2021年12月7日更新

【マーベル】シンビオートを完全解説!種類や創造主ヌルとの関係を紹介

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』ヴェノム
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コミック「スパイダーマン」シリーズに登場し、マーベル・ユニバースに数多の人気ヴィランを誕生させてきた「シンビオート」。 シンビオートの正体は、ほかの生物と肉体的かつ精神的に結合することのできる地球外の寄生生物です。シンビオートは宿主にスーパーヒューマン並みの身体能力を与えるだけでなく、宿主の身体を包み込んであらゆる攻撃や過酷な環境から守ります。 一見すると不気味な黒い物体ですが、シンビオートもれっきとした生物。この記事ではシンビオートの性質や映画とコミックに登場する様々な種類のシンビオートを解説します

シンビオートの基本的性質を解説

宿主との相互作用で性質が変化する

ヴェノム
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凶悪&凶暴なシンビオートですが、“寄生した宿主と相互作用が働いて性質が変化する”という特徴があります。善良な人物に寄生すれば善良に、悪い人物に寄生すれば凶悪になるのです。 例えば、シンビオートの「ヴェノム」は善・悪両方の性質を持つエディ・ブロックに寄生したため、善と悪の両方を持つアンチヒーローになりました。またコミックでは、正義のヒーローとして活躍したシンビオートもいます。 しかし、シンビオートは宿主と感情や欲求が一致すると、より深い結合が生じて強い共生体になります。そのため、コミックでは「カーネイジ」が極悪な連続殺人犯クレタス・キャサディに寄生した際、その相性の良さからヴェノムを圧倒する戦闘力を持ってしまいました。 また、女性に寄生すれば女性的な身体に、筋肉質な男性に寄生すればムキムキな見た目になります。

シンビオートの身体的特性

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ
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シンビオートの能力は個体や寄生する人物などによっても異なりますが、基本的に超人的能力を持ち、強力な腕力や攻撃力、回復力があります。多くが擬態能力や変形する力を持っており、個体によっては身体の一部を武器に擬態して攻撃したり、髪の毛を武器として操ったりするものもいるんです。 寄生された人物はこれらの能力を使えるようになり、また、シンビオートと精神を共存させて意思疎通が可能になります。カーネイジのように相性が良いと、完全に一体化することも。 ちなみにコミック版「ヴェノム」は、初めにスパイダーマンに寄生したため、そこでスパイダー・ウェブ(クモの糸)を出したり壁にへばりついたりといったスパイダーマンの能力を手に入れました。 ほとんどのシンビオートの弱点は「高温(熱)」と「超音波」です

シンビオートの生理的特性

脳内物質と関わりがある

シンビオートは宿主の脳内で分泌される「アドレナリン」を主なエネルギーとしています。また、寄生している間は宿主の「ドーパミン」の発生を促すことができるようです。どちらも脳や体が興奮状態の時に分泌される脳内物質であり、ドーパミンはアドレナリンの前駆体(前の段階の物質)ですね。 また、シンビオートは脳にある神経伝達物資「フェネルチルアミン」が好物で、それゆえ人間の脳を食べたがるものもいます。ヴェノムが映画でチョコレートを食べたがっていたのは、チョコレートにもフェネルチルアミンが含まれているからなのです!

シンビオートの遺伝と生殖

シンビオートは遺伝によって知識や記憶を子孫と共有します。記憶にある思考を真似ることもできるようです。そのため、コミックの「ヴェノム」の子孫たちはスパイダーマンの能力を受け継ぎ、スパイダーマンの思考を真似ることも可能でした。 また、シンビオートは性別を持っておらず、無性生殖で1体につき生涯で1体の子を残します。ただし、「ヴェノム」にはライフ財団が強制的にシンビオートを抽出して培養し、5体のシンビオートを作り出したため、5体の子がいました。

地球にシンビオートが持ち込まれた理由

【コミック版】スパイダーマンが地球に持ち込んだ

シークレット・ウォーの最中、コスチュームにかなりのダメージを受けていたスパイダーマンは応急処置としてシンビオートをまといました。シークレット・ウォーというのは、マーベルのスーパーヒーローたちとスーパーヴィランたちが集結した大決戦のことです。 シンビオートのブラックスーツはスパイダーマンにとっても大変便利なものでした。なぜなら彼本来の身体能力が増強されるだけでなく、スーツそのものからスパイダーウェブを噴射できたから。スパイダーマンは地球にシンビオートを持ち帰り、悪と戦うときに度々シンビオートを身に付けるようになりました

スパイダーマンが捨てたシンビオートから生まれたヴェノム

やがてスパイダーマンは持っていたシンビオートを捨てました。ミスターファンタスティックことリード・リチャーズによってシンビオートのコスチュームの危険性が明かされたからです。 捨てられたシンビオートの次なる宿主となったのがエディ・ブロック。これがヴェノムの誕生でした。そのため、最初の宿主スパイダーマンの能力を受け継いでいるのです。 エディーの母は彼を出産した際に亡くなっていました。それが発端で彼の父は息子を憎み、エディーは親の愛に飢えて成長します。新聞記者としての才能を発揮するも、やはり父は無関心なのでした。 ある日彼はスパイダーマンに関する誤った記事を書いたせいで、お笑いぐさにされてしまいます。そのことを一方的に恨んでいるエディーは、ヴェノムになった後もスパイダーマンとよく対立します。

【映画版】宇宙開発を手がけるライフ財団が持ち込んだ?

『ヴェノム』リズ・アーメッド
© Columbia Pictures/Photofest/Zeta Image

映画『ヴェノム』(2018年)では、記者のエディ・ブロックがライフ財団の非人道的な実験の実態を暴こうとするところからスタートします。 エディ・ブロックがライフ財団の内部に潜入すると、そこではシンビオートを人間に寄生される実験が行われていました。助けようとしたエディは、その場でシンビオートに寄生されてしまうのです。 ライフ財団がシンビオートを地球へ持ち込んだ経緯は詳しく描かれていませんが、宇宙開発を手がける財団が独自に入手しましたコミックと映画の大きな違いは「スパイダーマンが関係ない」こと。MCUではない映画『ヴェノム』はスパイダーマンを登場させられないため、このような誕生経緯が描かれたのではないでしょうか。ちなみに、映画『スパイダーマン3』(2007年)ではコミックス版に近い誕生経緯が描かれました。

映画にも登場する有名シンビオート3種類を解説!

ヴェノム

【コミック版】

コミック版のヴェノムは、強いパワーや変形など数多くの能力を持っています。また、スパイダーマンの能力を完全にコピーしているうえ、スパイダー・センス(スパイダーマンの予知能力)を無効化できるようにもなりました真っ黒な身体に、胸元に白いクモのマークがあるのが特徴的です。 スパイダーマンの次に記者のエディ・ブロックに寄生したヴェノムは、エディがボディビルダーでもあったためムキムキな姿に。その後、マフィアのボスの息子や、映画『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)にも登場したヴィランのスコーピオン、パーカーの同級生フラッシュにも寄生しています。

【映画版】

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ
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2018年に公開された映画『ヴェノム』でも、強いパワーや形態変化、治癒能力など多くの能力を持っていました。しかし、スパイダーマンに寄生した経歴を持たないためスパイダーマンの能力はありません胸元のクモマークもなく、黒い体に血管のような白い模様がデザインされました。 宿主のエディ・ブロックを演じたのは、映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)のトム・ハーディです。凶暴ながらも人間臭いヴェノムとしてとても魅力的に実写化されていました。

カーネイジ

【コミック版】

カーネイジは、真っ赤な身体に黒い血管のような模様があり、紳士的な一面を持っていたヴェノムと異なり殺戮を好む凶暴性を持っています。 エディ・ブロックが刑務所に入れられたとき、同室にいたのが連続殺人の罪で服役していたクレタス・キャサディという男。幼い頃に実の母や祖母を殺した、生まれながらのサイコキラーであるキャサディに、ヴェノムから分裂したシンビオートの一部が寄生したことで生まれたのがカーネイジでした。 スパイダーマンとヴェノムの能力を受け継いでいでいるほか、身体の一部を斧や鞭に変形させて戦うことが可能で攻撃力が高いです

【映画版】

:『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』カーネイジ
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2021年公開の映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のメイン・ヴィランとして登場するのがこのカーネイジです。宿主となる連続殺人鬼のクレタス・キャサディを、「ハンガー・ゲーム」シリーズのウディ・ハレルソンが演じます。 全身が真っ赤で凶悪な見た目や、身体の一部を武器に変形させて戦う点などは原作によく似ています。攻撃力でもヴェノムを上回り彼らは苦戦していました。

ライオット

【コミック版】

ライオットは、ライフ財団がヴェノムから抽出したシンビオートから作り出した5体のうちの1体。ダークブルー色の身体が特徴です。スパイダーマンやヴェノムの能力を引き継いでいます。また、体の一部をハンマーなどの鈍器に変えて戦うことが多いです。 宿主になったのは、ライフ財団のトレヴァー・コール。5体は一緒にスパイダーマン&ヴェノムのコンビニ挑むも、敗北しました。 その後も生きていましたが、仲間の一体であるスクリームに宿主が殺害されてしまいます。 ※ライフ財団というのは、資産家たちの盲信によって設立された組織。冷戦が核戦争をもたらすと信じた彼らは核シェルターを建設、そのシェルターの護衛用にシンビオート共生体を作ったのでした。

【映画版】

2018年公開の映画『ヴェノム』にて、メイン・ヴィランとして描かれたのがライオットです。身体はグレーのような色で、ヴェノム より大きく、頭のてっぺんにヒビのような模様があるのが特徴でした。 強いパワーや回復力などの超人的能力に加え、身体の一部を武器に変形して戦っていましたが、原作と違って鈍器を好んでいるわけではなさそうです。 また、宿主が原作とは異なり、ライフ財団のCEOであるカールトン・ドレイクに変更されていました。演じたのは「サウンド・オブ・メタル」(2019年)のリズ・アーメッドです。

原作コミックに登場する有名シンビオート7種類を解説!

トキシン

カーネイジが生んだ新しいシンビオート、トキシン警察官のパトリック・モリガンに寄生します。 パトリック・モリガンは正義感の強い男で、妻子とともに幸せに暮らしていました。シンビオートに寄生され自分の能力が向上したことを知ると、トキシンとして悪と戦います。 カーネイジの子に寄生されながらもパトリックの正義感の強さのため、トキシンはヴィランとなることはありませんでした。 妻子が危険にさらされることを恐れた彼は、自分の正体を告げることなく家族のもとを去り、正義の味方として活動を続けます。

アンチヴェノム

アンチヴェノムは、白い身体に黒い血管のような模様という、ヴェノムを反転したような見た目をしていますシンビオートと分離したのちに病に侵されていたエディ・ブロックが、死の寸前に投与された薬の影響で、体内に微かに残っていたシンビオートが変質して生まれた共生体です。 この頃のエディはもうピーターに恨みを抱いていなかったため、完全な正義のヒーローとして活動しました。ヴェノムの持っていた能力に加え、人の病気を治癒し、放射能や薬物、寄生したシンビオートなどを取り除く能力があります。また、熱や超音波にも強いです。

ライフ財団によって抽出されたヴェノムの子孫5体

スクリーム

スクリームは、ライフ財団がヴェノムから抽出したシンビオートから作り出した5体のうちの1体。ライフ財団のドナ・ディエゴという女性に寄生して共生体となりました。黒い顔と、黄色い髪&コスチューム、頭頂部の赤色が特徴です。 髪を操って攻撃するほか、シンビオートが苦手な音波を発するソニックナイフが主な武器です。。またドナ自身が高い戦闘能力を持っていたことから、戦闘に特化したシンビオートでした。 シンビオートの宿主たちを次々と殺しており、ライオットも圧倒しています。最後はヴェノムに殺されていますが、復活し新たな宿主に寄生しました。

ラッシャー、ライオット、ファージ、アゴニー

ライフ財団がヴェノムから作り出した5体のうち、緑色の身体を持つラッシャー、ダークブルーのライオット、オレンジのファージ、紫色のアゴニーの4体は、残りの1体であるスクリームに宿主を殺害されました。 4体のシンビオートは、アフリカ系アメリカ人のスコット・ワシントンに寄生して「ハイブリッド」という強力な共生体に。しかし、スコットも最後はヴェノムに殺され、4体はアメリカ軍に取り押さえられて生物兵器になりました。

【コミック版】シンビオートとその創造主・ヌルの関係

そもそもヌルとは?

ヌル(Knull)は宇宙が創生する前に深淵で生まれた虚無の邪神で、「キング・イン・ブラック」などを異名を持ちます。「光」や「命」を毛嫌いしており、これらの破壊を目的にしています。殺戮を求める残虐な性格です。 見た目は、真っ白な肌とグレーの長い髪を持ち、黒いコスチュームの胸元には赤いドラゴンのシンボルが描かれています。 そんなヌルはシンビオートたちの創造神。闇から彼らを自在に生み出せます。また、シンビオートたちにさまざまな影響を及ぼすことができ、無理やり従わせることも可能です。

シンビオートは「クリンター」としてヌルへ反乱を起こす

世界の支配を望んだヌルは、シンビオートの大軍団を組織して地球にも乗り込みますが、ソーに敗れてしまいます。 主人を失ったシンビオートは暴力に満ちた己の過去を恥じ、「クリンター」と自称するようになりました。彼らはより高潔な精神をもった者と共生することを望んでおり、あくまでも気高い戦士として生きようとしたのです。 ところが、「クリンター」のなかにも堕落した異端の存在が生まれ始めます。そうした個体は群を離れ、人間に寄生して邪悪な共生体を生み出してきました。クリンターの意図とは裏腹に、シンビオートは暴力的だという悪評が定着してしまうのでした。

コミックスでは色んな種類のシンビオートが多数活躍中!

今回紹介したシンビオートはほんの一部。たとえば、人造シンビオートが合体して生まれたハイブリッド、ピーター・パーカーの親友フラッシュ・トンプソンに寄生したエージェント・ヴェノム、ペイバックやスコーン、マニアなど女性を宿主とするシンビオートも存在します。