2018年3月12日更新

ニーガンは本当に悪者なのか?気になる過去も含め徹底考察【ウォーキング・デッド】

大反響を呼んでいるドラマ『ウォーキング・デッド』!!シーズン6終盤から登場した史上最悪の敵と呼ばれる新キャラ、ニーガンの前職を含めた過去や性格、キャラクター性を徹底的に解説します。ニーガンは果たして本当に“悪”なのでしょうか?

『ウォーキング・デッド』ニーガンは救世主グループのリーダー!

ウォーカーと呼ばれるゾンビがはびこる世界を舞台とした大人気海外ドラマ『ウォーキング・デッド』はシーズンを重ねてもその勢いは留まることがありません。 そんな本シリーズのシーズン6終盤に登場したジェフリー・ディーン・モーガン演じる新たな敵ニーガンは、「救世主」というグループのリーダー。ヒルトップなどコミュニティのメンバーをウォーカーから守り、安全を提供する事と引き換えに、毎週食料などの物資を半分渡すことを強要します。 この記事では、シリーズ史上最強とも言われているニーガンのキャラクターを徹底解説します!

※本記事にはシーズン9前半までのネタバレが記載されています。ご注意ください。

ニーガンを演じるのはジェフリー・ディーン・モーガン

ジェフリー・ディーン・モーガン
©PRPHO/Landmark Media

『ウォーキング・デッド』史上最悪の敵ニーガンを演じるのは、アメリカの俳優ジェフリー・ディーン・モーガンです。 2005年から放送されている超自然ホラーアクション『スーパーナチュラル』でのジョン・ウィンチェスター役や、同じく2005年から放映の『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』デニー・デュケット役などを演じています。 2016年公開のDCエクステンデッドユニバース作品『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にもトーマス・ウェイン役で出演。新作の『フラッシュポイント』でもトーマス・ウェイン役として出演するのではないかと噂されるなど、『ウォーキング・デッド』のニーガン役で大きく注目されています。

初登場の衝撃。馴染みのキャラを惨殺

リックはニーガンに会う前に、救世主の基地の一つを襲撃し、彼らの寝込みを襲って惨殺しました。しかし、これが引き金となってニーガンらはリック達を捕まえ、仲間の一人を見せしめとして殺す事に。彼が誰を殺すかは、「イーニーマイニーモー」日本で言う「神様の言う通り」で決められました。 当たったのは、エイブラハム。そのまま、頭部を撲殺されます。それで済むはずでしたが、ダリルがあまりの衝撃に感情的になってしまい、ニーガンに殴りかかってしまうのです。そのせいで、反抗的な態度をやめさせるために更に一人、見せしめとしてグレンが犠牲に。バットで頭を殴られ、目玉が飛び出るといった原作通りの演出を通して、酷い殺され方をしてしまいます。 今までのシリーズで最もゴア描写の強いこのシーンに、言わずもがな多くのファンが嘆きました。

息子カールを利用して、リックの心を折る

大事な仲間を殺しただけではありません。ニーガンはその後リックを連れ出し、ウォーカーの群の中に彼の愛用する斧を投げ、取って来させるなどして力の関係を示します。さらに仲間のいる場所に連れ戻ると、カールの腕にマークを描き、この部分を3秒以内に自分の斧で切断しろとリックに命令。 あまりの衝撃に、リックはただ泣いて発狂してしまいます。カールは「やって」と仲間のために自己犠牲を払おうとし、リックも本当に斧をおろそうとした時、ニーガンはそれを止めてこれからは自分の言うことを聞くようにと諭すのです。 ニーガンは本当にカールの腕を切らせようとしたわけでなく、あくまでリックの心を完全に折るために彼を利用しただけでした。

ニーガンは口も最高に汚い。でも実はFワードを使っていない……!

ニーガンは言葉遣いが相当汚く、『ウォーキング・デッド』の制作会社のAMCスタジオも、どうやって放送禁止用語にひっかからずにこのキャラクターを表現するか頭を悩ませたようです。 彼の登場するシーズン6の最後のシーンは、テレビ放送用のものと、ブルーレイの特典となる放送禁止用語を使用した2つのバージョンが撮影されています。The Hollywood Reporterの記事によると、Fワードは23回でてくるそうです。

『ウォーキング・デッド』シーズン7は原作コミックに忠実?

ニーガンのキャラクターは、原作コミックとは違ったものになるのではないかという予想もありましたが、レザージャケットを始めとした容姿などもかなり忠実に再現されています。 また、見た目に留まらずコミックの台詞などもドラマでそのまま使用されています。

ニーガンの過去は教師!?バットの「ルシール」名前の由来とは

無慈悲な救世主のリーダーであるニーガン、実はアポカリプスが起きる前は高校の体育の先生でした!卓球のコーチであった彼は、その性格や口の悪さからよく親御さんから苦情を受けていたのだとか。大声で怒鳴りながら人々を動かすような彼の立ち振る舞いをみると、教師時代の面影を感じますね。 そんな彼が愛用する武器は有刺鉄線を巻いたバット。「ルシール」という名前をつけていますが、これはニーガンの亡き妻ルシールの名前に由来しているのです。

今は一夫多妻だけど昔は……元妻ルシールとの悲しい過去

ニーガンにはサンクチュアリーに沢山の“妻たち”がいます。彼の妻になれば、好きなものを与えられて贅沢ができる一方で、彼の要求に答えなければならない面も。 しかし、このように一夫多妻であるニーガンにも、“最初”の妻がいました。それがルシールです。彼は生前、浮気を繰り返して彼女を裏切っていましたが、彼女がガンと診断されて入院してから自分の行いを悔やみ、反省します。 アポカリプスが起きた頃、ルシールは病院でニーガンに看取られながらこの世を去ります。あまりの悲しみ、不甲斐無さにニーガンは心を痛め、ウォーカーとして蘇った彼女を自分の手で殺す事ができなかったと、神父ガブリエルに懺悔しています。

ニーガンは本当に、ただの危険なサイコパスなのか

先述の通り、リックの仲間を惨殺し、その後彼らのコミュニティであるアレクサンドリアを支配下に置いたニーガン。笑顔でいながら、突然人を殺す彼の行動から危険なサイコパスという印象を受ける方も少なくないでしょう。 しかし、彼は本当にサイコパスなのでしょうか? その後リックの息子・カールがサンクチュアリーに一人で乗り込んだ際、ニーガンは彼を脅したり、彼の失った目についてからかいます。しかし、カールがそれで泣いてしまうと彼が只の子供だった事を思い出し、ニーガンは反省して素直に謝るのです。 その後、彼を安全にアレクサンドラに送り、不在だったリックを待つ間スパゲティを作って食べさせるなど、大人として子供の面倒をみるような行動をとりました。更に、自分の妻に対する罪悪感をいつまでも抱えている事からも、彼には優しい一面があるように感じます。

サイコではなく圧倒的な頭脳派であり、リアリストである

カールを認めていた

ニーガンがカールを無傷でアレクサンドリアに返したのは、無駄な殺生を避ける意図もあったと思いますが、それ以上に単独で基地に乗り込んだ度胸を買って彼を認めていたからだと考えられます。そのため、カールがニーガンに声をかけた際はじっくりと話を聞く姿勢を見せていました。 結果それがカールによる時間稼ぎだった事がわかり、ニーガンは怒りますが決して彼を殺そうとしたことはありませんでした。 何故なら、カールに「未来」を見たからです。頭も切れ、度胸のある彼を自分の計画に入れて、大きな使命を与えようとしていた。それほど彼を認めていたからこそ、ニーガンはカールが死んでしまった時リック同様に悲しみます。その時の表情は、敵である事を忘れさせるほど切ない……。

頭脳派で策略家な一面

さらに、腹心の部下であるドワイトとサイモンが自分を裏切ろうとしている事を知ると暫くの間、彼らを泳がせていました。それは、彼らに賛同する他の反逆者をあぶり出すためです。 彼ら二人をすぐさま処罰したところで、危険因子はなくなったわけではないという事をニーガンは冷静に判断していたのですね。 もう一つ、泳がせていた理由はドワイトを利用するためでした。彼が裏切っている事に気づいていないふりをして、リック達を襲撃する行動計画を教えます。 そうすれば、ドワイトがすぐにそれを彼らに知らせるとわかっていたからです。そうやってニーガンは罠をはるために、巧妙にその計画があたかも本当のもののように仕立てあげ、リック達を追い詰めることに成功します。

常に冷静。物事を公平に判断する

そして感情的になりがちなリックに比べ、ニーガンは常に冷静。アレクサンドリア率いるコミュニティらに襲撃された際も、「撃ち合いは弾の無駄になるから、とりあえず話しを聞こう」と動揺せずに状況を確認。リックが起こしたがっていた全面戦争も、彼は無駄に人(資源)が減るからやるべきではないと考えていたのです。 そして何よりニーガンの男前(?)なところは、その公平さにあります。彼は決して誰かを特別扱いしたりしません。それは、彼の支配する聖域がポイント制を導入している点からわかります。 地位に関係なく、仕事を対価に物資や食事と交換できるそれは、誰もが役割を担いながら自給自足できるという社会を生み出しているのです。秩序を重んじていた点も、この「社会」の均衡を保つためでした。 さらに、サイモンが反逆しようとした事がわかっても「拳で戦って勝ったらリーダーの座を譲る」と提案。武器を使わず、実力で挑むチャンスを与える点にも公平さを感じさせます。

ニーガンにはリックと同じく、彼なりの正義があるだけ

我々『ウォーキング・デッド』視聴者は、リックらのグループを初期からずっと見守ってきました。それ故に、つい彼らに感情移入してしまい、彼らの敵は必ず悪だと考えがちです(本当に悪い人たちも沢山いましたからね……)。しかしこのニーガンという男は、実はリックと何ら変わらない存在なのではないでしょうか? それというのも、もともと救世主たちはアレクサンドリアやリックのグループの事を知りませんでした。彼らが寝込みを襲って何十人もの救世主メンバーを殺すまでは。彼らにとっては、突然得体の知れないグループに仲間を惨殺された、という事です。そんな酷い事をされた救世主にとって、リックのグループは「無慈悲で危険なグループ」と認識されたでしょう。 リックが必死に自分の仲間を守るように、ニーガンもまた自分の部下や人々を守ろうとしています。理由もなく仲間を殺すような危険な人物がいるのであれば、いつサンクチュアリーが襲撃され人々が殺されるか分かったものではありません。だから、リックのグループを捕まえて彼の仲間を報復として処刑したのです。

グレンが死んだのはニーガンのせいなのか……?

しかし、ニーガンは無意味な殺人は好みません。本人曰く「殺すべき物を殺すべきときに殺せば、全てが丸く収まる」とのこと。彼がリックの仲間を殺したのは、彼らに二度と自分たちの仲間を殺させないための教訓でした。 しかも、ニーガンは何十人もの仲間を失ったのに、たった一人の死だけを望んでいたのです。彼が結果的に二人殺す事になったのも、彼のせいではなくダリルのせいでした。 リックにはリックなりの正義があるように、ニーガンにはニーガンの正義があるのです。シーズン7とシーズン8はリックとニーガンを中心に描き、そういった人間の極限状態における「正義」について考えさせられるようなテーマ性をはらんでいます。

シーズン8のラスト、リックとの決闘の末見せた表情

そんなニーガンの“正義”が垣間見えた、シーズン8の最終話。先述のドワイトが垂れ込んだ嘘の情報を信じて丘にやってきたリック達を、救世主が囲みます。しかし、ユージーンの裏切りによって救世主側の銃器は暴発。その隙に逃げたニーガンを、リックが追いかけ二人の一騎打ちとなりました。 力の差は歴然としていて、ニーガンに負けそうになったリックは「カールのために10秒話を聞いてほしい」と伝えます。カールを尊重していたニーガンは、その言葉に攻撃の手を止めます。 カールが平和と共存を望んでいたことを語り、戦う必要はもう無いこと訴えるリック。それを聞き、苦しそうな切なそうな、泣きそうな表情をするニーガン。 しかし、ここでリックがニーガンの喉を隠し持っていたガラスで切り裂きます。血を流しながら膝をついたニーガンは、悲しそうな顔で「息子はお前が本当はどういう奴か分かっちゃいなかった。これが本当のお前の正体だ」と言うのです。

カールの遺言通り、ニーガンは生かされる

リックはそれを聞くと、少し考え、やがて仲間にニーガンの命を救うように指示しました。カールの望んだ平和を実現させるために。そしてニーガンに言われた“正体”、つまりモラルを失った人間の野蛮な本性に抗おうとしたのではないでしょうか。 マギーはこれに猛反対。しかし、結果ニーガンは生かされ独房に投獄されるのでした。

シーズン9では独房生活。ニーガンの精神崩壊……は演技だった?

それから数年の時がたち、暗い独房で生かされ続けているニーガン。依然としてリックとマギーの間で「ニーガンを生かすか殺すか」という議論が起こります。彼の死を断固として許さないリックに痺れを切らしたマギーは、その後彼のいない間に単独でアレクサンドリアに乗り込み、ニーガンを暗殺しようとします。 しかし、その時彼は彼女に「俺を殺してくれ。そうすればルシールの元へ行ける」と、死を乞うのです。そんなニーガンは、グレンを殺した時と同じ人間ではありませんでした。殺すより、この独房で終身刑をくらう方が酷いことが理解できたマギーは、彼を殺すことを諦めます。 ただ、相手はニーガン。もしかすると、マギーにそういう風に言えば自分の命が助かると分かっていて“演じた”可能性もなくはないですよね。

遂に脱獄!?聖域に戻ったニーガンは次に何をするのか

マギーの暗殺未遂から数年後、シーズン9の8話(ミッドファイナル)。ニーガンは大きく成長したジュディスの“おじさん”的な存在になっていて、やはり子供と話せるのが嬉しいのか少し元気になっていました。 そして、ミショーンたちが新たな敵ウィスパラーズに囲まれている時、一方でニーガンは独房の鍵が空いていることに気づき出て行ってしまいます。続くシーズン9の後半の予告編では、彼が再び聖域に戻ってきた様子が描かれていました。ウィスパラーズという敵がいる中で、果たしてニーガンは味方となるのか、それとも再び敵となるのか。 シーズン9第9話は2019年2月11日より、リアルタイム放送開始予定。ニーガンの今後から、目が離せません。 (文:アナイス)