2018年5月30日更新

「どんでん返し映画=ネタバレ」というジレンマ。あなたはどう楽しむ?

このページにはプロモーションが含まれています
『バタフライ・エフェクト』

AD

どんでん返し映画と言うだけでネタバレになる!?

この記事もネタバレ注意!

どんでん返し映画は一般的に、観客の予想を越えた結末や、収束したかに思われた物語が覆り全く違った着地点を迎える作品を指します。 エンディングだけでなく、息もつかせないスピードで展開が変わっていき、次々に予想や推理が裏切られる様を意味する場合も。元祖と呼ばれる『スティング』を筆頭に多くの作品が作られ、真実が明かされた時の驚き、スリル感が人々を魅了しています。 その一方で、鑑賞前からある種のネタバレになる厄介なジャンルでもあります。"どんでん返しがある"と先にわかってしまっては、効果が十分に発揮されません。 そんなジレンマを抱えながらも、何度も観返したくなる楽しみ方をご提案します!またこの記事では作品とともに楽しみ方を紹介しています。各作品のネタバレになってしまう可能性もありますので、ご注意ください!

なぜどんでん返し映画と謳ってしまうのか

ではなぜ、ネタバレになってしまうと分かっていながら「どんでん返し映画」と謳うのでしょうか? どんでん返しと言っても、あまりに唐突だと観客が置き去りになります。そこで必要になるのが、散りばめられた緻密な伏線とそうとは気付かせない脚本。つまり、「この作品は脚本力があって面白いですよ」と、アピールしたいがために宣伝文句として使われてしまうのです。 そもそも、どんでん返し映画を求める層がターゲットの場合もあります。また、レビューで「衝撃のどんでん返し映画」などと書かれているパターンがあり、サプライズのタイミングまで知ってしまった、という経験がある方は多いのでは? 映画を観たユーザーが、「衝撃や感動を誰かに伝えたいけど、詳しく書きすぎるのは……」と思った時に便利な言葉でもあるのでしょう。

AD

楽しみ方1:前情報を全力で遮断して鑑賞する

SNSを始めとするツールが普及した近年、映画に限らずドラマ、小説、漫画などのネタバレを回避するのは非常に難しくなりました。 気になる映画がある時は、100%楽しむために前情報を全力で遮断しましょう。入手するならば、簡単なあらすじやキャストといった必要最低限の情報のみ!とは言え、情報源を公式のサイト、SNSアカウントに絞ったとしても油断はできないのです。 2014年公開の『大脱出』は、"最大の仕掛け"とも言えるある秘密が、ポスター、チラシ、果ては予告映像で堂々とネタバレされていました。日本では数ヶ月遅れで公開され、秘密はすでに世界中で話題になっていたので、配給会社が開き直ったのかもしれません。 こうした例もあるため、洋画で日本公開にタイムラグがある際は要注意です。

楽しみ方2:どの部分がどんでん返しなのか推理しながら鑑賞する

公開が終了した映画や前情報を知りすぎてしまった映画は、どの部分がどんでん返しで、どれが伏線なのか推理しながら鑑賞するのも面白いでしょう。 推理と言えば、多様なトリックが仕掛けられたミステリー作品の十八番ですね。その代表的な小説『アクロイド殺し』をベースにした、『ユージュアル・サスぺクツ』は非常に有名です。 孤立したモーテルで起こる連続殺人と、死刑囚の再審が同時進行で描かれる『アイデンティティー』は、"思い込み"を使ったトリックが秀逸でした。どんでん返し映画は、どの作品もそれぞれ工夫を凝らした仕掛けがあるので、推理に挑戦してみてください! ミスリードにハマってしまって、「やられた!」となるのも楽しいかもしれません。

AD

楽しみ方3:どんでん返しの部分以外を楽しむために鑑賞する

どんでん返し映画の中には、人間模様やアクション、キャストといったどんでん返しの部分以外でも話題になった作品が多く存在します。 例えば先述した『大脱出』は、シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの本格的初共演と脱出劇がウリでした。ホラー映画好きなら、ラストに向けて狂気が増す『エスター』、映画史上最も後味の悪い結末と名高い『セブン』もおすすめ! どちらもホラー要素の演出が見事で、特に『セブン』はシリアスな映像とノイズ交じりの音響が、不穏な気配に満ちた独特の世界観を作り出しています。 巧妙な伏線で世界中を驚かせた、M・ナイト・シャマラン監督の『シックス・センス』はジャンルこそホラーですが、実は一級品のヒューマンドラマ。邦画であれば、伊坂幸太郎原作の『アヒルと鴨のコインロッカー』などが、ヒューマンドラマとして有名です。 ネタバレが避けられないなら、他の部分をメインに楽しむのもアリでしょう!

楽しみ方4:異色などんでん返し映画を探し求めて鑑賞する

どんでん返し映画という時点で、すでにその他の映画とは一線を画しています。その中から、さらに異色の作品を求めて鑑賞するのも楽しみ方の一つではないでしょうか。 革新的な構成で有名なのが、クリストファー・ノーラン監督の出世作『メメント』です。記憶障害の男性を主人公に据え、時系列が逆再生される演出の作品。公開から15年以上経った現在も、非常に難解な映画として語り継がれ、ファンの間で考察が続いています。 斬新な設定が話題になったのは、カオス理論の一つ「バタフライ効果」を扱った、ループものの代表作『バタフライ・エフェクト』。ラストシーンは日本公開当時、「映画史上最も切ないハッピーエンド」と称され、劇場版以外に数パターン作られました。 賛否両論のラスト、何通りもの解釈が可能な作品など、様々な意味で異色とされるどんでん返し映画があるのでぜひ探してみてくださいね。

AD

ネタバレ不可避のジレンマをあなたはどう楽しむ?

どんでん返し映画の楽しみ方をご提案しましたが、いかがだったでしょうか? 伏線を一気に回収して最後にスッキリ!な作品もあれば、切なさや物悲しさを残したり、ラストでさらに謎が深まったりする作品もあります。「どんでん返し映画=ネタバレ」というジレンマは避けられなくても、映画の数だけ楽しみ方があるはず! 観る度に新たな発見があって、何度も観返したくなるのも魅力ですよね。あなたなりの楽しみ方で、お気に入りのどんでん返し映画を見つけてみてください。