『新参者』シリーズとは
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東野圭吾原作の推理小説およびテレビドラマ。刑事・加賀恭一郎(阿部寛)が「新参者」として日本橋署に赴任し、そこで起きた殺人事件を、日本橋小伝馬町を歩きながら関係者に聞き込みを重ねながら、解決するというストーリーです。
2010年にTBS系列で放映され、高い視聴率を誇った全10話の連続ドラマとなりました。原作とは異なる独自の展開をした点も注目を集めたのです。
事件の被害者である三井峯子(原田美枝子)も日本橋に引っ越してきたばかりの「新参者」であり、それを捜査する加賀は日本橋に漂う「人情」という謎に行く手を阻まれます。
第1話「煎餅屋の娘」ネタバレ
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— “新参者”加賀恭一郎「眠りの森」 (@tbsshinzanmono) 2013年12月30日
日本橋小伝馬町で独り暮らしの翻訳家・三井峯子(原田美枝子)が絞殺されます。捜査に乗り出した加賀恭一郎(阿部寛)らは、事件当日、田倉慎一(香川照之)という保険外交員が被害者を訪ねていたことを突き止めます。
田倉は犯行時刻に「あまから」という煎餅屋を営む上川家を訪問し、上川聡子(市原悦子)の診断書を孫の菜穂(杏)から受け取った後、会社に寄り6時半に退社したとアリバイを主張しますが、会社の同僚に裏をとると退社時間は6時だと証言します。その空白の30分で犯行が可能になるという疑いが生じました。
加賀は些細な事実から田倉に嘘に気づき、推理します。聡子の診断書は2通作られていたのでした。田倉は本物の診断書を「あまから」店主の文孝(小林隆)から受け取り、会社で手続きを行い、6時に退社した後、わざわざ菜穂から偽物の診断書を受け取り、帰宅したのです。上川聡子の病気は実は胆のう癌であり、その病名をパリに留学する予定の菜穂に隠す必要があったからです。
第2話「料亭の小僧」ネタバレ
料亭「まつ矢」の見習い・修平(石黒英雄)が、人形焼を購入したことについて加賀ら捜査員に尋ねられます。被害者・三井峯子の自宅で人形焼が発見されたからです。
実は、「まつ矢」の主人・泰治(寺島進)に頼まれて買ったものなのですが、主人が愛人に渡すために買ったのではないかと推測していました。主人をかばうために修平は自分で食べたと嘘の供述します。ところが、発見された人形焼には特徴があったのです。
それにはワサビのあんこが入っていたのですが、実は、主人の浮気に薄々感づいていた、泰治の妻(夏川結衣)が愛人を懲らしめようと、意地悪で入れていたものだったのです。泰治の愛人(宮地真緒)は人形焼があまり好きではなく、同じマンションに住んでいた三井峯子にあげていたということが最後に分かります。
第3話「瀬戸物屋の嫁」ネタバレ
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瀬戸物屋「柳沢商店」では嫁姑問題が勃発していました。店主の柳沢鈴江(倍賞美津子)と息子の嫁・麻紀(柴本幸)の仲が険悪になっているのです。きっかけは、麻紀が大事にしているキティちゃんのタオルを鈴江が雑巾に使ったことです。
そこへ加賀が聞き込みにやって来ます。殺された三井峯子が柳沢商店でキッチンバサミを注文したかどうかを訊くためでした。峯子は別の店でもキッチンバサミを買っていたからです。被害者はなぜキッチンバサミが2つ必要だったのか?しかも、柳沢麻紀、三井峯子の口座間で20万円のやり取りがあったことも発覚します。何のための金なのか?
加賀が喫茶店「黒茶屋」で鈴江の息子・柳沢尚哉(大倉孝二)に話を聞いていると、青山亜美(黒木メイサ)が注文の品を運んできます。亜美は加賀の大学の後輩で、タウン誌の記者なのですが、ここでアルバイトをしているというのです。
一方、三井峯子の葬儀が行われます。行方が分からなくなっている息子・清瀬弘毅(向井理)が現れるのではないかと、張り込みをしている加賀たち捜査陣の前に、弘毅は現れますが、そこに青山亜美も出席していたのです。加賀は亜美を問い詰めますが、亜美ははっきりとした理由を言いません。
加賀はこう推理します。麻紀と峯子は最近友だちになっていて、20万円は麻紀がキティちゃん柄のパソコンの購入を峯子に頼んだ代金でした。キッチンバサミも麻紀が峯子に頼んだものです。それは鈴江が近々旅行に行くので、歯の悪い姑が旅行先でアワビを食べられるようにという気づかいからなのでした。また、鈴江も嫁のために旅先でご当地キティちゃんを買う準備をしていたことが判明します。
第4話「時計屋の犬」ネタバレ
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三井峯子が殺される直前に書いていたメールに、「子犬の頭をなでていたら、時計屋さんと会いました」という文面が見つかりました。加賀は「寺田時計店」の頑固な主人、玄一(原田芳雄)のもとを訪れ、事件当日に三井峯子に会ったかどうか確認します。
玄一は犬の散歩をしている途中、浜町公園で峯子に会ったと言いますが、公園に集まる愛犬家は誰も見ていないと証言するのです。そこで寺田玄一の身辺調査が行われます。
玄一には香苗(波瑠)という娘がいて、香苗は駆け落ちをして家を出て行ってしまったこと、玄一の前で香苗の話はタブーであることなどが判明します。実のところ玄一は娘の、峯子は誰かの安産祈願のために水天宮に通っていたのでした。峯子が頭をなでた子犬とは、水天宮にある子宝犬の像のことだったのです。
第5話「洋菓子屋の店員」ネタバレ
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洋菓子店「クアトロ」の女性店員・美雪(紺野まひる)は三井峯子らしき人物が最近、常連になったことを証言します。加賀は美雪が妊娠していることに気づきました。
一方、三井峯子の息子・清瀬弘毅のもとに刑事がやって来て母親の住んでいた住所を教えます。自分が住む浅草橋に近い、小伝馬町になぜ母親が住んでいたのか疑問に思うのです。
加賀の調査の結果、以下のようなことが推測されます。峯子の友人が弘毅とその恋人らしき女性を見たと教えたのですが、ある錯誤から、店の名前を勘違いして「クワトロ」に行ってしまったのではないか、そこで美雪を息子の恋人と思い込んで、安産祈願をしたのでないかということです。
店の名前は「クワトロ」ではなく、本当は「黒茶屋」だったこと、弘毅の恋人とは青山亜美だったことも同時に判明します。
第6話「翻訳家の友」ネタバレ
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三井峯子の遺体の第一発見者は、翻訳家の吉岡多美子(草刈民代)でした。自分の婚約者の都合で峯子と会う時刻をずらしたせいで、峯子が殺されたのではないかと思い悩んでいました。
また、近々結婚するために翻訳の仕事を断ってしまったということにも負い目を感じていたのです。加賀は彼女の婚約者であるコウジ・タチバナ(谷原章介)に話を聞きます。コウジが犯行当日に予定を変えたのは、その日が多美子と自分にとって特別な日で、サプライズでプロポーズするためでした。
また、峯子は多美子のことを怒っているどころか、結婚のお祝いとして夫婦箸を準備していたことが判明します。
第7話「刑事の息子」ネタバレ
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捜査員の上杉(泉谷しげる)は三井峯子の息子・清瀬弘毅を非常に気にかけ、弘毅も実の父のような感情を抱きます。弘毅は父親に反発して家を飛び出し、役者の道に進んだのです。
上杉は、峯子の元夫・清瀬直弘(三浦友和)が峯子を殺したのではないかと疑って調査をしていたのですが、直弘を殴ったとして警察を首になります。その場に居合わせた青山亜美は殴ったのはむしろ直弘の方だと主張しますが、上杉は聞きません。
不思議に思った亜美は上杉の真実を調べます。上杉の息子(早乙女太一)は3年前にバイク事故で亡くなっていたのですが、それは父親が自分の無免許運転の違反をもみ消そうとしたことが原因らしいのです。
上杉は反発する息子・清瀬弘毅とそれを認めない父・清瀬直弘に自分と息子の姿を重ねていたのかもしれません。
第8話「清掃屋の社長」ネタバレ
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三井峯子の元夫で清掃会社社長の清瀬直弘には宮本祐理(マイコ)という秘書がいました。祐理は社長の愛人ではないかと噂されていたのです。
一方、亡くなった母親の生活ぶりを知りたいと思っていた清瀬弘毅は、祐理と父・直弘が不倫をしていたのではないか、直弘が母・峯子を殺したのではないかと疑いはじめます。
加賀は、昔ホステスをしていたという祐理に関する聞き込み調査をし、その結果を直弘に話します。すると、直弘は真実を語り始めます。祐理は、若い頃の直弘が恋に落ちた女性の娘だなのです。つまり、弘毅にとっては腹違いの姉だったわけです。
第9話「民芸品屋の客」のあらすじ
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清瀬直弘の事件当日のアリバイについて疑義がもたらされます。直弘の会社の税理士(笹野高史)の息子・岸田克哉(速水もこみち)が犯行時刻に直弘に電話をしたが出なかったと証言したのです。
ところが、逆に克哉の方に捜査員たちの疑いの目が向きます。三井峯子を昔から知っていたこと、犯行時刻のアリバイがないこと、事件現場近くで目撃されていたことからです。
加賀は克哉の家にあったうまく回らない独楽が気に掛かっていました。犯行に使われた凶器が撚り紐だったからです。人形町の雑貨屋で独楽を購入し、付属の紐を鑑識に回すと凶器とは別物だという結論でした。
一方、岸田克哉は犯行当日に三井峯子と会っていて、翌日に清瀬直弘に金を渡していたことが分かります。2人は共犯なのか?果たして真相は?
最終話「人形町の刑事」ネタバレ
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警察は三井峯子殺害の重要参考人として清瀬直弘を連行します。
一方、加賀の観察眼によって真実が明らかになります。克哉は事業に失敗していて三井峯子に金を借りに行っていたのです。また、翌日、直弘に渡した金は車の落書きを消してもらった代金でした。また、岸田克哉の電話に清瀬直弘が出なかったのは、直弘がその時刻ちょうど倉庫にいて呼び出し音が聞こえなかったからだということも分かりました。
加賀は前から気になっていた独楽について聞き込みを続けると、事件の翌々日に民芸品店「ほおづき屋」で独楽が1つ売れたことと、犯行当日に玩具店「ちどり屋」で独楽が1つ万引きされていたことが判明します。
岸田克哉の家にあった回らない独楽の謎が解けます。独楽は克哉の父・岸田要作(笹野高史)が犯行当日にもってきたものだったのです。
要作は万引きした独楽の紐で三井峯子を絞殺した後、克哉の家に行き、孫にせがまれて独楽をあげたものの、凶器の紐は渡せなかったので、翌々日に「ほおづき屋」で買い直したのでした。独楽と紐が合わずに、独楽はうまく回らなかったのです。
動機は三井峯子名義の会社の金を要作が横領していて、それが発覚されるのを恐れたからでした。金の使い道はギャンブルだと供述しますが、息子の事業の失敗を補うためであることを加賀たちは見抜いていました。
三井峯子の部屋の清掃を清瀬たちが請け負うと、弘毅に渡した翻訳原稿が見つかります。そこには家族に対する想いが切々と書かれてありました。
『新参者』のロケ地は?
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第1話「煎餅屋の娘」
第1話「煎餅屋の娘」に登場する煎餅屋「あまから」の撮影地は日本橋人形町2丁目にある「草加屋煎餅店」です。いわゆる「甘酒横丁」にあり、かりんとうが絶品だそうです。
第2話「料亭の小僧」
第2話「料亭の小僧」の舞台となる料亭「まつ矢」のロケ地は人形町1丁目の「きく家」。35年の歴史を誇るものの、人形町ではまだまだ「新参者」だと謙遜します。
第3話「瀬戸物屋の嫁」
第3話「瀬戸物屋の嫁」の「柳沢商店」は浜町3丁目の「大屋商店」で撮影されました。
第4話「時計屋の犬」
第4話「時計屋の犬」の浜町公園は浜町2丁目に実在します。また、水天宮は蠣殻町2丁目にあります。
第5話「洋菓子店の店員」
第5話「洋菓子店の店員」の洋菓子店「クアトロ」のロケ地は富沢町にある「オム・チャン・トーン」で、実際はカフェバーです。
第6話「翻訳家の友」
第6話「翻訳家の友」にも登場する、三井峯子が住むマンションの撮影は港区南青山7丁目のマンションで行われ、吉岡多美子のマンションは同4丁目のマンションで行われました。また、清瀬直弘のオフィスは江東区新大橋2丁目にある「東京クラウン本社」です。
第7話「刑事の息子」
第7話「刑事の息子」で加賀恭一郎が上杉博史を見かけた書店は、人形町1丁目の「ブックスピスモ」という、いわゆる町の本屋さんです。
第8話「清掃屋の社長」
第8話「清掃屋の社長」で宮本祐理が昔ホステスとして働いていた「Aphrodita GINZA CLUB」は、中央区銀座7丁目にある「銀座クラブチック」で撮影されました。
第9話「民芸品屋の客」
第9話「民芸品屋の客」に登場する「ほおづき屋」は、人形町2丁目、甘酒横丁にある「日本橋ゆうま」です。オリジナル商品も売っている和風雑貨屋で、商品は手作りというから驚きですね。
最終話「人形町の刑事」
最終話に出てくる「ちどり屋」は人形町1丁目に実在します。