Netflix『クィア・アイ』はシーズン2も最高！見どころを徹底紹介！【シーズン3も決定】

以前にもご紹介したNetflixオリジナルシリーズ『クィア・アイ』。シーズン1で大人気となったこの番組は、2018年3月にシーズン2の制作が発表され、同年6月15日から配信が開始されました。 2000年代に放送されたオリジナルシリーズからグレードアップした今回のリブート版『クィア・アイ』も、シーズン1からさらなる進化を遂げています。 時代に合わせた変化、そして時代を変えようという意気込みが感じられる今シーズン。 シーズン2でさらに魅力を増した『クィア・アイ』の見どころをご紹介しましょう。

(シーズン1の依頼者のひとりだったトムは、出演時に思いを寄せていた元妻アビーと再婚しました。)

Netflixオリジナルシリーズ『クィア・アイ』は、ゲイ5人組「ファブ5」が人生に行き詰まってしまった人の変身を手助けをする番組です。 『クィア・アイ』が多くの変身番組と違うのは、その場だけ、外見だけを変えるのではなく、依頼者がその後の人生をより良く生きる方法を伝えるのに成功していること。この番組で、彼らは本当に生まれ変わっていくのです。 ファブ5は、約1週間かけてみっちり彼らと向き合い、信頼関係を築き、依頼者を自分と向き合わせ、人生をポジティブに生きていくすべを一緒に模索します。彼らにとって、ファブ5と過ごした時間をは本当に人生の財産になっているのでしょう。 また、それを見ている私たちも、勇気と元気をもらえる番組です。

イギリス出身のタン・フランスは、パキスタン出身の両親を持つムスリムです。彼は、2008年にイラストレーターでモルモン教徒のロブと結婚しました。 実は彼が番組のオーディションに参加したのは、ゲイの友達をたくさん作るためで、当初は出演に乗り気ではなかったとか。また、出演すればムスリムのゲイを代表することになるというプレッシャーもあったそうです。 結果的に、タンは夫の後押しを受けて出演を決めました。

依頼者の髪やヒゲを整え、お手入れを指導するグルーミング担当のジョナサン・ヴァン・ネス。彼は、ニューヨークを拠点に活躍するヘアスタイリストです。 ドラァグクィーンをすることもあるというジョナサンは、ファブ5の中でいちばんの「オネエ系」。高校時代には、学校で初めての男子のチアリーダーをしていました。

ボビー・バークは、依頼者の家をセンスと居心地のいい空間に仕上げるインテリア担当です。 テキサス州の小さな田舎町(本人によれば人口は9人！)出身のボビーは、自らのインテリア会社とオンラインストアを立ち上げ、インテリアデザイナー兼コーディネーターとして活躍しています。 ボビーは、2004年にマサチューセッツ州が全米で初めて同性婚を合法としたとき、すぐに長年交際していたデューイと結婚しました。

フード＆ワイン担当のアントニ・ポロウスキは、依頼者に料理と健康的な食生活を教えます。 一部ではアントニが教える料理が簡単すぎるため、本当に料理ができるのかと疑惑の声が上がりましたが、初代ファブ5のフード担当、テッド・アレンからの推薦で出演することになった彼の実力は折り紙つき。 アントニは、料理初心者で適当なものを食べている依頼者たちが食に興味を持ってくれれば、自分の役目は完了だと語っています。

(写真中央がカラモ、両サイドは息子たち)

MTVのリアリティショー『The Real World：Philadelphia(原題)』(2004)で、テレビに出演し始めたカラモ・ブラウンは2児のパパ。また、LGBTコミュニティでHIV啓蒙活動や、メンタルケアを行なう団体を設立し活動しています。 カルチャー担当の彼は、依頼者にデートの指南をしたり、アクティビティを紹介したりします。しかし、彼の役目でもっとも重要なのは、依頼者たちと話をして彼らが自分と向き合う手助けをすることです。

今シーズンの『クィア・アイ』では、ファブ5はジョージア州各地を訪ねています。 依頼者たちは、プロポーズに踏み切れない男性や他の父親たちとの交流に悩むバーテンダー、1年に1週間のお祭りのために移住を計画している男性、ある街の若い市長など。それぞれ違った壁に直面している彼らに、ファブ5は適切なアドバイスをしていきます。 ある青年は、卒業式の数週間後に単位が足りていないと大学から連絡を受け、すっかり自信とやる気をなくしていました。仕事もせずゲーム三昧の日々を送り、大学を卒業できていないという事実を受け入れられない彼が、ファブ5によってどのように変身したのか注目です。

これまでの『クィア・アイ』では、主に男性の変身を手助けしてきました。しかし、今シーズンは女性やトランスジェンダーのターゲットが登場しています。 この2つのエピソードは、『クィア・アイ』を次のレベルへステップアップさせたと言っても過言ではありません。

このエピソードの依頼者はタミーという女性。地元の教会で熱心に活動する彼女は、祖母の代から計画されていたコミュニティセンターをファブ5とともに完成させたいと依頼。 また、彼女の息子マイルズはゲイであることをカミングアウトして以来、教会から遠ざかっていました。タミーはコミュニティーセンターの完成、そして教会の大切なイベントであるホームカミングをきっかけに彼に教会に戻ってきてほしいと願っています。 このエピソードのポイントは、コミュニティセンターの完成やマイルズの変身だけでなく、教会に深刻なトラウマを抱えていたボビーの変化にあります。

このエピソードでは、性別適合手術を終えたばかりのFtM(女性から男性へ)トランスジェンダーのスカイラーが依頼者です。彼は手術費を出してくれた友人たちに、お礼のパーティを計画していました。 しかし、ヒゲの剃り方や大人の男性らしい服装がわからないのが彼の悩み。 このエピソードでは、同じセクシャルマイノリティだからといって、LGBTがお互いに活発に交流しているわけではなく、自分と同じセクシャリティ以外は知らないことが多いということがわかります。 スカイラーとの交流で、ファブ5のメンバーも成長しました。

優れたテレビ番組に送られるエミー賞。近年では、ネット配信オリジナル番組も対象となり、その躍進には目覚しいものがあります。 2018年7月12日、第70回のノミネート作品が発表され、『クィア・アイ』は最優秀リアリティショー、最優秀リアリティショー・キャストなど4部門にノミネート。オリジナル版の『Queer Eye for Straight Guy(原題)』も14年前に同賞を受賞しているだけに、今回も期待が高まりますね。 各キャストおよびクルーは、それぞれのInstagramやTwitterでよろこびのメッセージを発信しています。

英ガーディアン紙で年間ベスト番組として紹介され、Rotten Tomatoでも100％フレッシュの評価を得た『クィア・アイ』。さらに今回エミー賞にもノミネートされた本シリーズの継続を望む声は、シーズン2配信開始直後からあがっていました。 そして2018年7月13日、Netflixは『クィア・アイ』のシーズン3製作を公式に発表。 シーズン3の舞台は、ミズーリ州カンザスシティ。ここでファブ5の面々は新たにどんな依頼者と出会い、どんな出来事を経験するのでしょうか。 撮影は7月16日から開始されたようです。配信開始が楽しみですね！