2021年3月31日更新

インパクトとは結局なんなのか?「シン・エヴァ」での発生や種類・条件についても徹底解説!

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エヴァ インパクト

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“インパクト”が意味するものとは?「シン・エヴァ」での発生についても解説【ネタバレ注意】

『新世紀エヴァンゲリオン』から始まった「エヴァンゲリオン」シリーズには様々な「エヴァ用語」が登場しますが、その中でも重要かつ難解なものが「インパクト」です。ファーストからフォース、そしてアディショナルまであり、それぞれ発生の条件も異なります。 特にアディショナルインパクトは、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で初登場した重要な用語。テレビアニメ版から旧劇場版、新劇場版とシリーズが続くにつれ、難解さも増しているようです。 そこでこの記事では「インパクト」の全種類を紹介し、登場した作品や発生条件、そして起こるとどうなるかなど、詳しく解説していきます。「インパクト」が意味するものとは、結局何なんでしょうか? ※本記事は、テレビアニメ版・旧劇場版・新劇場版の「エヴァンゲリオン」シリーズに関する重要なネタバレを含みます。未鑑賞の人はご注意ください。

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“インパクト”は全部で何種類ある?

ファーストインパクト

ファーストインパクトとは、「エヴァンゲリオン」シリーズの世界観の中で「人類発祥の起源」とされている最初の隕石衝突のこと。地球に落ちてきたのは、人類の生みの親となる第2使徒「リリス」の卵である「黒き月」です。

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セカンドインパクト

ファーストインパクトに次ぐ隕石衝突による衝撃と、それによって起こった世界的な大災害。ただし、ゼーレによってその真の原因は隠されていました。またテレビアニメ版・旧劇場版と新劇場版とでは、設定に違いがあります。

サードインパクト

NERVがエヴァで使徒を殲滅しようとしているのは、人類が滅亡するというサードインパクトを起こさないためです。旧劇場版で起きたサードインパクトと違い、新劇場版ではニアサードインパクトとサードインパクトの2種類が登場します。

フォースインパクト

フォースインパクトは新劇場版「Q」のクライマックスで起こったもので、サードまでと違って新劇場版のみに登場します。カヲルとシンジが乗る13号機が覚醒したことによって、ガフの扉が開いて発生したインパクトです。

アディショナルインパクト【シン・エヴァ】

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では、アナザーインパクトとアディショナルインパクトという新しい言葉が登場。アナザーインパクトはこれまでとは“別の”ものであり、アディショナルインパクトは“世界を書き換える”ものです。

ファーストインパクトとは?【考察】

エヴァの世界観の始まりは、旧約聖書に書かれている人類誕生の起源「アダムとエバ」が元になっています。まず先に地球に落ちてきたのは、大質量隕石からはじけ飛んだ「白き月」で、南極大陸に衝突しました。その後で「黒き月」が落下し、これをファーストインパクトといいます。 「白き月」には第1使徒「アダム」と「裏死海文書」が含まれており、アダムは第3使徒から第17使徒までの生命体を生みました。そしてリリスは第18使徒である人類「リリン」を誕生させます。 「黒き月」が落下した地点は、後に第3新東京市となる箱根。ゼーレは発掘した「裏死海文書」に書かれた使徒襲来に備え、エヴァンゲリオンを開発製造し、第3新東京市を「使徒迎撃専用要塞都市」として建設したのです。

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セカンドインパクトとは?【アニメ版・新劇場版の違いも】

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』惣流アスカ、碇シンジ、綾波レイ
©ADV Films/Photofest/Zetaimage

セカンドインパクトが登場したのは?

セカンドインパクトは、テレビアニメ版・旧劇場版、新劇場版ともに登場する物語の肝となる現象です。もちろん漫画版にも登場し、「エヴァンゲリオン」シリーズではどの作品もセカンドインパクト後の世界から始まっています。

セカンドインパクトによってなにが起こった?

2000年に南極大陸に極小の隕石が光速のスピードで落下し、洪水や津波、地殻変動や火山噴火など世界規模の大災害を引き起こしたのが、セカンドインパクトです。 これによって出た死者数は、初期で南半球の約20億人。さらにその後世界中に広がった紛争によって、世界人口の半数が犠牲に。東京には新型爆弾が投下されて50万人が死亡し、2003年に長野県松本市に第2新東京市、2005年に神奈川県箱根に第3新東京市が建設されました。 2001年には臨時休戦条約が締結され、世界的な紛争には決着がつきます。しかしこの災害によって南極大陸は消滅し、海面上昇で沿岸都市の多くは海中に沈みました。また地軸の変動で日本には四季がなくなって、常に夏の気候となっています。

セカンドインパクトの真の原因は?

国際連合が公式発表したのは上記のような原因でしたが、実はそれはゼーレによる情報操作であり、NERV職員などには南極で発見された第1使徒「アダム」調査中の謎の大爆発が原因と説明されていました。 ところがそれさえも偽の情報であり、真の原因は葛城調査隊を利用したゼーレと碇ゲンドウによる人為的なものだったのです。葛城調査隊はアダムの調査に加え、S2機関の始動実験も計画していました。 そこでアダムが覚醒し、ロンギヌスの槍で再封印するも失敗。その時に発生したエネルギーによってセカンドインパクトが起きたのです。 ゼーレは他の使徒が覚醒する前に、ロンギヌスの槍を使ってアダムを卵までに戻そうとしていましたが、結果的にアダムは大爆発でバラバラになって退化してしまいました。

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新劇場版でのセカンドインパクト

新劇場版では、単に15年前にセカンドインパクトが起こり、人類の半数が死滅したとだけ説明されています。旧劇場版のように起きた年や具体的に世界に何が起こったのかは、明らかにされていません。 大きな違いは、世界中の海が赤くなって海洋生物はほぼ絶滅しており、セカンドインパクト後に生まれたシンジたちが海の生物を知らないということ。さらにセカンドインパクト自体の描写も変更され、黒い球体と4体の光の巨人が数本の槍とともに描かれていました。

サードインパクトとは?【二アサードも解説】

エヴァ インパクト

サードインパクトが登場したのは?

サードインパクトは旧劇場版と新劇場版で登場し、新劇場版ではサードインパクトの引き金となるニアサードインパクトも発生しています。 旧劇場版では神に等しい存在となった初号機が量産機9体とセフィロトの樹を完成させ、ロンギヌスの槍で自らを貫いてサードインパクトを引き起こしました。 新劇場版では覚醒した初号機がニアサードインパクトを起こし、自律型に改造されたMark.06がその続きとなるサードインパクトを発生させたようです。

サードインパクトが起こるとどうなる?

エヴァの世界では、サードインパクトが起こると人類が滅亡するという「裏死海文書」の予言があります。それに基づいて行動しているのがゼーレであり、ゼーレを利用して自分の願いを達成しようとしているのがNERV総司令官のゲンドウです。 旧劇場版ではサードインパクトが起こると全人類がL.C.L.の液状化で一体となり、魂は「ガフの部屋」に回帰していきました。これが「人類補完計画」の実態です。 一方、新劇場版では、まずニアサーによって多くの人々が死に絶え、人類はインフィニティ化しました。しかしそれが途中で停止されたため、ドグマ周辺に漂う「インフィニティのなりそこない」が「Q」に登場しています。 さらに続きのサードインパクトでは、「大地の浄化」がなされたと「シン・エヴァ」で言及されました。確かに「シン・エヴァ」では大地は海に続き、赤く変色しています。

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サードインパクト発生の条件は?

旧劇場版・新劇場版の共通したサードインパクト発生条件は、使徒がアダムかリリスと「融合」すること。ゼーレやゲンドウはそれを人工的に起こそうとしており、そのためにエヴァを神に近い存在に覚醒させ、自らをロンギヌスの槍で貫くことを目論んでいます。 「Q」の予告では「ドグマへと投下されるエヴァ6号機」という文言があります。ニアサードインパクトが強制停止された後、ゲンドウはMark.06を自律型に改造し、サードインパクトを起こすためにセントラルドグマへ投下したと考えられます。 Mark.06はリリスに刺さっていたロンギヌスの槍を抜き、それでリリスの首を切って人類のインフィニティ化を止め、リリスと自身をロンギヌスの槍で貫いてサードインパクトを起こしたのではないでしょうか。

ニアサードインパクトとの関係は?

サードインパクトはニアサードインパクトの続きであり、実際に起こったのが新劇場版「破」と「Q」の間の14年間であると考えられます。この14年間については「Q」にも詳しい描写はないため、「Q」の予告で語られた内容と、「シン・エヴァ」で言及された部分でしか推察できません。 ニアサードインパクトは「破」のラストで、シンジが乗る初号機が覚醒したため引き起こされましたが、カヲルが乗るMark.06がカシウスの槍を刺したことで強制停止されました。 そして「シン・エヴァ」では、ゲンドウが起こしたサードインパクトを止めたのが、加持リョウジであることが明らかになりました。どのように止めたのか詳しい言及はありませんでしたが、自らを犠牲にして止めたようです。

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フォースインパクトとは?

エヴァ インパクト

フォースインパクトが登場したのは?

フォースインパクトは、新劇場版「Q」のみに登場。「Q」でカヲルとシンジが乗る13号機が引き起こしたフォースインパクトは、カヲルとマリの活躍で途中停止することができました。 「シン・エヴァ」で、フォースインパクトは「魂の浄化」を目的としていたことが明かされています。

フォースインパクト発生の条件は?

フォースインパクトの発生条件は、シンジがリリスに刺さっている2本の槍を抜くことで、Mark.06の中にいた第12の使徒が活動を再開して13号機を取り込み、13号機が「疑似シン化形態」となり覚醒することでした。 その結果、ガフの扉が開いてフォースインパクトが始まりました。 また、13号機はマリ曰く「アダムスの生き残り」であり、ゲンドウの思惑によって第1から第13の使徒へ落されたカヲルがアダムスたる13号機にエントリーした時点で、彼がフォースインパクトのトリガーとなったと、カヲル自身が語っていました。

フォースインパクトはなぜ止まった?

カヲルの誤算はリリスに刺さる槍がロンギヌスとカシウスであると考えていたことでしたが、実際には同じ槍が2本刺さっていました。 それを悟ったカヲルは、2本の槍を13号機に刺し、シンジから引き受けたDSSチョーカーで自分が爆死することでフォースインパクトを止めようとしたのです。 しかしそれでもガフの扉は閉じず、フォースインパクトは止まりませんでした。最終的にはマリがシンジを強制的に13号機から引きずり出したことで、ようやく止まったようです。 実はシンジはインパクト継続のための保険であり、そのためのダブルエントリーシステムだったと考えられます。

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アディショナルインパクトとは?【「シン・エヴァ」ネタバレ注意】

「シン・エヴァ」の最重要キーワード“アディショナルインパクト”

シン・エヴァ」に登場したエヴァ用語「アディショナルインパクト」。ミサトのセリフに「アナザーインパクト」、リツコのセリフに「フォースインパクト」という言葉も登場しており、理解が難しいことこの上ない新用語です。 フォースはアディショナルの下準備で、アディショナルこそゲンドウの最終目的であり、この一連のインパクトをアナザーインパクトと呼んだと思われます。

アディショナルインパクト発生の条件は?

フォースインパクトの発生条件として、覚醒した13号機、贄となる使徒(使徒の力を解放したアスカ)、槍に改造された黒き月、アダムスの器4機が必要だったようです。そのための素地として、黒き月の復活とアダムスの器となるアドバンスド・アヤナミシリーズが用意されていました。 ネブカドネザルの鍵によって人間を捨てたゲンドウとミサトたちが対峙した時点でフォースインパクトは発生しており、すべての魂をエヴァインフィニティに同化させる「生命のコモディティ化」が始まっていました。ゲンドウはこれを「魂の浄化」と言っています。 アディショナルインパクトはマイナス宇宙にある「ゴルゴダオブジェクト」でしか起こすことができず、まずマイナス宇宙に行くためには覚醒した13号機(ゲンドウ)と初号機(シンジ)が必要。 そして、ロンギヌスとカシウス2本の槍でエヴァンゲリオンイマジナリーを刺すことが、アディショナルインパクトの発生条件でした。

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アディショナルインパクトは止まったのか……?

アディショナルインパクトは発生しましたが、それを阻止するためにミサトとマリがヴンダーでマイナス宇宙へ突進し、ヴィレが人間の知恵で作り上げた希望の槍「ガイウスの槍」をシンジに届けました。 その時点でゲンドウの最終目的である「ユイとの再会」は果たせなくなり、ゲンドウは舞台から降ります。その後をカヲルが引き継ぎ、シンジの願いを聞きました。「自分よりもアスカやみんなを助けたい」と言ったシンジは、チルドレンの魂を救い、最後はガイウスの槍で初号機を貫こうとします。 しかしそこに初号機に取り込まれていたユイが現れて代わりに次々とエヴァンゲリオンを槍で突き刺し、シンジが願った「エヴァのない世界」を実現していきます。 つまり、アディショナルインパクトは止まったのではなく、シンジによってエヴァのない世界に書き換えられたといえるでしょう。

“インパクト”を理解してエヴァをもっと楽しもう!

「エヴァンゲリオン」シリーズの世界観を構成する重要な要素である「インパクト」。結局インパクトとは、エヴァ世界が“やり直す”ための必要不可欠な事象だったとも考えられます。 エヴァの世界をより楽しむためには、それぞれのインパクトを知ることも重要。難解ではありますが、「シン・エヴァ」まで理解するためには必須かもしれません。

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