2代目ブラックパンサー・シュリを徹底解剖！ティ・チャラとの違いや「ワカンダフォーエバー」の謎を熱く解説

公開されていた予告からは、2代目ブラックパンサーの全身ショットが登場、女性であることが分かっています。さらに、スーツの頭部の模様と、シュリのフェイスペイントが酷似していることから、シュリが2代目ブラックパンサーである可能性が以前から噂されていました。 「ブラックパンサー2」では、ネイモアに一度蹂躙されたワカンダのために、シュリがブラックパンサーの力を手に入れました。持ち前の頭脳とアイデアで、ブラックパンサーの力の源であるハーブの合成に成功し、ブラックパンサーとなったのです。 また、ハーブを飲んだシュリが出会ったのはなんと前作のヴィラン、キルモンガーという驚きの展開が待っていました。

ティ・チャラは国王の長男として、幼いころから次期国王、そして次のブラックパンサーとなるべく育ってきました。 一方シュリは、自分が王位を継ぐことも、ブラックパンサーとなることも考えたことがなかったのではないでしょうか。しかし彼女は、ワカンダを守る為そして、タロカンとの戦いで命を落とした母ラモンダの復讐のため、ブラックパンサーになりました。

ティ・チャラは王として、国と民を守ることを最優先に考えていました。そして、世界に戦争を仕掛けようとしたキルモンガーに挑みます。シュリもこのとき、自ら開発したガントレットを使って戦闘に加わるなど、国を守るために戦っています。 「ワカンダ・フォーエバー」では、ブラックパンサーとなる儀式を受けたシュリの前に現れたのはキルモンガーがシュリに「ティ・チャラは気高すぎた」と呼びかけます。そして「兄のように気高く生きるか、俺のように仕事を果たすか」と選択を迫ります。 その後シュリは、ネイモアの「傷ついた者だけが偉大な指導者となる」という言葉のとおり、兄につづき母をも失った大きな傷を抱を乗り越え、ワカンダの守護者となりました*。見事ワカンダを守り切ったシュリはティ・チャラと並ぶ王の素質があると言えますね。 その後、平和が訪れたワカンダでは王位継承の儀式が行われましたが、そこにシュリは姿を見せず、今後ワカンダの国王が誰になるのかは、はっきりしていません。

ティ・チャラは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)で、テロによって目の前で父ティ・チャカを失いました。彼はその容疑者であるウィンター・ソルジャーに復讐するため、アイアンマン陣営に加わります。しかしその後、テロの首謀者はバロン・ジモであることが判明し、ティ・チャラは復讐の連鎖を断ち切るために彼を逮捕させます。 一方シュリは兄の死の悲しみも癒えないうちに、タロカンとの戦いで母ラモンダを亡くします。復讐心に駆られた彼女は、ネイモアを殺せる一歩手前まで追いつめました。しかしそのときシュリの頭に浮かんだのは「自分が何者か示しなさい」という母の言葉。そして復讐を思いとどまり、タロカンと平和協定を結びました。 シュリもティ・チャラも、大切な人を亡くしても復讐にのまれず、最終的にはヒーローとして正しい判断を下しています。

シュリが作ったティ・チャラのブラックパンサーのスーツはヴィブラニウム製で、あらゆる攻撃から身を守る耐久力があります。また受けた攻撃のエネルギーを貯め、次の自分の攻撃とともに放出することが可能で、攻撃の威力を増します。 シュリがブラックパンサーになりまとっていたスーツも、同じ機能があると考えられます。しかし顔の装飾は、彼女の正装のときのメイクによく似たものに。また肩や胸から胴体、腕や脚など全身に施されたゴールドのパーツはどちらかといえばキルモンガーのスーツを思わせます。祖先の平原で会った彼の影響もあるかもしれません。

ブラックパンサーの力を与えるハート型のハーブは、前作でキルモンガーに焼き払われ、なくなってしまいました。シュリはティ・チャラの病気をハーブで治せるのではと考え、人工的に生成する研究を重ねていましたが、間に合わずティ・チャラを亡くし、落胆します。 しかしその後、シュリはネイモアからもらったブレスレットの海藻を使ってハーブの生成に成功。これはタロカンの海藻がハート型のハーブと同じくヴィブラニウムを豊富に含んだ土地で育ったからだと考えられます。

ブラックパンサーになるためには、ハート型のハーブをすりつぶした汁を飲み、祖先の平原で歴代のブラックパンサーと豹神に対面し、彼らに認められる必要があります。そうして初めて、ブラックパンサーとしての超人的な身体能力を得ることができるのです。 シュリがこの儀式を行ったとき、平原に現れたのはキルモンガーことウンジャダカでした。儀式を行った時点で家族を失った悲しみから立ち直れておらず、ネイモアへの怒りを抱いていたシュリは、同じく復讐のためにワカンダを混乱に陥れた彼に似ているとキルモンガーから指摘されます。 シュリ自身も潜在意識ではそのように感じていたため、彼が現れたのかもしれません。

「ワカンダ・フォーエバー」のエンドロールでは、「ブラックパンサーは帰ってくる」と予告されました。本作で新たなブラックパンサーとなったシュリは、今後のMCU作品にも登場するでしょう。「ブラックパンサー」シリーズの3作目の製作は発表されていませんが、「アベンジャーズ」シリーズやほかのヒーローの主演作に登場する可能性も充分ありえます。 またミッドクレジットシーンでは、ティ・チャラとナキアの息子の存在が明らかになり、彼が次のブラックパンサーとして活躍する展開もあるかもしれません。

ここでは、コミック『ドゥームウォー』でのシュリのブラックパンサーとしての活躍を紹介します。

あるときティ・チャラは、アトランティスの王ネイモアからドクター・ドゥーム率いるスーパーヴィランの秘密結社カバルに勧誘されます。誘いを断ったティ・チャラは襲われ、昏睡状態に陥ってしまいました。 ティ・チャラの妻ストームから後継者に指名されたシュリはさまざまな試練を乗り越え、ハート型のハーブを手に入れます。しかし彼女が長年兄を妬んでいたことや、豹神たちへの傲慢なふるまいを理由に、ワカンダの豹神たちはシュリをブラックパンサーと認めませんでした。

そんななか、ヴィランのモーランによってワカンダは壊滅寸前に追い込まれてしまいます。シュリはスーパーパワーがないにも関わらず、ブラックパンサーのスーツをまとって彼と戦い、勝利をおさめました。また、兄を昏睡状態から目覚めさせることにも成功。 この献身によってシュリは正式にブラックパンサーとして認められ、それに見合う地位とパワーを豹神から授けられました。 ティ・チャラは回復に専念することになり、シュリがワカンダの新君主、そして新ブラックパンサーとなったのです。

ティ・チャラがストームと共にファンタスティック・フォーに加入した際、シュリは王女として国を守ることを誓います。しかしワカンダにブラックパンサーがいないのをいいことに、なんとワカンダ人のエリック・キルモンガーがアメリカの軍艦を引き連れて攻め込んできたのです。 敵軍の侵略を阻止すべく、シュリは奇襲作戦を決行。多くの敵を倒すことに成功しますが、シュリは戦いの中で捕らえられキルモンガーと対面します。 そこでシュリはキルモンガーが差し向けた部下たちを難なく撃破。その後導師・ズリの助けもあり、無事敵軍から逃れました。

MCUでシュリを演じているのは、1993年生まれ、イギリス出身のレティーシャ・ライト。 MCU作品以外では、『レディ・プレイヤー1』(2018年)や『SING/シング: ネクストステージ』(2021年)、『ナイル殺人事件』(2022年)などへの出演で知られています。 2018年に出演した『ブラックミラー』では、エミー賞リミテッド・シリーズ/テレビ映画部門で助演女優賞にノミネートされました。

日本語吹替版でシュリの声を担当するのは、アイドルグループ、ももいろクローバーZの百田夏菜子です。 『ブラックパンサー』が吹替初挑戦だった彼女に対しては、賛否両論あったようです。レティーシャ・ライトと声質は違いますが、演技自体は評価する声もあります。

シュリはワカンダの前国王ティ・チャカと女王ラモンダの娘で、ティ・チャラの妹です。好奇心旺盛で自信家な彼女は、天才的な頭脳を活かし、科学者としてブラックパンサーのスーツの研究も行っています。また、戦闘用にさまざまなガジェットを発明。 ティ・チャラとは非常に仲が良く、彼が国王の座に就いた際には心の底から祝福していました。愛国心も強く、仕事熱心な性格です。

工学や化学、物理学に精通している天才的な頭脳の持ち主、シュリ。彼女は、もとから卓越した身体能力を持っています。またティ・チャラは、ワカンダの王位継承権を保持しているシュリが危険な目に遭っても自身で対処できるように訓練していました。 そしてシュリは彼女の開発した武器であるヴィブラニウム・ガントレットによって、戦闘時には更なるパワーを引き出しています。

チャラとは非常に仲が良く、彼をサポートし続けているシュリ。科学者としての技術を遺憾なく発揮し国に貢献している彼女ですが、スマホをいじったり、しきたりにうんざりしたりと、現代っ子らしい一面も。 クロウとの戦いではチャラに新型スーツを提供したり、負傷したロス長官の治療を行うなど大活躍。さらに国際支援センターの医療部門責任者に推薦されたり、ウィンターソルジャーとも仲良くなっています。

「インフィニティ・ウォー」にてシュリは、アベンジャーズとともに、サノスと対決します。 ワカンダ防衛戦にて、シュリは持ち前の頭脳と腕前でヴィジョンの頭にはめられたマインド・ストーンの抽出を行いました。また手術室に攻め込んできた敵に立ち向かう華麗なアクションシーンも披露。

「エンドゲーム」では、アベンジャーズの活躍によってサノスの指パッチンから復活し、最終決戦に参戦。ヴィブラニウム・ガントレットを使用し、他のヒーローと協力して多くの敵を薙ぎ払いました。 その後はトニー・スタークの葬儀にも参列しています。

「ワカンダ・フォーエバー」で喪失の悲しみを乗り越え、新たなブラックパンサーとなったシュリ。科学者としても天才的な頭脳を持つ彼女は、今後のMCUでも存在感を放ってくれるでしょう。 今後「アベンジャーズ」シリーズなどでも、彼女の活躍に注目したいですね！