アメリカの伝説的なドラマ『ザ・ホワイトハウス』
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1999年から2006年まで放送された『ザ・ホワイトハウス』。放送が終了した今でも、根強いファンがいる大人気ドラマです。
今回はそんなドラマにまつわるエピソードをご紹介します。
『ザ・ホワイトハウス』ってどんなドラマ?
博識なジェド・バートレット(マーティン・シーン)はアメリカ大統領に選出され、彼の側近として、選挙戦を共に戦った信頼できるスタッフたちをホワイトハウスに集めます。
スタッフを統括する首席補佐官のレオ・マクギャリー(ジョン・スペンサー)、ホワイトハウス国内政策担当で大統領次席補佐官のジョシュ・ライマン(ブラッドリー・ウィットフォードード)、広報部長のトビー・ジーグラー(リチャード・シフ)、広報部次長のサム・シーボーン(ロブ・ロフ)、ホワイトハウス大統領報道官のCJ・クレッグ(アリソン・ジャニー)。そして彼らのアシスタントたちもカギになってきます。それぞれが重要な役割を持ち、ワシントンのパワー・ゲームで戦うことに。
エミー賞は最優秀作品賞を4年連続受賞、ゴールデングローブ賞は最優秀作品賞計4回ノミネートされています。
1.あと少しでお蔵入り?救ったのはインターネット!
シーズン1から4までを書いたアーロン・ソーキンは台本を書き上げた数分後にクリントン大統領(当時)の不倫スキャンダルがスクープされたことを明かしています。
「もう少し待ってもいいとも思ったんだ。」とソーキンは当時の状況を振り返っています。「あんな雰囲気ですぐにはできないよ。笑いものになるだけ。」
しかし、ソーキンは諦めませんでした。NBCに売り込む際、テレビ業界が調べた統計で、知的で政治的な番組を、4つのカテゴリー(世帯層)が際立って興味を持って観ているという結果が出たことをアピール。
年収75,000ドル以上の世帯、大学以上を卒業している世帯、ニューヨーク・タイムズ紙を定期購読している世帯、そして1番重要なインターネットを使っている世帯でした(当時インターネット・バブル時代で、重要なカギを握っていました)。
2.バートレット役はマーティン・シーン以外にも候補が
バートレットのライバル役で、次期大統領の座を狙う共和党カリフォルニア州上院議員を演じたアラン・アルダ。実はバートレット役の候補役だったようです。
その他にも1963年にウィリアム・E・バレットの小説を映画化した『野のユリ』で主演を務めアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞したシドニー・ポワチエや、ウォーターゲート事件を調査したジャーナリストの手記を元に制作された『大統領の陰謀』(1976年)や、実在した女流劇作家を描いた『ジュリア』(1977年)でアカデミー賞助演男優賞を獲得したジェイソン・ロバーズが候補に挙がっていました。
ポワチエが最有力候補でしたが、彼のギャラは高すぎて断念せざるを得なかったとのことです。
3.CJとダニーの関係
ワシントン・ポスト紙記者のダニーと交際している大統領報道官のCJ・クレッグ。
この関係は実際のクリントン時代の報道官ディー・ディー・マイヤーズと、彼女の夫ニューヨーク・タイムズ紙のレポーター、トッド・パーダムがモデルになっています。
4.バートレットが深刻な病気になった理由
バートレットはMS(多発性硬化症)という病を持っているという設定。それには理由がありました。
このシナリオを書いたアーロン・ソーキンは、ファーストレディのアビー役を演じたストッカード・チャニングとランチをしたときにその案が浮かんだと言っています。
チャニングはソーキンに、ドラマにまだ出演していたいことを明かします。ソーキンはすぐさま彼女の役の為のシナリオを考えました。ソーキンは、ファーストレディを何かのエキスパートにしようと考え、メディカル・ドクターという設定にすることになりました。他のストーリーとうまく繋がるように調節し、彼女の出番を確保したそうです。
5.金魚鉢の秘密
ホワイトハウス記者でCJといい関係のダニー。CJがゴールドフィッシュ・クラッカー(アメリカで定番のお菓子)が大好きだというのを勘違いして、本物の金魚をプレゼントしてしまったというかわいいエピソードを持っています。
その金魚鉢はその後もシリーズを通して登場し、それぞれのエピソードのテーマに合うように毎回飾りつけされています(注目です!)。
6.リチャード・シフ、自分の役のエンディングにがっかり
みんなから好かれていて、善悪の判断もしっかりできる広報部長のトビーが、ある時から様子がおかしくなり、最後には内部告発をしてホワイトハウスを去ることになります。
トビーを演じたリチャード・シフはこの展開にがっかりしたそうです。
7.一番人気エピソードはシーズン1の「聖なる日」
ファンの中で絶大な支持を得ているのは、シーズン1の第10話「聖なる日」。
ちょっとほろ苦い要素も加わったラブストーリーも、くすっと笑えるエピソードも盛り込まれ、それぞれ急展開を見せます。雰囲気のあるテーマミュージックも一役買っていました。
8.メリッサ・フィッツ・ジェラルドは本当に公務員に!
CJのアシスタント、キャロルを演じたメリッサは、女優から公職に転身し、「ジャスティス・フォア・ヴェッツ」という非営利団体の専務理事になりました。
元・現米国軍人をサポート、また心的外傷後ストレス障害に苦しむ元軍人のケアなどに力を注いでいます。
9.出演者の姉の為に再結成!
国家安全保障担当問題大統領副補佐官、ケイト・ハーパーを演じたメアリー・マコーマック。彼女のお姉さんが2012年にミシガン州の最高裁裁判官の選挙に出馬。そのキャンペーンポスターで『ザ・ホワイトハウス』のレギュラー陣が再集結しました。
選挙の結果は・・・もちろん当選。
10.ソーキンは降板後ドラマを一切見なかった
第4シリーズまで脚本を手掛けたアーロン・ソーキンは、降板後このドラマを見ることはなかったようで、どうやってシリーズが終わったのかも全く分からなかったとのこと。
ソーキンは、ニューヨークを舞台にしたアメリカの国民的コメディドラマ『となりのサインフェルド』(1991年~1997年)を指揮したラリー・デイビッドと交友があり、彼からアドバイスを受けたことを明かしています。