2021年3月5日更新

ダース・モールが「ハン・ソロ」に登場!復活の理由を徹底解説【スター・ウォーズ】

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ダース・モール(レイ・パーク)
©Lucasfilm Ltd./20th Century Fox/zetaimage

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ダース・モールを徹底解説!「ハン・ソロ」でまさかの登場

ダース・モール スター・ウォーズ ファントム・メナス
©LUCASFILM

新3部作第1弾『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)に登場したダース・モール。スター・ウォーズファンから根強い人気を誇る悪役として、今もなお愛されているキャラクターです。 ダース・モールはザブラクという種族の、ダソミアのナイトブラザーと呼ばれる氏族の出身です。ちなみにジェダイであるイース・コスやエージェン・コーラーも同族出身です。特徴として、頭に角が生えており、全身に赤と黒の刺青をまとっています。 「ファントム・メナス」で死んだと思われていたダース・モールですが、スピンオフ映画『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年)で再登場しました。この記事ではそもそもダース・モールとは誰なのか、なぜ生きていたのかを解説します。

「ファントム・メナス」で初登場 圧巻のダースモール戦

ダース・モールは、ダース・シディアスの弟子として長年ジェダイ打倒を目標としており、「ナブー危機」でついにその機会を得ます。シディアスの表向きの顔であるパルパティーン元老院議員が、トレード・フェデレーションを使って惑星ナブーを侵略した事件です。 ダース・モールはナブーから逃れたアミダラ女王を探しにタトゥイーンへ向かいます。タトゥイーンを去る直前に女王を見つけ出したダース・モールは、そこでクワイ=ガン・ジンと激しいライトセーバー戦を繰り広げました。 タトゥイーンでの対決は引き分けに終わり、アミダラ女王はジェダイとともに再びナブーへ。ダース・モールはシディアスから彼女たちを追うよう命じられ、シード・ハンガーでクワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービを待ち受けていました。

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オビ・ワン=ケノービとの最後の対決で奈落の底へ……

スターウォーズ ファントム・メナス
©Lucasfilm Ltd/zetaimage

ダース・モールは2人を1度に相手にし、シード・ハンガーの格納庫から動力発生施設へ戦場を移していきます。その間、モールはオビ=ワンを階下へ蹴り落として、クワイ=ガンとの一騎討ちに持ち込みました。 レーザーの隔壁で区切られた場所で戦う2人の間に入れず、ただ見守るオビ=ワン。そこでモールはクワイ=ガンの腹にライトセーバーを突き刺して致命傷を与えます。 師匠が殺されるのを見て逆上したオビ=ワンは、フォースを利用して師のライトセーバーを手元に引き寄せて形勢逆転し、モールの胴体を両断。モールの身体は上下2つに割れ、シャフトの奥底に落ちていきました。

ダース・モールは生きていた!「クローン・ウォーズ」で復活【下半身が……】

「ファントム・メナス」でオビ=ワンに敗れ、奈落の底へと消えて行ったダース・モール。しかし実際には死んでいませんでした。 エピソード2とエピソード3の間の物語を描いた3Dアニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』で、ダース・モールは正気を失った状態で見つかります。 シーズン3で生存が明かされ、シーズン4ではサヴァージによって発見されます。彼の下半身は蜘蛛のような足になっていました。 その後ダソミアの魔女マザー・タルジンの魔力によって完全復活したダース・モールは、オビ=ワンへの復讐を誓うのでした。

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スピンオフ映画「ハン・ソロ」で再び登場!

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』チューバッカ、オールデン・エアエンライク
© Supplied by LMK/zetaimage

実はかなりの紆余曲折を経て生き長らえていたダース・モール。下半身はサイボーグと化したものの、クローン戦争では第三勢力として参戦し、犯罪帝国「シャドウ・コレクティヴ」を築き上げています。 帝国時代には故郷ダソミアに戻り、犯罪組織「クリムゾン・ドーン」の影の支配者となっていました。スピンオフ映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年)には、ホログラムの姿で再登場しています。 表向きのリーダーはドライデン・ヴォスですが、ハン・ソロのコアクシウム強奪作戦の後トラブルになり、副官のキーラがヴォスを殺害。その後キーラが連絡を取ったのが、ダース・モールでした。 モールはキーラにダソミアへ来るように言い、ライトセーバーを起動しながら脅しました。ハンの恋人だったキーラが彼と一緒に逃げなかったのは、モールの支配があったからでしょう。

「反乱者たち」で描かれたオビ=ワンとの最後の決戦

ナブーで敗れた後長らく、オビ=ワンへの復讐心を燃やして生き延びてきたダース・モール。テレビアニメシリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』では、ついにその復讐を遂げる機会が訪れます。 タトゥイーンで隠遁生活を送るオビ=ワンの居場所を突き止めたモールは、年老いた彼を嘲笑。ライトセーバーを起動して、「ルークを守るためにここに居る」と指摘します。 オビ=ワンもライトセーバーを構え、2人はあのナブーでの戦いをなぞるように相対し、オビ=ワンは師のクワイ=ガンを切った太刀筋を回避してモールに致命傷を与えました。 ルークがフォースのバランスを取り戻す「選ばれし者」であることを知ったモールは、安堵して息を引き取ります。

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ダースモールを演じた俳優はレイ・パーク

ダース・モールを演じたのは、レイ・パークというイギリス出身のスタントマン。 『モータル・コンバット2』(1997年米公開)や『G.I.ジョー』(2009年)でスタントマンを務めました。『モータル・コンバット2』出演後、エピソード1でスタントディレクターを担当していたニック・ギラードから声をかけられ、ダース・モールを演じることになったといいます。 実は当初、戦闘シーンやスタントシーンだけを撮る予定だったとか。しかしメイクアップをしたレイ・パークの姿をジョージ・ルーカスが気に入り、そのまま俳優として演じることになりました。 またダース・モールにはセリフが5つほどしかありませんが、声の演技は『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)などに出演しているピーター・セラフィノウィッツが担当しています。

あのダブル=ブレード・ライトセーバーは手作り?

『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』ダース・モール(レイ・パーク)
©Lucasfilm Ltd./20th Century Fox/zetaimage

ダース・モールといえば、中央に柄のついたダブル=ブレード・ライトセーバーがトレードマークになっていますね。 実はその個性的なライトセーバーは、ダース・モール本人が自ら作ったものです。この武器は、ダース・モールの祖先にあたる種族のザボカという武器をもとにデザインされました。 銀河帝国ではもともと練習用の武器として使われていましたが、使い手にも危険が及ぶため、名人級の腕前をもつダース・モールしか使わなくなったようです。 ダース・モールは2本の同じライトセーバーを連結して、ダブル=ブレード・ライトセーバーを作りました。必要に応じて2本同時に起動することも、片方だけ起動することもできます。

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ダース・モールが死んだようにみせかけていたのは制作上の都合かも?

上で述べたように、ダース・モールは実は生きていましたが、その後のエピソード2~3ではまったく姿を現しません。登場しないのはなぜでしょうか? それには作品の物語や設定上、出すことができなかった制作上の都合があるからではないかと考えられます。その不都合な理由を考察してみました。

1.どんな設定を考えたとしてもダース・モールが生きていることに説得力がない?

「ファントム・メナス」のクライマックス。ダース・モールとの戦いでリーアム・ニーソン演じるクワイ=ガン・ジンが息絶え、一方ユアン・マクレガー演じるオビ=ワンはダース・モールに圧倒され危機一発の状況。 しかしクワイ=ガン・ジンが残したライトセイバーを使って一発逆転し、ダース・モールは奈落の底へ転落していきます。これ以上、スリリングで素晴らしい展開があるとは思えません。 ダース・モールを無理やり生き延びさせる展開としては、クワイ=ガン・ジンを倒した後、オビ=ワンの下から逃げ出すダース・モール。もしくは、オビ=ワンが穴のヘリにしがみついているとは知らずに、そのまま立ち去るダース・モールなど……。 どちらもダース・モールのイメージを崩してまでやるべき展開ではなさそうですね。

2.生きていたら「ファントム・メナス」のプロットに欠陥が生じる?

「ファントム・メナス」では、ジェダイがナブーを解放するために奮闘。ダース・モールが登場し、それを阻止しようとします。 もしも今作でダース・モールが生き延びる結末を迎えていたら、大きな問題が生じていたでしょう。 ダース・モールが無傷または穴に落ちただけだった場合、シスとアミダラ女王が同じ建物にいる中、映画の幕が閉じることに。 ダース・モールは必ず、アミダラの計画を潰すでしょう。その場合、後に起きるイベントをすべて書き変えることになるなど、プロットに欠陥が生じます。

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4.クリストファー・リーの出番を増やした?

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』ドゥークー伯爵/クリストファー・リー
© LUCASFILM/zetaimage

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのサルマンを演じたことで有名な名優クリストファー・リー。彼は「エピソード2/クローンの攻撃」でドゥークー伯爵を演じていました。 マイケル・キミンスキーの著書「The History of Star Wars」によると、ドゥークー伯爵はターキンのような政治家で、現在知られるドゥークー伯爵とはまったく異なる設定だったそうです。 クリストファー・リーの素晴らしい声や演技によってドゥークー伯爵はより魅力的に、ジェダイたちともしっかり対話できるキャラクターとして描かれていました。 一方、ダース・モールのセリフは最小限で無口。さらにセリフはアフレコです。ダース・モールはドゥークー伯爵のような役回りは到底出来ません。 しかしファントム・メナスでダース・モールが死んだことになっていなければ、ここまでドゥーク伯爵の出番は多くなかったはずです。

4.ダース・モールの死を含めて完璧なバトルだった?

「ファントム・メナス」のダース・モール対クワイ=ガン・ジン、オビ=ワンのライトセーバーバトルは、「スター・ウォーズ」シリーズを通して特に人気が高いシーンです。 ライトセーバーがうねり躍動し「エピソード4/新たなる希望」よりも美しく優雅。「エピソード3/シスの逆襲」よりもリアルで戦略的なバトル。そして流れるサウンドトラックはシリーズの中でべストと言って良いほど。 シリーズすべての場面の中でも、ベストシーンとして挙げる人は多いのではないでしょうか。 もし本作でダース・モールが生き延びる結末になっていたら、あそこまでの名場面にはなっていなかったはずです。ラストバトルでの衝撃的な死に様は、ダース・モールが人気キャラクターになった大きな要因の1つでした。

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5.ダース・モールは「ファントム・メナス」でピークだった?

『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』ダース・モール(レイ・パーク)、クワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)、オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)
©Lucasfilm Ltd./20th Century Fox/Photofest/zetaimage

ジョージ・ルーカスはダース・モールを「剣士のヴィラン」と表現しています。つまりダース・モールは物理的にジェダイの脅威となる悪役です。 「ファントム・メナス」のダース・モールがジェダイの脅威となり、観客を惹きつける役割をしていたことは確かです。しかしエピソード2、3でそのテンションを保つことはほぼ不可能だったはずです。 「スター・ウォーズ」シリーズ初のライトセーバーバトルは、「新たなる希望」での年老いたオビ=ワンとダース・ベイダーのバトルでした。特殊効果やサウンドトラックはとてもエキサイティングなものでしたが、殺陣は息を呑むとまではいきませんでした。 「エピソード5/帝国の逆襲」のルークとダース・ベイダーのバトルはより緊張感が保たれ、ドラマティックなバトルに。「エピソード6/ジェダイの帰還」は殺陣がよりエキサイティングになり、驚愕の展開が待ち受けていました。 「ファントム・メナス」のバトルはすべての力が解き放たれたかのような圧倒的なパワーと緊張感、まさに会心の出来でした。それはもちろん、ダース・モールの死がセットだと言えます。 ダース・モールはあの場面でピークを迎え、少なくともメインエピソードでは完全に役割を終えていました。

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ダース・モールにまつわるトリビアを紹介

「ハン・ソロ」登場の裏話

『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』ハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)、キーラ(エミリア・クラーク)
©Walt Disney Studios Motion Pictures/Photofest/zetaimage

実は「ハン・ソロ」の制作が終盤になるまで、ダース・モールが出演することは決まっていなかったそう!脚本には「ボス」と書かれていただけだったとか。 モールの登場シーンは最小限のスタッフで、極秘裏に撮影されたといいます。キーラ役のエミリア・クラークも、ラストシーンでまさか自分がモールに話しかけているとは思わなかったようです。 演じたのはもちろんレイ・パークでしたが、声を担当したのは「ファントム・メナス」のピーター・セラフィノウィッツではなく、アニメで声を当てていたサム・ウィットワーでした。

ダースモールには弟がいた?

あまり知られてはいないと思いますが、実はダース・モールには弟が存在します。名前は、サヴァージ・オプレスといい、ダース・モール同様ダブル=ブレード・ライトセイバーの使い手で、ナイトブラザー氏族伝統の刺青を入れています。 サヴァージはテレビアニメシリーズの「クローン・ウォーズ」に登場しています。非常に戦闘能力に優れた戦士で、ダブル=ブレード・ライトセイバーの他に電動斧を使いこなします。 ちなみにダース・モールにはもう1人、フェラルという弟もいます。

ダース・モールをデザインしたのはイアン・マッケイグ

ダース・モール(レイ・パーク)
©Lucasfilm Ltd./20th Century Fox/zetaimage

ダース・モールのデザインはイアン・マッケイグによって生み出されました。 イアン・マッケイグは「ファントム・メナス」を含む新3部作で、コンセプトアートを務めた人物。エピソード2とエピソード3の間を描いたアニメ「クローン・ウォーズ」に登場するダソミアの魔女も彼のデザインから生まれたキャラクターです。 ダース・モールの最終デザインが決定するまでの間、マッケイグは試行錯誤を繰り返し、皮を剥いだ顔など様々なデザイン案が考えられていたそうです。 ダソミアの魔女はエピソード1では登場していませんでしたが、最新シリーズで登場することになるかもしれません。 ちなみにイアン・マッケイグはパドメ・アミダラの衣装をデザインした人物でもあります。

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ピアスをつけているのは予定外だった?

ダース・モールの耳に小さなシルバーピアスがあることに気づいていたでしょうか? キャラクターのコスチュームやディテールからファンは様々なバックストーリーを想像するものですが、このピアスはダース・モールの歴史とは何ら関係ありません。 ピアスはダース・モールを演じたレイ・パークの自前で、ダース・モールのメイクをしてもらう前に身に着けていたピアスでした。 スタッフはそのことに気づかず撮影を開始、撮影後にジョージ・ルーカスがピアスを気に入ったためにダース・モールはピアスを着けたキャラクターになったそうです。 インタビューでレイ・パーク自身がピアスはダース・モールの役作りではなく、単にファッションだったと語っていました。 またレイ・パークはダース・モールのファイトスタイルにも影響を与えています。効果的な動きができるように、ライトセイバーの柄を伸ばす提案をして、その案が採用されています。

ダース・モールには2人の母親がいる?

ダース・モールのストーリーをコミック化した「Darth Maul: Son of Dathomir」で、タルジンがダース・モールの母親だという場面がありました。 しかしスター・ウォーズのヤングアダルト小説「The Wrath of Darth Maul」ではブルー・デザートシティのナイトシスター・カイシナがダース・モールの母親の設定で、「スター・ウォーズ レジェンズ」に記載されているダース・モールの歴史と一致しません。 まだタルジンが嘘をついている可能性がありますが、これではダース・モールの母親が2人いることになってしまいます。 「クローン・ウォーズ」ではダース・モールの弟サヴァージとフェラルが登場しており、ダース・モールの父親が気になるところです。

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「スター・ウォーズ8/最後のジェダイ」で復活疑惑があった

そんなダース・モールが、2017年12月公開のエピソード8『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で復活するのではないかといわれていました。当初は本作のロゴが赤だったことから、そのような憶測が飛び交っていたのです。 その理由として大きいのは、ダース・モールの生死が明確になっていなかったこと。 先述したオビ=ワン・ケノービとの戦いで、ダース・モールは死亡したかのように見えましたが、テレビアニメシリーズ「クローン・ウォーズ」で復活。下半身がサイボーグとなった姿で再登場しました。 あれほどインパクトのあるキャラクターが、映画では1作しか登場していないのを不思議に思うファンも多くいたようです。

承認欲求が強い?

「Darth Maul: Son of Dathomir」に、ダース・モールがドゥークー伯爵とグリーヴァス将軍を捕らえる場面があります。 その後、ダース・モールはダース・シディアスに自身の手柄を見せつけることになりますが、これはシスの暗黒卿が間違っていたことを知らしめるためでした。師匠ダース・シディアスにリベンジを試みたと同時に、ダース・モールには強い承認欲求があったことが窺えます。 長い間シディアスと師弟関係だったことを考えると、とても感慨深い場面です。

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魅力的なキャラクター!ダース・モールの今後は?

「スカイウォーカー・サーガ」には、「エピソード1/ファントム・メナス」にしか登場しないダース・モール。しかしその1度の出演で、スター・ウォーズファンの心をとらえた魅力的なキャラクターでした。 スピンオフ映画「ハン・ソロ」での再登場もアニメシリーズでの活躍も、そんなファンの願いが制作陣に届いたものかもしれません。今後ももし新たな「スター・ウォーズ」シリーズで登場することがあれば、その雄姿を見ないわけにはいきませんね!