2019年6月20日更新

クエンティン・タランティーノ監督のおすすめ映画ランキングTOP9!最新作も紹介

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クエンティン・タランティーノ監督のおすすめ映画ランキングTOP9!

クエンティン・タランティーノは、1963年3月27日生まれのアメリカ人映画監督です。映画好きの母親の影響で多くの映画を観て育ったタランティーノは、14歳の時には初めての脚本を書き、16歳で高校を中退して劇団に入団。ここでは演技を学び、後々監督・脚本・俳優を務めることになるタランティーノにとって貴重な経験となったようです。 1992年に『レザボア・ドッグス』で監督デビューを飾り、このデビュー作で世界中の注目を集めることになります。第2作の『パルプ・フィクション』ではカンヌ国際映画祭のパルム・ドールとアカデミー賞脚本賞を受賞し、天才的な演出と脚本に対する評価は確定的なものになりました。 今回はそんな鬼才、クエンティン・タランティーノのおすすめ監督作品をランキング形式で紹介していきます。

9位:『キル・ビル Vol.2』(2004)

ザ・ブライドの復讐劇完結!前作とは違い、年齢指定を解禁したことでも話題に!

タランティーノ監督・脚本で、2003年の『キル・ビル Vol.1』と二部作として翌年2004年に公開された2作目『キル・ビル Vol.2』。前作で主人公のザ・ブライドを演じたユマ・サーマンが続けて主演し、彼女の復讐劇の結末を描いています。 家族を殺された復讐に燃えるザ・ブライド(ユマ・サーマン)は、ボスのビル(デビッド・キャラダイン)とその弟バド(マイケル・マドセン)、そしてビルの愛人エル・ドライヴァー(ダリル・ハンナ)を殺すべくテキサスに向かいますが……。 第1作『キル・ビル Vol.1』は日本公開時には残酷描写があることでR15指定となりましたが、第2作は年齢制限がなく公開されました。前作がバイオレンス・アクションに重きを置いていた反面、本作ではラブストーリーをメインに描いており、一味違う作品となっています。とはいえ、そのためか前作を上回るヒットとはなりませんでした。

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8位:『キル・ビル Vol.1』(2003)

「ヤッチマイナー!」のセリフが有名な、チャンバラ、アクション、アニメなど娯楽を全て盛り込んだ作品!

2003年と2004年に二部作で公開されたハードバイオレンス・アクション『キル・ビル』の第1作目。タランティーノ監督・脚本による4作目の作品で、『パルプ・フィクション』で注目を集めたユマ・サーマン主演の復讐劇です。 妊娠を機に足を洗った暗殺集団「DiVAS」の殺し屋ザ・ブライド。しかしボスのビルと4人の殺し屋に結婚式を襲撃され、夫や家族、妊娠していた子までも奪われてしまいます。4年間の昏睡状態から蘇ったザ・ブライドは、ビルたちへの復讐に立ち上がります。 日本・香港・台湾映画への数々のオマージュが、タランティーノ監督の趣味であちこちに散りばめられ、楽しませてくれる本作。さらに特筆すべき見どころは、アニメ「攻殻機動隊」シリーズを製作したプロダクションI.G.が担当したアニメパート!かなりハードなアクションシーンも高評価を受けました。

7位:『ジャッキー・ブラウン』(1997)

クエンティン・タランティーノ節を抑えた渋めの犯罪サスペンス

タランティーノ監督・脚本による3作目は、1997年のクライム・サスペンス『ジャッキー・ブラウン』。エルモア・レナードの犯罪小説「ラム・パンチ」をベースにし、主演に『コフィー』(1973)のパム・グリアを迎えた意欲作です。 ジャッキー(パム・グリア)はメキシコの航空会社に勤める中年のスチュワーデス。しかし実はその裏で、武器商人のオデール(サミュエル・L・ジャクソン)から運び屋の仕事を受けて生活費の足しにしていました。そんな中、ジャッキーはオデールを追うFBI捜査官レイ(マイケル・キートン)に逮捕され、オデール逮捕の協力を持ちかけられます。 タランティーノ監督が愛してやまない作家エルモア・レナードと、“ブラックスプロイテーション”のスター女優パム・グリアを、見事に味付けしてコラボした作品。ジャッキーが人生の逆転をかけて、一攫千金の計画を実行していく心理戦が見どころです。音楽と、タランティーノならではの凝ったカメラワークが秀逸。

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6位:『イングロリアス・バスターズ』(2009)

練りに練った脚本!5つの章で描かれる戦争群像劇&歴史改変もの

2009年に公開された戦争映画『イングロリアス・バスターズ』は、タランティーノ監督・脚本の6作目。キャストはブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツなど世界各国から集められ、劇中でもそれぞれの国の言語で話す多言語映画になっています。 第二次世界大戦のドイツ占領下のフランスで、ナチス親衛隊のランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)に家族を殺されたユダヤ人女性ショシャナ(メラニー・ロラン)。一人パリへ逃れ、映画館の館主エマニュエルという別の肩書きを手に入れていました。一方、ユダヤ系アメリカ人の秘密部隊“バスターズ”を指揮するレイン中尉(ブラッド・ピット)は、敵地に潜入して“ナチス狩り”の任務を遂行。その名はヒトラーの耳にも届いていました。 ドイツ占領下のフランスというノンフィクションと、ヒトラーを含むナチス高官たちの暗殺といったフィクションが見事に交差した歴史改変ものとしても見応えあり。ショシャナ、ランダ大佐、レイン中尉をそれぞれメインに据えた復讐群像劇で、5章に分かれた構成で練りに練った脚本がすばらしい作品です。国内外の映画賞で助演男優賞を受賞したランダ大佐役のクリストフ・ヴァルツの怪演ぶりも見どころ。

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5位:『ヘイトフル・エイト』(2016)

タランティーノ初の密室劇!2度目の西部劇はミステリー×バイオレンス

タランティーノ監督・脚本の8作目に当たる西部劇『ヘイトフル・エイト』。サミュエル・L・ジャクソンをはじめ、演技派俳優のカート・ラッセルやティム・ロスなど豪華キャストが集結。アメリカ公開は2015年、日本では2016年に公開されました。 南北戦争終結後の時代を背景に、遭難した男女8人が偶然ロッジに集まることになる、冬のワイオミングを舞台した西部劇&密室劇。一見偶然集まった8人ですが、物語は思わぬ方向へ進んでいきます。 西部劇はこの前作の『ジャンゴ 繋がれざる者』で経験済みのタランティーノ監督でしたが、意外にも密室劇は初めて。見知らぬ男女8人が吹雪で閉ざされたロッジに集まり、殺人事件が起こるというミステリー仕立てが、タランティーノ独特の味付けでさらにとんでもない展開になるのはさすが。複雑な人間関係と心理戦が巧妙に描かれている作品です。

4位:『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)

タランティーノのB級映画へのオマージュが込められた傑作

監督・脚本に加え製作も兼任した5作目は、B級映画へのオマージュが込められたカーアクション・スリラー『デス・プルーフ in グラインドハウス』。2本立て映画『グラインドハウス』の1編だった『デス・プルーフ』に、アメリカ公開時のカットシーンを加えた作品です。 スタントマン・マイク(カート・ラッセル)と名乗る男がテキサス州とテネシー州に現れ、“耐死仕様(デス・プルーフ)”のマッスルカーで車に乗る女性たちに絡んでくるというスリラー。前半のテキサス州では3人の女性が犠牲になるも、後半のテネシー州ではゾーイたちスタントウーマンに絡んだがために、マイクは反撃を受けるはめになります。 元々『グラインドハウス』は、タランティーノ監督の盟友ロバート・ロドリゲス監督による『プラネット・テラー』と『デス・プルーフ』の2本立てでアメリカ公開されたもの。北米以外ではそれぞれ独立した1作として公開されました。 “グラインドハウス”とはアメリカのB級映画を上映していた映画館のこと。B級映画を愛するタランティーノ監督が、最上級のオマージュを込めて製作したのが本作なのです。最大の見どころは、スタントウーマンのゾーイ・ベルが本人役で出演し、キレキレのカースタントを披露している点!

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3位:『レザボア・ドッグス』(1992)

この中に裏切り者がいる!緻密なストーリーで綴られる「色」をコードネームにした強盗たちの犯罪映画

1992年の監督デビュー作『レザボア・ドッグス』では、タランティーノは監督・脚本に加えて俳優としても出演しています。色をコードネームにする6人の強盗が登場し、タランティーノはミスター・ブラウンを演じました。ハーヴェイ・カイテルやティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーヴ・ブシェミなど渋めの俳優たちが集結したクールなクライムムービーです。 宝石強盗の計画を実行するため、互いに素性も知らないまま集められた6人の男たち。しかしなぜか警察が事前にこの計画を把握しており、ミスター・ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)は重傷を負ったミスター・オレンジ(ティム・ロス)とともにアジトへ逃げ帰ります。そこへミスター・ピンク(スティーヴ・ブシェミ)が現れ、「この中に裏切者がいる」と言い始めるのですが……。 なんとミスター・ブルー役のエディ・バンカーは元犯罪者という経歴の持ち主。エドワード・バンカー名義で自身の体験に基づく犯罪小説も書いています。タランティーノが彼のファンだったため、出演することになったそうです。そんなタランティーノのこだわりもあってか、リアルでハードなバイオレンスシーンは高く評価され、人間心理の巧みな描写やクールな音楽によってカルト的な人気を獲得しました。

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2位:『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)

豪華キャストの西部劇!奴隷だった男が妻を取り戻すために賞金稼ぎに

タランティーノが監督・脚本を務めた7作目『ジャンゴ 繋がれざる者』は、初の西部劇です。主人公のジャンゴをジェイミー・フォックス、彼の相棒となるドイツ人賞金稼ぎシュルツを『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツが演じています。また、悪徳農園領主キャンディをレオナルド・ディカプリオ演じ、初の悪役が話題になりました。 時は南北戦争直前のアメリカ南部。ドイツ人賞金稼ぎの歯医者シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)に助けられた黒人奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、銃の腕を買われて彼の相棒として賞金稼ぎになります。ジャンゴには生き別れの妻ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)がおり、黒人を酷使することで悪名高い領主キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)の農園にいることが判明。二人は彼女を助けるためにミシシッピへ向かいます。 ディカプリオ演じるキャンディが机を思い切り叩きガラスで手を切って流血するシーンがありますが、実はこれは事故だったそう。誤ってガラスを叩いてしまったのに、彼はそのまま何もなかったかのように演技を続けました。このシーンは映画本編にそのまま使われています。 本作はファンからも批評家からも高い評価を受け、タランティーノ作品中で最高興収だった前作『イングロリアス・バスターズ』をも超えてヒットしました。タランティーノお得意の復讐劇ですが、そこに西部劇と奴隷制の要素が加わったことで主人公がヒーローとして描かれたことも好まれた要因かもしれません。

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1位:『パルプ・フィクション』(1994)

マフィア2人の話を軸に、複数のストーリーが時系列もバラバラに展開。数多くの映画のオマージュも取り入れた快作!

タランティーノ監督・脚本2作目は、アカデミー賞に7部門ノミネートされた 『パルプ・フィクション』。時間軸を巧みに操る見事な演出でアカデミー賞脚本賞を受賞し、その才能を世界に知らしめました。 プロローグからエピローグまで5章に分かれるオムニバスストーリー。ギャングの殺し屋ヴィンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)は、裏切者から組織の取引に使う黒いアタッシュケースを取り戻します。そしてギャングのボス・マーセラス(ヴィング・レイムス)から妻のミア(ユマ・サーマン)を世話するよう頼まれたヴィンセントは、ミアを食事に連れ出すのですが……。 くだらない話(=パルプ・フィクション)が交錯するオムニバスストーリーで、ジョン・トラボルタやサミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマンやブルース・ウィリスなどが演じる複数の主人公が登場。一見関係ない彼らの物語が時系列がバラバラに交錯することで、不思議な感覚にとらわれます。随所に映画愛があふれ、評価も公開当時から今に至るまで、タランティーノ作品の中でも常に高い支持を受けています。

クエンティン・タランティーノが手がけたその他のおすすめ映画

脚本:『トゥルー・ロマンス』(1994)

タランティーノが脚本を務めた『トゥルー・ロマンス』は、トニー・スコット監督、クリスチャン・スレーター主演で1993年に製作され、1994年に日本公開されたバイオレンス・アクション。タイトルの通りラブロマンスの要素もあり、恋に落ちた男女の危険な逃避行をテーマにした作品です。 コールガールのアラバマ(パトリシア・アークエット)と出会い恋に落ちたクラレンス(クリスチャン・スレーター)は、翌日には結婚。しかしアラバマのポン引きの男を殺し、彼女の荷物と間違えてイタリアン・マフィアのコカインを盗んでしまった二人は、マフィアと警察両方に追われることになってしまいます。 アクション、ラブロマンスに加えてロードムービーの要素もあり、展開が読めない点も見どころの一つ。脇役でブラッド・ピットやゲイリー・オールドマン、サミュエル・L・ジャクソンなど豪華キャストが出演しているのも、『パルプ・フィクション』に通じるところですね。

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原案:『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1995)

『パルプ・フィクション』と同年にアメリカ公開された『ナチュラル・ボーン・キラーズ』では原案を担当。監督はオリバー・ストーン。ウディ・ハレルソンとジュリエット・ルイスが主演を務めました。 “生まれながらの殺人者(=ナチュラル・ボーン・キラーズ)”といわれることになるミッキー(ウディ・ハレルソン)とマロリー(ジュリエット・ルイス)のカップルが繰り広げる「殺人行脚」。片田舎のレストランで客を殺した二人は、そこから逃避行へ。しかし彼らを追うマスコミの偏った報道によって、二人を支持する若者が急増。ミッキー&マロリーは時代の寵児となっていきます。 実は初めは脚本を担当していたタランティーノ。ところがストーン監督による大幅なストーリー変更に異議を唱え、原案でのクレジットに留まったようです。とにかく、タランティーノ脚本のままタランティーノ本人が撮っていたら、どのような作品になったのかが気になる作品ではあります。

特別監督:『シン・シティ』(2005)

タランティーノが特別監督として一部を撮影した、まるでコミックを見ているかのようなスタイリッシュな映画。ロバート・ロドリゲスとコミック『シン・シティ』の原作者フランク・ミラーが共同監督・脚本を務めています。主演はミッキー・ロークとブルース・ウィリスです。 悪徳の街「ベイシン・シティ」は別名“シン・シティ”とも呼ばれる“罪の街”。酒場で出会ったゴールディ(ジェイミー・キング)という女と一夜を共にしたマーヴ(ミッキー・ローク)は、翌朝彼女が死んでいるのを発見。警察がすぐに駆けつける中、マーヴはホテルから脱出します。 オープニングとエピローグをはさんで3つのエピソードが展開する群像劇で、シックなハードボイルドテイストが魅力です。タランティーノは、エピソード2「ビッグ ファット キル」で、ドワイトが幻覚を見るシーンの監督を担当しました。俳優以外すべてがCG映像で作られているという、なんともユニークな手法も特徴的!

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最新作は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)

通算9作目の監督作となる最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』では脚本・製作も兼ね、主演に『ジャンゴ 繋がれざる者』のレオナルド・ディカプリオと『イングロリアス・バスターズ』のブラッド・ピットを迎えました。 1969年のハリウッド映画界を舞台に、実際に起こったシャロン・テート殺害事件を題材にしたスリラー作品です。この事件は、チャールズ・マンソン率いるカルト集団「マンソン・ファミリー」が、妊娠中の女優のシャロン・テートを惨殺したという凄惨なもの。タランティーノ監督がこの事件をどのように物語に落とし込んだのか、かなり気になるところです。 レオナルド・ディカプリオは復活を目指すハリウッドの落ち目俳優リック・ダルトン、ブラッド・ピットは長年リックのスタントを担当してきたクリフ・ブースを演じます。シャロン・テート役は『スーサイド・スクワット』のマーゴット・ロビー。日本公開は8月30日に決定しています。

年々次回作に期待がかかるクエンティン・タランティーノ監督

『レザボア・ドッグス』で鮮烈な監督デビューを果たし、年を経るごとに次回作に大きな期待がかかっているクエンティン・タランティーノ。 その作品には一貫して彼が培ってきた映画愛があふれ、ハードなバイオレンスとユニークなキャラクターが縦横無尽に暴れ、緻密な計算に裏打ちされた驚愕のストーリーが展開しています。 2019年に公開される新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』も、タランティーノ節が炸裂しそうで非常に楽しみですが、その次は一体どんな映画を撮ってくれるのだろうと、すでに期待してしまっているファンも多いのでは? どうやら次回作はリブート版「スター・トレック」シリーズ第4弾を手がける可能性もあり、そうなるとタランティーノ監督曰く「R指定になる」とか。バイオレンスたっぷりのR指定『スター・トレック』、観たいような観たくないような……いずれにしても次回作も楽しみですね!