2025年11月5日更新

初心者用「エヴァンゲリオン」分かりやすくネタバレ解説!新劇場版を元にエヴァ・使徒の秘密を徹底考察

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エヴァンゲリヲン新劇場版:序
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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の完結編として注目を集めた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。公開延期を経て2021年3月8日に公開された本作は、世界中のエヴァファンを熱狂へと誘いました。 3作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』公開から8年以上経って、ついにTVアニメ版から続いた25年のシリーズが完結。 今回は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」をもとに、改めてシリーズ4作品やTVシリーズ、旧劇場版のあらすじをまとめて紹介します。

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初心者必見!分かりやすい「エヴァンゲリオン」解説&考察!

エヴァンゲリオン、アニメ
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「エヴァンゲリオン」は細かな解説がなされないため、視聴者が置いていかれがちな作品です。完結した今、改めてエヴァとはどういう作品だったのか。この記事を読めば全体像を掴めるように、わかりやすく解説していきます! 新劇場版とアニメ版がありますが、基本設定はどちらも同じです。まずは作品の根底にあるエヴァ世界の歴史から見ていきましょう。

【歴史①】第一始祖民族という宇宙人が生命の種を星にばらまく

かつて宇宙には「第一始祖民族」という人型の知的生命体がいました。彼らは人間でも使徒でもない全く別の存在です。 彼らが月に乗せて、「生命の種」を星々にばらまき始めます。生命の種の他に、それを制御するための「ロンギヌスの槍」も一つづつ乗せていました。

アダム(生命の実)かリリス(知恵の実)

生命の種には2種類存在しました。アダム(生命の実)とリリス(知恵の実)です。アダムは永遠の命を持っていますが、知恵はありません。一方、リリスは寿命がありますが、知恵を授けられています。 つまり、使徒とはアダムの子孫であり、人間がリリスの子孫なのです…! 1つの星につき、どちらかの生命の種が月によって運ばれる仕組みです。アダムは「白き月」、リリスは「黒き月」にそれぞれ乗っています。

【歴史②】ミスってアダムとリリスどちらも地球に落ちてしまう

これが「ファースト・インパクト」

本来、1つの惑星には1つの種が着床します。地球には先にアダムを乗せた「白き月」が後の南極大陸に着床。ところが、別の惑星に行くはずだったリリスの「黒き月」も地球(のちの日本)に着床してしまいます。 この約40億年前に起きた「黒き月」の衝突が「ファーストインパクト」です。先に活動準備に入っていたアダムと使徒の卵は、その衝撃で休眠状態へ。 一方、リリスの成分は地球と混ざり合い生命が誕生。のちにリリン(人類)が繁栄します。

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【歴史③】使徒襲来の予言と「人類補完計画」

1つの惑星に1つの生命の種という原則から外れ、誤って2つの生命の種が着床してしまった地球。両者が邂逅した場合、_種の生存をかけて使徒(アダム子孫)対人類(リリス子孫)の戦いが始まる_ことになってしまいます。 先に繁栄した人類は、第一始祖民族によるマニュアル=「死海文書」を入手。そこには2015年に使徒が目覚めて母であるアダムに還ろうとすることや、封印装置であるロンギヌスの槍の運用方法などが記されていました。 そして、この死海文書の内容をもとに、人類を新たな次元へと進化させる「人類補完計画」が生まれ、実行するための組織として「ゼーレ」が誕生します。

【歴史④】アダムの覚醒を防ぐため大災害を起こす

これが「セカンドインパクト」

死海文書を手に入れた秘密結社・ゼーレの調査隊はついにアダムを発見。他の使徒が目覚める前にアダムをロンギヌスの槍で貫き、もとの卵の姿に戻そうとしました。 この際に発生したエネルギーが起こした大災害が「セカンドインパクト」です。表向きは巨大隕石の落下として処理されましたが、最終的に世界の人口は半分となりました。海は赤く変色し、生態系や気候も大きく変動することに。 この爆発でアダムの肉体はバラバラになり、魂は渚カヲルとなります。この事故も、ゼーレが「人類補完計画」のもと進めた人為的災害だったのです。

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ゼーレの目的は?ネルフ・碇ゲンドウとの違いを比較

表の目的:使徒から地球を守る

セカンドインパクトを人為的に引き起こしたゼーレは、_人類を使徒から守るための特務機関NERVに指令を下す上位機関_です。 アダムにリリン(人類)以外の使徒が接触すると「サードインパクト」が発生して人類が滅びてしまいます。NERVはこれを阻止するという名目で作られた機関です。実際はゼーレにとっての人類補完計画の実働部隊といったところですね。 NERVとゼーレとの繋がりは極秘事項となっており、NERV職員ですら表向きの目的しか知りません。

裏の目的:「サードインパクト」を起こし人類を神へ進化

これが「人類補完計画」

アダムとリリスの融合で発生するサードインパクトは、人類の持つ自他の境界を無に帰します。その結果、_人類の肉体は崩壊し、「L.C.L」と呼ばれる液体に全人類が還元された状態となるのです。_これこそゼーレが目指や碇ゲンドウが目指す「人類補完計画」です。 個体を捨ててひとつとなった人類は、使徒と同等の完全単一生命体となります。それはいわば神と呼ばれる存在。単体では弱く出来損ないな人類を、完全な生物=神に進化させることが彼らの真の目的でした。

碇ゲンドウの真の目的は?

ゼーレと協力関係にあるように見える碇ゲンドウですが、彼が人類補完計画を進めたい真の理由は、初号機に取り込まれている妻・ユイと再会することです。 新劇場版では最終インパクトである「アディショナルインパクト」を目指していました。全生命を融合させた後、魂の海の中でユイと再会して、死すらもない世界で永遠に共に生きることが彼の目的です。

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【相関図】意外とドロドロ?人間関係をわかりやすく解説!

エヴァ 相関図

色々と世界観が複雑なエヴァンゲリオンでは、それぞれのキャラクターの立ち位置や目的がこんがらがりがちです。しかし、実はそのほとんどは「痴情のもつれ」として説明がつくのです! その中心にいるのは、碇ゲンドウと碇ユイ。大人世代の登場人物は、だいたいどっちかに狂わされてます。 「エヴァンゲリオン」シリーズは、表面で起こっていることこそ大規模で複雑ですが、実はすごく小規模で個人的なものがテーマになっています。

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』あらすじ解説【1995年~1996年】

葛藤の中で進む少年・碇シンジ

ストーリー開始の15年前、セカンドインパクトという大災害により人口が半減した世界が舞台。主人公・碇シンジは父親の碇ゲンドウに呼び出され、第3新東京市に出向きます。 そこで彼は使徒を迎撃するEVAに搭乗するため呼び出されたことを知り、ボロボロになりながらEVAに乗ろうとする少女・綾波レイと出会うことに。 襲来する使徒と戦う中で、同級生や綾波とぶつかりながら少しずつ心を通わせ成長を見せていくシンジ。そんな折、彼は保護者役である葛城(かつらぎ)ミサトから、NERVが使徒と戦う理由について聞かされます。 その内容はセカンドインパクトは隕石衝突ではなく、第1使徒・アダムの発見に関連して起きた爆発であること。使徒殲滅(せんめつ)をしなければ今後同様のサードインパクトが起きてしまうというものでした。

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精神崩壊の末にたどり着いたシンジの答え

NERVには弐号機パイロットの惣流・アスカ・ラングレー が合流。3人のパイロットは使徒との死闘を繰り広げていきます。 一度は戦いから逃げ出したシンジでしたが、自爆覚悟で戦う綾波レイの姿を見て戦う覚悟を決めることに。シンジが自らの意志で初号機に乗ったことで初号機は覚醒、かつてない力を発揮するのでした。 戦いの中でシンジの仲間と呼べる人たちは次々と戦線を離脱していきます。人造人間であった綾波レイも「3人目」となってしまい、彼と過ごした頃の感情はリセットされていました。 そんな中、孤独を感じるシンジの元に渚(なぎさ)カヲルが現れます。その正体は最後の使徒・タブリス。カヲルに自分を殺すよう懇願されたシンジは、初号機で彼を握りつぶし、心を崩壊させるのでした。 最終話ではシンジの精神世界が登場し、彼は自分がどう世界と向き合うか考えることに。最終的に自分はここにいていいと自分の存在を認めることができ、それをこれまで関わってきた人たちに「おめでとう」と祝福され物語は終わります。

旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」 あらすじ解説【1997年~1998年】

『DEATH&REBIRTH(シト新生)』

「シト新生」はTVシリーズの最終話で回収しきれなかった伏線を回収する為に制作された作品。「DEATH」パートと「REBIRTH」パートに分かれており、「DEATH」パートではTVシリーズ1話から24話までを再編集した内容です。 このパートのあらすじはTVシリーズの内容を再構成したものになり、初見では内容を把握するのが難しいと言われています。「REBIRTH」パートは劇場版「Air/まごころを、君に」の前半部分までを描く内容です。 最後の使徒を倒したNERVに対して、ゲンドウと決裂したゼーレはサードインパクトを起こすためにNERVへの武力介入を行います。施設があっという間に占拠される中、気力を失ったシンジはミサトの命と引き換えにEVAへと到達。 精神崩壊を起こしていたアスカも弐号機の中で精神状態を取り戻していきます。そこへゼーレが送り込んだEVA量産機が投下され、ジオフロント上空を旋回しているところでエンディングを迎えます。

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『Air/まごころを、君に』

_「Air/まごころを、君に」はTVシリーズの渚カヲルが死んだ直後からスタート。_サードインパクトを目論(もくろ)むゼーレの武力介入によりNERVは施設を占拠され、精神崩壊したシンジとアスカは仲間たちに死守されます。 弐号機の中で精神状態を取り戻したアスカは、ゼーレの差し向けたEVA量産機と激しい戦闘を展開。最後はロンギヌスの槍(やり)に貫かれ、量産機が群がりついばむ中で完全に沈黙します。意を決して戦場に立ったシンジが目にしたのは、その無残な光景でした。 絶望したシンジと初号機を依代(よりしろ)に、サードインパクトが始まります。やがて人類は液状化し、ひとつに補完されていくことに。その中でシンジは自他の内面と向き合い、個人が存在する元の世界を望むのでした。 サードインパクトは中断され元の世界に戻ったシンジは、最後まで自分を拒絶したアスカの首を締めます。彼女に頬を撫でられなにかに気づいたシンジは、手を離し泣きじゃくるのでした。そんな彼にアスカが「気持ち悪い」と言い放って映画は終わります。

『DEATH (TRUE)2/Air/まごころを、君に』

「シト新生」の「DEATH」パートを再々修正した内容と、「Air / まごころを、君に」の内容をつなげたものがこの作品です。 あらすじの変更はありません。本来TVシリーズ完結後にこの構成で劇場版を公開予定でしたが、公開予定日に間に合わないことが判明したため、製作途中の25話を含む「シト新生」が上映されました。 本作では当初の意図通り、TVシリーズ24話までの総集編と新解釈での25話・26話がつながっており、いわば完成品といえる作品です。

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』あらすじ解説【2007年】

シンジとEVAの出会い

人類の半分が死んだとされる大災害「セカンドインパクト」から15年。主人公・碇シンジは数年ぶりに父親の碇ゲンドウに呼び出され、ゲンドウが国連直属の特務機関「NERV」の最高司令官であることを明かされます。 NERVのある第3新東京市に向かう途中、人類の敵・使徒と国連軍の戦いに巻き込まれるシンジ。シンジは使徒に唯一対抗できる汎用ヒト型決戦兵器、エヴァンゲリオン初号機のパイロットとして呼び出されたのです。 ゲンドウから初号機に乗るように迫られ、1度は拒否するシンジ。しかしもうひとりのパイロット・綾波レイが重症をおして初号機に乗ろうとしているのを見て覚悟を決め、エヴァンゲリオンに搭乗します。 なんとかエヴァンゲリオンを動かせたシンジでしたが、使徒相手に為す術もなくやられてしまいます。初号機は突如、気絶したシンジを乗せたまま暴走。使徒を圧倒し、自爆に追い込んで勝利します。

シンジとレイの間で交わされる微笑みと謎の少年

第3新東京市の中学校に転校したシンジは、妹が戦闘に巻き込まれた同級生・鈴原トウジの恨みを買ってしまいました。そこへ現れる新たな使徒と戦っている最中、シンジは戦闘に巻き込まれかけたトウジを助け、撤退命令を無視して使徒を殲滅することに成功。 さらに新たな使徒が現れ、初号機で迎え撃ったシンジは遠距離から狙撃されて負傷してしまいます。使徒はNERV本部地下に磔になっている使徒「リリス」と接触し、セカンドインパクト同様の災害「サードインパクト」を引き起こそうとしていたのです。 負傷により恐怖を覚えて初号機への搭乗を渋っていたシンジ。しかし使徒の目的を聞き、再び初号機に乗ることを受け入れます。負傷から回復したレイと共に、使徒を遠距離から狙撃するヤシマ作戦に参加することに。 一度目の狙撃が致命傷とならず反撃されたシンジは再び恐怖に震えますが、奮起して再度引き金に指をかけます。再び初号機を狙ってきた使徒の攻撃をレイが捨て身で防ぎ、シンジは今度こそ使徒を撃ち抜くことに成功。使徒を無事撃退したのでした。 シンジがレイに駆け寄ると、彼女はこういう時にどうしたらいいか分からないと困惑します。彼は「笑えばいいと思うよ」と声をかけ、微笑みかけるのでした。その頃月では、謎の少年が目を覚ましていたのです。

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』あらすじ解説【2009年】

新パイロット・マリの登場

エヴァ弐号機のパイロット、式波(しきなみ)・アスカ・ラングレーが来日。謎のパイロット、真希波(まきなみ)・マリ・イラストリアスも初登場するなど、物語は旧劇場版やアニメとは大きく違ったものになります。 アスカの搭乗していた起動実験中の参号機が使徒に乗っ取られて暴走。ゲンドウに参号機撃破指示を出されたシンジですが、中身がアスカだと知って拒否します。 戦意喪失したシンジの代わりにダミープラグを起動した初号機が参号機を破壊。目の前で初号機が、アスカの乗っているエントリープラグを噛み砕いたのを目にしたシンジはNERVを去り、エヴァのパイロットをやめました。

世界を救うMark.06と渚カヲル

シンジがエヴァから降りた後に、NERVに第10使徒が襲来します。この使徒は圧倒的な力を持っており、マリや綾波レイを倒していくのでした。ついに使徒はレイが乗る零号機を捕食してしまいます。それを知ったシンジは、再度自らの意志でエヴァに乗ることを決意。 これまでにないほど奮起したシンジは見事にレイを救いますが、その過程で零号機のコアと使徒を初号機が吸収したことで疑似的サードインパクトが発生しかけます。地球に大災害が起ころうとした時、空から降ってきたロンギヌスの槍に貫かれて事態は収束。 月面からやって来たのは渚カヲルでした。彼の操るエヴァ六号機(Mark.06)が世界を救ったところで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は終わります。

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』あらすじ解説【2012年】

シンジが目覚めた14年後の世界

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の後作中に描かれなかった場面で、結局はニア・サードインパクトを起こした碇シンジは衛星軌道上に初号機に乗って浮かんでいました。そこから式波・アスカ・ラングレーによってサルベージされたシンジは、自分が14年もの間、眠っていたことを知ります。 ミサトやアスカは反NERV組織ヴィレを結成。各地で使徒やNERVのエヴァと戦っています。状況がわからずに呆然とするシンジは、ヴィレからいざというときに爆発する首輪を付けられました。 誰にも何が起きたか教えてもらえずに彷徨う中、NERVからの刺客・綾波レイのクローンがやって来て碇シンジを勧誘。シンジは綾波について、ヴィレを後にします。 NERV本拠地にて渚カヲルと出会ったシンジは、_自分が起こした大災害によって世界がめちゃくちゃになったことを知り絶望します。_そんなシンジにゲンドウは13号機に乗ることを命令。強く拒むシンジでしたが渚カヲルにこの機に乗じてニアサードインパクトによってこの世界をやり直せる可能性があると聞きます。

渚カヲルの最期とクローンのアヤナミレイ

シンジと渚カヲルはエヴァ13号機に乗ってニア・サードインパクトの爆心地、セントラルドグマへと向かいます。そこには人類補完計画の発動のキーである槍が2本ありました。 それぞれをシンジとカヲルが用いる作戦でしたが、そこにあった槍は本来あるべきものと違うことを渚カヲルは見抜きます。同行者であったクローン・綾波レイが乗っていたMark.06に潜んでいた使徒を取り込んだエヴァ13号機は、フォースインパクトの引き金となってしまうのでした。 全てがゲンドウの策であることを気づいたカヲルは、_フォースインパクトの発動者となるエヴァ13号機にはパイロットが2名必要なのを逆手に取り、首輪によって自殺。_これによって搭乗者が欠けた13号機は沈黙し、フォースインパクトは防がれました。 何もかもが裏目に出たことに打ちひしがれたシンジの元にやって来たのはアスカ。彼の手を引いて立ち上がらせるとヴィレが迎えに来る場所へと歩き出します。その後ろからクローン・レイもついていき、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は幕を下ろしました。

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新劇場版完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で待ち受ける結末はいかに?

旧作にはなかった14年後、ヴィレ、アヤナミレイといった新要素が次々登場した「Q」を経て、物語はどんな着地を見せたのか。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の結末が気になるという人は下記記事で解説しているのでぜひチェックしてみてください!