2019年1月9日更新

『東京ラブストーリー』は今の若者に受け入れられたのか 90年代の恋愛観やファッションはあり?なし?

東京ラブストーリー

1990年代を代表するドラマともいわれている『東京ラブストーリー』。初回放送から27年以上が経った2018年、7回目の再放送がされましたが、現代の視聴者からの反応はさまざまでした。

伝説の恋愛月9ドラマ『東京ラブストーリー』!

1991年1月に初回放送がスタートし、日本中で一大ムーブメントを巻き起こしたドラマ『東京ラブストーリー』。鈴木保奈美演じる帰国子女の赤名リカと、織田裕二演じる会社員の永尾完治が繰り広げる恋愛模様を描いた作品で、当時弱冠23歳だった人気脚本家の坂元裕二が脚本を担当したことでも大きな話題となりました。 初回放送から27年以上経っていますが、これまで7回に渡って再放送されるなど、当時の青春を象徴するドラマとして今でも多くの人から愛されています。 一方で、本作で描かれている恋愛模様と現代の恋愛観には27年間の大きなギャップがあることから、2018年の14年ぶりの再放送時にはインターネット上で驚きの声が挙がるなど、さまざまな感想が飛び交いました。 そこで本記事では、『東京ラブストーリー』のあらすじや当時の反響を振り返りつつ、現代の若者が本作をどう受け止めたかを解説していきます。

ドラマ『東京ラブストーリー』のあらすじ

まっすぐな恋と三角関係が絡み合うラブストーリー

主人公の赤名リカは、帰国子女で自由奔放な性格。そんな彼女が働くスポーツ用品メーカー「ハートスポーツ」で同じく社員として働いている永尾完治にリカは一目惚れをし、そのまっすぐな気持ちをぶつけ始めます。 リカからの思いを知りながらも、高校時代の同級生・関口さとみへの恋心を忘れられないでいた完治でしたが、さとみと再会を果たしたことで、彼らの恋は複雑な三角関係と発展。また、同じく完治の同級生でプレイボーイの三上健一が登場したことで、事態は思わぬ方向へ進展していき……。 主人公の赤名リカと、彼女の思い人である完治を中心に巻き起こるラブストーリーです。

月9ブームの先駆け!当時の『東京ラブストーリー』の反響は?

本作は、月曜9時からの放送枠ドラマ、通称「月9」ブームの先駆けともいわれています。特に若い女性たちから高い人気を集め、ドラマを観るために早めに帰宅する人が増えたことから、放送当時は「月曜の夜になると繁華街から女性が消える」社会現象となりました。 平均視聴率は22.9パーセント、最高視聴率は32.3パーセントを記録するなど、常に高視聴率をキープし続けたことで、時代を象徴するドラマシリーズとして今もなお語り継がれています。 また本作の主題歌となった小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」は、ドラマのストーリーにマッチした歌詞が人気を集め、270万枚も売り上げるほどの大ヒット。小田のCDシングル売上で、未だ1位の記録を保っています。

再放送で浮き彫りになった時代と恋愛のギャップ

バブル時代の世相を反映したトレンディ―なストーリー展開が、放送時の視聴者の共感を呼んだ本作。当時の視聴者の懐かしいという声もある一方で、再放送で初めてドラマを観た視聴者からはギャップに驚く声が多く、様々な意見が飛び交いました。 27年以上の月日が経ち、社会の経済状況や労働環境、流行や恋愛事情なども大きく変わったことにより、人々の感覚や価値観も変化し、放送当時と同じ反応を得られなくなっているのも事実なようです。 具体的に、ドラマのどういった点が視聴者とのギャップにつながったかを見ていきましょう。

時代を感じるドラマ内のファッション

ギャップの1つとして、分かりやすいのがファッション。本作ではバブル時代を象徴するファッションや、当時を感じさせるシーンが数多く登場します。 バブル時代のファッションでまず思いつくのは、何枚にも重なった肩パッド。当時は男性も女性も洋服の内側に肩パッドを入れるのが流行で、リカも肩のシルエットが極端に強調されたジャケットを羽織っています。 またジャケットのみならず、ブラウスやセーターにも肩パッドの入ったファッションが登場するなど、当時の肩パッドブームの熱さが伺い知れます。 肩パッドの他にも、中山秀征演じるハートスポーツ社員の渡辺の、ダブルボタンのジャケットも当時を象徴するファッションのひとつです。 肩パッドのないジャケットが主流となった現代の若者にとって、これらの衣装は「昔のドラマ」の象徴の1つと言えます。

登場人物の性格にギャップを感じる視聴者も

また現代のドラマと大きく異なる点として挙げられるのは、登場人物の考え方。 本作では街中での過度な恋人同士の触れ合いのシーンが描かれるなど、現代の日本人にとってはあまり馴染みのない描写がありました。また、リカや完治をはじめ、多くのキャラクターが常に恋愛を中心に物事を考え行動するなど、「登場人物みんな浮かれすぎでは?」との声も続出しました。 バブル真っただ中の、社会的な熱狂が渦巻いていたバブル時代に誕生した本作。基本的には寡黙で保守的だとされている日本人の性格とはかけ離れた、まさしく「バブリー」な人物像が描かれていたのかもしれません。

連絡手段の進化による恋愛の変化

現代ではスマートフォンが急速に普及し、「LINE」などのメッセージアプリですぐに連絡が取ることができます。しかし1990年代は携帯電話はまだ一般的ではなく、人々は公衆電話か固定電話、もしくは手紙や駅の掲示板などで遠隔のコミュニケーションを図っていました。 そのため本作では、手紙が荷物に紛れて待ち合わせがうまくできず、すれ違いが生じてしまう場面など、今ではあまり起こらないハプニングが多く描かれています。 また、個人で所有する電話がないため、恋人や家族からの連絡が職場の固定電話にかかってきたり、そのまま仕事中に私用の通話をするシーンも多くありました。 SNSを通していつでもどこでも手軽にやり取りをし、文字でのコミュニケーションや告白などが主流の現代。インターネット上で知り合い、結婚までのすべての過程をそこで完了させてしまうことも、珍しくありません。直接の会話以上にメッセージのやり取りが重要視されるとともに、そこで恋が生まれ、発展し終わっていくことも。 1990年代と現代を比べると、連絡手段が進化し遠隔のコミュニケーションが身近になったことにより、恋愛に関するひとつひとつの考え方もより身近なものになったのではないでしょうか。

“名作ドラマ”は時代を超えられた?

バブル時代の象徴として今も語り継がれる名作『東京ラブストーリー』。現代とのギャップが大きく、共感を得にくい部分が多いものの、その違いがむしろ新鮮に思えるということで、再放送時は当時を知らなかった現代の若者を中心に、当時とは違った再ブームが起こりました。 ドラマに対しては、ひとつひとつのシチュエーションなどに関しては古めかしさを指摘するコメントが多い中で、現代の日本のドラマ作品ではあまり見られないストレートな恋愛模様に、好反応が寄せられています。 このことから、本作で描かれるリカや完治たちの恋愛は、現代の若者の間で繰り広げられる恋愛とはかけ離れたものになりつつあるものの、作品としては一定の評価を獲得していると考えられます。

名作ドラマ『東京ラブストーリー』は「共感」から「新鮮」へ

平成初期に大ブームを巻き起こし、いまだ伝説のドラマとしてその名を轟かせる『東京ラブストーリー』。 平成最後の年に7回目の再放送が行われた本作ですが、再び大きな話題となったことから時代を超えて愛される名作ドラマであること証明しました。 多くの女性たちの共感を得てきた作品は、年月を経た今、巡り巡って新しさを感じさせる作品へと進展したのでしょう。