2021年11月5日更新

【ネタバレ】映画『エターナルズ』のあらすじを丸ごと解説!エンドシーンから窺える今後の展開は?

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エターナルズ
©Marvel Studios 2021

2021年11月5日に公開された『エターナルズ』。この記事では「マーベル」シリーズ26作目となる本作のあらすじを、ネタバレありで徹底解説!あわせて原作コミックでのエターナルズの設定や出演キャスト、監督の情報などもお伝えしていきます。 これまでのMCUではっきりと登場してこなかったエターナルズとは、いったいどんなヒーローチームなのでしょうか?そして本作において、彼らはどんな活躍をしたのでしょうか?今後の「マーベル」シリーズに与える影響も考察していきましょう! ※この記事には『エターナルズ』の結末までのネタバレが含まれます。鑑賞後に読むことをおすすめします。

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事前におさえたい!エターナルズの基本情報

映画『エターナルズ』は、『キャプテン・アメリカ』や『X-Men』を生み出した巨匠ジャック・カービーによるコミックが原作です。本作について解説していく前に、そもそもエターナルズという存在は何者なのか?という基本情報をおさえておきましょう。 舞台は100万年前の地球。宇宙の原始的存在であるセレスティアルズが類人猿の遺伝子操作実験を行った過程で、3つの種族が誕生したことから物語が始まります。 その3つの種族とは、人類、ディヴィアンツ、そしてエターナルズです。ディヴィアンズは人類にとっての脅威、いわゆるヴィランで、その脅威から人類を守る守護者となるように命じられたのがエターナルズ、という構図になります。 エターナルズたちは超人的な力を持っており、さらに不死に近い長寿命である……というのが基本設定です。そんな彼らは、エンドゲーム後の世界でどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。

【ネタバレ】映画『エターナルズ』あらすじ

※すでに映画を鑑賞済みで、本作についての解説だけを読みたい場合は、目次から飛ぶことができます。

巨大な宇宙を生み出したセレスティアルズは、宇宙のはじまりから、さまざまな惑星に生命を誕生させてきました。彼らは新しい惑星の知的生命体を脅かす捕食者を駆除するため、ディヴィアンツという生物を作り出します。 しかしその後、ディヴィアンツが知的生命体を捕食するようになったため、セレスティアルズは今度はディヴィアンツを駆除するためにエターナルズを作り出すのです。7000年前、地球にも10人のエターナルズが派遣されました。 5000年前のメソポタミア。海から現れ人々を襲い始めたディヴィアンツを、エターナルズが倒しました。 それから何世紀にもわたってディヴィアンツと戦いつづけ、ついに彼らを絶滅させたエターナルズは、セレスティアルズから帰還の命令があるまで世界中に散らばり、人類に混じって生活するようになります。 エターナルズの1人であるセルシは、現代ではロンドン自然史博物館に勤めながら、仲間のスプライトとともに暮らしていました。同僚のデインとの交際も順調で、人類の生活に溶け込んでいます。 しかしあるとき、彼らの前にディヴィアンツが現れます。人類ではなく彼らを狙うディヴィアンツに困惑していると、何世紀も会っていなかったイカリスが彼らを助けに来ました。

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地球に異変が起きていることを知った彼らは、リーダーであるエイジャックを訪ねることにします。しかし彼らがたどり着いたときには、彼女はすでに何者かによって殺されていました。 悲しみに暮れるセルシの胸に、もともとエイジャックの胸に入っていたセレスティアルズと交信するための球が入ります。彼女はエイジャックから、新たなリーダーとしてエターナルズを任されたのでした。 はじめてセレスティアルズと交信したセルシは、自分たちが進化しないロボットであることを知り、ショックを受けます。彼らは1つの任務が終わると記憶を消去され、また新たな惑星へと派遣されていたのです。 セレスティアルズの本当の目的は、惑星の知的生命体のエネルギーを使って、新たなセレスティアルを「出現」させることでした。そしてそれは、その惑星が滅ぶことを意味しています。 セルシ、イカリス、スプライトの3人は、「出現」を阻止し地球を救う道を模索するため、ほかの仲間たちを集めることにします。

まず彼らは、ボリウッド(ムンバイ)でスターになったキンゴのもとへ。事情を話すと、彼は付き人とともにドキュメンタリーを撮影する感覚でやって来ました。 次に彼らが訪ねたのは、オーストラリアにいるセナギルガメッシュ。 前回の記憶が完全に消去されていなかったことが原因で、ときおり我を失い仲間を攻撃するようになったセナを見守るため、ギルガメッシュは一緒に人里離れた場所で暮らしていました。彼らはディヴィアンツとの新たな戦いに参加することを決めます。 シカゴで夫と息子とともに平穏な生活を送っていたファストスは、家族と一緒にいたいと戦いに参加することを拒否。しかし最後には夫のすすめで彼らに加わることになります。 ドルイグは、アマゾンの奥地に小さなコミュニティを築いて暮らしていました。彼はコミュニティの平和を維持するため、少なからずマインドコントロールの能力を使っていたようです。 事情を知った彼は激怒しますが、そのときコミュニティにディヴィアンツが襲いかかります。エターナルズとディヴィアンツが死闘をくり広げるなか、セルシはディヴィアンツを木に変える強い能力を獲得します。 そして彼らが古代都市バビロンの地下に埋めていた宇宙船に戻ると、そのなかではマッカリが待っていました。

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結【ネタバレ注意】

彼らは新たなセレスティアルであるティアマトの「出現」を阻止する作戦を練ります。 ファストスはドルイグが全員のエネルギーをまとめる「ユニ・マインド」という装置を考案。それを使って、ティアマトを再び眠りにつかせようとしました。

これに反対したのはイカリス。実は彼は何百年も前から、セレスティアルズの本当の目的を知っていました。サノスの「指パッチン」で人類が減少し、ティアマトの「出現」は遅れていましたが、アベンジャーズの活躍によって人口がもどり、その成長が急速に進んだのです。 その前兆を感じ取った彼がエイジャックに会いに行くと、彼女は「人類は滅亡させるべきではない」と言いました。イカリスはセレスティアルズの命令に背こうとする彼女を殺したのです。 この衝撃の告白でエターナルズは分裂。ティアマトを「出現」させようとするイカリスとスプライト、それを阻止しようとるセルシたち、そしてキンゴは仲間同士での戦いを拒否しました。 セルシたちはティアマトの「出現」する場所に向かい、ユニ・マインドを使おうとしますが、イカリスに邪魔されてドルイグが負傷します。 ティアマトの手と頭が海から現れたとき、セルシはドルイグの代わりに装置を使ってユニ・マインドを行います。彼女の姿を見たイカリスとスプライトも、それに加わりました。 全員の力を受け取ったセルシはそれで自らの力を増幅させ、ティアマトを大理石に変えることに成功します。 セレスティアルズの命令に背いてしまったイカリスは、太陽に向かって飛んでいきます。以前から成長したいと願っていたスプライトは、残っていたセルシの力で人間になりました。 セナ、マッカリ、ドルイグの3人は、ほかの惑星にいるエターナルズにセレスティアルズの本当の目的を伝え、破壊の連鎖を止めるため宇宙に旅立っていきます。 地球に残ったセルシをはじめとするエターナルズは、もとの生活に戻っていきました。 そんなあるとき、デインはセルシに「大事な話がある」と言いはじめます。しかし彼がなにかを打ち明ける前に、セルシは彼女たちに命令を出していたセレスティアルであるエリシェムによって宇宙に引き上げられてしまいました。 そして彼は、「今回は人類を生かしておくが、再び地球を訪れて最後の審判を下すため、エターナルズの記憶を胸に刻む」と言うのでした。

【ネタバレ】エターナルズが隠れていた理由

さまざまな歴史に立ち会ってきた

500年前のメソポタミアにはディヴィアンツが現れ、人類を襲いはじめます。そこに7000年前に宇宙の神であるセレスティアルズに地球に派遣されたエターナルズが駆けつけ、人々を守りました。エターナルズはその頃からずっと、人類のことを見守ってきたのです。 その後、彼らは世界各地でディヴィアンツが現れるたびに人類を救い、ときには科学技術の発展も促します。しかし人類は進歩の過程でお互いに殺し合い、戦争をするようになりました。 超人的な力を持っていながら、人類の行動に直接介入できないエターナルズのなかには、不満を募らせていく者も。 解散したエターナルズは、それぞれに人類に紛れて暮らしていました。彼らの人類に対する考えはさまざまで、地球とそこに住む人々を愛する者も、とくに関心もない者も、憎む者もいます。 とくに科学技術を人類に与えてきたファストゥスは、戦争で原子爆弾が使われたことにより「人類は救う価値がない」と考えるようになってしまいました。

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エターナルズが沈黙を貫いていた訳

エターナルズは人類を守るために地球に派遣されたはずですが、これまでアベンジャーズがさまざまな脅威と戦っている間、なにをしていたのでしょう。なぜアベンジャーズに加勢しなかったのでしょうか。 セレスティアルズの命令で地球に派遣された彼らは、“ディヴィアンツから”人類を守るという任務を負っていました。つまりヒドラのような悪の組織や、邪神ロキ、ウルトロンのようなロボットや、宇宙人のサノスといった敵は、彼らの管轄外だったのです。 エターナルズが戦う相手はディヴィアンツだけであり、人類にその存在を知られないため、彼らは歴史の影に隠れてひっそりと任務を遂行してきました。地球上のディヴィアンツを絶滅させた彼らは人類に紛れて暮らしながら、セレスティアルズからの帰還の命令を待っていたのです。

【ネタバレ】セレスティアルズの目的とは?

エターナルズを生み出したセレスティアルズの本当の目的は、知的生命体の活動エネルギーを利用して、新たなセレスティアルを「出現」させることでした。 そのために彼らはそれぞれの惑星にディヴィアンツを送り込み、知的生命体の進化を妨げる捕食者を取り除いていたのです。しかしディヴィアンツ自体が捕食者となってしまい、知的生命体を襲いはじめました。 そこでセレスティアルズは進化しないエターナルズを作り出し、ディヴィアンツから知的生命体を守らせることにしたのです。 地球に派遣されたエターナルズによって、人類はディヴィアンツに捕食されることなく進化していきました。その結果、人口が増え、活動エネルギーが増し、新たなセレスティアルを「出現」させる準備ができます。 しかし新たなセレスティアルを生み出すには、もう地球そのものを破壊する必要があったのです。エターナルズはそんなセレスティアルズの目的を阻むために、本作で立ち上がることになったのでした。

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【ネタバレ】エンドシーンが意味するもの

「スターフォックス」なる人物が現れる

クロエ・ジャオ監督は、本作のエンドロール後のシーンには大きなサプライズがあると予告していました。ファンはその言葉を受けて、本作に期待を込めていたことでしょう。 ミッドクレジットシーンでは、地球を離れた3人のエターナルズが地球に残った仲間たちと連絡がつかないことを心配し、地球に戻ろうとします。 そこにワープで現れたのは、ピップと名乗る酔っぱらいの小人と、「スターフォックス」と名乗る人物でした。そして彼はセルシたちに危機が迫っていると語り、自分はその居場所を知っていると告げるのでした。

ピップによると、スターフォックスは「タイタン星の王子」で「サノスの弟」、「ハートのジャック」「ブラック・ロジャーを倒した」「偉大な冒険家」だそうです。さらに彼は、自身を「エロス」だと名乗ります。 コミックでのスターフォックスことエロスは、エターナルズとタイタン人の血をひくヒーローです。ピップの言うとおりサノスの弟ですが、兄とは正反対の奔放な性格。 ほかの親族と違い兄に対して憎悪や敵意はありませんでしたが、サノスがタイタンを攻撃したことで母を失い、兄弟で戦うことになりました。 その後タイタンを離れ放浪していた彼は、新しい冒険の地として地球にやってきます。そしてアベンジャーズに加入しますが、地球では本名の「エロス」は誤解を招くため、ワスプが「スターフォックス」というヒーロー名をつけました。 彼はエターナルズとタイタン人から引き継いだ怪力と俊敏性、耐久性、長寿、飛行能力などを持っています。しかしその性格からあまり訓練はしていないため、ほかのエターナルズに比べて能力は低いと言わざるを得ません。 そんなスターフォックスをMCUで演じるのは、ハリー・スタイルズ。イギリスの人気ボーイズバンド、ワン・ダイレクションのメンバーで、2017年の『ダンケルク』以降、俳優としても活躍しています。

新たなヒーローか?ヴィランか?

さらにポストクレジットシーンでは、セルシが連れ去られ、残されたデインが勤務先の博物館の倉庫とみられる場所で大きな木箱と対峙している姿が映し出されました。 彼は迷いながらも勇気を奮い起こして木箱を開け、中に入っていた大きな剣に触れます。すると剣は揺れて光を放ちますが、何者かがデインに「いいのか?ホイットマン」と声をかけるのでした。

実は映画のなかで彼の名字が呼ばれたのは、このシーンが初めて。コミックでのデイン・ホイットマンは、3代目ブラック・ナイトというヒーローになるキャラクターです。 初代ブラック・ナイトは、かつてアーサー王に仕えていたサー・パーシー。彼は魔術師マーリンが作った剣エボニー・ブレイドを武器に、黒い鎧を着て悪と戦う「ブラックナイト」になりました。のちにその称号と剣を受け継ぎ、2代目ブラック・ナイトとなったのが、デインの叔父です。 2代目ブラックナイトはヴィランとして知られ、『エターナルズ』の作中ではデインが叔父と不仲であることが示唆されました。 木箱に入っていた大剣はエボニー・ブレイドと思われますが、デインはそれを手に取り、ブラック・ナイトになるのでしょうか。もしブラック・ナイトになった場合、彼がヒーローになるのかヴィランになるのかにも注目です。

【ネタバレ】MCUシリーズとの繋がり

これまで

人類の守護者としての役割を担うエターナルズたち。彼らの超越した力を見ると、まったく新しい宇宙規模の物語であるようにも思われますが、実はこれまでのマーベル作品にもしっかりと接点があります。 宇宙の原始的存在セレスティアルズと、エターナルズは過去作にも登場しているのです!

ピーター・クイルの父として『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に登場したエゴ。彼は劇中で自らをセレスティアルズであると言っています。彼によればセレスティアルズは生物を超越した神に近い存在であり“惑星そのもの”だとか。 同作でエゴは宇宙全体を自らのなかに取り込むため、自分の力を受け継いだピーターを利用しようとしていました。自分が悪だという自覚のない最悪のヴィランでした。

そしてアベンジャーズを苦しめつづけた最強の敵サノス。実は彼の父アラースは、土星の衛星タイタンの復興に励んだエターナルズの1人でした。サノスがあんなにも強大な力を持ち合わせていたのは、エターナルズの血が流れていたからです。 サノスには兄弟がおり、それがミッドクレジットシーンに登場したエロスでした。

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これから

映画の最後には「エターナルズは帰ってくる」という文言がありましたが、『エターナルズ』の続編製作はいまのところ発表されておらず、ほかのMCU作品に本作のキャラクターが登場する可能性のほうが高いかもしれません。 いずれにしろ、これまでのMCUの裏側でエターナルズがなにをしていたのかが描かれ、その世界が広がったことは確かです。 MCUは今後、マルチバース展開が予定されていますが、そのどこかにエターナルズが関わってくる可能性は多いにあるでしょう。どんな展開が待ち受けているのか期待したいですね!

映画『エターナルズ』登場人物&キャスト

エターナルズ

ジェンマ・チャン/セルシ役

本作で中心的な役割を担うとされているセルシは、人類に強い興味を持っており、現代では博物館の学芸員として働きながら、仲間のスプライトとともに人間に混じってロンドンで暮らしています。 彼女は同僚のデインと交際中ですが、かつてイカリスと恋愛関係にあり、何世紀にもわたって彼を愛しています。そんな彼女は、物質を別のものに変換する能力の持ち主。 演じるのは、中国系イギリス人のジェンマ・チャンです。2015年のテレビドラマ『ヒューマンズ』で注目を集めた彼女は、MCU『キャプテン・マーベル』(2019年)にもミン・エルヴァ役で出演しています。

リチャード・マッデン/イカリス役

エターナルズのなかで最もスーパーヒーロー然としたキャラクターであるイカリス。彼は高速飛行と目からレーザービームを放つ能力を持っています。 彼の名前もまた、ギリシャ神話の英雄イカロスからとられています。彼はエターナルズのなかでも最強の戦士のひとりで、『X-MEN:アポカリプス』(2016年)に登場した世界最古のミュータント、アポカリプスさえも倒したという戦績の持ち主。 本作でイカリスを演じるのは、テレビシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011年〜2019年)や実写映画『シンデレラ』(2015年)などへの出演で知られるリチャード・マッデンです。

アンジェリーナ・ジョリー/セナ役

エターナルズのなかで、最も戦いを愛する危険な女戦士セナ。彼女は思い描いた武器を具現化し、自由に形を変えて操ることができます。 セナはコミックにおいて初代エターナルズのリーダーであるズーラスの娘で、古代ギリシャで生まれました。彼女の名前の由来は、ギリシャ神話の戦いの女神アテナ。また、セナはサノスのいとこでもあります。 セナを演じるアンジェリーナ・ジョリーは、『マレフィセント』(2014年)などへの出演で知られています。

マ・ドンソク(ドン・リー)/ギルガメッシュ役

ギルガメッシュは、エターナルズ随一の怪力を持っています。さらにコズミック・エネルギーで拳のパワーを強化することも可能。 古代メソポタミア神話におけるシュメール王朝の第5代王と同じ名前を持つ彼は、人類からはヘラクレスとも混同された存在。コミックでは、短い間ですがアベンジャーズにも所属していました。 ギルガメッシュを演じるのは、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)などへの出演で知られる韓国の俳優マ・ドンソク(英語名:ドン・リー)。 強面な役柄が多いながらもはにかむような笑顔で人気を獲得し、名前と「ラブリー」をもじった「マブリー」の愛称でも親しまれる注目俳優です。

サルマ・ハエック/エイジャック役

エターナルズで最も強力な戦士のひとりで、オリジナルメンバーであるエイジャック。冷静沈着な性格で、エターナルズのリーダー的役割を担う彼女は、あらゆる生命のヒーリング能力を持っています。 コミックでは男性であるエイジャックは、アンデス山脈にあるシティ・オブ・スペース・ゴッズの中心部で眠っていたところをイカリスが目覚めさせ、エターナルズに復帰しました。 エイジャックもまた、人類からアステカ神話の文化神・農耕神ケツァルコアトルと混同されていました。 『エターナルズ』でエイジャックを演じるのは、『フリーダ』(2002年)や『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(2003年)などへの出演で知られるサルマ・ハエックです。

ブライアン・タイリー・ヘンリー/ファストス役

ファストスは70年代にジャック・カービーが描いたエターナルズのオリジナルメンバーであり、近年のシリーズでも中心となって活躍している珍しいキャラクターです。 ファストスは驚異的な科学技術を持つ発明家で、人類のテクノロジーや技術の進化をそっと後押ししてきました 人類からは、ギリシャ神話に登場する炎と鍛冶の神ヘーパイストス(ヘファイストス)と混同されています。 そんなファストスを演じるのは、テレビシリーズ『アトランタ』(2016年〜2018年)やアニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)などへの出演で知られるブライアン・タイリー・ヘンリーです。

リア・マクヒュー/スプライト役

ケヴィン・ファイギはスプライトについて、「マーベルの最も古いキャラクターをエターナルズの最も若いキャストが演じる」と語っています。スプライトも原作コミックでは男の子ですが、本作では『[ホット・サマー・ナイツ』(2017年)などの子役リア・マクヒューが演じます。 変身と幻影を見せる能力を持つスプライトは、子供の姿をしています。そのせいで、人類に紛れても同じ場所で長く暮らすことはできず、仲間たちから子供扱いされることにもうんざりしているとか。

クメイル・ナンジアニ/キンゴ役

コミックでのキンゴは、16世紀には日本に住んでいたというエターナルズで、鎧兜をかぶり刀を使って戦います。最近のコミックでは、彼は自身のスキルを使って映画スターとしても活躍しており、サムライ役を好んで演じているという設定も。 映画では、キンゴは指先からレーザービームを放つ能力を持ち、ボリウッドのスター俳優として活躍しています。 キンゴを演じるクメイル・ナンジアニは、人気テレビシリーズ『シリコンバレー』(2014年〜2019年)への出演でも知られるパキスタン系の俳優です。 2017年には半自伝的なロマンティックコメディ『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』で主演兼共同脚本を務め、アカデミー賞脚本賞にノミネートされました。

ローレン・リドロフ/マッカリ役

X-MENのクィックシルバーのように超スピードを誇るスピードスターであるマッカリ。セレスティアルズと最も強いつながりを持つメンバーでもあります。 コミックでのマッカリは人類との交流を好み、古代ローマでは神マーキュリー(ギリシャ語ではヘルメス)として彼らの前に姿を現していました。 映画でのマッカリには聴覚障害があり、手話で会話をします。周囲の振動から相手の動きや音を感じ取っているようです。 マッカリはコミックでは男性ですが、MCUで同キャラクターを演じるのは、人気テレビシリーズ『ウォーキング・デッド』にシーズン9から出演しているローレン・リドロフ。 女性であり、聴覚障害を持つリドロフをキャスティングしたことで、コミックからの改変が話題となっています。

バリー・コーガン/ドルイグ役

コミックでのドルイグは、テレパシー能力を持つエターナルズ。他者の精神に入り込んで弱点を感知したり、トラウマを蘇らせて自殺に追い込むなど、恐ろしい力の持ち主です。 映画でのドルイグの能力はマインドコントロール。エターナルズの仲間と離れた後は、アマゾンの奥地にコミュニティを築いて暮らしています。そこにで暮らす人間たちは、少なからず彼に操られているようです。 ドルイグを演じるのは、アイルランド出身のバリー・コーガン。2011年に俳優デビューした彼は、『聖なる鹿殺し』や『ダンケルク』(ともに2017年)などに出演しています。

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人間

キット・ハリントン/デイン・ウィットマン役

デーン・ウィットマンはエターナルズのメンバーではなく、普通の人間です。ロンドン自然史博物館に務めており、同僚のセルシと交際中。 コミックでは、3代目ブラックナイトとして知られるキャラクターです。本作でデインは彼が「特殊な家系」の出身であることと、叔父と不仲であることが示唆されています。 デーン・ウィットマンを演じるのは、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で知名度を上げたイギリスの俳優キット・ハリントン。イカリスを演じるリチャード・マッデンとは、同作以来の共演となります。

映画『エターナルズ』監督によるこだわり

本作のメガホンをとるのは中国出身の新鋭クロエ・ジャオ監督です。2018年に彼女が監督した『ザ・ライダー』は多くの映画賞でノミネートを果たし、カンヌ国際映画祭では監督週間賞を受賞するなど、高い評価を受けました。 また映画『ノマドランド』では、第93回アカデミー賞で作品・監督・主演女優賞の3冠を手にしています。今回の『エターナルズ』でも、彼女らしい演出がたびたび見られました。

圧巻の映像美

クロエ・ジャオの映画といえば、その映像の美しさが特徴のひとつ。とくに雄大な大自然をありのままに映し出す映像は、これまでの作品でも高く評価されてきました。 普通MCUを含むアクション映画・ヒーロー映画は、グリーンバックで撮影し、後から背景を合成する場合が多いですが、ジャオはあくまでもロケでの撮影にこだわり、プロダクション・デザイナーは130個以上ものセットを作りました。 エターナルズが海を臨む崖の上で集結するシーンは、まさに彼女の署名的シーンといえるでしょう。

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わざとらしくない多様性

エターナルズのメンバーは原作コミックから大きく改変され、それぞれに違った個性を持っています。 原作コミックでは、10人のメンバーのなかで女性はセナとセルシの2人だけでした。しかし映画ではエイジャックス、マッカリ、スプライトを女性が演じたことで男女のバランスが取れています。 またアジア系のジェンマ・チャンやマ・ドンソク、南アジア系のクメイル・ナンジアニ、黒人のブライアン・タイリー・ヘンリーやローレン・リドロフ、そしてラテン系のサルマ・ハエックなど、多様な人種の俳優が起用されました。 さらにファストゥスはゲイ、マッカリはろう者であり、セナは心の病気を抱えているなど、キャラクターの属性の改変も、わざとらしくなく物語に溶け込んでいます。これまでのMCU作品でもっとも多様性のある作品といえるでしょう。 こうしたさまざまなバックグラウンドを持つキャラクターを自然に登場させることは、「自分は常にアウトサイダーだと感じていた」と語るジャオの得意とするところです。

今後のエターナルズの活躍に期待が高まる

『ブラック・ウィドウ』、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』につづいて、フェーズ4の映画作品3作目として公開された『エターナルズ』マーベル・ユニバースの新たなヒーローチームが登場する本作では、これまで知られていなかった宇宙の真実が語られます。また多様性に富んだ豪華スターの共演や新鋭監督の起用、コミックからの改変など注目要素が満載! 映画『エターナルズ』は、2021年11月5日から全国公開中です。