2018年11月13日更新

スネイプ先生が「ハリー・ポッター」ファンから愛される10の理由【ネタバレ注意】

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『ハリー・ポッター』シリーズで主役ハリーを上回る人気を誇るスネイプ先生。物語の鍵を握るセブルス・スネイプの劇中でのエピソードや動きを見ていきましょう。

「ハリー・ポッター」シリーズ屈指の人気者、スネイプ先生の魅力とは?

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 スネイプ
© Warner Bros.

「ハリー・ポッター」シリーズで主役ハリーを上回る人気を持つセブルス・スネイプ。 2016年1月14日に逝去した名優・アラン・リックマンが演じた彼は、個性的なキャラクターが多い「ハリー・ポッター」シリーズの中でも特に強い存在感を放つキャラクターです。 初登場時にはシリーズ屈指の憎まれ役として描かれていた彼が、なぜこのような人気を獲得するに至ったのか? 彼の誕生から時系列順にその半生を紹介しながら、彼の魅力を紐解いていきたいと思います。 また、記事の内容上、どうしてもネタバレ要素が入ってしまうため、ネタバレを避けたい方はここでページを閉じてください!

1. セブルス・スネイプと、初恋の人・リリーとの出会い

スネイプは、魔女の母とマグル(魔法を使えない普通の人間)の父の間に生まれた「半純血」の魔法使いです。彼の生涯を語る上で決して欠かすことができないのが、この血統と、幼馴染にして最愛の人・リリーとの出会いでした。 子供の頃のスネイプはマグルの父との関係がうまく行かずに悩んでおり、幼馴染のリリーにこのことを相談することもありました。 こうしてスネイプは母方の血統を尊ぶようになり、「半純血のプリンス」と自称し始めます。さらにもともとリリーに好印象を抱いていたスネイプでしたが、リリーがマグル生まれの魔女でホグワーツに通うことを知ると、大いに喜びました。 その一方で、魔法が使えないリリーの姉・ペチュニアに対しては、軽蔑したような態度を取るなど、徐々にリリーへの恋心へとマグルに対する差別的な態度を強くしていきます。 後に「閉心術」の達人になり、無表情で過ごすことが多くなるスネイプからは信じられないほど、感情表現豊かなエピソードですよね。

2. ホグワーツに入学し、「闇の魔術」で頭角を現す

成長したスネイプは、リリーと共にホグワーツに入学することになります。しかし、ホグワーツでの学生生活は、スネイプにとって決して良いものではなかったようです。 初めてホグワーツに向かう電車に乗った際に、ジェームズ・ポッターとシリウス・ブラックと出会い、敵対。彼らとの因縁は生涯続くことになります。さらに、スリザリンに組分けされたスネイプに対して、愛するリリーはライバルであるグリフィンドールの寮生になってしまうのです。 一方で、入学時から「闇の魔術」に関して優れた知識を持っていたスネイプは、すぐに頭角を現しました。これこそがリリーとの仲に溝ができる原因だったのですが、当時スネイプはそのことに気づいておらず、闇の魔術を極めればリリーがまた自分の元へと戻ってきてくれると信じていました。 そんな中、スネイプは新たな悲劇に見舞われることになるのです。

3. リリーとの間に溝ができ、恋敵のジェームズにいじめられる

闇の魔術に傾倒していたスネイプは、闇の魔術を嫌うジェームズたちのいじめの標的にされます。とはいえ、スネイプも一方的にやられ続けていたわけではありません。スネイプが反撃することもありました。 こうした喧嘩の最中でも、リリーはスネイプの味方をしてくれていました。しかもスネイプは、ジェームズたちだけでなく、純血至上主義者の多いスリザリンでもいじめられることが多かったため、リリーの存在はかけがえのないものだったと推測できます。 しかし、そんなスネイプをまたしても悲劇が襲います。 リリーと恋人同士になる前のまだ傲慢な性格をしていたジェームズが、スネイプをリリーの前で下着姿にするといういじめを行ったのです。

4. 最愛の人との別れ、リリーとジェームズの結婚

リリーの前で恥をかかされたスネイプは怒り、ジェームズに反撃を試みますが、これも失敗。リリーに慰められる中、情けなさから彼女のことを「穢れた血」という魔法界の差別用語で罵ってしまいます。 もちろん、スネイプが本心からリリーを罵るわけがありません。彼は何度もリリーに謝罪し、関係を修復しようと試みますが、リリーは話を聞いてくれませんでした。 そうしてリリーとスネイプが不仲になる中、成長したジェームズからかつてのような傲慢さが抜けていき、リリーはジェームズと親密に。やがて二人は結婚に至ります。 最愛の人が、宿敵の妻になってしまったのです。これにより、スネイプはジェームズに対して一層憎しみを募らせることになります。

5. デスイーターの一員になるが、最愛の人を失いハリーを守ることを決意

リリーと絶交状態になったスネイプは、ホグワーツ卒業後に死喰い人(デスイーター)の一員としてダンブルドアの結成した不死鳥の騎士団をスパイする役割を担います。 ところが、占い学の教授トレローニによる「ヴォルデモートを倒す者が7月の終わりに生まれる」という予言をヴォルデモートに密告したことで、リリーを含むポッター一家が狙われることに。 リリーを守りたいという一心でダンブルドアに彼女の助けを請い、自身は不死鳥の騎士団と死喰い人の二重スパイとして働くことになります。しかしその必死の働きも虚しく、リリーとジェームズはヴォルデモートによって殺害され、息子のハリーだけが生き残ることになるのです。

6. ハリーが入学してからのスネイプとの関係は?

ハリー・ポッターと炎のゴブレット スネイプ
© Warner Bros.

リリーの死によって絶望したスネイプですが、ダンブルドアは彼女の息子であるハリーを守るよう諭します。しかし成長したハリーがホグワーツに入学したとき、彼に嫌悪感を抱いてしまいます。というのも、彼の外見はスネイプにとって憎き存在であるジェームズにそっくり。 抑えきれない嫌悪感を持ちながらも、リリーの忘れ形見を守るというダンブルドアとの誓いのもと、影ではハリーを助けているのです。 最愛の人の息子でありながら、最悪の敵の息子でもあるハリーは、スネイプにとって愛憎入り交じる存在です。 普段の学校生活ではハリーを憎んでいるからか、ハリーやロン、ネビルなどグリフィンドール生に辛くあたるスネイプ。一方でマルフォイを始めとするスリザリン生には優しい態度で接しています。ハーマイオニーの挙手は無視、露骨なネビルいじめ、ロンやハリーへの減点に罰則。 一方でスリザリンには加点、彼らの悪事は無視。ハリーの「味方」ではありながらも「嫌い」。この気持ちがスリザリンびいきにつながってしまったのでしょう。

7. ダンブルドアの殺害、そして、スネイプの死

ハリー・ポッターと謎のプリンス ダンブルドア
© Warner Bros.

ヴォルデモートが復活した後、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で再び死喰い人と不死鳥の騎士団の二重スパイとして働くことになったスネイプ。ダンブルドアを殺害し、ヴォルデモートから腹心の部下として信頼されるようになります。 しかし、それは見せかけ。ダンブルドアの殺害は本人と計画したもので、ダンブルドア亡き後にその肖像画と計画を練りながら影でハリーを支えることになります。 残念ながらスネイプは、ヴォルデモートの腹心である蛇のナギニによって致命傷を負わされ、絶命することに。最期まで愛したリリーと同じ瞳をしたハリーに自分の「記憶」を託し、死を迎えます。 ハリー陣営が勝利したのはスネイプのはたらきがあってこそ。彼のリリーを愛する気持ちがハリーたちを助けたのはいうまでもありません。

8. 真実を知ったハリーは息子にセブルスと名付ける

実際ハリーは自身の子供の一人に、アルバス・セブルス(アルバスはダンブルドア、セブルスはスネイプそれぞれの名前)と名付け、彼のことを次のように話しています。「父さんが知っている人の中でも、おそらくいちばん勇気のある人だった」と。 なお、ハリーの3人の子供のうち、残る子供の名前は、ジェームズ・シリウス・ポッターとリリー・ルーナ・ポッター。 ジェームズ・シリウス・ポッターは、ハリーの父・ジェームズと尊敬するシリウス・ブラックの名前をもらった男の子。リリー・ルーナ・ポッターは、ハリーの母・リリーとハリーの妻であるジニーの友人ルーナ・ラブグッドから名前をもらった女の子です。 両親、そして敬愛していたシリウスやダンブルドアと同じ名前を我が子につけたことからも、真実を知ったハリーがいかにスネイプのことを尊敬していたかが伺えますね。

9. アラン・リックマンがスネイプについて思っていたことは?

アラン・リックマン (ゼータ)
©WENN

映画版でスネイプを演じたアラン・リックマンは、原作者も認めるほど見事にスネイプの魅力を表現していました。 しかし、アランの残した資料やインタビューでの発言などから、彼がいつも自分の演技やスネイプの描かれ方に満足していたわけではなかったことが判明しています。 スネイプは物語の核心に関わるキーパーソンで、その真意は終盤まで明かされることはありません。ですが、原作者のJ・K・ローリングは彼に真実を全て伝えることはなく、断片的なヒントを与えるだけだったそうです。 アランは映画第一弾を撮影していた時、当時まだ原作は3巻までしか刊行されていない状態でスネイプを演じることとなり、未完の作品の謎めいた男を演じる上での苦労があったそうです。 一方、劇中のスネイプの扱いに対しての不満を書いたメモなども見つかるなど、役に対する深いこだわりと愛着が伺えるエピソードも明らかになっています。

10. J・K・ローリングのツイートが波紋を呼ぶ……!

ハリーポッター J・K・ローリング
©Vivienne Vincent/Landmark Media.

スネイプが善人か悪人か、というのは難しい問題です。 2017年には、原作者のJ・K・ローリングが劇中でスネイプを殺害したことについての謝罪を述べるツイートしたところ、ファンの間でスネイプの擁護派と否定派がぶつかる事態に。 先述の通り、スネイプはシリーズ屈指の人気キャラクターではありますが、彼に対する「ハリーやハーマイオニーに対する扱いがひどい」、「自分勝手」などの否定的な意見があるのは否めません。 原作者のJ・K・ローリングは、スネイプはかなり「グレー」な人物で、悪魔でもなければ聖人でもない、といった趣旨のツイートをしたこともあります。 このように多面的な人物像を持つところもスネイプの魅力の一つではありますが、それゆえにファン同士の争いは避けられないのかもしれませんね。

善悪ではなく愛のために動く人間臭さが、スネイプ先生の最大の魅力

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 スネイプ
© J.K.R.

スネイプの半生、加えて原作者やアラン・リックマンの思いも含めて振り返ってみましたが、彼はやはり魅力的な人物でした。 愛する人の子供を守るために戦うという誇り高い生き方や、「悪い奴と見せかけて実はいい奴」というギャップ、幼少期のトラウマなどなど……。原作の1巻から登場し、意味深に描かれてきた彼には、「ハリー・ポッター」シリーズの影の主役とでもいうべき劇的なドラマがありました。 また、2016年1月に69歳で亡くなったアラン・リックマンに対して、ハリーを演じたダニエル・ラドクリフは、

Rickman was "undoubtedly one of the greatest actors I will ever work with". (アラン・)リックマンが、僕が共演した人たちの中で最も偉大な人物の一人なのは明らかだ。

出典: www.bbc.com

と、コメントしています。 物語の中でも、現実でも深く愛されてきたスネイプは、これからも多くのファンに愛され続けることでしょう。