2017年12月19日更新

『キングスマン』に散りばめられた、スパイ映画オマージュ17選

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2015年公開のスパイ・アクション映画『キングスマン』には、過去の様々なスパイ映画・ドラマが引用されています。『キングスマン』に散りばめられた、スパイ映画オマージュ17選をご紹介します。

2015年最高のスパイ映画『キングスマン』

2015年は『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』『コードネーム U.N.C.L.E.』『007 スペクター』とスパイ映画豊作の年でしたが、中でもスパイ映画ファンの心を打ちぬいたのが本作『キングスマン』。古き良きスパイ映画へのオマージュが込められたマシュー・ヴォーンの最高傑作です。 今回は『キングスマン』に散りばめられたスパイ映画オマージュをご紹介いたします。

1.ハリーという名前

『キングスマン』主人公ハリー・ハートの名前は、レン・デイトン原作の1960年代の一連のスパイ映画でマイケル・ケインが演じたハリー・パルマーから来ています。

マイケル・ケインは『キングスマン』にも出演しており、007のMに当たる役どころを演じています。

2.キングスマンお馴染みの英国紳士のたしなみ

最大の影響は、英国紳士のたしなみです。1960~70年代にカルト的な人気を誇ったテレビシリーズ『The Avengers』の主人公ジョン・スティードの影響です。

3.キングスマンの武器、傘について

『The Avengers』のジョン・スティードと言えば、傘です。後に『007 ゴールドフィンガー』でボンドガールを演じるオナー・ブラックマンが出演した第3シーズンからは、毎回、出てきています。

スティードは傘の中にナイフを隠します。このギミックが『キングスマン』の防弾パラソルや隠しショットガンに繋がっています。

4.その他のAvengersの影響

ハリーのロンドンのアパートは、第5シーズンでスティードが住んでいたところに似ています。 スティードは20世紀はじめのクラシック・カーを好みました。『キングスマン』においても、同じように50年前の1960年代の車が好まれています。

5.『コードネーム U.N.C.L.E.』との関係

1964年から1968年まで4シーズンにわたり放送されたスパイもののテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』をベースにしたガイ・リッチー監督の映画『コードネーム U.N.C.L.E.』が2015年に全米公開されました。

アンクルは、一つの国家の機密機関ではなく、独立した組織で、キングスマンも同様です。ガイ・リッチーは、『キングスマン』の監督であるマシュー・ヴォーンと長年共同で映画製作をしてきました。2人の作った「キングスマン」と「U.N.C.L.E.」という諜報機関が似てしまっているというのは、何とも皮肉なことですね。

6.『キングスマン』ヴィランの手ごわい子分

ソフィア・ブテラ演じる、バレンティンの腹心ガゼルの足は鋭い刃でできています。 これは、『007 ゴールドフィンガー』でハロルド坂田演じるオッジョブ(写真右)、『007 死ぬのは奴らだ』(1973)でジュリアス・W・ハリス演じるティー・ヒー(写真左)、『007私を愛したスパイ』(1977)で初登場するリチャード・キール演じるジョーズ(写真中)など007シリーズに由来します。

7.仕込み靴

『007 ドクター・ノオ』 (1962) ではガイガーカウンター時計、『007 ゴールデンアイ』 (1995) や『007 ダイ・アナザー・デイ』 (2002) ではレーザー時計、『007 ムーンレイカー』(1979)では『キングスマン』同様、爆薬付き時計が登場します。 また『007 ムーンレイカー』ではダーツ付きのブレスレット(写真)が出てきます。

8.オリジナル携帯電話

60年代のテレビシリーズ『それ行けスマート』で出てくる変なスパイ道具の一つです。 ハリーはエグジーに、キングスマンでは靴に携帯電話を仕込んでいると言います。

9.仕込み時計

『007 ドクター・ノオ』 (1962) ではガイガーカウンター時計、『007 ゴールデンアイ』 (1995) や『007 ダイ・アナザー・デイ』 (2002) ではレーザー時計、『007 ムーンレイカー』(1979)では『キングスマン』同様、爆薬付き時計が登場します。 また『007 ムーンレイカー』ではダーツ付きのブレスレット(写真)が出てきます。

10.火炎放射器ライター

『007 消されたライセンス』(1989)で敵役のサンチェスにライターで火をつけます。 『キングスマン』ではライター爆弾が登場します。

11.毒針ボールペン

『007 ムーンレイカー』では毒注射を仕込んだペン、『007 ゴールデンアイ』ではボールペン型手りゅう弾が登場します。 『キングスマン』ではボールペンから遠隔操作できる毒が飛び出ます。

12.スーツケースに収納できる航空機

『007は二度死ぬ』(1967)で登場し、日本の上空で空中戦を繰り広げました。 『キングスマン』では同様なDIY航空機をロキシーが使います。

13.パラシュート無しのスカイダイビング

『007 ムーンレイカー』では、オープニングクレジットの前、パラシュート無しにスカイダイビングするボンドが敵とパラシュートを奪い合うスリリングな戦いが繰り広げられます。 『キングスマン』では、新人候補生を指導する教官マーリンが候補生たちに同様な場面でどうすべきかを問います。

14.敵役の隠れ家

『007は二度死ぬ』では、スペクターの首領ブロフェルドの日本における火山火口内の隠れ家が出てきます。 それがバレンタインの隠れ家に影響を与えています。

15.“差し”での会話

ハリーはバレンタインと差しで対面しますが、これは007シリーズで決まって見られるボンドと敵役の一対一の対話から来ています。

16.ラストシーン

007シリーズでは、甘いラブシーンだったり、あるいは悲劇的だったり、様々なラストシーンのパターンが登場しますが、ほとんどはコメディタッチなものとなっています。『キングスマン』でも同様にコメディタッチで、より大人向けのものとなっています。

17.マティーニ愛

ボンドは、「ウォッカマティーニ、ステアではなくシェイクで」とマティーニを注文します。 一方、『キングスマン』においても、エグジーが「もちろんジンで。開いていないベルモットの瓶を眺めて10秒間ステアして」と注文します。