2019年7月9日更新

「このすば」シリーズをアニメから新作映画まで徹底解説!【この素晴らしい世界に祝福を!】

このページにはプロモーションが含まれています

2016年のライトノベル原作、異世界ものアニメブームを牽引したと言っても過言ではない、「このすば」こと『この素晴らしい世界に祝福を!』。 主人公がひょんなことから異世界へ転生し、運勢の良さだけが取り柄の冒険者として、残念な美女たちとドタバタ珍道中を繰り広げます。シリアス要素はほどほどに、下ネタやブラックジョークを交えたコメディ&ギャグ路線を貫いたことで人気を得た作品です。 原作のライトノベル小説はシリーズ累計発行部数は850万部(2019年3月時点)を突破しました。 この記事では「このすば」シリーズを振り返りつつ、新作映画のあらすじも紹介し、キャラクターの魅力などをまるっと紹介します! 小説の既刊情報等については、2019年7月現在のものになりますのでご注意ください。

AD

アニメ「このすば」シリーズの概要 時系列と観る順番

アニメ「このすば」シリーズは、その前身とも言えるドラマCDが2015年に発売されており、こちらは全く違う声優陣が出演しました。 キャストを一新し、2016年1月から3月にかけてTVアニメがTOKYO MXほかで放送され、最終回終了直後に2期制作決定が発表。翌年1月から3月までアニメ2期が放送され、2019年8月30日にはシリーズ初の劇場版「紅伝説」が公開予定です。 キャラクター原案に原作イラスト担当の三嶋くろねを迎え、監督は『これはゾンビですか?』の金崎貴臣、制作は「スタジオディーン」が担当。劇場版でも監督やキャストは続投しますが、制作は「J.C.STAFF」に変更されました。 原作のコミカライズ、スピンオフ小説やアンソロジーなどメディアミックス展開されているのも、高い人気を得る要因の一つに。ゲームは複数制作され、ADVゲーム「〜この欲深いゲームに審判を!~」などのコンピュータゲームだけでなく、テーブルトークRPGや「リアル謎解きゲーム」とのコラボレーションも果たしました。

「このすば」シリーズを時系列で観るときの順番は?

ちなみに、アニメ「このすば」の各作品を時系列で並べると以下の通りになります。 ■アニメ1期『この素晴らしい世界に祝福を!』【2016年】 ■アニメ2期『この素晴らしい世界に祝福を!2』【2017年】 ■OVA第1弾『この素晴らしいチョーカーに祝福を!』(1期11話)【テレビ放送:2019年】 ■OVA第2弾『この素晴らしい芸術に祝福を!』(2期11話)【テレビ放送:2019年】 ■映画『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』【2019年公開】 OVA第1弾はアニメ1期11話の扱いですが、2期序盤のジャイアントトード戦では、登場済みのはずのゆんゆんがカズマと初対面のていで描かれました。本編の内容と時系列が前後するのは、もともとOVAが原作読者向けの特典だったからです。 しかし、OVAは本編と直接リンクしているとは限らないようなので、ゆんゆん登場後であればいつ観ても問題ないかもしれません。 2019年公開の映画「紅伝説」は、原作第5巻の映画化と噂されているため、アニメシリーズ、OVAを観た状態で鑑賞することをおすすめします。

AD

原作小説とシリーズの世界観について

原作ライトノベルは「なろう系」小説のリメイクだった!

原作ラノベ『この素晴らしい世界に祝福を!』の原型は、小説投稿サイト「小説家になろう」にて、「自宅警備兵」名義で投稿されたWeb小説。サイト上で完結後、2013年12月10日をもって同名義の投稿は削除され、2019年現在は確認できません。 Web版のリメイクの位置づけで、2013年に角川スニーカー文庫より書籍化され、作者名も「暁なつめ」に変更されました。リメイクの際に、ストーリー上の展開や設定が大きく変更された一方で、根本的な要素に違いはありません。 既刊は本編15巻、スピンオフ6巻、公式外伝4巻で計25巻。アニメ1期は本編第1巻から第2巻、2期は第3巻から第4巻が原作となっています。

「このすば」シリーズはRPGゲームのような世界観!?

シリーズの世界観は、まさに正統派RPGゲーム!魔法が実在し、モンスターを倒して経験値を得るごとに強くなるシステムは、ゲーム好きにはお馴染みですね。 異世界自体の名称は不明ですが、中世ヨーロッパに類似した文明が発達しており、地球の常識ではありえない現象も頻発します。天国・地獄が存在し、「魔王軍」やモンスターの脅威に晒される人々にとっては、”死”が身近な世界と言えるでしょう。 再転生するのを拒む者も増加し、世界の崩壊を食い止めるための手段として、カズマのような形で他の世界の人間を招き始めました。 この世界では、害をなすモノを討伐して一攫千金を狙う人を「冒険者」と呼び、職業(クラス)が冒険者でなくとも、役割上は冒険者に。ギルドに登録すれば誰でも「冒険者」になれ、ステータスの上昇により「クラスチェンジ(アップ)」が可能です。

AD

アニメ1期『この素晴らしい世界に祝福を!』(2016年)のあらすじ

ゲームを何より愛し、引きこもりニート人生を謳歌していた佐藤和真(カズマ)。交通事故(?)で命を落とした彼は、女神アクアを道ずれに、異世界に転生しました。 冒険者の街「アクセルの街」へ降り立ち、憧れの冒険者生活に胸を踊らせたのも束の間、生活費の工面という問題に直面します。カズマは通称「駄女神」のアクア、中二病の魔法使いめぐみん、変態ドMの女騎士ダクネスと美女ぞろいで能力も高いのに、それを上回る残念っぷりを発揮する3人を仲間に加え、クエストをこなして日銭を稼ぐことに! 膨らむ借金!魔王軍とのトラブル!機動要塞から街を救ったはずがまさかの展開に?受難続きの異世界生活は、一体どうなるのでしょうか!?

アニメ2期『この素晴らしい世界に祝福を!2』(2017年)のあらすじ

国家転覆罪の疑いをかけられ、揉めにもめて死刑寸前に追い込まれたカズマ。貴族令嬢のダクネスのおかげで釈放されるも、紅魔族の少女ゆんゆんがめぐみんに決闘を挑んできたり、ダクネスに見合い話が舞い込んだりと波乱続きでした。 借金と賠償金に苦しむカズマですが、魔王軍幹部バニルを倒した際の報酬で借金を返済。戦いの疲れを癒やすため、水と温泉の都「アルカンレティア」へ向かいます。 アルカンレティアはアクシズ教団の総本山で、ご神体であるアクアは温泉が汚染されていると気付き正体を明かすも、人々は信じようとしません。魔王軍の手先だと疑われ、何とかその場から逃げ出したカズマらは、山の源泉に毒を流していた幹部ハンスと対峙するのです!

AD

映画『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』(2019年)のあらすじ

億単位の借金を背負ったり、国家転覆罪の容疑をかけられ裁判沙汰になったりと、多くの困難を乗り越えてきたカズマに最大のピンチ到来!? ある日、めぐみんのライバルであり、紅魔族(こうまぞく)族長の娘であるゆんゆんがカズマたちに助けを求めてやって来ます。何やら切羽詰まった様子の彼女は、「私、カズマさんの子供が欲しい!」と爆弾発言をかまし、カズマらパーティを凍りつかせました。 事情を聞いてみると、紅魔族たちが住む「紅魔の里」が、 滅亡の危機にあると言うのです!生まれ故郷を救おうとするゆんゆんを追い、みんなで里に向かいますが……!? アニメ2期の続き、原作第5巻「爆裂紅魔にレッツ&ゴー!!」の映画化になるようです。

素晴らしくも”残念過ぎる”キャラクター・声優を紹介

「このすば」はこれまでのヒーロー、ヒロイン像をぶち壊してくれるメインキャラが登場し、これ以上ないほどに曲者ぞろい!前述のように、”残念過ぎる”彼らの声優陣はアニメとドラマCDとで違うため、「cv.(アニメ版)・(ドラマCD版)」で表記します。

カズマ/cv.福島潤・逢坂良太

主人公・カズマは地球からの転生者で、職業は「冒険者」。スケベかつ腹黒い部分が目立ちますが、仲間が持ち込む困難と借金で首が回らない、苦労人の一面も。最終的には仲間を見捨てられないお人好しなので、パーティからは信頼されています。 そんなカズマを演じるのは、『弱虫ペダル』鳴子章吉役でブレイクし、「このすば」で初めてTVアニメの主人公に抜擢された福島潤。 ドラマCDでは、『ダイヤのA』沢村栄純役などで知られる逢坂良太が演じました。

AD

アクア/cv.雨宮天・福原香織

アクアは水を司る女神で、アクシズ教のご神体。職業「アークプリースト」。死者の案内人でしたが、死因を侮辱され激怒したカズマの道連れに、地上へやって来ました。わがままかつ、ものぐさな性格をいかんなく発揮し、多額の借金や裁判沙汰の原因に……。 作中最大のトラブルメーカーを演じるのは、大人しい役やクールな役を演じることが多く、異色のキャスティングとなった雨宮天。 ドラマCDでは、『らき☆すた』柊つかさ役などで有名な福原香織が演じました。

めぐみん/cv.高橋李依・内田真礼

めぐみんは高い魔力と知性を持つ「紅魔族」の少女で、職業「アークウィザード」です。人類最強の攻撃魔法「爆裂魔法」の使い手ですが、その正体は「中二病」患者。折り合いが悪かったカズマとは、冒険の中で信頼関係が芽生え、それ以上の感情も……。 めぐみんを演じた高橋李依は、2016年にプリキュア声優のひとりに名を連ね、声優ユニット「イヤホンズ」でも活躍する注目の若手です。 ドラマCDでは、声優の枠を超え多方面で活躍する女優、歌手の内田真礼が演じました。

ダクネス/cv.茅野愛衣・井上麻里奈

ダクネスは金髪碧眼、豊満なボディを持ち、鉄壁の守りを誇る「クルセイダー」です。これは「ナイト」の上級職で、ステータス面でも優れたクール系の美女。と言うのは第一印象の話で、本当は攻撃されることに快感を覚えるドMであり、カズマさえも「手遅れ」と称しました。 作中一、二を争う変態を演じるのは、『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のヒロイン・本間芽衣子(めんま)役でブレイクした茅野愛衣。 ドラマCDでは、『進撃の巨人』アルミン役などで知られる井上麻里奈が演じました。

AD

ウィズ/cv.堀江由衣・早見沙織

ウィズは凄腕のアークウィザードとして名を馳せた元冒険者で、二つ名は「氷の魔女」。現在は魔道具屋の店主ですが、その正体は魔王軍の幹部、アンデッドの王「リッチー」です。本人の善良な性格や役割から危険性がないと判断され、カズマらに見逃されました。 最強の呼び声高いリッチーを演じる堀江由衣は、ほんわりと可愛らしい声質で多くのメインヒロインを演じ、第一線で活躍を続ける人気声優です。 ドラマCDでは、こちらも柔らかく、透明感のある声質が特徴の早見沙織が演じました。

「このすば」スピンオフ小説シリーズではめぐみんが大活躍!

「このすば」のスピンオフ小説は、スニーカー文庫公式サイト「ザ・スニーカーWEB」上で公開中で、描き下ろしを加えた書籍も随時刊行中! スピンオフ第1弾『この素晴らしい世界に爆焔を!』(全3巻)、第3弾『続・この素晴らしい世界に爆焔を!』(既刊1巻)では、めぐみんが主役に。第1弾はカズマが転生する一年前、めぐみんが紅魔の里で勉学に励んでいた頃。第3弾では銀髪盗賊団に憧れて盗賊団を結成するという、第8巻と第9巻の幕間が描かれました。 魔王軍の幹部バニルが主人公の第2弾『この仮面の悪魔に相談を!』(全1巻)のほか、チンピラ冒険者ダスト視点から描く、『この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!』(既刊4巻)も展開されています。 通称「愚か者」シリーズの著者は暁なつめと同じなろう出身作家の昼熊、イラストも憂姫はぐれが担当するため、”公式外伝”の扱いになりました。

AD

アニメ3期を熱望する声も!「このすば」シリーズの今後に注目

2019年8月に劇場版「紅伝説」の公開が決定し、多岐にわたるメディアミックス展開など、さらに勢いに乗るアニメ「このすば」シリーズ。 破天荒すぎるキャラクター、それと裏腹に緻密に練られた世界観はアニメファンを魅了し、3期を期待する声も多く聞こえてきますね。3期制作を願いつつ、劇場公開に備えて原作ラノベ、TVアニメシリーズなどで過去のストーリーを復習しておきましょう!