2018年4月10日更新

『冬のソナタ』は何故あんなに流行った?韓流旋風を引き起こした要因と魅力

2003年NHKBSで放送され、そこから韓流旋風を巻き起こす要因となった『冬のソナタ』。ペ・ヨンジュンやチェ・ジウらのキャストは瞬く間に日本でも有名となりました。なぜ、こんなにも愛され、そして今も韓流ドラマが愛されているのでしょうか?

どこか懐かしさを感じる『冬のソナタ』

『冬のソナタ』あらすじ

ソウルから離れたところに位置する街、春川(チュンチョン)に住む高校生チョン・ユジン。朝寝坊をして、飛び乗ったバスで、ぶっきらぼうな男子高校生カン・ジュンサンと出会います。 教室に入ると、先生が転校生を紹介します。その転校生こそが、バスで隣りに座っていたジュンサンだったのです。優等生のキム・サンヒョクや、美人のオ・チェリンが話しかけても、どこかふてぶてしい態度です。 しかし、ユジンはぶっきらぼうなジュンサンに惹かれます。そして遅刻しそうなときにいつも踏み台になっていてくれたその借りを返すため、ピアノの演奏を教えようとしますが、「借りは別の形で返してほしい」と言われ、ふたりで湖へ行きます。 どんどん距離が近くなっていくふたり。しかし運命は残酷でした。雪の降る夜、ユジンとジュンサンは会う約束をしていましたが、時間になっても待ち合わせ場所にジュンサンは来ません。なぜなら…

なぜこんなに受け入れられたのか?

なぜ、『冬のソナタ』や他の韓国ドラマがこんなにも日本で受け入れられたのでしょうか? それは、視聴者が若い頃に見ていた少女漫画や、大映ドラマ、その他の映画の展開に、どことなく似ていて懐かしさを感じたからではないでしょうか。

まさに、主な視聴者である主婦層が、学生の頃に流行った『愛と誠』のキャラクター設定と似ているなと感じました。『冬のソナタ』にはバイオレンスなシーンは出てこないものの、キャラクターの立ち位置などが似ています。太賀誠がジュンサン、早乙女愛がユジン、岩清水がサンヒョクという感じに、ぴったり当てはまるのです。 不良学生を献身的に愛するヒロイン、表には感情は出さないけど、ヒロインを心の中では愛している主人公、主人公をライバル視するクラスメイト…。 ラブストーリーの定石ですね。

今となっては豪華に感じるキャスト陣

カン・ジュンサン/イ・ミニョンのペ・ヨンジュン。言わずとしれた韓流四天王

1972年、韓国・ソウル生まれのペ・ヨンジュンは、ドラマ『愛の挨拶』(1994年)でデビューしました。主な主演作品は他に、『初恋』(1996年)、『ホテリアー』(2001年)、『太王四神記』(2007年)などのドラマや、映画『スキャンダル』(2003年)などです。 ペ・ヨンジュンは、俳優としてだけではなく、実業家の顔も持っています。さらに2015年、女優のパク・スジンと結婚して一児をもうけています。 『冬のソナタ』では、カン・ジュンサンとイ・ミニョンの一人二役を演じています。ジュンサンとミニョンはまるで性格が正反対ですが、それを見事に演じ分けました。

チョン・ユジン役のチェ・ジウ。涙の女王

1977年、韓国・パジュ出身のチェ・ジウは、ドラマ『戦争と愛』(1995年)でデビューしました。ドラマ『初恋』では、ペ・ヨンジュンとも共演しています。他の出演ドラマは『美しき日々』(2001年)や『天国の階段』(2003年)など、映画は『誰にでも秘密がある』(2004年)などです。 一時期、ペ・ヨンジュンと同様、日本のCMにも出演していました。 ペ・ヨンジュン、イ・ビョンホンらと同様、韓流旋風を巻き起こした俳優としての名を連ねていると言っても過言ではありません。 彼女は、涙を流す演技に定評があります。『冬ソナ』でも涙を流す演技が印象的でした。

キム・サンヒョク役のパク・ヨンハ。優しい眼差しが印象的でした

1977年韓国ソウル生まれのパク・ヨンハは、ドラマ『テーマ劇場』(1994年)でデビューしました。様々なドラマに出演した後、2002年には『Loving You』で主役を演じました。彼は俳優活動以外に、歌手としても活躍していました。イ・ビョンホン主演の『オール・イン』(2003年)の主題歌も彼が覆面歌手として歌っていました。 日本では歌手としても精力的に活躍していた彼ですが、2010年自ら命を絶ちます。

最終回は一体どうなったの【ネタバレ注意】

最終回に至るまでに、ユジンとジュンサンには紆余曲折がありました。ユジンとジュンサンは結婚を決めていたものの、ジュンサンの母親が、二人は兄妹だと言ってしまったために、結婚を諦めることとなりました。 ユジンとジュンサンの結婚が無しになったのを知ったサンヒョクは、ユジンに「僕達もう一度やり直そう」と言いますが、ユジンは拒否します。ジュンサン以外は受け入れられないと。 その頃、サンヒョクの父が、親子鑑定の結果を知り驚きます。ジュンサンと兄弟だったのは、サンヒョクの方だったのです。ユジンとジュンサンは赤の他人でした。それを知ったサンヒョクの父は息子に、ユジンは諦めよと言います。 ユジンは、設計をもっと学ぶために、留学することにしていました。それを聞いたジュンサンは必死に、ユジンの作った模型『不可能な家』の設計図を描き始めます。自分の視力が失われる前に…。 3年後、ユジンは留学先から戻ってきます。会社で同僚に見せられたのは『不可能な家』の写真でした。この設計図を知っているのは自分以外に一人しかいません。そう、ジュンサンです。 『不可能な家』が建っているところを見つけたユジン。しかし、主人は留守でした。すると忘れ物を取りに来た主人・ジュンサンと遭遇します。ジュンサンは命は助かったものの、失明したので目は見えません。しかし、気配でユジンだとわかったジュンサンは「ユジン…?」と声をかけます。それに応えるユジン。 そして最後に、二人は夕陽の中テラスで抱きしめ合います。

え?意外!『冬のソナタ』のプチ・トリビア

キャスティングの段階では、はじめ、カン・ジュンサン/イ・ミニョン役はリュ・シウォンになるはずでした。しかし、リュ・シウォンが映画『美術館の隣の動物園』にキャスティングされることとなり、急遽、ペ・ヨンジュンがジュンサン/ミニョン役になったそうです。 余談ですが、映画『美術館の隣の動物園』も、はじめはペ・ヨンジュンがキャスティングされる予定でしたが、彼が辞退したために、リュ・シウォンがキャスティングされたそうです。不思議な出来事ですね。

そもそものところ、『冬のソナタ』は四季シリーズの2作目でした

ユン・ソクホ監督の作品で『冬のソナタ』だけが脚光を浴びがちですが、実は、『冬のソナタ』は監督の『四季シリーズ』の冬編なのです。四季シリーズの1作めは、『秋の童話』(2000年)です。韓流四天王のひとり、ウォンビンや、ソン・ヘギョ、ソン・スンホンらが出演していました。この作品が、まず中華圏から火がつき、韓流旋風が起こりました。

そして2002年。韓国で『冬のソナタ』が放送され、翌年、日本でもNHKで放送が始まりました。はじめはBSで放送されていましたが、視聴者の反響で、地上波で放送されるようになりました。 四季シリーズ3作目は『夏の香り』(2003年)です。

主演はソン・スンホンとソン・イェジンです。 韓国国内では視聴率こそ振るわなかったものの(平均視聴率10%)、新緑の美しさなど、ユン・ソクホ監督ならではの映像美が印象的な作品でした。 2006年に四季シリーズの最終作『春のワルツ』が放送されます。

主演はソ・ドヨンとハン・ヒョジュです。 こちらも、残念ながら視聴率は振るいませんでした。しかし、この作品出演後、ハン・ヒョジュはヒット作に次々と出演することとなります。 夏と春の2作は視聴率がいまいちでしたが、四季シリーズのどの作品にも言えることは、映像(特に色使い)の美しさではないでしょうか。

『冬のソナタ』続編を望む声、しかし……

続編が作られる計画もあるそうですが、2018年冬現在、未だ続編に関する確かな情報は得られていません。しかし、小説では、ドラマの脚本を担当したキム・ウニとユン・ウンギョンが手がけた『もうひとつの冬のソナタ』や『新・冬のソナタ』なるものが出版されています。

『もうひとつの冬のソナタ』では、最終話に出てくる、ユジンとジュンサンの空白の3年間が描かれています。

一方、『新・冬のソナタ』(上・下)は、副題にあるように、サンヒョクとチェリンそれぞれの目線からの恋愛を描いたものとなります。 続編が決定するまで、こちらの関連本を読んでみてはいかがでしょうか?