2025年3月2日更新

【ネタバレ】映画『ゆきてかへらぬ』は実話?モデルの3人の関係性・R指定級の濡れ場があるかを解説

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日本を代表する詩人・中原中也の詩に度々詠われた長谷川泰子の自叙伝を、広瀬すず主演で映像化した映画『ゆきてかへらぬ』が2025年2月21日から劇場公開されます。 ここからは本作のあらすじや原作の結末、キャスト情報などを紹介していきます。

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映画『ゆきてかへらぬ』のあらすじ・作品概要

タイトル 『ゆきてかへらぬ』
公開日 2025年2月21日
上映時間 128分
監督 根岸吉太郎
キャスト 広瀬すず , 木戸大聖 , 岡田将生
原作 長谷川泰子『中原中也との愛 ゆきてかえらぬ』

映画『ゆきてかへらぬ』は、女優・長谷川泰子、不世出の天才詩人・中原中也、日本を代表する文芸評論家・小林秀雄という男女3人の三角関係を、実話をもとに描いた作品です。大正時代を舞台に、3人のアーティストたちが激しくぶつかり合い、青春を謳歌していく様子を鮮烈に映し出します。 劇場公開は2025年2月21日より。主演の広瀬すず、木戸大聖、岡田将生の他にも、トータス松本や柄本祐などが出演し、強烈な存在感を放っています。 主題歌は紅白歌合戦にも出場したアーティスト・キタニタツヤの楽曲「ユーモア」です。

映画『ゆきてかへらぬ』のあらすじ

ゆきてかへらぬ

駆け出しの女優・長谷川泰子(広瀬すず)は、京都で若き詩人・中原中也(木戸大聖)と出会い、恋に落ちます。2人はすぐ同棲を始め、価値観の違いはあったものの互いを尊重しあいながら楽しく暮らしていました。 それからほどなくして、秦子と中也は共に上京。そこで秦子は中也の詩人としての才能を認める評論家・小林秀雄(岡田将生)と出会います。 そして秦子の中にも才能を見出した秀雄は自然と彼女に惹かれるようになり、3人の男女は出口のない三角関係へと沈んでいくのでした。

映画『ゆきてかへらぬ』のモデル・原作をネタバレ解説

ゆきてかへらぬ

本作に登場するメインキャラクターの長谷川泰子、中原中也、小林秀雄は、いずれも実在する人物をモデルにしています。 中原中也は昭和初期に活躍した日本を代表する詩人の1人。『サーカス』や『汚れつちまつた悲しみに……』などを始めとする数多くの作品を世に残しています。 小林秀雄はそんな中原の才能を早くに見抜いていた文芸評論家で、日本の近代批評を確立した人物です。 そして日本の文学史に名を遺す2人の偉人から愛された女性が長谷川泰子でした。広島生まれの女優で、晩年には自らの青春時代を振り返った自伝『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』を出版しています。

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映画『ゆきてかへらぬ』は実話?原作は小説

映画『ゆきてかへらぬ』の原作は、1974年に出版された長谷川泰子の自叙伝『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』です。 本書は文芸評論家の村上護が長谷川のインタビューをもとに執筆し出版されたもの。中原中也の死後、長い沈黙を貫いていた長谷川が、70歳になって初めて中原中也や小林秀雄と共に過ごした情熱的な日々を発表しました。 またタイトルにもなっている「ゆきてかへらぬ」は、中原の詩集『在りし日の歌』に収録されている「ゆきてかへらぬ―京都―」から採られているようです。 行き去りて返らぬ、つまりもう戻ってくることはない、京都で過ごした青春の日々、という意味が込められていると考えられます。

【原作ネタバレ】小説「ゆきてかへらぬ」と映画の違いは?

ゆきてかへらぬ

原作にもなっている長谷川泰子の自伝小説『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』によると、小林秀雄との出会いをきっかけに、泰子は中原中也と別れて同棲を解消してしまいます。 それからほどなくして、今度は秀雄と同棲を開始。つまり泰子は恋人の友人へと乗り換えた形になります。しかし中也との関係はつかず離れずのままで、離別後も秀雄を交えた3人でよく会っていました。 その後泰子が極度の潔癖症になったことで、秀雄は彼女の元から離れてしまいます。泰子と中也の腐れ縁のような関係は、30歳という若さで中也がこの世を去るまで続きますが、最後まで2人が復縁することはありませんでした。 なお泰子は中也と秀雄とは全く関係のない男性の子どもを身籠り、未婚の母として出産。その後、中垣竹之助という実業家と結婚しました。

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原作では3人の関係性がより緻密に描かれる

本作は長谷川泰子の自伝『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』を元にした作品ではありますが、原作に忠実に作られた映画というわけではありません。映画では長谷川泰子と中原中也の出会い、そして小林秀雄の登場によって始まった三角関係とその破綻までがフォーカスされていて、実際の時系列とも若干の違いがあるようです。 一方で『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』では、長谷川の視点で、より具体的かつ長期的に3人の関係性が描かれています。中原と別れ、小林との同棲生活を始めた長谷川ですが、極度の潔癖性を発症し、平穏とは程遠い生活を送っていました。そして最終的には同棲生活に疲れた小林が家を出て行ってしまいます。この時のことを長谷川は、著書の中で「小林を執拗に言葉で責めてしまったが、愛情を確かめるための甘えだった」と告白していました。 さらに中原がいかに一途に長谷川を想い続けていたのかも、うかがい知ることができます。表面上は長谷川と腐れ縁のような関係を保っていた中原でしたが、「自分の死後、泰子に見せて欲しい」と言って、いくつもの愛の詩を残していたのです。 結局再び一緒になることはなかったものの、中原は死ぬまで長谷川だけを愛していました。

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映画『ゆきてかへらぬ』はR指定?広瀬すずの濡れ場はある?

ゆきてかへらぬ

映画『ゆきてかへらぬ』は全年齢対象の作品であり、R指定作品ではありません。 しかし、予告編動画の中では*長谷川康子(広瀬すず)と小林秀雄(岡田将生)が濃厚なキスを交わすシーンが収録されていた本作。本編にどの程度の濡れ場が含まれているのかも気になるポイントです。 結論から言うと、映画『ゆきてかへらぬ』に濡れ場はあります。 決定的なシーンが描かれるのは本編内で2回。ただし全年齢対象作品なので、露出は背中やデコルテなどの限定的なもの**となっています。

映画『ゆきてかへらぬ』キャスト・登場人物解説

長谷川泰子役/広瀬すず

ゆきてかへらぬ

2人の天才文学者を虜にした駆け出しの女優長谷川泰子(はせがわやすこ)。20歳の頃にまだ17歳だった中原中也と出会い、愛し合うようになります。上京後は中也の親友である小林秀雄と同棲。 そんな自由奔放で情熱的な女性・泰子を、TVドラマから映画作品まで、話題作への出演が絶えない広瀬すずが演じます。

中原中也役/木戸大聖

ゆきてかへらぬ

のちに日本を代表する詩人となる17歳の青年・中原中也(なかはらちゅうや)。17歳の頃に京都で泰子と出会い、奔放な彼女に惹かれ一緒に暮らし始めます。評論家の小林秀雄とは親友であり、泰子をめぐる恋のライバルでもあります。 中原中也を演じるのは木戸大聖。主な出演作には『First Love 初恋』(2022)や、『海のはじまり』(2024)などがあります。

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小林秀雄役/岡田将生

ゆきてかへらぬ

中原中也の友人であり、彼の才能を誰よりも知っている評論家の青年・小林秀雄(こばやしひでお)。批評の達人として中也からも一目置かれています。中也の家を訪ねた際に泰子に出会い、心惹かれるように。中也との同棲を解消した泰子と一緒に暮らし始めます。 のちに日本を代表する文芸評論家となる小林秀雄を演じるのは、コミカルからシリアスまで幅広く演じ分ける実力派、岡田将生です。

映画『ゆきてかへらぬ』監督・スタッフ解説

監督:根岸吉太郎

映画『ゆきてかへらぬ』監督を務めるのは『探偵物語』(1983)や『雪に願うこと』(2005)などで知られる根岸吉太郎です。『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ~』(2009)以来、16年ぶりに長編映画のメガホンを取りました。

脚本:田中陽造

脚本を担当するのは『セーラー服と機関銃』(1981)の田中陽造。本作の脚本は40年以上前に書き上げたもので、監督の根岸吉太郎『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ~』以来、16年ぶりにタッグを組みます。

映画『ゆきてかへらぬ』のモデルをネタバレ解説しました

3人の男女の鮮烈で歪な三角関係を濃密に描いたラブストーリー『ゆきてかへらぬ』は、2025年2月21日から全国公開です!苦しくなるほどに眩しく、煌びやかなアーティストたちの青春の日々を、ぜひ劇場で体感してみてください!