2019年3月27日更新

『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』は本当につまらない?TWDファンが全貌を語る。

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フィアー・ザ・ウォーキング・デッド

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『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』、つまらないらしい。

人気ドラマ『ウォーキング・デッド』のスピンオフドラマ『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』。 2015年より放送が開始され、2019年2月末現在はシーズン4までが放送済みです。原案は本家と同じ、ロバート・カークマンが担当。実はアメリカでは今『ウォーキング・デッド』より視聴率が上がってきているほどの、人気ぶりをみせています。 しかし、一方で“つまらない”と言われている事も確か。では、一体何が面白くて、何がつまらないのか?『ウォーキング・デッド』筋金入りのファンが、実際のファンの声と共に紐解いていきたいと思います。

そもそも『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』とは?

本シリーズの放送開始時、『ウォーキング・デッド』はすでにシーズン6まで放送されていました。『ウォーキング・デッド』では描かれなかった、ゾンビアポカリプスが起きた時からその後のアメリカ、世界の様子が描かれるのが大きな魅力である『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』。物語は、本家のシーズン1でリックが目覚めるよりも暫く前の時系列から始まります。 さらに、舞台設定にも違いが。 両シリーズは同じアメリカが舞台となっていますが、本家はアトランタから、「フィアー」はロサンゼルスから始まります。そして、本家がワシントンD.C.を目指して旅をし、最終的にヴァージニア州に落ち着いているのと比べ、「フィアー」は移動がかなり多いです。それはアメリカに留まらず、メキシコにまで及ぶもの。そういった意味で、ゾンビアポカリプス後のアメリカ以外の国がどうなっているのかが知れるのです。 両シリーズはHuluのFOXチャンネルでアメリカの放送と同時にリアルタイム配信が毎週行われているのも、特徴の一つ。『ウォーキング・デッド』のリアルタイム配信スケジュールは前半が秋から冬(10月から12月頃)、後半が冬から春(2月から4月頃)となっています。それに対し、「フィアー」は夏から秋ごろ(シーズン5放送月不明)となっており、タイミングがずれてちょうど良い。そして「ウォーキング・デッド」ファンは一年を通して、その世界観に浸れるという素晴らしい構図になっているのです! また、シーズン1からシーズン4までの「フィアー」は2019年2月現在アマゾンプライムで視聴することができます。

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シーズン1のあらすじ:ゾンビ出現直後から、都市崩壊までの過程

ドラッグ中毒者の集う教会の跡地で生活をしていたニック。目を覚ますと、友人がゾンビになっていたのを目撃します。逃げる途中で車にひかれた彼は病院へ。 そこに、母マディソンとその恋人トラヴィス、妹のアリシアがやってきます。ゾンビの話を信じなかったマディソンたちでしたが、病院から逃げ出したニックの元には動く死体がありました。 その後、クラーク一家は街を出ようとしますがトラヴィスは自分の家族も連れていくと言って、彼らを探しにいきます。家族と再会したトラヴィスは、理容室を経営していたサラザール一家と一緒にマディソンの元へ向かいます。しかしそこで、クラーク家の周辺は州軍によって包囲されてしまいます。 そのまま、州の管理下の中で物資を配給されながら普段通りの生活を送ることができた彼ら。しかし、怪我を負っていたダニエルの妻と、ドラッグ中毒がバレたニックは医師の判断で軍の管理施設に連れていかれます。トラヴィスの元妻ライザが彼らと共に施設に行き、面倒を見ることに。 ところが、ダニエルは軍が住民を皆殺しにして撤退しようとする計画を暴いて……。

シーズン2のあらすじ:異国にも蔓延るゾンビ、家族同士の殺し合い

ストランドのクルーザー、アビゲイル号に乗った彼らは海を渡り、メキシコのバハを目指していました。しかし、道中無線で連絡を取ってきた他のグループに襲われます。トラヴィスの息子クリスは、ある出来事をきっかけに闇を深め、ついに殺人を犯します。苦難を乗り越えながらも、バハに到着した彼らを出迎えたのはストランドの恋人でした。 しかし、ダニエルがその場を焼き払ったこと、クリスがアリシアたちの命を狙おうとしたこと、ニックが母に嫌気がさしたことから、グループはバラバラに。 マディソンとアリシア、オフェリア、ストランドの4人はクルーザーがあった場所まで戻り、近くの海辺のホテルを拠点とします。トラヴィスとクリスは、若いアメリカ人の一向と遭遇。そして、たった一人メキシコをさまよっていたニックは、新しい共同体に招かれて……。

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シーズン3のあらすじ:新天地に到着、初のコミュニティが登場

バラバラになっていたメンバーが、アメリカとメキシコの国境付近にあった軍事施設で再会を果たします。しかし、施設が大量のゾンビに襲われ、逃げる最中トラヴィスとアリシア、そしてニックの恋人ルシアナの3人がマディソンたちとバラバラになってしまいます。施設を牛耳っていたトロイとジェイクのオットー兄弟の牧場に招かれたマディソンたち。のちに、アリシアらがそこに合流します。 一向は牧場でしばらく安住しますが、牧場の主は現地のネイティブ・アメリカンの集団と抗争をはじめます。マディソンが仲介に入り、二つのコミュニティが牧場の中に共存するように。しかし、水不足に陥ってしまったため、マディソンはネイティヴ・アメリカングループのリーダーと一緒に水を求めてメキシコまでいきます。 そこで、ストランドと再会。近くにあるダムを紹介されると、そこには死んだと思われたダニエルもいました。

シーズン4のあらすじ:本家と合流、特殊な時系列で語られる

シーズン3のラストから数年後。一向はテキサスの野球場を拠点とし、コミュニティを形成していました。しかし、そこに「ハゲタカ」と呼ばれる謎のコミュニティがやってきます。彼らの要求を聞かなかったマディソンたちは、そのまま襲われてしまい……。 それから暫くして、ニックたちは道端でSWATのトラックを襲撃。そこに乗っていたのは、『ウォーキング・デッド』のモーガンでした。この時、時系列は本家のシーズン8ラスト直後。救世主との戦いが終わり、ゴミ山で一人暮らすモーガン。彼を連れ戻そうと、ジーザス、キャロル、リックが訪れます。 しかし、一人になりたい彼は仲間に嫌気がさし、ゴミ山を出ていくと遠く彼方の方へ旅に出るのです。そんなモーガンが出会ったのが、ニックやアリシアたちでした。

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「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」メインキャスト紹介

マディソン・クラーク/キム・ディケンズ

クラーク家のシングルマザー。夫は事故で他界し、ニックとアリシアの二人の子供と暮らしています。高校の進路指導カウンセラーで、職場で出会ったトラヴィスと彼と交際中。優等生なアリシアと比べて、ジャンキーで家出癖のあるニックの心配ばかりをしています。シーズン1では感情的に取り乱すことが多かった彼女ですが、シーズン2では浜辺のホテルを拠点にする時大量のゾンビを自らを囮にして外に出すなど、徐々にリーダーとして頭角を現していきます。 そこで培われた冷静さと判断力、戦闘力からシーズン3では肝っ玉の座った母として、家族を守り、コミュニティと対等にやりあいます。家族を脅かす存在に対しては、殺人や犠牲も厭わない。しかし、シーズン4では子供達に普通の生活を送ってほしいという願いが強まり、落ち着いて生活できるコミュニティを作るためにも、その考えを改め「人を救う」ことにフォーカスしはじめるのです。

ニック・クラーク/フランク・ディレイン

本シリーズの主人公的な存在。ドラック中毒者で、アポカリプスが起きるまでは家を出て廃屋暮らしをしていました。しかし、精神的に少し弱いだけで根はとても優しい青年。のらりくらりと明日が見えずに戸惑って生きてきた分、アポカリプスが起きて真っ当に生きてきた周囲の人間がお先真っ暗になったことで、「みんなが俺の見える世界に追いついた」と言います。そして誰よりも先に世界に順応し、しっかりとしていくのです。 シーズン1では最初にゾンビを見つけ、周りの人間に訴えるも中毒者だからといって聞いてもらえません。しかし、ストランドに認められ彼を慕うようになります。シーズン2では、自分の命を救ったルシアナと恋愛関係に。シーズン3では自分の家族を脅かした存在であるにも関わらず、自分と同じ狂気を秘めたトロイと仲良くなります。シーズン4では今まで以上に母親との絆を深めます。

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アリシア・クラーク/アリシア・デブナム=ケアリー

ニックの妹。兄と違って優等生で、アポカリプスが起きた時に彼氏がいました。助けを求めている人を見殺しにすることに猛反対し、正義感が強い一方で、無線で知り合った男に気を許すなど無防備な一面が多かったです。シーズン1では世界の豹変を受け入れられず、トラヴィスの息子クリスと仲良くしていました。シーズン2では、無線の相手に襲われたことから人を疑う事を学び始めます。 そんな最中にクリスに襲われたことで、徐々に心が荒んでいき……。シーズン3では、アリシアの良心が折れる決定的な出来事があり、それをきっかけにシーズン4では、誰よりも攻撃的なキャラクターとなります。しかし、全シーズンを通して最も成長している人物でもあるのです。

トラヴィス・マナワ/クリフ・カーティス

マディソンの恋人。バツイチで、元妻ライザとの間にクリスという一人息子がいます。アポカリプスが起きた時、自分の家族を探しに行き、マディソンの家族を含めみんなで行動するようになります。彼の息子クリスは両親に反抗的で、ある出来事をきっかけに心の闇を深めていきます。 シーズン2でクリスがアリシアやマディソンの命を脅かしたことから、トラヴィスは彼をみんなから引き離し、二人で生きていこうとします。トラヴィスは本家のリックのような立ち位置で、人の良い男でしたが裏切りを経て段々変わっていきます。また、マオリの血を引いているため戦闘力が圧倒的に強く、温和な性格とは裏腹に人を殴り殺す一面も。

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ダニエル・サラザール/ルーベン・ブラデス

トラヴィスが家族を救いに行った時に、街が暴徒で溢れる中匿ってくれたヒスパニック系の理容室の店主。娘オフェリアと一緒に、マディソン一行と行動を共にするように。あまり他人を信用せず、家族の安全のみ考える一面が強いです。そして、以前秘密工作員として暗躍していたことから、圧倒的な暗殺スキルを持っています。 シーズン1ではオフェリアと恋仲になった軍兵を拷問し、怪我をして連れて行かれた妻の居場所を吐かせます。シーズン2でもかなり頼もしい存在でしたが、後半から秘密工作員時代のPTSDが強くなり、精神が不安定な状態に。

ヴィクター・ストランド/コルマン・ドミンゴ

ニックが連れて行かれた州軍基地で、同じ檻に入れられていた謎の金持ちの男。億万長者と自称し、マディソン一行を自分の家に連れていき、自家用クルーズ船に乗せてメキシコへと向かいます。しかし、彼は本当は破産した身で、クルーズ船や彼の富は恋人のものだった。シーズン1では、どんな状況でも常に冷静で飄々とした態度でした。シーズン2では、他者にを救おうとせず警戒ばかりしていました。 しかし、後半で恋人と再会してから少し人間らしさを見せます。また、マディソンとの友情を深めました。シーズン3では、再びその狡猾さが仇となる場面も。シーズン4では、何度も人を裏切る自分を信じ続けてくれるマディソンや、その子供達に心を開き、彼らを家族のように大事にし始めるのです。

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『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』がつまらないと言われる所以

まず、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』がつまらないと言われている大きな理由は二つあります。一つは、本家の二番煎じの域を出ないということ。 そしてもう一つは、キャラクターにあります。 本家のキャラクターはリックやダリル、ミショーンと言った印象深い人物たちが登場してきます。しかし、「フィアー」のキャラクターは一般的な家族が中心。また、主要キャラクターもあっけなく死んでしまったり、本家と比べてそこまで思入れ深く感情移入がしにくいかもしれません。 しかし、むしろ一般的な家族を描くからこその魅力があるのです。

「ウォーキング・デッド」と違って、ここが魅力!

家族で構成されたグループだから描かれる深み

『ウォーキング・デッド』の主要メンバーで構成されたグループは皆、赤の他人でした。もちろん、リックの家族やディクソン兄弟、キャロルと娘など最初は家族がその中に散らばっていましたが、ほとんど最初の段階でばらけてしまいます。というより、本シリーズでは「見ず知らずの他人と、こんな退廃とした世の中で家族になること」に重きが置かれているのです。 それに対し、「フィアー」は最初から最後まで血の繋がった本当の家族がグループとなって行動します。そのため、例えば親側は、アポカリプス後の世界だろうと子供を立派に育てたいという悩みを抱えています。子供側も、普段のように親に反抗するも、徐々に彼らが命がけで自分たちを守っていることに気づいていくのです。 しかし、これらって全て日常で起きている事と何ら代わりがない。親はゾンビがいようといなかろうと、常に子供を命がけで守っている。この、特別さのない構図だからこそ、我々視聴者は理解しやすく、『ウォーキング・デッド』以上に家族の絆というものを本シリーズで触れることができるのです。

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展開が早く、場所がコンスタンスに変わるので飽きない

また、本シリーズは先述のあらすじからもわかるように、登場人物たちが常に移動しています。『ウォーキング・デッド』は牧場や刑務所、アレクサンドリアと安全な土地を見つけるとそこに住み着く傾向があります。しかし、「フィアー」はほとんど住み着く暇もなく(まあ、誰かが何らかの問題をすぐに起こして安住の地をしらみつぶしにしていっているだけなのですが)、コンスタントに移動を続けるのです。 しかも、移動距離もロスからメキシコ、テキサス、ミシシッピとアメリカ全土に渡って広範囲!それと合間ってか、展開も早く、『ウォーキング・デッド』が中だるみしていた分、非常に新鮮に感じることができるのです。

「フィアー」のFear(恐怖)は、最初から人間に対するもの

『ウォーキング・デッド』は、前半はゾンビの脅威を描いていましたが後半は略奪する人間同士、つまり“人間の恐怖”がテーマになってきました。しかし、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』はシーズン1からすでに人間の恐怖を描いているのです。というのも、アポカリプスが起きた時、ゾンビよりも警察が機能しなくなった事によって暴徒化した人々の方が印象深く描かれていたからです。 そして、クラーク家の近郊一帯が州軍によって安全を約束されていた時も、住人に決定権はありませんでした。むしろ彼らはフェンスで囲われて、軍に管理されていたのです。しかし、クラーク以外の住民はそれに感謝をし、何の疑問もなく過ごしていました。本当の恐怖はフェンスに囲まれているという事実であり、軍から何も知らされずに生活を送らせられることにあるのです。

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シーズン4は失速?カオスな展開になりつつも、新キャラは魅力的

しかし、そんな「フィアー」もシーズン4になって毛色が変わったように思います。それはモーガンが合流したから、というのもありますが大きくは主要メンバーの死が立て続けに起こったことにあります。『ウォーキング・デッド』も、アトランタ5と言われる最初からのメンバーが今ではダリルとキャロルのみという状態ですが、「フィアー」はシーズン4の時点でその状態なので、少し早いと感じるのです。 ただ、先述のつまらないと言われる理由に見受けられていた、キャラクター性の弱さは改善されているようにも思いました。シーズン4からはガンマンのジョンを始め、何人の新キャラが登場。彼らがすごく個性的で、いい味を出しているんです。 シーズン4のラストでは、モーガンを中心に共同体を作るという事になりました。今後の展開は、移動ばかりだった今までに対して定住型、『ウォーキング・デッド』寄りになるのかもしれません。

「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」シーズン5は4月から?

さて、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』は2019年にシーズン5が放送されます。シーズン4からモーガンが合流したことで見所が増えた本シリーズですが、なんとシーズン5には『ウォーキング・デッド』シーズン8で妻を探すたびに出たドワイトが登場するとのこと! 時系列も合流し、より本家に近づいた『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』。シーズン5は4月頃リアルタイム放送開始予定となっています。