2017年7月6日更新

東野圭吾ドラマ『秘密』に残された謎・トリビアを徹底解説【ネタバレ】

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『秘密』1

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ドラマ『秘密』東野圭吾の出世作を映像化

東野圭吾『秘密』
小説『秘密』は、東野圭吾が注目を集めるきっかけとなった作品で、数々の文学賞にノミネートされ、日本推理作家協会賞に輝くなど高い評価を得た作品でもあります。長年ヒット作に恵まれなかった東野圭吾の出世作である『秘密』は日本だけでなく海外でも評価されました。 小説『秘密』は2010年にドラマ『秘密』として蘇ります。事故で亡くなったはずの妻の魂が娘に宿るというファンタジックで切ないストーリーが連続ドラマで楽しむことができるとあって、大きな話題と人気を呼んだ作品です。

東野圭吾原作ドラマ『秘密』のあらすじ

『秘密』
杉田平介は、妻と娘と3人で暮らす、平凡だけれど幸せな毎日を送っていました。ある日、妻の直子と娘の藻奈美は深夜バスで実家へと帰ることになりますが、その途中で大事故に巻き込まれてしまいます。妻の直子は死亡、娘の藻奈美は意識を回復したものの、言葉を失った状態に。悲しみにくれる平介でしたが、言葉を取り戻した藻奈美は、自分は直子であると言いはるのです。

ドラマ『秘密』に残された謎①【事故で妻と娘が入れ替わる?】

石田ひかり『石田ひかり TWIN VERY BEST COLLECTION』
バスの大事故により瀕死の重傷を負い死亡してしまった妻・直子。直子がかばうように覆いかぶさっていたことで娘の藻奈美は一命を取り留めます。事故のショックからか意識が戻ってからも心ここにあらず、といった様子の藻奈美でしたが、突然自分は直子であると言い出し、平介を驚かせます。 直子の魂が藻奈美の身体に宿り、平介にとって、見た目は娘、中身は妻という奇妙な状態になってしまったのです。あまりに奇想天外なことに最初は事故のショックで藻奈美がおかしくなってしまったのかと思いますが、二人だけしか知らない過去の思い出話をはじめた藻奈美を平介は受け入れるのでした。

妻・直子を演じた石田ひかり

魂だけが残り、肉体を失ってしまった妻・直子を演じたのは石田ひかりです。1986年に女優デビューした石田ひかりは、1992年にドラマ『悪女』で初主演を果たします。1993年に主演を務めた『あすなろ白書』は大ヒットし、社会現象を巻き起こすほどの人気作となりました。 2016年には『松本清張スペシャル・一年半待て』で暴力に耐えかねて夫を殺してしまう保険勧誘員の女性、須村さと子を演じています。

ドラマ『秘密』に残された謎②【娘を演じた志田未来】

志田未来『未来 ~小さいですけど何か?~』
ドラマ『秘密』では娘の藻奈美は16才の少女です。学校には親友も彼氏もいる青春時代を楽しんでいる普通の少女。そんな藻奈美がある日突然、中身が38才の母・直子になってしまう。直子は藻奈美として学校に通ったり友達や彼氏と接するわけですが、藻奈美が自分のようになりたくないと友達や彼氏に話していたことを知り、ショックを受けます。 娘・藻奈美を演じたのは志田未来。2007年に出演したドラマ『女王の教室』で注目を集めた志田未来は、翌年の2006年に『14才の母』で主演を務め、中学生で妊娠・出産するという衝撃的な役どころを演じました。2010年には映画『借りぐらしのアリエッティ』で声優を務め、話題となります。2016年には、映画『グッドモーニングショー』に出演、新人女子アナの三木沙也役を好演しました。

ドラマ『秘密』に残された謎③【なぜ事故が起こったか】

崖からバスが転落するという悲劇の大事故により直子と藻奈美の運命は狂ってしまったわけですが、この大事故はどうして起きてしまったのでしょうか。運転手の居眠り運転が原因だとされていましたが、果たしてそれだけなのか、疑問に感じた平介はのちに事故の真相を突き止めるべく動き始めます。 運転手の梶川幸広は、事件直前にトラック運転の深夜アルバイトをしていました。家庭を持っていた梶川ですが、アルバイトで稼いだ分を家に入れることもなく、いつも何かの金策に追われているようだったと梶川の妻から聞いた平介。実は梶川には以前に結婚していた女性がおり、その女性と子供のために長年仕送りをしていたのでした。 梶川は息子の根岸文也の大学進学のために無理な超過勤務を行い、結果として悲惨な事故を起こしてしまったのです。実は文也は梶川の実の子ではなく、その事実を知った梶川は傷心のあまり家を飛び出してしまったという辛い過去がありました。

ドラマ『秘密』に残された謎④【本当に藻奈美の魂は戻ったのか?それとも二重人格?】

志田未来『14才・15才・16才の未来』
突如として本来の身体に戻ってきた藻奈美の魂。平介から直子のことを聞かされ驚いていましたが、のちに自分であの時のことは二重人格のようなものだったのかも知れない、と語っていました。藻奈美として生きていくことを直子が決意したとき、医学部に進むことを決め、猛勉強に励みました。魂が戻った藻奈美は、脳医学の研究者となります。 大人になった藻奈美は文也と結婚をすることとなりますが、本当に藻奈美の魂は戻ってきたのでしょうか。自分で二重人格だったと言っているように、直子が平助と藻奈美のために、娘として生きていくことを選んだように思えてしまいます。

ドラマ『秘密』に残された謎⑤【テディベアの中の指輪の秘密】

志田未来『志田未来 20歳写真集 ありがとう』
文也と結婚することとなる藻奈美ですが、結婚指輪は母の形見から作りたいと言います。その形見というのが、直子と平介の結婚指輪だったのです。この指輪は、直子が事故のあとにこっそりとテディベアの中に隠していたものでした。直子がそれを打ち明けたのは平介だけ。なぜそれを藻奈美が知っていたのか、不思議がひとつ残りますね。

ドラマ『秘密』の気になる結末

佐々木蔵之介 『動く森 スコットランド「マクベス」紀行』
藻奈美の身体の中で生き続ける直子。直子は妻として平介を愛しながらも、娘・藻奈美として生きていくしかないのだという現実に激しく苦しみます。平介もまた、藻奈美として生きていく直子に言いようのない寂しさや焦り、嫉妬を覚え日を追うごとに憔悴していきました。 二人の溝が深まるなか、突然藻奈美の魂が戻ってきます。平介からこれまでのできごとを聞かされ驚く藻奈美でしたが、それからは直子と藻奈美の魂が交互にあらわれるようになってしまいました。徐々に自分の魂が消え始めていることに気づいた直子は、本当の別れを平介に告げるのです。

杉田平介を演じた佐々木蔵之介

娘・藻奈美と妻・直子の悲しい運命に翻弄される杉田平介に扮したのは佐々木蔵之介です。佐々木蔵之介は大学在学中から劇団ピスタチオにて活動し、1999年ごろからテレビドラマにも多数出演するようになります。2008年にはドラマ『ギラギラ』で初主演を務め、かつては伝説のホストと呼ばれた男、七瀬公平を熱演しました。 2017年には、三島由紀夫の『美しい星』を原作とした映画『美しい星』が公開予定となっています。