2020年1月29日更新

『新世紀エヴァンゲリオン』アスカについて、惣流と式波の違いを考察してみた

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「エヴァンゲリオン」TVアニメ版では惣流・アスカ・ラングレー、新劇場版では式波・アスカ・ラングレーと名前が変わって登場しているメインキャラ。惣流と式波では一体どのような違いがあるのか、それぞれストーリーと絡めて解説していきます!

目次

『新世紀エヴァンゲリオン』まずは惣流版アスカのプロフィールをおさらい!【ネタバレ注意】

惣流・アスカ・ラングレーは、ドイツと日本のクォーターでアメリカ国籍の帰国子女。エヴァ弐号機のパイロットとしてアニメ第8話から登場する人物です。 彼女の母親は、アスカが幼い頃にエヴァ接触実験の失敗の影響により心神喪失。最期は、アスカのことを娘と認識できないまま自殺してしまいました。 それが契機となり、以降彼女はパイロットとしても勉学において努力を重ねます。日本に渡る前には飛び級で大学も卒業しており、文字通りエリートパイロットとしてNERVにやってくるのでした。日本ではシンジとともにミサトの家で同居をしながら、弐号機パイロットとして使徒と戦っていくことに。 ※本記事では『新世紀エヴァンゲリオン』とその他関連作品のネタバレ情報を扱っています。読み進める際はご注意下さい。

新劇場では「式波・アスカ・ラングレー」として登場!主な設定の変更を解説

キャラ設定の変更により改名。実在の戦艦に凖えて名前が付けられた。

アニメ版では惣流・アスカ・ラングレーですが新劇場版以降は式波・アスカ・ラングレーと改名されました。 両作品ではキャラの設定が微妙に異なるため、彼女の運命や性格に合う戦艦の名前を用いて、日本海軍第二航空戦隊の「蒼龍」から帝国海軍の「敷波」に変更されたようです。

恋愛感情を抱いていない式波

惣流(TVアニメ版)は加持リョウジに対して恋愛感情とも言える憧れを持っていましたが、式波(新劇場版)では加持リョウジに対して何の感情も持っていないと分かる描写となっており興味を抱く異性はシンジのみとなっています。

生い立ちが一切語られなくなった式波

惣流の生い立ちは作品中で述べられており辛い過去が明らかになっていましたが、式波になってからは全くと言っていいほど家族のことや生い立ちが語られていません。しかし、昔から孤独だったことが分かる描写が少しだけ出てきます。

式波は人間ではなくなった??

式波が初登場時の14歳のときから全く姿が変わらず、28歳となった式波も見た目はほぼ14歳のときと変わっていません。 そのことを作中では「エヴァの呪縛」と言っていますが、その呪縛とは一体何かは一切語られていません。もしかすると式波は人間ではなくなった可能性があります。

惣流版アスカは悲惨な過去の持ち主……。式波は孤独ではあるもののトラウマ設定は無い様子

TVアニメ版でのアスカは、勝ち気でプライドが高く自己中心的です。一方で、周りに快活な印象を与えるほど、明るさや社交性も持ち合わせています。 母親の死は彼女のなかでトラウマになっており、性格形成にも大きな影響を与えています。彼女が社交的な一面を持っているのも、周りに自分の存在を認めてもらいたいという承認欲求が強いからにほかなりません。 母親に見てもらえなかった幼少期によって、彼女は自分独りで生きていかねばならないと決意します。強くならなくては、という思いが膨らみすぎたことで、周りからの評価に過敏になってしまったのです。トラウマから形成されたこの性格は、彼女のストーリー終盤での姿につながっていきます。 新劇場版で式波となってからは、そのような過去がないためか、よりクールな性格に。友達はほとんど作らず、他人と交わらない性格として描かれています。 ですが、ツンデレの“デレ”を見せるのは式波の方が早いようです。

惣流アスカ・ラングレーは使徒により廃人になってしまう……

アスカは「あんたバカぁ?」の口癖からも分かるように、普段はプライドも高くとっつきにくいところがあります。とくに登場時はこのツンの印象が強かったので、シンジとの同居以降、好意にみえるような態度が見え隠れすると、彼女はツンデレキャラとして人気を得るようになりました。 ところが、トラウマを抱えた彼女の他者への想いというのは、そう単純なものではありません。自分の存在意義を保つためにも、周りに認められるような存在。つまり、優秀なエヴァパイロットでなくてはならないという強迫観念のようなものがあったのです。 後半、シンジへの好意を抱きながらも、パイロットとしてはシンクロ率もシンジに抜かされ、組織にとってはレイよりも軽んじられていくことに。さらに、憧れてきた加持の死を知らされたことで、ついに彼女の心は崩壊してしまい廃人になってしまうのでした。 一方、式波は『新劇場版 破』で精神汚染を受けるも、『新劇場版 Q』では再び復活しています。

惣流と式波で微妙に違うシンジとの関係 どちらもツンデレなのは変わらず!

どちらのアスカも、当初はシンジのことを下に見ており、自分が上位に立つパイロットだと考えています。シンジと共に暮らし、戦っていくなかで、彼への気持ちは軟化していきました。 TVアニメ版でのアスカは、シンジに好意と呼べる感情を抱いていますが、トラウマを抱えているため、まっすぐな好意とは少し違います。後半からはシンジのほうが優秀なパイロットであり、彼は彼女の価値を下げてしまう存在でした。そのため、シンジに対しては好意も憎しみも抱いていたのです。 一方で新劇場版のアスカは、幼少期のトラウマを持ちません。そのため、TV版ではトラウマの依存先となっていた加持との面識もなく、シンジへの好意ももっと年相応なものとなっています。

旧劇場版「気持ち悪い」というセリフに込められた意味を考察!

旧劇場版「Air/まごころを、君に」の終劇を飾るのが、アスカの「気持ち悪い」というセリフです。このセリフの意味は、公開直後から現在に至るまで、様々な考察が囁かれています。 アスカは、人類補完計画のなかで唯一シンジに対して拒絶の姿勢を崩さず、最後まで彼と融合することを否定し続けた存在。そして、その真っ直ぐな拒絶の思いは、彼女をLCLの海から帰還させました。そこには、彼と同一になるのではなく、他人として、ひとりの人間として見てもらいたいという彼女の強い意思があったように思えます。 彼が自分を殺そうとして、それを受け入れたアスカ。せっかく死んでもいいとすら思ったのに、シンジは奇しくも彼女の決意のなかに、他者から受ける優しさを感じてしまったのです。 アスカからすると、彼は勝手に首を締めて、勝手に自己解決して、ひとりですっきりしてしまったということ。その様子が、彼女にとっては単に「気持ち悪い」軽蔑に値する行為だったのではないでしょうか。

『新世紀エヴァンゲリオン』で惣流と式波、両方のアスカを演じた声優は宮村優子

アスカ役を演じたのは声優の宮村優子です。性格も生い立ちも異なる惣流と式波の2人のアスカの演じ分けからも、彼女の演技力の高さがうかがえます。 アスカ役は彼女にとって代表作のひとつ。他には、『名探偵コナン』の遠山和葉役でも知られています。彼女はバセドウ病を患っていることを公表しています。病気の症状のせいで、和葉役も降板を申し出ましたが、プロデューサーからの言葉で続投を決意。 治療を続けながら、劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌』(2017年)では和葉がメインとなる作品を演じきり、ファンに大きな感動を与えた人物でもあります。

『新世紀エヴァンゲリオン』惣流と式波2人のアスカ、それぞれの魅力を楽しもう

惣流と式波。名前が変わり、キャラクター設定にも大きな相違点がある2人のアスカについて紹介しました。生い立ちが違うことで、ストーリーに彼女が与える影響もまた違ってきています。 それぞれのストーリーにおいて、なぜそのアスカが誕生するに至ったのか。そんなことを考えながら両方のアスカを比べてみると、また違った側面からこの作品が楽しめるのではないでしょうか。