2017年7月6日更新

宮本信子、『マルサの女』シリーズで知られる大女優に迫る9のこと

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マルサの女

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宮本信子のプロフィール

宮本信子は、北海道出身で1945年3月27日生まれ、2016年に70歳になる日本の名女優です。1969年に映画監督の故・伊丹十三と結婚しました。二人の子供のうちの長男、池内万作は俳優として活躍しています。 宮本信子は、劇団に所属していたあと、舞台やテレビドラマで女優として活躍していましたが、出産後は子育てにシフト。子供たちが成長すると再び芸能界に復帰し、これまで半世紀以上女優として活躍し続けています。

1:高校卒業後に演劇の道へ

北海道生まれの宮本信子が育ったのは愛知県で、名古屋の高校を卒業しました。高校を卒業すると、東京にある劇団文学座の研究所に入所します。 その後、俳優の蟹江敬三や石橋蓮司なども所属していた劇団青俳に入団します。文学座や劇団青俳で、先輩となる名俳優たちに囲まれ演劇の世界へ踏み出しました。

2:映画『日本春歌考』の共演がきっかけで伊丹十三と結婚

映画『日本春歌考』は、1967年に公開された大島渚監督作品です。 宮本信子は、女子学生の里美早苗役、伊丹十三(当時は伊丹一三)は教師の大竹役を演じました。大学受験を控えた学生たちを主人公に、1960年代の学生運動が盛んだった時代の雰囲気が感じられる映画です。 宮本信子と、伊丹十三はこの映画で共演したことをきっかけに結婚をしました。 ちなみに伊丹十三は、日本映画界の功労者・川喜多長政と妻・かしことの娘・和子と婚姻歴があり、宮本信子とは再婚になります。

3:夫が監督した『お葬式』で一気に知名度を挙げる

宮本信子が夫・伊丹十三が監督した映画『お葬式』に出演したのは、1984年でした。 主演は山崎努、その妻で女優の雨宮千鶴子役を演じました。その他には、菅井きんや大滝秀治などの名俳優たちが脇を固めました。初監督作品で、お葬式という今までタブー視されていた題材を扱いコメディに仕立て上げた伊丹十三は、本当に天才でした。 宮本信子は映画『お葬式』への出演によって、伊丹十三の妻、ではなく女優・宮本信子を再度確立することができました。

4:息子は池内万作『マルサの女』シリーズが大ヒット

映画『お葬式』で邦画コメディに新しい風を吹き込んだ伊丹十三は、次に大ヒットシリーズとなる映画『マルサの女』シリーズ(1987、1988)を手掛けます。社会問題にメスを入れるこのシリーズで宮本信子は、主人公の女マルサ(国税局査察部) 板倉亮子役を演じました。 社会に立ち向かう強く凛々しい女性が出てくるストーリーは、現在は篠原涼子や米倉涼子らがドラマでよく演じていますが、元祖はこの『マルサの女』から始まったのかもしれません。

5:主演を果たした『あげまん』が流行語にも

1990年、監督・伊丹十三、女優・宮本信子コンビは再びタッグを組み、ある映画を製作します。流行語にもなった、映画『あげまん』です。 宮本信子は、主人公の元芸者ナヨコを演じ、関係する男たちをどんどん出世街道に導いていく「あげまん」を演じました。 監督伊丹十三とってのあげまんは、妻で女優の宮本信子だったのではないかとメッセージを感じずにはいられない映画です。

6:1997年に夫が突然の死

1997年、夫の伊丹十三の遺体がマンションの下で発見されました。様々な報道がなされましたが、死因は飛び降り自殺とされています。 1997年は、「~の女」シリーズ最後の映画『マルタイの女』が公開された年でもありました。映画監督、デザイナー、俳優としても成功をおさめ、妻・宮本信子と二人三脚で日本映画界を盛り上げていた人物であっただけに、突然の訃報は本当に信じられないものでした。 宮本信子にとっても、公私でかけがえのないパートナーを失ったことは、耐え難い出来事だったと思われます。

7:ジャズシンガーとしても活躍

最愛の夫を自殺で亡くした宮本信子は、それを乗り越え、ジャズシンガーとしても活動していきます。年齢を重ねた色気や、さすが女優というような魅惑的なステージを見せてくれるそうです。これまでにライブCDを2枚発売しています。

8:NHK大河ドラマ・朝ドラの常連

宮本信子は、伊丹十三映画の常連というだけでなく、ドラマでも欠かせない女優です。

『毛利元就』/妙 役

1997年のNHK大河ドラマ『毛利元就』は、主人公の『毛利元就』を歌舞伎役者の三代目中村橋之助が演じた話題作でした。 この作品で、宮本信子は元就の側室・妙を演じました。夫・元就のよき理解者であり、子育てにまい進する母親という役所は実際の宮本信子の姿を想像させるものでもありました。

『あまちゃん』/天野夏 役

2013年の大ヒットNHK朝ドラマ『あまちゃん』で、主人公のアキの祖母・天野夏役を演じました。 主人公で天野夏の孫役には能年玲奈、その母親で天野夏の娘役には小泉今日子が抜擢されました。岩手県三陸地方の海女を描いたストーリーで、復興を描いたドラマでもあり、元気な天野家の女たちは視聴者をくぎ付けにしていました。

9:2014年には紫綬褒章も受賞

そんな映画やドラマで女優として、また歌手としても活躍する宮本信子は、2014年に紫綬褒章を受章しました。 紫綬褒章とは、日本の代表的な褒章の一つであり、学問や芸術、スポーツなど各界で功績を遺した人物に天皇から授与される章です。
紫綬褒章は、学問や芸術、スポーツなどで功績を残した人に贈られる章。宮本の他には金メダリストの羽生結弦さんらが受章しました。 宮本は受章発表を受けての取材で、「一生懸命こつこつと仕事をしてきたことを認めて頂いた。」と喜びをあらわにしていた。