2017年7月6日更新

海外ドラマ『LOST/ロスト』はやっぱり面白い。その魅力に迫る【ネタバレあり】

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LOST

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社会現象にもなった人気海外ドラマ『LOST/ロスト』

2004年から2010年にかけて放送され、社会現象にもなった人気海外ドラマ『LOST/ロスト』。初回放送からすでに10年以上が経過していますが、その魅力は色あせることがありません。新しい年に、すでに見た人はもう一回見直したい、初めての人はこれから見始めたいと思うことでしょう。 飛行機の墜落事故を生き抜いた人たちが漂着した無人島でサバイバルするアクションでありながら、どうも謎を秘めている「島」の秘密を解き明かそうとするサスペンス・スリラーである、多数の登場人物の人間模様を描いたヒューマンドラマでもあるのが『LOST/ロスト』です。 各シーズンのあらすじ、キャスト、その他見どころ情報などをまとめました。

『LOST/ロスト』のストーリー【ネタバレ注意】

シーズン1

シドニー発ロサンゼルス行きオーシャニック815便が南洋の島に墜落。48人が生き残り、無人島に漂着します。最初はすぐに救助隊が来るだろうと楽観視していましたが、数日経過するとわずかな物資をめぐって衝突が起き、人々は水と食料の確保のためにジャングルに向かいます。 生存者のリーダーとなったのは優秀な医師のジャック。そこに殺人容疑で護送中であったケイト、トラブルメーカーのソーヤー、元イラク軍人でテクノロジーに詳しいサイード、韓国人夫婦のジンとサン、そして車椅子生活を送っていたものの島に来て奇跡的に歩けるようになったロックが加わります。 彼らはすぐにそこが普通の島ではないことに気づきます。謎の怪奇現象が起きたり、シロクマが現れたり。さらにロックと彼を慕う青年ブーンは双発小型飛行機と謎のハッチを発見し、島が無人島ではないことが明らかになります。またサイードはジャングルで16年前に遭難したフランス人女性ダニエルに遭遇します。 ダニエルは815便の生存者に「他の者たち」がやってくると警告し、ハッチを開けてその中に身を隠すべきだと指示。そこでジャックらはダイナマイトを使ってハッチを開けることに成功しますが、中は深く、ジャックは入ることに恐怖を覚えるのでした。 一方で島を出たがっているシングルファーザーのマイケルは独断で筏を建設。そこに息子のウォルト、ジン、ソーヤーを乗せて出発します。しかし途中で何者かに襲われ、筏は破壊されます。息子のウォルトは連れ去られ、残った3人は島に戻らざるをえなくなったのでした…。 シーズン1は登場人物が多く、その一人ひとりの過去がフラッシュバックで語られるため、これからの物語の伏線となるような重要な点が満載。次第に明らかになる島の不思議な現象や、メンバー同士の対立と接近が見所です。

シーズン2

開かれたハッチの中についに降りていくことを決意したケイトとロック、そしてジャック。降りていくとそこは現代風の住居になっており、一台の謎のコンピューターが置かれていました。さらにはハッチの中に住む男デズモンドが現れ、コンピューターには必ず108分毎に数字を入力しなくてはならないと語ります。 一方で筏での脱出に失敗したソーヤーたちは島の対岸に漂着。そこで同じ815便の後部座席側で生き残った人たちに遭遇。彼らは飛行機の墜落事故直後から「他の者たち」に生存者を次々とさらわれ、殺害されているという驚愕の事実を語るのでした。そこで彼は共に全部座席のキャンプに向かうことを決意します。 デズモンドは逃げ出し、今やジャックたちが代わりにコンピューターへの数字入力を担当していました。ある時サイードは数年前に島に漂着したという男を捉え、拷問した結果彼が「他の者たち」の一人であることが発覚。ベンジャミンと名乗るその男と取引をしようとします。 するとそこに筏で脱出していたはずのマイケルが登場。息子を取り返そうとして相手の基地を見つけたが、人数が多い為援助が欲しいと言います。ジャックらはその言葉を信じ何人かで「他の者たち」の基地に向かおうとしますが、実はマイケルは一度彼らに捕まっており、すでに取引をしていたのでした…。 ハッチの謎、「他の者たち」、絶えない怪奇現象…これらに対して疑問を抱き続けるロックは、815便の墜落は事故ではなかったのではないかと考えるようになります。そしてその謎を解き明かすために、ハッチのコンピュータに数字を入力しないまま108分を経過させます。しかしその結果訪れたのは「破滅の時」でした…。 シーズン2は島の奇妙さが際立ち、生存者たちがそれに立ち向かうようになる過程が描かれます。ある程度の団結があった生存者たちの間に深い亀裂が入り始め、そして島に住む「他の者たち」についての手がかりが少しずつ現れるようになるシーズンです。

シーズン3

ハッチで起こった大爆発の後でジャックが目覚めると、彼はケイトやソーヤーたちとともに「他の者たち」に囚われていました。彼らは「他の者たち」の素性を暴こうとしながら、仲間のいるキャンプにも戻ろうとします。ケイトとソーヤーは脱出に成功しジャックを迎えに来ますが、なんとジャックは「他の者たち」と打ち解けていたのです。 ジャックは救助を呼ぶために潜水艇に乗って島を離れることを許可されていました。しかし、島には何か特別な力があり島を離れるべきではないと考えるロックがこの潜水艇を爆破。結局皆はキャンプに戻ることになります。 そこにナオミという名の女性がパラシュートで島に着陸します。彼女からの情報で、島の近くに貨物船が来ていることを知った生存者たちは、貨物船と連絡を取るため、ダニエルが利用していたラジオ塔へと向かいます。 見事衛星電話で貨物船との接触に成功した彼らはついに島から救助されることになったが、「他の者たち」のリーダー的存在であるベンジャミンは、それは終わりの始まりであると予告するのでした…。 少しずつ「他の者たち」の思惑が明らかになってくるのがこのシーズン3。どうやら島を去ることは何か大きな破滅をもたらすようです。それを信じるロックと、島を脱出したい人たちの間で衝突が起きます。 島全体でダイナミックに出来事が展開するので、大自然の美しさをも堪能できるシーズンです。

シーズン4

貨物船との連絡が取れた直後の島では、何が何でも島を出たいジャックらと、不審な貨物船の存在を疑うロックやベンジャミンの間で意見が分かれ、生存者たちは選択を迫られます。貨物船の乗組員である男が島に降り立ちますが、その真の目的は何なのか?疑問は残るまま。 と同時に、島から脱出した後の世界が描かれます。そこではジャック、ケイト、サイード、ハーリー、サン、そしてクレアが島で出産した赤ん坊アーロンの6人が島からの脱出に成功し「オーシャニック6」と呼ばれていることが明らかにされます。 しかしそこでの彼らの生活は幸せとは程遠いものでした。 貨物船の送り主は「他の者たち」と敵対する勢力であることが明らかに。両派は激しく衝突し、生存者たちがヘリコプターで島から貨物船に向かう目の前で貨物船は爆発します。仕方なく島に戻ろうとすると、なんと島が丸ごと彼らの眼の前から姿を消します! これは「他の者たち」のリーダーのベンジャミンが、島の存続をかけて、ロックと協力して島を隠すことに成功したからでした。行き場を失った6人は偶然ある船に救助され、「オーシャニック6」となったのです。 シーズン4は3からの続きと未来の世界がパラレルに描かれます。『LOST/ロスト』独特の複雑な世界観はここにきて本格的に姿を現し、視聴者を混乱させながらも釘付けにするのです。ここからどのように物語が進むのか、疑問が残ります。

シーズン5

脱出した6人の人生は悲劇続き。ベンジャミン曰く、これは彼らが島を脱出したせいでした。島に残されたソーヤーたちを思う気持ちもあり、ジャックは島に戻ることを決意。他のオーシャニック6も呼び戻します。 一方島に残されたものたちは、島が消えた瞬間1974年にタイムスリップしたのでした。それは後に「他の者たち」と呼ばれることになる企業「ダーマ・イニシアチブ」が島への入植を始めた頃。ソーヤーらはそこで職員として働くことになります。 オーシャニック6のメンバーはアジラ航空316便に乗ったところ、飛行機は閃光に包まれて墜落。彼らがたどり着いたのは1977年の島でした。そこでジャックとケイトはソーヤーと再会しますが、一人別行動を取っていたサイードによって様々な問題が引き起こされます。 また島に対する宗教ともいえる強い思いを持つロックもまた、皆とは違った望みを持って行動していました。 815便の墜落とそれに続く今までの悲劇のきっかけとなったのはとある事故であることを知ったジョンたちは、その事故を防ぎ未来を変えるため建設中の基地の爆破を試みます。また後の指導者となるベンジャミン(当時12歳)を殺害することも計画するのでした。 基地破壊計画がバレたため、島の住民たちは避難することになり、ケイトとソーヤーも同じ潜水艦で脱出しようとします。そしてジャックと「ダーマ・イニシアティブ」の職員であるジュリエットは、核爆弾を爆発させることに成功し、シーズンは幕を閉じます。 ようやくここで「他の者たち」の正体が分かります。また登場人物ももはや受け身の「生存者たち」ではなくなり、それぞれの意志を持って行動し未来を変えようとするアクティブな存在に変わります。大好きなキャラクターが生き延びるかどうかも、見ていてハラハラしますね。

シーズン6

2004年9月22日、オーシャニック815便は、ロサンゼルス国際空港(LAX)に到着。オーシャニック815便は島に墜落することなく、乗客は無事に目的地に着きました。しかしこれは、未知の時間軸における物語であり、島に辿り着いたあとの時間軸が継続していたのです。 爆発の後、再び21世紀に戻った島では、最高指導者のジェイコブとその跡を継ごうとするロックの間で戦いが起こっていました。しかしそのロックもまた偽物であり、とある「黒服の男」であることが判明。その戦いに巻き込まれたジャックらは、全てを終わらせようと尽力します。 ソーヤーとジャックは黒服の男を出し抜いて潜水艦で島を脱出する計画を実行しますが、候補者を皆殺しにしようとする「黒服の男の罠」に嵌まり、サイード、ジン、サンは命を落としてしまいます。と同時に墜落のなかったもう一つ世界でも、ジャックら乗客は何か奇妙なエネルギーを感じるのでした。 戦いの中で島は崩壊を始め「黒服の男」はケイトによって背後から撃たれ、崖から突き落とされます。島を滅ぼしてはならないと確信したジャックは運命を受け入れ、島の中心の光を再点火するために犠牲に。ケイト、ソーヤーらはアジラ航空機で脱出します。ハーリーはジャックから島の守護者の役割を引き継ぐのでした。 謎の島で起こる物語、それぞれの運命が、いよいよ終幕を迎える。それがシーズン6です。ラストに関しては賛否両論あり、謎に対する答えを出しきっていないという人もいますが、6シーズン全てを見た後だと涙が溢れて止まらないことは確実です。

『LOST/ロスト』のキャスト(主要人物の一部)

生存者のリーダー、ジャック・シェパード/マシュー・フォックス

生存者たちをまとめる優秀な医者ジャックを演じるのは、マシュー・フォックス。実生活でも秀才で、コロンビア大学で経済学を専攻して卒業、フットボール選手としても活躍しました。俳優としてのキャリアを追求するようになってからはドラマ『サンフランシスコの空の下』で好演を見せています。 本作出演以降人気は爆発し、2008年公開の映画『バンテージ・ポイント』で主演を務めたり、ブラピ主演のゾンビ映画『ワールド・ウォーZ』にも出演しました。

タフなヒロイン、ケイト・オースティン/エヴァンジェリン・リリー

カナダ出身のエヴァンジェリン・リリーは、本作では力強くも美しいヒロインのケイトを演じています。フライトアテンダントとして働いたこともあり、本作のイメージにはぴったり。大学在学中にスカウトされ、学費を稼ぐためにモデル・女優の道を歩み始めたのだとか! アカデミー賞受賞作『ハート・ロッカー』、ヒュー・ジャックマンとの共演作『リアル・スティール』、大人気ファンタジーの前日譚『ホビット』シリーズにおけるエルフ役、さらにはマーベルシネマティックユニバースの『アントマン』シリーズのヒロインとして出演するなど、キャリアは順風満帆のようです。

トラブルメーカーのソーヤー/ジョシュ・ホロウェイ

本作のイケメン担当であり、恋多きトラブルメーカーでもあるソーヤーを演じるのはジョシュ・ホロウェイです。彼はもともとモデル出身なだけあって、その整った顔つきと肉体美で多くのファンを持っています。 本作以降も小規模ながらも映画に出演しており、2011年の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』ではトレヴァー役としてトム・クルーズと共演しました。

屈強な元兵士、サイード・ジャラー/ナヴィーン・アンドリューズ

拷問とメカに詳しい元イラク軍兵士のサイードを演じるのは、様々な映画でおなじみのナヴィーン・アンドリューズ。彼は1996年の『イングリッシュ・ペイシェント』でゴールデングローブ賞にノミネートされた経験のある実力派です。 ダイアナ皇太子妃の最後の2年間を描いた映画『ダイアナ』では、皇太子妃の恋人役を演じました。

島の力を信じる野生の男、ジョン・ロック/テリー・オクイン

意外にも一番?重要な役どころともなるジョン・ロックは、テリー・オクィンが熱演しています。彼はこの役で第59回エミー賞にノミネートされ、ドラマ・シリーズ部門で助演男優賞を受賞しました。 演技経験は長く『LOST/ロスト』以前にも多数の映画に出演。大人気ドラマ『Xファイル』にはなんと別の役で2度出演しているそう。探してみましょう!

『LOST/ロスト』は監督としてのJ・J・エイブラムスを有名にした!

今となってはJ・J・エイブラムスの名を知らない人はいませんが、実は彼が監督を務めた『LOST/ロスト』こそが、エイブラムスを監督として有名にしたのはご存知でしたか?彼は以前から『アルマゲドン』などで脚本としては活躍していましたが、大規模な監督作は『LOST/ロスト』が初めてだったのです。 本作が世界中で爆発的な人気となったことで、エイブラムス監督はその力量を証明することができました。以降『スター・トレック』シリーズや『スター・ウォーズ フォースの覚醒』など、世界中の人々が多大な期待を寄せる大作を次々と生み出していくのです。 ちなみにエイブラムス監督は『LOST』で2005年のプライムタイム・エミー賞で作品賞および監督賞、また2006年のゴールデングローブ賞作品賞を受賞しています。本作はいまでも彼の代表作なのです。

『LOST/ロスト』のオリジナルの脚本と最終的なキャラクターは大きく異なっている

『LOST/ロスト』の最大の魅力はその独特な登場人物たちですが、脚本が書かれた時点のキャラクターは、最終的に私たちが目にしたキャラクターとは大きく異なっています。これは、オーディションの過程でエイブラムス監督が気に入った俳優たちを使えるように、役を書き換えたり新しい役を作ったりしたからなのです。 例えばソーヤーの役は、もともと都会的なマフィアのイメージをまとった洗練された詐欺師として想定されましたが、ホロウェイの荒っぽい演技と短気な性格、そして南部訛りが気に入った監督は、キャラクターを大きく書き換えたのです。 また若いロックスター、チャーリーはもともと45歳くらいの落ちぶれたロックシンガーである予定でしたが、ドミニク・モナハンを気に入った製作陣がこれを彼に会った形で書き換えていました。 さらに、韓国人のサンの役は脚本にはありませんでした。ケイト役のオーディションを受けたユンジン・キムの演技に感銘を受けた監督は、彼女のために新しい役を書き入れたのです。