多くのテレビシリーズやテレビ映画に出演しています。 1996年のテレビミニシリーズ『炎の英雄 シャープ』ではトスカー・コックス役で9エピソードに出演。1997年には『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセールが主演したテレビ映画『ジェーン・オースティンのエマ』に出演し、最終的に主人公の婚約者となるナイトリーを演じました。 2000年の『アンナ・カレーニナ』では、主人公の兄、オブロンスキー伯爵を演じています。
犯罪者や悪役が多い俳優
ハリウッドでは、イギリス人俳優が悪役にキャスティングされることが多いものですが、マーク・ストロングも悪役や犯罪者の役が多い俳優のひとりです。 2005年のジェイソン・ステイサム主演のクライムアクション『リボルバー』では殺し屋のソーター、2011年のヒーロー映画『グリーン・ランタン』ではヴィランのシネストロを演じています。
”ブリティッシュ・ヴィラン”としてジャガーのCMに登場!
マーク・ストロングは、トム・ヒドルストンやベン・キングスレーとともに「イギリス人俳優が演じる悪役」をテーマにしたジャガーのCMに出演しています。 このCMは悪役があまりにかっこよすぎるため、危険運転を助長するとして本国イギリスでは放送禁止になってしまいました。
英国ドラマ『第一容疑者3』はストロングの代表作
マーク・ストロングは1993年に、『第一容疑者3 朽ちた欲望』に出演し、一躍その名を知られるようになりました。 映画『クィーン』(2001)や『黄金のアデーレ 名画の帰還』(2015)で知られるヘレン・ミレン主演の刑事ドラマ『第一容疑者』シリーズの第3作目であるこの作品は、ミレン演じるロンドン警視庁の警部ジェーン・テニスンが、子供が殺害された事件を捜査するうち、事件と警察との不気味な関連を発見していく、というストーリーです。 ストロングはラリー・ホール警部補役で出演し、同じ役で第6作目『第一容疑者6 死者の香水』にも出演しています。
映画『シャーロック・ホームズ』ではブラックウッド卿役
ロバート・ダウニー・Jr.とジュード・ロウがホームズとワトソンの名コンビを演じる人気シリーズの第1作目『シャーロックホームズ』(2009)で、ストロングは敵役のヘンリー・ブラックウッド卿を演じています。 ブラックウッド卿は、連続殺人犯の貴族で大英帝国を支配しようと企んでいる人物です。 ホームズとワトソンの活躍により警察に捕らえられ絞首刑にされましたが、死後も彼の陰謀は着々と進行していきます。実は生きていたブラックウッドを止めるため、ふたりは奔走します。
映画『キック・アス』ではマフィアのボスに
マシュー・ヴォーン監督による2010年のスーパーヒーロー映画『キック・アス』。オタクの高校生がスーパーヒーローへと成長していくこの作品に、ストロングは悪役で登場しています。 ネットで買ったスーツを着て、ヒーロー活動を始めた高校生デイヴ(アーロン・ジョンソン)。 スーパーパワーもなく、訓練も全くしていなかった彼は、初めのうちはパッとしないものの、あるとき偶然3人組に襲われていた男を救います。見物人が撮影したそのときの動画がネットで話題になり、彼はスーパーヒーロー、”キック・アス”として有名になりました。 その後、彼と同様にコスチュームを身につけ犯罪者と戦う親子、ヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)とビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)に出会い、ともにマフィアと戦うことになります。 ストロング演じるマフィアのボス、フランク・ダミーコは、自分の部下である麻薬の売人たちを殺しているのはキック・アスであると勘違いし、部下に彼を殺すよう命じます。 一方で、フランクの息子クリス(クリストファー・ミンツ=プラッセ)はキック・アスに憧れ、自分もスーパーヒーローになろうとしますが、その残忍な性格と親の金を駆使してスーパーヴィランチームを結成します。 冷徹なマフィアのボスであり、浅はかな息子に頭を抱える父親でもあるフランクをストロングの迫力のある演技で見せています。
映画『裏切りのサーカス』では工作員を演じる
2011年のイギリス・フランス・ドイツ合作のスパイ映画『裏切りのサーカス』は、元MI6諜報員であった作家ジョン・ル・カレの小説『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を原作とした作品です。 東西冷戦下、イギリス秘密諜報部「サーカス」は、ソ連の諜報部と水面下で情報戦を繰り広げていました。 そんななか「サーカス」内部にソ連の二重スパイ「もぐら」がいることが発覚し、引退したジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)にその調査の命が下ります。 ストロング演じる「サーカス」の工作員ジム・プリドーは、もぐらに関する情報源に接触するためハンガリーに送り込まれますが作戦は失敗。 スマイリーと彼の上司、コントロールが引退を余儀なくされる原因となってしまいます。プリドーは、容疑者のひとりビル・ヘイドン(コリン・ファース)の親友であり、ストーリー上、重要な役割を担うことになります。
映画『キングスマン』ではキングスマンで指導する教官
『キングスマン』は、『キック・アス』と同じマーク・ミラー原作、マシュー・ヴォーン監督による2014年のスパイ映画です。 海兵隊を辞め自堕落な生活を送っていた若者エグジー(タロン・エガートン)は、ある日町でケンカをしたために逮捕されてしまい、謎の組織「キングスマン」に保釈の面倒を見てもらいます。 ロンドンの高級テーラー「キングスマン」は、実はどこの国にも属さないスパイ組織でした。「キングスマン」にスカウトされたエグジーは、他の候補者とともに試験に挑みます。一方、エグジーをスカウトしたハリー(コリン・ファース)は、大富豪ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の陰謀を追っていました。 マーク・ストロングが演じた「キングスマン」の指導教官マーリンは、エグジーら候補生に厳しい試練を課しながら、期待をこめて見守る役どころとなっています。
マーク・ストロングは今後も多くの映画に出演予定!
『6 Days(原題)』(2016)
1980年4月、ロンドンのイラン大使館を武装グループが占拠し、6日以上にわたって人質とともに立てこもる事件が発生。イギリス特殊空挺部隊(SAS)が事態の解決に成功するまでを描くアクション映画です。 主人公のSAS隊員、ラスティを『リトル・ダンサー』(2000)や『父親たちの星条旗』(2006)などで知られるジェイミー・ベルが演じ、ストロングはその上官を演じるようです。
待望の続編『Kingsman: The Golden Circle(原題)』(2017)
2014年に出演した『キングスマン』の続編に、ストロングは前作と同じ役で出演することが発表されました。 新しい敵により「キングスマン」の本部が攻撃を受け、エグジーらは世界を救うためアメリカの特殊組織「ステイツマン」と協力することになります。 悪役にはジュリアン・ムーアが決定しており、アメリカの「ステイツマン」のメンバーにはハル・ベリー、チャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジスなど豪華キャストが次々と発表されています。 映画は2017年6月10日全米公開予定です。
『Miss Sloane(原題)』(2018)
ジョン・マッデン監督による社会派ドラマ『Miss Sloane(原題)』は、銃規制反対派に対峙するロビイストたちの活動を描く作品です。主演は『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)や『オデッセイ』(2015)のジェシカ・チャステイン。ストロングの役名、役どころは不明です。 悪役を中心に様々な作品でひっぱりだこのマーク・ストロング。今後の活躍からも目が離せませんね。