2019年7月26日更新

金城一紀脚本ドラマ一覧!SP、BORDER、CRISIS!

小栗旬『border』

半自伝小説『GO』で直木賞を受賞した金城一紀。窪塚洋介主演で映画化された同作品は国内の映画賞を総なめにしました。今回は映像化されている金城作品の中から自身が脚本も手掛けたテレビドラマを紹介します。

直木賞作家金城一紀脚本ドラマを紹介!

金城一紀(かねしろ・かずき)は1968年10月29日生まれ、埼玉県出身の小説家・脚本家です。朝鮮籍から韓国籍を経て日本に帰化しました。中学校までは民族学校に通い、高校から日本の学校へ。 さまざまなジャンルの本を読む日々の中で大学1年の時に小説家を志します。しかし執筆にはまだ早いと判断した金城は卒業後の数年間までにたくさんの作品を見て勉強しました。 1998年『レヴォリューションNO.3』で小説現代新人賞を、また2000年には半自伝小説『GO』で直木賞を受賞。その後もコンスタントに作品を生み続け、その多くが映像化されています。これからの活躍がますます期待される小説家・脚本家です。

1.『SP 警視庁警備部警護課第四係』

2007年フジテレビ系「土曜ドラマ」枠にて放送された刑事ドラマです。主演はV6の岡田准一。 「SP(エスピー)」とは、Security Police(要人警護官)の略で1975年に国政に関わる国内外のVIPを警護するため創設されました。手本はアメリカのシークレット・サービス。 日本の安全神話が大いに脅かされている近年、SPが担う役割も多様で重要なものになってきました。そんな中、警護課員が実験的に増員されることに。そこへ新たな任務のために配属されたのが本作の主人公・井上薫(岡田准一)です。 井上は警護課第4係 機動警護班隊員の巡査部長。特殊な能力を持ち合わせるニュータイプのSPです。幼い頃に両親がテロに巻き込まれ亡くなり、その悲惨な現場に居合わせるという衝撃的な体験を経たことで五感が鋭くなり「フォトグラフィック・メモリー」や「トラッキング」といった能力が備わるようになりました。井上にとってSPとしてテロを未然に防ぐ現場に立つという事は、自身のトラウマと向き合い闘う場でもあるのです。 そんな井上の能力に否定的な評価をする隊員が多く居る中で、上司の尾形総一郎(堤真一)や同僚の笹本絵里(真木よう子)はいち早く彼の能力を認め、評価している。 これがのちに映画、スペシャルドラマへと続く「SP」シリーズの幕開けです。

直木賞作家が初めて書き下ろしたテレビドラマ!

この作品は小説家である金城一紀が初めてテレビドラマの原案・脚本を手掛けた書き下ろし作品です。激しいアクションシーンも印象的な本作ですが、フジテレビの連続ドラマ初主演となる岡田准一は企画段階から参加し、出演が正式決定する1年以上も前から役作りのためスポーツジムへと通い、体づくりを行なっていたという。 また総監督に「踊る大捜査線」シリーズの本広克行を迎え、共演は堤真一、ヒロインには真木よう子がキャスティングされました。ちなみに金城×岡田×堤のタッグは映画『フライ,ダディ,フライ』以来2度目です。

2.『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』

2014年にテレビ朝日で放送された刑事ドラマです。主演は小栗旬。これは金城一紀原案によるメディアミックスプロジェクトの一環で、テーマや主要人物の基礎設定はそのままに、メディア毎にそれぞれ別の作家が異なる物語を展開していきます。本作はそのテレビドラマ版。 主人公の石川安吾(小栗旬)は、警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係第一班に所属する刑事です。ある事件により頭に銃撃を受け、一時は生死をさまよったが奇跡的に一命は取り留めました。しかし脳には弾丸が残ったまま。そしてこの銃撃事件以降、死者と交信するという特殊な能力を手にします。 3年来のコンビ・立花雄馬(青木崇高)や独自の観察眼と推理力が冴えわたる警視庁刑事部・特別検視官の比嘉ミカ(波瑠)らとともに、その能力によって見えてくる「真実」と「事実」のギャップや「正義」と「法律」、「生」と「死」などと様々な境界線に直面しながらも事件解決へと奔走する。 主人公・石川安吾のキャラクターは、構想段階から小栗旬をイメージして作られました。ドラマ版と共に漫画版や小説版も合わせて読み比べてみるとより面白さが倍増するのではないでしょうか。

3.『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』

2017年にフジテレビ系にて放送された刑事ドラマです。主演は小栗旬。脚本兼原案は金城一紀。 主人公の稲見朗(小栗旬)は、警視庁公安部の公安機動捜査隊特捜班に所属する巡査部長です。稲見が所属している特捜班とは国家を揺るがしかねない規格外の事件に立ち向かうスペシャリスト集団で、相手は主にテロリストや政治家、軍事スパイなど想像を超える脅威ばかり。 また稲見と同じ特捜班に所属するのはストイックで真面目な田丸三郎(西島秀俊)、捜班班長で取り調べの名手である吉永三成(田中哲司)、匂いが色分けされて見える「共感覚」という能力を持つ樫井勇輔(野間口徹)、そしてサイバー情報分析のスペシャリスト・大山玲(新木優子)など、各方面から集められた規格外のメンバーたち。彼らとともに善と悪が入り乱れる緊迫した現場へと挑みます。

4.『奥様は、取り扱い注意』

2017年日本テレビ系「水曜ドラマ」枠にて放送された笑いありアクションありのエンターテインメント・ドラマです。主演は綾瀬はるか。原案・脚本・アクション監修を金城一紀が担当しました。 主人公の伊佐山菜美(綾瀬はるか)は、ひとも羨むちょっぴりセレブな専業主婦。合コンで知り合い一目ぼれしたIT企業の経営者・勇輝(西島秀俊)と結婚しました。 天涯孤独で愛情も知らずスリリングに生きてきた菜美は、波乱万丈な過去を捨て夢にまで見たあたたかい家庭を手に入れます。しかし新婚生活が半年を迎えるころには、普通過ぎる家庭生活に幸せながらも物足りなさを感じ始めました。 そんな中、幸せそうに見える隣人の主婦たちもまたそれぞれに悩みを抱えて生きていることに気付くのです。そして彼女には夫にも内緒にしている過去がある。果たして菜美の秘密とは? これは一生懸命に生きる全ての女性たちに向けた「愛」と「勇気」のエールです!

豪華な出演者たち

本作はヒロインを演じた綾瀬はるか以外にも豪華なキャスティングが実現!隣人の主婦役に広末涼子と本田翼、菜美の夫役に西島秀俊、そして怪しい男を玉山鉄二が演じました。日常生活に潜む様々なトラブルを世の中のルールお構いなしに突入していく菜美の奇想天外な物語をご堪能ください。

5.『dele』

2018年テレビ朝日系金曜ナイトドラマ枠にて放送。山田孝之と菅田将暉をダブル主演に迎え、近年もっともタイムリーな「デジタル遺品」というテーマを日本で初めて題材にした作品です。 主人公の坂上圭司(山田孝之)と真柴祐太郎(菅田将暉)はクライアントからの依頼を受け、死後に不都合なデジタル遺品を全て抹消することを生業としています。任務を内密に遂行しようとする2人ですが、そのたびに様々な問題へと巻き込まれる羽目に。そこから浮かび上がってくるクライアントの人生と隠された真実とは? 本作の原案・脚本を手掛けたのはベストセラー作家・本多孝好。そしてこの作品は本多の原案を元に複数の脚本家との競作が特徴的で、本多とともに各話の脚本を担当するのは金城一紀、瀧本智行、青島武、徳永富彦、渡辺雄介といった錚々たる顔ぶれが大集結しました。 また金城は脚本以外にアクション監修を務め、瀧本もまた常廣丈太とともに監督としてメガホンを取ります。

金城と本多孝好は同級生!

実は金城一紀と本作の原案・脚本を担当した本多孝好は大学時代の同級生です。元々読書は好きで江戸川乱歩や赤川次郎、半村良を好み大学生の頃には村上春樹や村上龍に夢中だった本多。 しかし当初目指していたのは作家ではなく弁護士。そんな本多が作家を志すきっかけとなったのが大学4年生の時に同じ学部だった金城から依頼された卒業文集用の小説の執筆でした。同級生だった2人の作家がドラマ『dele』を通してどのようなコラボレーションを見せてくれるのか、そんな視点からも注目してみてください。

小説家、脚本家と多方面で活躍する金城一紀。次は一体どんな物語で読者、そして視聴者を魅了してくれるのでしょうか。新作が待たれます。