2017年7月6日更新

パトリック・ドイル、ハリポタの作曲家はゲーム音楽も製作していた!

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ハリーポッター

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パトリック・ドイルの生い立ちとケネス・ブラナーとの出会い

ケネス・ブラナー『ハムレット』
パトリック・ドイルは、1953年スコットランド生まれです。音楽を愛する家庭で育ち、子供のころからケルト音楽の影響を受けて育ちました。 王立スコットランド音楽演劇アカデミーを卒業後、ケネス・ブラナーが主催する劇団「ルネサンス・シアター・カンパニー」に入団。はじめは役者もしていましたが、役者になるべきか、作曲家になるべきか迷っていた時、ケネス・ブラナーが作曲家への道へと彼の背中を押したのです。その後、ケネス・ブラナーの作品には必ずといっていいほど音楽監督としてタッグを組んでいます。 2017年現在まで、50本以上の映画への作曲をしてきました。これまでにアカデミー賞作曲賞に2度、ゴールデングローブ賞作曲賞にも2度ノミネートされた他、アメリカの優れた作曲家に贈られる賞や、サウンドトラックの世界的に有名な賞など、数々の受賞歴があります。

出世作『ヘンリー5世』

ケネス・ブラナー『ヘンリー5世』
ケネス・ブラナーの初めての映画監督作品『ヘンリー五世』での、荘厳な雰囲気の音楽は絶賛され、ドイルは作曲家としてのキャリアを歩み始めました。シェイクスピアの詩の力強さを打ち消さないような、表現力豊かな曲をかきあげたドイルはその後、ケネス・ブラナー作品への作曲を続け、『空騒ぎ』、『ハムレット』、『フランケンシュタイン』、『マイティ・ソー』、『シンデレラ』などを手掛けています。

ジョン・ウィリアムズの後を継いで『ハリーポッター』の作曲を行う

この映画はシリーズ第4作目です。それまでの3作品は『スター・ウォーズ』の音楽を手掛けたことでも有名なジョン・ウィリアムズが担当し、2作はオスカーを受賞する功績を残していました。そんな彼の後で三作目を頼まれれば、どんな作曲家も躊躇するでしょう。 しかし監督のマイク・ニューウェルは、すでにドイルと仕事をしたことがあり、ドイルの確かな実力を認めていました。特にクイディッチ(ハリーポッターで登場するゲーム)世界大会のバックミュージックは、アイルランドとブルガリアの影響を色濃く表した楽曲となり、高く評価されました。

プレイステーション3ゲーム「パペッティア」の音楽を担当!

すでに映画音楽作曲家として世界的に有名となっていたパトリック・ドイルは、2013年に初めてゲーム音楽を作曲しました。人形劇を舞台にしたこのゲームの彼の音楽は、こう評価されています。
「パトリック・ドイル作曲のこのゲーム音楽は、一つのオーケストラ音楽として、すばらしい出来になっている。それぞれの曲は、ゲームの場面によく合っていて、しかも短い。CD全体を通して聞いたときに、変なつなぎ音楽が入っていないので、楽しんで聞けるものになっている。」
パトリック・ドイルは、インタビューで初めてのゲーム音楽の作曲についてこう語っています。
「いろんなジャンルの音楽が入っているんだ、西部劇風や、ジャズだったり。アニメーターは素晴らしく風変わりなキャラクターを創り出していて、それぞれの曲は、ゲームのキャラクターであったりストーリーに合わせている。 曲はすべて1分30秒くらいの短いもので、場面が長くなれば、その同じ曲が繰り返される。最初は、どうやってリピートされ続けても、不自然に聞こえない曲を作ろうかな、と思ったよ。僕にとってもチャレンジな仕事だったね。」

アル・パチーノ主演『カリートの道』の音楽も作曲している

アル・パチーノ『カリートの道』
アル・パチーノ扮する元麻薬王は、刑務所から出てから、かたぎの道を歩み始めたもの、犯罪に巻き込まれていくという1993年の作品です。 それまでイギリス映画を手掛けてきたパトリック・ドイルが、アメリカの犯罪映画の作曲をするのは、畑違いのようにも予想されました。しかしドイルが作曲した、サルサやメレンゲ(ドミニカ共和国の民俗音楽)の要素を取り入れたサウンドトラックは、高い評価を受けました。

『メリダとおそろしの森』では息子と共作

この映画の舞台は、パトリック・ドイルの生まれ故郷であるスコットランド。10世紀ころのスコットランドの王女メリダは、弓の名手でやんちゃな女の子です。王妃である母を救うため、メリダは森をかけまわります。 パトリック・ドイルはインタビューでこの映画についてこう語っています。
「僕にとってとても意味のある体験だったよ、僕の個人的な経験と故郷への思いを楽曲にこめられたからね。僕が伝えたかったことを、曲を聴いた人にわかってもらえるといいな。 挿入歌『いにしえの子守歌』は、息子と一緒に仕事ができたんだ。僕にとって素晴らしい体験だったし、なによりとても楽しかったよ。」
引用:owley.ch
パトリック・ドイルの息子、パトリック・ネイル・ドイルも、テレビドラマや映画で音楽を作曲しています。

白血病に侵されながらも、病を克服

イーサン・ホーク『大いなる遺産』
1997年にイーサン・ホーク主演の『大いなる期待』の作曲を始めた直後に、白血病を発病しました。次に決まっていたアニメ映画の作曲は入院生活を送りながら書き上げました。彼は幾度もの化学療法に耐え、家族と映画界の友人たちに支えられ、病気を完治することができたのです。 友人たちからのサポートについて彼はこう語っています。
「ケネス・ブラナーは、週に2回は病院に見舞いに来て、テープや本を差し入れてくれたよ。治療でうつにかかりそうになった時は、家にきて、泣いている僕を支えてくれた。 エマ・トンプソンは、ハリウッドから駆けつけてくれ、おもしろい話をして僕を大笑いさせてくれたんだ。エマは治療で僕の髪の毛が抜けたときのために、かつらを送ってくれて、僕は陽気にそれを受け止めたよ。」