2018年4月11日更新

Netflixオリジナル『このサイテーな世界の終わり』がサイコーだった件【ネタバレ注意】

サイコパスの少年とエキセントリックな少女が、退屈な日常を抜け出そうとロードトリップに出るドラマ『このサイテーな世界の終わり』。風変わりな設定の本作の魅力をネタバレ・あらすじとともにご紹介します。

Netflixオリジナルシリーズ『このサイテーな世界の終わり』が面白い!

Netflixオリジナルシリーズには面白い作品がたくさんありますが、『このサイテーな世界の終わり』も間違いなくそのひとつでしょう。 一風変わった設定と風変わりなキャラクター達、意外な展開が世界中で話題になった本作は、周囲にとけ込めない少年と少女のロードトリップを描いたブラックコメディです。1話約20分、全8話と見やすいのもうれしいですが、やはりその面白さに多くのドラマファンが魅了されました。 そんなNetflixオリジナルシリーズのなかでもおすすめの『このサイテーな世界の終わり』をご紹介。結末までのネタバレがありますので、視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

『このサイテーな世界の終わり』ってどんなドラマ?

『このサイテーな世界の終わり(原題:The End of the F***ing World)』は、チャールズ・フォースマンの同名コミックを原作とし、イギリスの放送局チャンネル4が製作したブラックコメディドラマです。イギリスで2017年10月に放送された後、2018年1月からNetflixで全世界に配信されました。 サイコパスを自認する高校生ジェームスは、人間を殺してみたいと考えていました。そんな彼に転校生のアリッサが急接近。アリッサはつらい日常から抜け出すため、ジェームスはアリッサを殺すため一緒に家出します。そんなふたりのロードトリップは思わぬ方向に……。

魅力的なキャスト陣をご紹介

アレックス・ロウザー/ジェームス役

自分をサイコパスだと考える高校生ジェームスを演じているのは、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)で幼少期のアラン・チューリングを演じたアレックス・ロウザーです。 2010年に短編映画『The Fear (原題)』でデビューしたロウザーは、『僕と世界の方程式』(2014)やSFアンソロジーシリーズ『ブラックミラー』(2016)にも出演しています。 『くまのプーさん』の作者A.A.ミルトンと息子のクリストファー・ロビンの関係を描いた『Goodbye Christopher Robin (原題)』(2017)では、18歳のクリストファー・ロビンを演じました。

ジェシカ・バーデン/アリッサ役

アリッサを演じたジェシカ・バーデンは、1999年にデビューし、2007年の『Mrs. Ratcliffe's Revolution (原題)』で映画初出演を果たしました。その後『ハンナ』(2011)や『ロブスター』(2015)などに出演。本作の元になったテレビ短編映画『TEOTFW』(2014)でも同じくアリッサを演じています。 2016年にはテレビシリーズ『ナイトメア〜血塗られた秘密〜』に出演。2018年の映画『The New Romantic(原題)』では、主演を務めました。

ジェンマ・ウィーラン/ユニス・ヌーン巡査役

(右がジェンマ・ウィーラン)

ジェームスとアリッサを探す刑事ユニスを演じるジェンマ・ウィーランは、イギリスを中心に多くのテレビシリーズや映画などで活躍しています。 2010年にはベニチオ・デル・トロ主演の『ウルフマン』や、ジャック・ブラックの『ガリバー旅行記』などに出演しました。2012年からは、人気テレビシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』でヤーラ・グレイジョイを演じています。

ウンミ・モサク/テリ・ダレゴ巡査役

ユニスの同僚であるテリを演じているのは、『バットマンvs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)や『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)などに出演しているウンミ・モサクです。 モサクは『法医学捜査班 silent witness』(2010)や『Dancing on the Edge (原題)』(2013)、『ブラックミラー』(2016)など多くのテレビシリーズにも出演しています。

製作に関わっているスタッフは?

『このサイテーな世界の終わり』は、原作者のチャールズ・フォースマンと、『Misfits/俺たちエスパー!』(2012)などで女優としても活躍しているチャーリー・コヴェルが脚本を担当しています。コヴェルは、SFドラマ『ヒューマンズ』の脚本家としても知られています。 監督のジョナサン・エントウィッスルは、短編映画の監督として経験を積んできました。2014年には本作の元になったテレビ用短編映画『TEOTFW』も監督しています。 もう1人のエピソード監督であるルーシー・チャーニアックも、短編映画の監督や脚本家として活躍しています。2014年に監督を務めた『Lay Me Down (原題)』には、本作でアリッサを演じているジェシカ・バーデンが出演しています。

あらすじ1:奇妙な旅のはじまり【ネタバレ注意】

高校生のジェームスは幼い頃から小動物を殺し、9歳のときにはフライヤーに手を浸けるなど、あまり人間的な感情を持たない少年で、日頃から人間を殺してみたいと考えていました。ある日、食堂にいた彼のもとにアリッサという転校生が話しかけてきます。彼女に興味を抱いたジェームスは、アリッサを殺すため彼女と付き合うことに。 アリッサは、かなりエキセントリックな性格の女の子。母は再婚相手との間に双子を授かり、アリッサは家では蚊帳の外になっていました。そんな日常から抜け出すため、彼女は風変わりなジェームスに声をかけたのです。 ある日、ホームパーティの途中でなにもかも嫌になったアリッサはジェームスのもとへ。ふたりで町を出ようと言い出し、ジェームスも承諾します。彼は父親の顔を殴って車を奪い、ふたりのロードトリップが始まります。

あらすじ2:旅の前途は多難【ネタバレ注意】

町を出たアリッサの目的は、実の父レズリーに会うことでした。一方ジェームスは、彼女をどうやって殺そうかということで頭がいっぱいです。 家出を決行したことでハイになったアリッサは、運転中のジェームスの服を脱がそうとします。前が見えなくなった彼は運転を誤り、車は木にぶつかってしまいました。立ち去ろうとしたふたりの後ろで車は爆発炎上。上半身裸のまま、ジェームスはヒッチハイクすることに。 やっと止まってくれた車に乗っていたのは、元軍人の男性。彼はふたりに食事をおごってくれますが、アリッサは失礼な態度を取りつづけます。トイレにたったジェームスに付いてきた男性は、彼に自分の股間を触らせました。 それを見たアリッサは男性を脅し、財布と車を奪ってジェームスとともにその場を去ります。

あらすじ3:ジェームスの変化と大事件【ネタバレ注意】

ふたりは数日身を潜めるため、留守中の豪邸に忍びこみます。ジェームスは、アリッサにいままでに感じたことのない想いを抱くようになり、少しづつ自分を解放していきました。ふたりは距離を縮めていきますが、ちょっとした行違いから怒ったアリッサは、道で出会ったトファーという男性を家に連れ込みます。 アリッサがトファーと寝室にいる間、家の中を調べていたジェームスは、家の住人が連続殺人犯である証拠を発見します。一方アリッサは、トファーとのセックスを思いとどまり彼を追い返しました。夜になり、アリッサがベッドで寝ていると住人であるクライブが帰宅。 彼はアリッサを発見し、彼女にのしかかります。泣き叫ぶアリッサを押さえつけるクライブの首をジェームスがナイフで刺して殺害。自分の思っていた形とは違ったものの、ジェームスはついに人間を殺したのでした。 ふたりは協力して自分たちがいた痕跡を消し、クライブが殺人犯である証拠を遺体の周りに並べて家を後にしました。

あらすじ4:離れてわかった相手の大切さ【ネタバレ注意】

逃亡のためふたりは変装します。しかし、ジェームスを恐れるようになったアリッサは彼を置いてひとりで父親のもとを目指すことに。お金を持っていない彼女は万引きで必要なものを手に入れますが、ある店で捕まってしまいます。 警備員が迷子の対応に行った隙に逃げようとしたアリッサでしたが、迷子を見つけ警備員のもとに連れて行きました。その行動や手首のあざを見た警備員は、アリッサをそのまま解放します。 その頃、クライブの母親が息子の遺体を発見し警察に通報。寝室からトファーの財布が見つかり、彼は担当刑事のユニスとテリから尋問を受けました。そこからアリッサとジェームスが捜査線上に浮上し、ふたりの家族のもとにも警察がやってきます。 一方ジェームスは、クライブを殺したことで自分がサイコパスではないと知り自首することに。一旦は警察に行ったものの、警官と話すうちに気が変わりアリッサと別れたカフェに戻りました。そこにアリッサも現れ、ふたりは旅をつづけます。

あらすじ5:父との再会【ネタバレ注意】

ジェームスは次々と意外な特技を発揮し、車を盗んだりガソリンスタンドで強盗したりと、順調に旅をつづけます。ふたりがレズリーが住んでいると聞いていた住所にたどり着くと、玄関に出てきたのは彼の元恋人デビーでした。彼はもうそこにおらず、海辺のトレーラーハウスにいるとデビーは教えてくれます。 不安を抱えながらレズリーのトレラーハウスを訪ねると、彼はふたりをあたたかく迎えてくれました。アリッサは久しぶりの父との再会、また彼が風変わりではあるものの優しくしてくれることによろこび、ジェームスにしばらくここにいようと提案しますが、レズリーが麻薬の売人であることを知ったジェームスは彼のもとに長く留まることは安全ではないと考えていました。 一方、ユニスは殺されたクライブが連続殺人犯であったことを知り、容疑者であるふたりに同情します。しかし、相棒のテリは犯罪を犯したことには変わりないと厳しい態度を崩しません。

あらすじ6:旅の終わり【ネタバレ注意】

ふたりがレズリーのもとに向かったと考えたユニスとテリは近くの町まで来ていました。デビーにも聞き込みをしますが、彼女はふたりは訪ねて来ていない、レズリーも今どこにいるのか知らないと嘘をつきます。ユニスは念のためにと名刺を置いていきました。 アリッサはレズリーとの時間を楽しんでいましたが、ジェームスの不安は募るばかり。3人がパブに行くと、そこにデビーが現れ息子の養育費を要求します。父に自分以外にも子供がいたことにショックを受けたアリッサは、その夜トレーラーハウスには戻らずジェームスと海岸で過ごしました。ふたりはレズリーのボートで海外に逃げようと計画を立てます。 腹を立てたデビーは、ユニスにレズリーの居場所を連絡。彼女はひとりでトレーラーハウスに向かいます。そのころレズリーは、テレビでアリッサとジェームスに殺人容疑がかかっていること、彼らの情報に報奨金が出ることを知りました。

翌朝ふたりがボートの鍵を取りに戻ってくると、レズリーはこっそり警察に通報。テリと武装警官隊が現場に急行します。ジェームスはレズリーが通報したことを発見し、アリッサは激怒。そこに昨夜から見張っていたユニスが現れ、自首すれば刑は軽くなると説得しますがジェームスは殺人を犯したのは自分で、アリッサは無関係だと言います。 武装警官に取り囲まれるなか逃走したジェームスは、自分のアリッサに対する気持ちを理解しました。 そして暗くなった画面に、一発の銃声が響きます。

ほろ苦い後味のブラックコメディ『このサイテーな世界の終わり』

イギリスらしいブラックジョーク満載の『このサイテーな世界の終わり』ですが、その後味のほろ苦さはドラマの最大の魅力です。あまりに完璧なエンディングに、続編は製作しないでほしいという声もあがるほど。 全体的にはシリアスな展開ながらも、そのテンポの良さと軽快な雰囲気には、爽やかささえ感じられます。 サイコパスを自認していた少年が自分の過去と向き合い、いま目の前にいる人と向き合い、誰かを大切に思う気持ちを取り戻していく過程を描いた本作は、魅力的なキャラクターとストーリー展開で、心に残る作品になっています。