2017年11月30日更新

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』サントラの魅力を徹底解説【第2弾の音楽もやっぱり最高!】

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のサントラは再びクイルのミックステープからチョイス!

2017年5月12日日本公開のマーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』から、今回もノリノリの選曲でお馴染みのピーター・クイルのミックステープがサントラになりました。 タイトルは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックスVOL.2』。主人公ピーター・クイル愛用のウォークマンで聴いているカセットテープには、エレクトリック・ライト・オーケストラやフリートウッド・マックなど、イギリス・アメリカを中心に1970年代から80年代のヒット曲が満載! 聴けばきっとこの作品を観るのがさらに楽しくなる全14曲を、1曲ずつ詳しくご紹介していきます!

1.「ミスター・ブルー・スカイ(Mr. Blue Sky)」/エレクトリック・ライト・オーケストラ

エレクトリック・ライト・オーケストラは、1970年代から80年代にプログレッシブ・ロックのジャンルで活躍したイギリスのロックバンドです。ギター&ヴォーカルのロイ・ウッドとジェフ・リンを中心に結成、1971年にレコードデビューしました。 「ミスター・ブルー・スカイ」は1978年リリースのシングル曲で、作詞作曲をジェフ・リンが担当しています。鮮やかな色彩の宇宙船がデザインされたジャケットで有名な1977年7枚目のアルバム『アウト・オブ・ブルー』に収録されています。 日本でもキリン「一番搾り」やスズキ「スペーシアカスタムZ」などのCMソングとして使用されており、耳にすることもあったかもしれません。全英シングルチャートでは最高位6位を記録したヒット曲です。

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2.「フォックス・オン・ザ・ラン(Fox On the Run)」/スウィート

スウィートは1968年にデビューしたイギリスのロックバンドで、70年代当時に流行したグラム・ロックのジャンルで特に華々しい活躍を見せたグループです。最盛期の70年代には、イギリスンのシングルチャートで10曲もトップ10入りさせています。 「フォックス・オン・ザ・ラン」は1975年のヒット曲で、イギリスチャートで2位、全米チャートで5位を記録しました。このシングル曲は、5枚目のアルバム『荒廃の街角(Desolation Boulevard)』に収録されています。 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の予告編に「フォックス・オン・ザ・ラン」が使用され、その影響で再び注目されました。なんとアメリカのiTunesトップ40(U.S.ロックソングス)チャートで1位を記録するなど、リバイバルヒットを生み出しています。

3.「レイク・ショア・ドライヴ(Lake Shore Drive)」/アリオッタ・ヘインズ・ジェレミア

シカゴのフォークロックバンド「アリオッタ・ヘインズ・ジェレミア」の1971年にヒットした楽曲で、「レイク・ショア・ドライブ」の頭文字はLSD、ドラッグを連想させるタイトルです。70年代初期当時を彷彿とさせるヒッピーテイストのフォークソングですね。 バンドのメンバーはミッチ・アリオッタ、スキップ・ヘインズ、ジョン・ジェレミアの3人。残念ながらジョン・ジェレミアは2011年に、ミッチ・アリオッタは2016年に71才で死去しています。

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4.「ザ・チェイン(The Chain)」/フリートウッド・マック

フリートウッド・マックはイギリスのブルースロックバンドで、1967年から活動を続けている世界的にも知名度の高いグループです。70年代にはソフトロックに転向し、数々のヒット曲を送り出しました。 1968年に初のアルバム『ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック』をリリース。このタイトルは当初のバンド名と同名でした。元々ギターのピーター・グリーンとドラムのミック・フリートウッドが中心となって結成されたバンドです。 「ザ・チェイン」は1977年にリリースされ全英・全米チャートで1位を獲得した大ヒットアルバム『噂(Rumours)』に収録された楽曲です。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の予告編第2弾で使用され、再び注目を集めている隠れた名曲です。

5.「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー(Bring It On Home to Me)」/サム・クック

サム・クックはアメリカのミュージシャンで、主に1960年代を中心に活躍したソウル・シンガーです。1957年にソロ歌手としてデビュー、R&Bやソウル、ポップスのジャンルでヒットを飛ばし、60年代にはアメリカのトップ10チャートに4曲がランクインしました。 「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」は1962年にリリースされたシングル曲で、今までにジョン・レノンやボン・ジョヴィなど様々なジャンルのミュージシャンにもカバーし続けられている名曲です。日本でもトータス松本が2003年にカバーしています。 この曲の歌詞は、去って行った恋人を想って「どうか家に戻ってきて」というシンプルな内容が綴られていますが、クイルの故郷を想う気持ちにもリンクしているように感じますね。

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6.「サザン・ナイツ(Southern Nights)」/グレン・キャンベル

グレン・キャンベルはアメリカのカントリー歌手で、俳優やテレビ司会者としても活動したマルチな才能を持ったミュージシャンです。1960年代から2000年代に至るまで、カントリーの他にもロック、フォーク、ポップスなどのジャンルで幅広く活躍しました。 アラン・トゥーサン作曲、チャーリー・カレロ編曲の「サザン・ナイツ」は1977年にリリースされたカントリー・ポップス調のシングル曲で、ビルボードのカントリー・チャートとアダルト・コンテンポラリー・チャートで1位を獲得しました。ポップスとロックとカントリーという異なったジャンルでのクロスオーバー的ヒット曲です。

7.「マイ・スウィート・ロード(My Sweet Lord)」/ジョージ・ハリソン

ジョージ・ハリソンはイギリスの世界的ポップロックバンド「ザ・ビートルズ」のメンバーでリードギターを担当、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの両巨頭の横でギタリストとして腕を磨きました。バンド解散後の1970年代にはソロ活動を積極的に始め、「マイ・スウィート・ロード」「ギブ・ミー・ラブ」「セット・オン・ユー」などのヒット曲を生み出しました。 「マイ・スウィート・ロード」は、ザ・ビートルズが解散した1970年に発表されたソロ第1弾アルバム『オール・シングス・マスト・パス』からの先行シングルとしてリリースされました。アメリカ・イギリスのチャートともに1位を記録しています。 実はこの曲はラブソングではなく、ハリソンが当時傾倒していたインドのヒンドゥー教の神「クリシュナ」への信仰心を歌ったもの。後に再発された日本盤の「マイ・スウィート・ロード」のスペルが「Load」ではなく「Road」と間違っていたため回収騒ぎになったり、発表当時に盗作問題が起きたりとなぜかトラブル続きの楽曲でもあります。

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8.「ブランディー(Brandy(You're A Fine Girl))」/ルッキング・グラス

ルッキング・グラスはアメリカのニュー・ジャージー出身のハードロックバンドで、1960年代後半に結成、1972年に「ブランディー」が全米チャートで1位を獲得するヒットを飛ばしました。 しかし「ブランディー」はスローなカントリー調の楽曲で、バンドが目指していたハードロックとはかなり違うテイスト。この曲のヒットのために、方向性を見失ってバンドは解散することになってしまったようです。 曲の内容は港町に住むブランディーという少女の恋物語ですが、名前の「ブランディー」とはお酒のことなんですね。実はレッド・ホット・チリ・ペッパーズがこの曲をライブでカバーしており、2004年のライブアルバム『ライヴ・イン・ハイド・パーク』に収録されています。

9.「もっと寄りそって(Come a Little Bit Closer)」/ジェイ&アメリカンズ

ジェイ&アメリカンズ(Jay & The Americans)はニューヨーク出身のポップ・グループで、主に1960年代にヒット曲を連発しました。曲のテイストは50年代オールディーズの古き良き時代のポップスです。 メンバーはリードボーカルのジョン・ジェイ・トレイナーが中心の5人組でしたが、1961年のデビュー翌年に突然トレイナーがグループを脱退してしまい、その後を二代目ジェイのデヴィッド・ブラットがジェイ・ブラットと名乗ることになりました。 「もっと寄りそって」は1964年のヒット曲で、この年はちょうどアメリカにザ・ビートルズが初上陸した年でもあります。まだまだ王道ポップスが全盛期の時期だったことがうかがえますね。全米チャートでは最高位3位を記録しています。

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10.「恋のバンシャガラン(Wham Bam Shang-a-Lang)」/シルバー

シルバーはアメリカのウエストコーストのバンドで、活動期間はわずか1976年の一年という短命のロックバンドでした。メンバーはギター&ボーカルのジョン・バドロフを中心に5人で、イーグルスの初期メンバーであるバーニー・レドンの弟トム・レドンもベースで参加していました。 「恋のバンシャガラン」は唯一のアルバム『シルバー』の第1弾シングルでした。この曲はビルボードチャート16位を獲得し、スマッシュヒットとなりました。 邦題「恋のバンシャガラン」というタイトルが、いかにも70年代という古い時代を感じさせます。Shang-a-Langという言葉はおそらくSing-alongから派生したもので、「Wham Bam=突然ドカンとぶつかる音」と合わせると「いきなり一緒に歌い出す」といった意味になるのでしょうか。いずれにしても訳しにくい、語呂重視のタイトルですね。

11.「サレンダー(Surrender)」/チープ・トリック

チープ・トリックはアメリカのイリノイ州出身のハードロックバンドで、デビューは1977年、2017年現在も活動中です。ギターのリック・ニールセンとベースのトム・ピーターソンを中心に結成されました。 「サレンダー」は1978年リリースのサード・アルバム『天国の罠』からの第1弾シングルで、全米チャートでは62位を記録しています。この曲は初期のチープ・トリックを代表する1曲でもあり、ハーレム・スキャーレムやゼブラヘッド、ヴェルヴェット・リボルバーなどにカバーされています。 ピーター・クイルを演じるクリス・プラットは撮影中の裏話として「撮影中に実際にかかる音楽をかけながら撮影した」と語っており、音楽のノリに合わせて演技していたそうです。「サレンダー」のようなノリの曲は一体どのシーンで使われているのか気になるところです。

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12.「父と子(Father and Son)」/キャット・スティーヴンス

キャット・スティーヴンスはロンドン出身のシンガー・ソングライターで、1966年にフォーク・ロックのジャンルでデビューしました。キャット・スティーヴンス名義での音楽活動は1978年までで、その年にイスラム教に改宗して「ユスフ・イスラム」と名乗るようになりました。 「父と子」は1970年のキャット・スティーヴンス名義4枚目のアルバム『父と子(Tea for the Tillerman)』に収録されている楽曲で、邦題ではタイトル曲となっています。このアルバムは全米チャートでトップ10にランクインし、ゴールド・ディスクに認定されました。 タイトルから察するに、どうしても『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』での重要な要素であるクイルとその父エゴとのシーンで流れるのでは?と憶測してしまいます。エゴを演じるのはカート・ラッセルであるようです。

13.「フラッシュ・ライト(Flash Light)」/パーラメント

パーラメントはアメリカのファンクバンドで、1955年にジョージ・クリントンがニュージャージーで結成した「ザ・パーラメンツ」が元になっています。他のメンバーにはブーツィ・コリンズやバーニー・ウォーレルがおり、同じメンバー構成で同時期に活動したファンカデリックというファンクバンドも有名です。 1970年に初アルバムを発表し、主に70年代に「Pファンク」と呼ばれる音楽ジャンルを形成して9枚のアルバムを送り出しました。「フラッシュ・ライト」は1977年発表の6枚目のアルバム『ファンケンテレキーVSプレイスボ・シンドローム』からのシングル曲で代表曲でもあります。 このファンクのノリがどのようなシーンで流れるのか非常に楽しみでもありますが、つくづく知っていそうで知らない、埋もれている名曲をチョイスしてくるジェームズ・ガン監督の選曲センスに脱帽です。ガン監督は脚本執筆中に同時に曲目リストを作っているようで、書きながら何億回もかけて合う曲を選んでいるそうです!

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14.「ガーディアンズ・インフェルノ(Guardians Inferno)」/ザ・スニーパーズ feat. デヴィッド・ハッセルホフ

「ガーディアンズ・インフェルノ」はこのアルバム唯一のオリジナル新曲で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のためにジェームズ・ガン監督と音楽担当のタイラー・ベイツが作ったものです。 デヴィッド・ハッセルホフがフューチャリングされているのは、ピーター・クイルが地球に住んでいた少年時代のヒーローだったからという理由で選ばれたそうです。デヴィッド・ハッセルホフといえば『ナイトライダー』のマイケル・ナイト役で有名ですね。 また、「ザ・スニーパーズ」とは1960年代にマーベル・コミックに初登場したエイリアンの種族名で、惑星スニープの住人です。こんなところにもマーベルのコアなファンを意識した粋なチョイスを発見すると、ますます作品が楽しみになってきます!