渡海先生に「邪魔」って言われたい!視聴者がドラマ『ブラックペアン』にハマるワケ

2018年6月17日更新

「チーム・バチスタ」シリーズで知られる海堂尊の小説をドラマ化した作品『ブラックペアン』。一癖も二癖もある渡海を主人公に、医療界を描いた人気サスペンスドラマの魅力に迫ってみました。

オペ室の悪魔、渡海が主役のドラマ『ブラックペアン』とは

『ブラックペアン』は、2018年の春ドラマとして日曜劇場枠で放送されました。「チーム・バチスタ」シリーズで知られる海堂尊の小説『ブラックペアン1988』をドラマ化した作品で、小説は海堂ワールドの原点とも言われています。 舞台は東海地方にある東城大学医学部付属病院。二宮和也演じる主人公の渡海征司郎は非常に変わりもので、普段の勤務態度は褒められたものではありませんが、外科医の腕は超一流。他の医者が起こした失態をカバーする度に「1000万で揉み消してやるよ」などと高圧的な態度を取ることから、オペ室の悪魔と呼ばれています。 そんな渡海は、神の手を持つと言われる医師・佐伯清剛と因縁の仲にある様子。渡海と佐伯がどうなっていくのかが注目の医療サスペンスドラマです。

痛い所をつく渡海の暴言の数々

渡海は「邪魔」や「腕のない医者は死んだ方がいい」など、とんでもない暴言を吐きます。ほかにも「いい医者は何をしてもいいんだよ」や「お前の失敗1000万で揉み消してやるよ」など、酷い台詞のオンパレードです。 しかし、超一流の腕を持つ渡海からすればそれは正論。しかも、他の医者が失敗した手術をあっさりと成功させてしまうため、言われた医者は彼に言い返すこともできません。 特に難関な手術を見事な手捌きで終わらせる様はかっこよく、ファンからは「酷い」という声よりも「カッコイイ」という声の方が多い様子。口角を少しだけ上げ、にやりと笑うシニカルな表情もその台詞と非常に合っており「渡海先生に邪魔って言われたい」というファンも少なくないようです。

猫背はわざとだった!二宮和也の演技の工夫に「艶っぽい」の声

二宮和也演じる渡海は、基本的に人をバカにしたような態度を取ります。普段から気怠い雰囲気を漂わせる彼ですが、実はここには二宮なりの工夫があるのだとか。 日頃から、演じる役によって姿勢などを変えているという二宮。渡海を演じる際は意図的に背中を曲げているとインタビューで明かしています。しかし、意外と周囲からは気が付いて貰えず残念がっているのだとか。 前述で書いた暴言を吐くシーンの表情や目線、食事の食べ方など細やかな部分などを見ていくと二宮の工夫に気づくかもしれません。ファンの間では「猫背が艶っぽい」という声もあり、気怠い雰囲気から色気を感じている人も多いようです。

『ブラックペアン』は渡海だけじゃない!高階や世良など、他のキャラたちも魅力的

ドラマでは渡海の強烈なキャラクターが目立ちがちですが、その他にも高階や世良は注目のキャラ。「機械による医術を広め、多くの医者が多くの技術を提供できるように」と邁進する実直な医師の高階と、素直で真直ぐな性格の世良。 非協力的な渡海と対立することも多い2人ですが、渡海の腕は買っている様子。時には対立し、時には協力するという微妙なバランスを保った関係となっています。演技についてはそれぞれ賛否両論ありますが「エリート役が小泉孝太郎に合っている」「一生懸命な竹内涼真が可愛い」と好感を持つファンが多いようです。

原作小説『ブラックペアン1988』との違いについて

ドラマでは二宮演じる渡海が主人公ですが、小説では研修医の世良が主人公です。渡海は小説の中でもインパクトのあるキャラですが、ドラマ版渡海は原作よりも鬼畜度が増しているそうです。 ほかに違うのが猫田と高階。まず猫田はドラマでは女版・渡海と言われていますが、原作ではそのような表記はなく、それほど目立つキャラではありません。共通ポイントはお昼寝が好きというところでしょうか。高階もスナイプは利用しますが、医療の現場に機械を入れようとするのではなく、あくまでも患者を救うための手段として用いる程度なのだそうです。 また、原作にはダーウィンやカエサルといったロボットが登場することはなく、こちらは医療ロボットというものを紹介するためのオリジナル要素と言えそうです。

【ネタバレ注意!】佐伯教授と渡海の関係を考察

ドラマの展開として一番気になるのが、渡海と佐伯の関係性です。最初の頃、渡海は他の人の言うことは聞かずとも、佐伯の言うことには素直に従う右腕のような存在でした。しかしブラックペアンが映ったレントゲンを眺める姿や、「佐伯清剛を信じるな」という台詞など、何かと敵対する臭いが漂っていました。 そして、その裏には渡海の父親が関係していることが分かっています。序盤では、渡海の父の体の中にブラックペアンが残されてしまったのでは?という考察もありましたが、物語が進むにつれそれは違うと判明。 新たな考察では、佐伯は過去に「飯沼達次」なる人物の体にブラックペアンを残したまま手術を終了。渡海の父は、その失態をなすりつけられ医者を辞めることになったのでは?と言う意見が上がっています。さて、結末はどうなるのでしょうか。

リアルな医療現場もあれば、あり得ないシーンも

医療ドラマというとリアルさを追求するものも多く、『ブラックペアン』も手術現場の緊迫感や手術シーンは非常にリアル。血しぶきが飛ぶ様子や手術中に動く心臓など、映像にリアルさに目を背けた視聴者もいたようです。 時には手術シーンの撮影に10時間もかかったそうですが、実際には5分程度に編集されていたのだとか。緊迫するシーンのリアルさを伝えるためのキャストやスタッフたちの熱量が伝わってきます。 しかし医療経験者目線で見ると、あり得ないと思うシーンもいくつかあるんだとか。例えば、高階が手術室を飛び出して外からオペ室を見るシーン。病院も稼働中なのに、そんな行動はおかしいのではとのこと。大量の輸血が必要になって急遽集められるシーンでは「検査が必要なはずなのに、安易に使われ過ぎでは」など、現場ならではの意見もありました。 現場の人から見る歯がゆさというのはどのドラマにおいても、向き合っていくべきテーマの1つかもしれません。

「治験」について薬理学会からの抗議が上がる

『ブラックペアン』では頻繁に「治験」という言葉が登場します。治験では新薬などを試してもらう代わりに、負担軽減費を患者に渡すことがあります。ドラマにもこのシーンがあり、最新の医療機器を使うにあたり、コーディネーターが負担軽減費として300万の小切手を渡しています。 しかし、実際の医療の現場では1回の来院で7千~8千円を渡すのが大半。多額の軽減費を渡すことで治験に誘導することは戒められており、「ドラマの影響で患者が不信感を抱くのではないか」と日本臨床薬理学会からTBSに対して抗議の声が上がりました。 視聴者からは「誤った認識を植え付けるのは良くないのでは」という抗議の声と、「認知度が高まる」という肯定的な意見と賛否両論あるようです。ドラマの話として冷静に捉えたいものですね。

『ブラックペアン』最終回前に記録更新!第8話にて自己最高視聴率に

様々な意見が飛び交い、話題にも上る事が多い『ブラックペアン』。初回から注目度も高く第1話は13.7%と好調な滑り出しで、第8話放送時には16.6%と初回を上回り、自己最高視聴率となりました。 第8話は佐伯が倒れたり、渡海が探している人物が「飯沼達次」なる人物であるという気になるワードも飛び出したことで、注目が集まった模様。優秀な医師であるはずの西崎の失態を渡海が救うという少々強引なネタもあったものの、最終回に向けて伏線回収に走ったことが高い数値に繋がったのかもしれません。 渡海の持つブラックペアンが映ったレントゲンは何を意味しているのか。渡海は佐伯をどうしたいのか。最終回まで見逃せません!