子どもに見せたくないドラマ!?スキャンダラスドラマの名手、野島伸司に迫る。

2017年7月15日更新

90年代に人気と話題を集めた多くのドラマの脚本を手がけてきた野島伸司。その作品は、社会現象を巻き起こすほどの注目作ばかりですが、同時に衝撃的で過激な作品でもありました。そんな野島伸司ドラマの魅力について迫ります。

過激でスキャンダラス、野島伸司ドラマ

野島伸司の手がけたドラマは誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。90年代から2000年代にかけての日本のドラマ史は、野島伸司脚本作品抜きには語れません。 野島伸司作品は、これまでドラマで描かれることのなかった社会的タブーや、人間の心の闇などをドラマティックで過激に、そして美しく描いています。そんな野島伸司ドラマの中から、人気の高い『愛という名のもとに』、『高校教師』を中心に、その魅力についてご紹介します。

野島伸司ドラマは子供にみせたくない?

過激な描写が特徴の野島伸司ドラマですが、その内容のスキャンダラスさから、批判が殺到したりPTAに取り上げられたりしたことがあります。 男子中学生による壮絶ないじめを描いた『人間・失格~たとえばぼくが死んだら~』や、知的障害者への暴行・強姦を扱った『聖者の行進』などは、暴力シーンに批判・抗議が殺到し、PTAでも問題になりました。 野島伸司ドラマは、当時高視聴率を記録する大人気ドラマでした。しかし、子どもに見せたくない番組として例に上がるなど、当時の人気や注目とは裏腹に、否定的な意見も多い問題作でもあったのです。

青春群像劇の名作『愛という名のもとに』

野島伸司ドラマの中でも最も人気が高かった作品と言えば、1992年に放送された『愛という名のもとに』です。一昨年前に『東京ラブストーリー』で大ブレイクした鈴木保奈美が主演を務め、メインキャストであった唐沢寿明のブレイクのきっかけとなったのも、このドラマです。 『愛という名のもとに』は、大学のボート部仲間であった7人の卒業後の姿を描きます。ボート部の監督を務めていた恩師の葬儀で再開した7人。主人公・藤木貴子は、高校教師、高槻健吾は商社に就職、神野時男は定職に就かず、飯森則子はデパート勤務、塚原純は区役所に勤め、斎藤尚美はモデルとして成功し、倉田篤は証券会社の営業マンになっていました。

皆順調に自分たちの道を歩んでいるかのように見えましたが、心の内には人には言えない悩みやトラブルが。 職場や自分の生き方に不満を感じている則子や、役所に勤めながら実は作家を目指している純。不倫の恋にのめり込む尚美や営業成績が悪く、仕事の重圧から逃れるようにフィリピン人女性にはまっていく篤など、それぞれの葛藤を当時の社会問題と絡め、シリアスでドラマティックに描かれています。 大学時代に抱えていた理想とは違う、現実社会に苦しむ登場人物の姿が、20代、30代の彼らと同年代の人たちの大きな共感を得ました。中でも、フィリピン人女性に騙され、横領事件を起こしてしまい、果ては自ら命を絶った倉田篤の存在は、とりわけ大きな衝撃を与えます。

教師と女子高校生の禁断の関係を描く『高校教師』

教師と生徒の禁断の関係を描いて話題となったドラマ『高校教師』。1993年に放送され、主演を真田広之、ヒロインを桜井幸子が務めています。 元は研究者であった羽村隆夫は、女子高に理科講師として赴任することになりました。そこで出会った影のある女生徒・二宮繭は、何かと隆夫に付きまとい、困惑させられます。最初は戸惑うばかりの隆夫でしたが、徐々に繭に惹かれていく隆夫。しかし、繭は実父との関係に悩んでいたのです。 『高校教師』は、教師と生徒の恋愛だけでなく、さまざまなタブーを描き当時の社会に大きな衝撃を与えたドラマです。 ヒロイン・二宮繭は、実父との関係に悩み、学校では先輩から思いを寄せられています。。繭の親友・直子は、教師の藤村に強姦され、妊娠。近親相姦や同性愛、教師による強姦、妊娠・中絶など、これまでゴールデンタイムの連続ドラマであまり描かれることのなかったテーマを取り上げ、社会現象を巻き起こしました。

野島伸司最新作『パパ活』

2017年には、インターネットドラマ『パパ活』の脚本を手掛けている野島伸司。貧困女子が金銭的支援をしてくれる男性を探す物語です。 女子大生と中年男性の年の差恋愛を描くモチーフとして「パパ活」を持ってくるあたり、なんとも野島伸司らしいですね。これまでもさまざまなタブーや暗部を描くことに挑戦してきた野島伸司。現代の社会問題を盛り込みながら、野島伸司でしかできない、過激で美しい年の差恋愛ストーリーが期待できそうです。