2017年7月6日更新

邦題に気合いが入りまくってる!日本人の頑張りが分かる面白い洋画13選

洋画の原題につける邦題は常に話題になります。そのセンスに賛否両論巻き起こることもしばしば。ここでは、苦心の試行錯誤の上でつけられたであろう名タイトルを持つ映画を13作品紹介します。

1:家が空を飛ぶ、あのピクサーアニメの原題はただの「UP」【2009】

世界中で大ヒットしたディズニー/ピクサーの長編アニメ映画10作目『カールじいさんの空飛ぶ家』。主人公のカールじいさんは、最愛の妻であった今は亡きエリーとの思い出が詰まった家に風船を付けて、大空へと冒険に出ます。

原題は単純に『UP』。文字通り家を持ち上げて、空を飛ぶという意味ですが、本当はそれだけではありません。

そこには、妻との思い出にいつまでも浸ることをやめた、カールじいさんの新しい人生の旅立ちの意味が込められているのです。その意味合いは消えましたが、『カールじいさんの空飛ぶ家』はピクサーアニメにふさわしいタイトルとなりました。

2:ラストのどんでん返し!二つのタイトル「検察側証人」と「情婦」の関係は?【1957】

アガサ・クリスティの短編小説『検察側の証人(Witness for the Prosecution)』の映画化作品で、原題は小説と同じものが使われました。主演マレーネ・デートリッヒ、監督ビリー・ワイルダーの法廷劇で、ラストに秘められた二重のどんでん返しが話題になった古典映画です。

ロンドンで起きた裕福な未亡人の刺殺事件。容疑者となったレナード、ところが唯一のアリバイを証言してくれるはずの妻クリスチーネが思いもよらぬことを口に……。そして、謎の中年女性から一本の電話があり、意外な展開をみせます。

どんでん返しが起こるミステリアスな秘密の内容を暗示し、また、大スターであるマレーネ・デートリッヒの主演作にふさわしい情感漂う邦題として『情婦』と名づけられました。

3:原題「少年時代」をぐっと繊細に抒情的に表現!【2014】

『ビフォア・ミッドナイト』など「ビフォアシリーズ」で知られるリチャード・リンクレイター監督が、少年メイソンの6歳から18歳までの成長を、実際12年かけて撮影した意欲作です。メイソンと姉、母親役のパトリシア・アークエット、父親役のイーサン・ホークの4人が、同じ役を12年間演じ続けて完成しました。

原題は「Boyhood(少年時代)」。すでに同名タイトルの映画や歌があり、また「少女時代」というアイドルグループも存在しています。そこで、考案された邦題が『6才のボクが、大人になるまで。』。実にセンチメンタルかつ抒情的で、意味も違わない、名タイトルになりました。

4:原題「レック・イット・ラルフ」は主人公の名前!【2012】

ゲームの世界を舞台に、ヒーローにあこがれる人気ゲームの悪役を主人公に描いたディズニー・アニメです。80年代からアメリカで親しまれてきたレトロなアーケードゲーム「Fix-It Felix」の悪役でいることに疲れた主人公が、ヒーローになろうと、レースゲームの世界に入り込んだことから巻き起こる騒動を描きます。

原題の「Wreck-It Ralph」は、そのまま本作の主人公の名前であり、もちろんアーケードゲーム「Fix-It Felix」に由来しています。しかし、日本では馴染みのないゲームである上、意味がわかりません。そこで苦心の末つけられた邦題が『シュガー・ラッシュ』。お菓子の国を舞台にした、レースゲームの名前です。

5:ブッチとサンダンスの実話につけられた名タイトル【1969】

19世紀末のアメリカ西部、実在した二人組の強盗ブッチとサンダンスの逃避行と自由奔放な生きざまを描いた西部劇の傑作です。主人公のブッチをポール・ニューマン、サンダンスをロバート・レッドフォードが演じました。

原題は、そのまま二人の名前を並べて「Butch Cassidy and the Sundance Kid」。夢を求めて一歩踏み出した二人の姿を捉えた有名なラストシーンを示唆するかのように、つけられた邦題『明日に向かって撃て!』は、映画史に残る、名タイトルの一つに数えられるでしょう。

6:赤を基調とした鮮烈な映像世界からネーミング【1973】

映像の魔術師ニコラス・ローグが描く、水の都ベニスを背景にしたオカルティックなミステリー。イギリス人考古学者とその妻が、ベニスで盲目の霊媒師と出会い、事故で亡くなったばかりの娘の幻を見たことから、意外な事実が判明していくという物語です。

原作となった、ヒッチコック作品で知られる小説家ダフネ・デュ・モーリアの短編「いまは見てはだめ(Don't Look Now)」が原題。しかし、邦題は、赤を効果的に用いた独特の映像世界をよりよく表現するため、『赤い影』と名づけられました。

7:修道院シスターを描いた大ヒットコメディにぴったりの名タイトル【1992】

世界中で大ヒットし、主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグの人気を一躍不動のものにしたコメディ映画です。殺人現場に居合わせてしまったがゆえに、組織に命を狙われることとなった売れないクラブ歌手デロリス。彼女が身を隠した場所は修道院でした。聖歌隊のリーダーになって巻き起こす騒動を描きます。

原題は「Sister Act」。直訳すると「シスターたちのパフォーマンス」というわかり辛い意味で、聖歌隊としてシスターたちがゴスペルソングを披露することを指しています。そこでつけられた『天使にラブ・ソングを…』。かなりの意訳ですが、映画の雰囲気に合致し、日本における大ヒットを導いた名タイトルのひとつになりました。

8:10月の夜空に輝く人工衛星に憧れた少年たちの夢を込めた邦題【1999】

原題は「October Sky(10月の空)」。1957年10月、ソ連が人類初めての人工衛星スプートニクの打ち上げに成功します。その美しい軌跡を見て感動した青年ホーマー・ヒッカムの自伝を基に、ロケット製作に賭けた若者たちの奮闘を描いた実話の映画化です。ホーマーはのち、NASAのロケット・エンジニアになりました。

クライマックス、さまざまな夢や想いを乗せて飛んでいくロケットの姿。邦題『遠い空の向こうに』には、そんな夢や感動が込められているのです。

9:世界中で大ヒットが記憶に新しいミュージカルアニメの原題は?【2013】

アンデルセンの童話「雪の女王」を原案に、王家の姉妹が繰り広げる愛の物語『アナと雪の女王』は、日本はもちろん世界中で大ヒットを記録しました。

触れたものを凍らせてしまう姉エルサと、姉と国を助けようとする妹アナの物語が感動を呼びました。日本語吹き替え版や挿入歌が大ヒットしたことも記憶に新しいでしょう。

原題は「FROZEN(凍りついて)」。映画のテーマをそのまま表現していますが、邦題に選んだ『アナと雪の女王』という原作に戻ったわかりやすいネーミングがヒットの一要因になったことは確かです。

10:アルツハイマーの女性に、読んで聞かせる愛の物語【2004】

療養施設で、アルツハイマー症に侵され記憶をなくした初老の女性に定期的に会いに来ては、ある男女のラブストーリーを話してきかせる老人。その物語とは、1940年の夏に出会ったアリーとノアの物語でした。そして、ラストに待ち受ける感動のサプライズ……。

コラス・スパークスの小説を原作に、ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジェームズ・ガーナー、ジーナ・ローランズら、若手とベテランが珠玉の演技で共演しています。

原題は「The Notebook」。二人の愛の歴史を綴ったノートであるわけですが、意味深でロマンチックな邦題『きみに読む物語』が、多くの女性ファンを惹きつけました。

11:火星に一人取り残された宇宙飛行士のサバイバル物語を一言で【2015】

火星にひとり残され、死亡したと思われた宇宙飛行士の生存が判明、必死のサバイバルと彼を助けようと奮闘するNASAや乗組員たちの姿を描きます。『ブレードランナー』など数々の名作を生み出したリドリー・スコットが監督、マット・デイモンが主人公を演じた、SFアドベンチャー映画です。

アンディ・ウィアーのベストセラー小説「火星の人」が原作。原題はそのまま「THE MARTIAN(火星人)」ですが、邦題は思い切って意訳し、『オデッセイ』と名づけられました。長期の放浪や長い冒険を意味し、原題よりずっとシンプルで、わかりやすいかもしれません。

12:主人公はボニーとクライド、ニューシネマの傑作にして映画史に残る名タイトル【1967】

大恐慌の嵐が吹き荒れる30年代に実在した、ポニーとクライドという男女二人の強盗コンビ。二人の運命的な出会い、アウトローな生き方と青春、その死にざまを鮮烈に描いた、アメリカン・ニューシネマの先駆的傑作です。二人を演じたウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイのスタイリッシュないで立ちも話題になりました。

原題は、そのまま二人の名前を記して「Bonnie and Clyde」。邦題『俺たちに明日はない』は、最高にクールな名タイトルとして傑作にふさわしいものとなりました。この2年後の『明日に向って撃て!』のネーミングにも影響しているのは確かです。

13:3人のバカでも、きっとうまくいく?!【2009】

世界中で大ヒットを記録した、大学時代の親友3人が巻き起こすドタバタ騒動を描いたインド映画。エリート理系大学に通うランチョー、ファルハーン、ラジューの「3バカトリオ」。3人と周囲の人物が巻き起こす珍騒動と、行方不明のランチョーを探す10年後の今を並行して描きます。笑い、涙、感動、歌、踊り、すべてが詰まった最高のエンターテインメント映画です。

原題は「3 Idiots(3人のバカ)」。主人公3人を指す、そのものずばりですが、映画のテーマである明るく前向きな生き方を指して『きっと、うまくいく』とつけられた邦題が、実に内容にぴったりです。